- 施工管理技士を持っていれば、建設業許可の技術者になれる?
- 「専任技術者」が「営業所技術者」に変わったって本当?いつから?
- 2級建築の「建築・躯体・仕上げ」で、使える業種が違うの?
- 電気工事や管工事の施工管理技士だと、どの業種までいける?
- 資格のあとに実務経験が要る業種があるって聞いた。何年?
- 技士補(一次合格)でも許可の技術者になれる?
- 解体工事業は施工管理技士で取れる?
- 特定建設業に切り替えるなら1級が要る?2級じゃ無理?
- 営業所の技術者と、現場の主任技術者は同じ人でいい?
- 国の一覧表ってどこにある?最新版はいつのもの?
上記の様な悩みを解決します。
建設業許可で営業所ごとに専任で置く営業所技術者(旧称は専任技術者)には、施工管理技士があればなれます。ただし、どの業種に当てられるかは検定種目・1級か2級か・2級の種別で決まり、業種によっては合格後に1級は3年、2級は5年の実務経験が要ります。国の一覧表で特定建設業の側(赤)になる施工管理技士は、1級の第二次検定に合格した人の、一部の業種だけです。
業種追加や特定への切り替えを考え始めると、「この社員の資格で、どの業種の許可にいけるのか」が一番知りたいところです。ところが今回確認した範囲の解説記事では、主な業種だけを抜き出した表が中心で、合格後に要る実務年数や技士補の扱い、2級の種別ごとの差、解体工事業の注記までは載っていないものが多かったんですよね。今回は呼び名の変更・一般と特定の違い・業種ごとの対応資格といった基本を押さえた上で、国土交通省の一覧表(令和7年12月18日)にある施工管理技士の全行を、色と年数を落とさずに並べ直し、施行規則と告示の条文まで遡って、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、許可の書類を初めて担当する総務の方にも読みやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
施工管理技士は営業所技術者になれる。決め手は資格と業種の組み合わせ
結論として、施工管理技士は建設業許可の営業所技術者になれます。ただし「施工管理技士なら何の許可でも」ではありません。検定種目(建築・土木・電気など)と級、2級なら種別ごとに、当てられる業種と条件が国の一覧表で1マスずつ決まっています。
条文での営業所技術者の定義
一般建設業の許可基準を定めた建設業法第7条は、第2号で、営業所ごとに置く技術者を「営業所技術者」と呼び、その中身を「建設工事の請負契約の締結及び履行の業務に関する技術上の管理をつかさどる者」と定めています。そのうえで、この人を「専任の者として置く者であること」を許可の条件にしています(建設業法 第7条第2号・令和6年法律第49号による改正後)。特定建設業の許可基準である第15条第2号も同じ組み立てで、こちらの呼び名は「特定営業所技術者」です(建設業法 第15条第2号・同改正後)。
呼び名が変わったのは、令和6年法律第49号の該当部分が施行された令和6年12月13日からです(同法 附則第1条第3号)。国土交通省関東地方整備局の資料にも「営業所の専任技術者の名称が変更されました。一般建設業:営業所技術者、特定建設業:特定営業所技術者」と書かれています(関東地方整備局 建政部「建設工事の適正な施工を確保するための建設業法(令和8.2版)」)。「専任技術者」は条文の語ではなく通称で、改正前の条文は「専任のもの」、改正後の条文は「専任の者として置く」です。呼び名は変わっても、営業所に専任で置くという点は条文に残っています。
施工管理技士はハのルートで入る
第7条第2号は、営業所技術者に当てられる人をイ・ロ・ハに分けています。イは高校や大学などで所定の学科を修め、卒業した後の実務経験年数で決まるルートです。施工管理技士が入るのはハで、イ又はロに掲げる者と同等以上の知識・技術・技能があると国土交通大臣が認定する者として、建設業法施行規則第7条の3に業種ごとの表で並んでいます(建設業法施行規則 第7条の3・令和5年7月1日施行の改正後)。特定の側は、第15条第2号イの試験(告示の件名にいう「国土交通大臣が定める試験及び免許」)として、告示で業種ごとに決められています(昭和63年建設省告示第1317号・令和5年国土交通省告示第524号による改正後)。現場に置く監理技術者になれるルートの全体は 監理技術者になれる人と資格の整理 で扱っています。
国の一覧表と、色と数字の意味
資格と業種の組み合わせを1枚で見られるのが、国土交通省の「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧(令和7年12月18日)」です。業種が列、資格が行に並び、業種の列は29あります。表の中は「◎」「○」のような記号ではなく、色と数字で表されています(国土交通省「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧(令和7年12月18日)」p.1)。凡例はこうです。
- 赤:特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得る国家資格
- 黄:一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)となり得る国家資格
- 枠内の数字:資格取得後、必要な当該業種の実務経験年数
- (※)赤の資格を持つ人は、黄の側(一般建設業)にもなり得る
施工管理技士の行で見ると、赤が付いているのは1級施工管理技士の行だけで、2級の行に赤はありません。1級でも、赤になる業種は資格ごとに限られています。級の違いそのものは 施工管理技士の1級と2級の違い にまとめているので、ここからは業種の当てはめに絞って見ていきます。
早見表:施工管理技士の1級・2級で当てられる業種と実務年数
一覧表の施工管理技士の行を、1級と2級に分けて並べ直しました。出典はどちらも国土交通省「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧(令和7年12月18日)」p.1です。表に載っていない業種は、その資格の行では色も数字も付いていない業種です。施工管理技士の検定種目は、建設機械施工管理・土木施工管理・建築施工管理・電気工事施工管理・管工事施工管理・電気通信工事施工管理・造園施工管理の7つです(建設業法施行令 第37条・旧第34条)。
1級は赤が付く業種と、黄で3年が要る業種に分かれる
| 資格 | 赤(特定・一般とも) | 赤・注1 | 黄・実務3年 |
|---|---|---|---|
| 1級建設機械施工管理技士 | 土木/とび・土工/舗装 | なし | なし |
| 1級土木施工管理技士 | 土木/とび・土工/石/鋼構造物/舗装/しゅんせつ/塗装/水道施設 | 解体 | 左官/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/防水/熱絶縁/さく井/清掃施設 |
| 1級建築施工管理技士 | 建築/大工/左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鋼構造物/鉄筋/板金/ガラス/塗装/防水/内装仕上/熱絶縁/建具 | 解体 | 機械器具設置/水道施設/消防施設/清掃施設 |
| 1級電気工事施工管理技士 | 電気 | なし | 機械器具設置/消防施設 |
| 1級管工事施工管理技士 | 管 | なし | 鉄筋/しゅんせつ/板金/機械器具設置/熱絶縁/さく井/建具/水道施設/消防施設/清掃施設 |
| 1級電気通信工事施工管理技士 | 電気通信 | なし | なし |
| 1級造園施工管理技士 | 造園 | なし | 左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/しゅんせつ/塗装/防水/熱絶縁/さく井/水道施設/清掃施設/解体 |
1級の行で目を引くのは、1級建築でも全部の業種が赤ではないことです。機械器具設置・水道施設・消防施設・清掃施設の4業種は黄で、しかも数字の3が付いています。一覧表の行を数えると、赤の業種は1級建築が17(解体を含む)、1級土木が9(同)、1級建設機械が3、1級電気・1級管・1級電気通信・1級造園はそれぞれ1です。1級電気工事施工管理技士の赤は電気の1業種だけで、機械器具設置と消防施設は黄・3年になります。「注1」は解体工事業の注記で、中身は次の章で扱います。
2級は全部が黄。2級建築・2級土木は種別で中身が変わる
| 資格(種別) | 黄(実務年数なし) | 黄・注1 | 黄・実務5年 |
|---|---|---|---|
| 2級建設機械施工管理技士 | 土木/とび・土工/舗装 | なし | なし |
| 2級土木施工管理技士「土木」 | 土木/とび・土工/石/鋼構造物/舗装/しゅんせつ/水道施設 | 解体 | 左官/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/塗装/防水/熱絶縁/さく井/清掃施設 |
| 2級土木施工管理技士「鋼構造物塗装」 | 塗装 | なし | 左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/しゅんせつ/防水/熱絶縁/さく井/水道施設/清掃施設/解体 |
| 2級土木施工管理技士「薬液注入」 | とび・土工 | なし | 左官/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/しゅんせつ/塗装/防水/熱絶縁/さく井/水道施設/清掃施設/解体 |
| 2級建築施工管理技士「建築」 | 建築 | 解体 | 大工/左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/板金/ガラス/塗装/防水/内装仕上/機械器具設置/熱絶縁/建具/水道施設/消防施設/清掃施設 |
| 2級建築施工管理技士「躯体」 | 大工/とび・土工/タイル・れんが・ブロック/鋼構造物/鉄筋 | 解体 | 左官/石/屋根/板金/ガラス/塗装/防水/内装仕上/機械器具設置/熱絶縁/建具/水道施設/消防施設/清掃施設 |
| 2級建築施工管理技士「仕上げ」 | 大工/左官/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/板金/ガラス/塗装/防水/内装仕上/熱絶縁/建具 | なし | とび・土工/鉄筋/機械器具設置/水道施設/消防施設/清掃施設/解体 |
| 2級電気工事施工管理技士 | 電気 | なし | 機械器具設置/消防施設 |
| 2級管工事施工管理技士 | 管 | なし | 鉄筋/しゅんせつ/板金/機械器具設置/熱絶縁/さく井/建具/水道施設/消防施設/清掃施設 |
| 2級電気通信工事施工管理技士 | 電気通信 | なし | なし |
| 2級造園施工管理技士 | 造園 | なし | 左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/しゅんせつ/塗装/防水/熱絶縁/さく井/水道施設/清掃施設/解体 |
2級建築の「建築・躯体・仕上げ」は、第二次検定の検定種別です(施工技術検定規則 第1条第3項)。種別が違うと、同じ2級建築施工管理技士でも当てられる業種がはっきり分かれます。たとえば内装仕上工事業は、種別「仕上げ」なら黄で実務年数の条件なし、「建築」「躯体」なら黄・5年です。防水・建具・板金・ガラスも同じ並びです。反対に鋼構造物は「躯体」だけが黄で、「建築」と「仕上げ」の行には色がありません。
2級土木の種別(土木・鋼構造物塗装・薬液注入)は、二次に限らず2級の技術検定そのものの区分です(施工技術検定規則 第1条第2項)。種別「土木」は土木工事業を含む7業種が黄ですが、「鋼構造物塗装」で条件なしに当てられるのは塗装だけ、「薬液注入」はとび・土工だけです。2級土木の種別の中身は 2級土木施工管理技士の種別 で詳しく見られます。なお2級建設機械施工管理は検定種別が第一種〜第六種に分かれていますが(同規則 第1条第1項)、一覧表では1行にまとめられています。
合格のあとに実務経験が要る業種と、技士補の扱い
早見表の「3」「5」の数字は、資格を取った後に、その業種で何年の実務経験が要るかを表しています。ここを読み飛ばすと、「資格はあるのに、この業種の営業所技術者にはまだ当てられない」という食い違いが起きます。
施行規則の「合格した後〜年以上」という書き方
数字の根拠は、建設業法施行規則第7条の3の表です。たとえば機械器具設置工事業の欄は「技術検定のうち建築施工管理、電気工事施工管理又は管工事施工管理に係る一級の第一次検定又は第二次検定に合格した後機械器具設置工事に関し三年以上実務の経験を有する者」で、2級は同じ書き方で「五年以上」です(建設業法施行規則 第7条の3・令和5年7月1日施行の改正後)。消防施設工事業(建築・電気・管)、清掃施設工事業(土木・建築・管・造園)、さく井工事業(土木・管・造園)も同じ型で、1級は3年以上、2級は5年以上と書かれています。
読み取れることは2つあります。1つは、年数を数え始めるのが「合格した後」だという点です。もう1つは、対象が「第一次検定又は第二次検定」と書かれている点で、第一次検定だけに合格した人も、業種によっては同じ年数でこの欄に入ります。2級の書き方も同様で、内装仕上工事業なら「二級の第一次検定又は第二次検定(二級の第二次検定にあつては種別を「建築」又は「躯体」とするものに限る。)に合格した後内装仕上工事に関し五年以上実務の経験を有する者」です(同条)。2級建築の「建築」「躯体」が内装仕上で黄・5年になっているのは、この欄に対応しています。消防施設工事業の欄には、施工管理技士とは別に甲種・乙種の消防設備士の免状を受けた者も並んでいます(同条)。
技士補で当てられる業種
技士補は、第一次検定に合格した人の称号です。建設業法施行令の称号の規定は「第一次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士補とし、第二次検定に合格した者にあつては級及び検定種目の名称を冠する技士とする。」としています(建設業法施行令 称号の規定・令和6年12月13日の条の繰下げ後は第40条)。一覧表の技士補の行を並べると、次のようになります。
| 検定種目 | 1級技士補 | 2級技士補 | 色が付いている業種(1級・2級とも同じ) |
|---|---|---|---|
| 土木施工管理 | 黄・3年 | 黄・5年 | 左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/しゅんせつ/塗装/防水/熱絶縁/さく井/水道施設/清掃施設/解体 |
| 建築施工管理 | 黄・3年 | 黄・5年 | 大工/左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/板金/ガラス/塗装/防水/内装仕上/機械器具設置/熱絶縁/建具/水道施設/消防施設/清掃施設/解体 |
| 電気工事施工管理 | 黄・3年 | 黄・5年 | 機械器具設置/消防施設 |
| 管工事施工管理 | 黄・3年 | 黄・5年 | 鉄筋/しゅんせつ/板金/機械器具設置/熱絶縁/さく井/建具/水道施設/消防施設/清掃施設 |
| 造園施工管理 | 黄・3年 | 黄・5年 | 左官/とび・土工/石/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/しゅんせつ/塗装/防水/熱絶縁/さく井/水道施設/清掃施設/解体 |
技士補の行は、すべて黄で、すべてに年数が付いています(国土交通省「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧(令和7年12月18日)」p.1)。もう1つ見落としやすいのが、資格の名前と同じ業種の欄です。1級土木施工管理技士補の行には土木の欄に、1級建築施工管理技士補の行には建築の欄に色がありません。電気・管・造園の技士補も、それぞれ電気・管・造園の欄は空いています。「技士補でも許可が取れる」とひとまとめにはできず、業種と年数の組み合わせで確かめる必要があります。技士補という制度の中身は 施工管理技士補とは で解説しています。
解体工事業だけに付く注1
一覧表の解体工事業の列には、数字ではなく「注1」と書かれたマスがあります。注記の文言は「解体工事業について、技術検定に係る資格は平成27年度までの合格者について、技術士試験資格に係る資格は当面の間、資格とは別に、解体工事に関する1年以上の実務経験を有している又は登録解体工事講習を受講していることが必要です。」です(国土交通省 同一覧表 注1)。
注1が付いているのは、1級土木と1級建築(赤・注1)、2級土木の種別「土木」と2級建築の種別「建築」「躯体」(黄・注1)の5つのマスです。平成27年度までにこれらの資格に合格した人は、解体工事の実務1年以上か登録解体工事講習のどちらかが別に要る、という読み方になります。一方、1級造園と、土木・建築・造園の1級技士補は解体が黄・3年、2級土木の「鋼構造物塗装」「薬液注入」、2級建築の「仕上げ」、2級造園と、土木・建築・造園の2級技士補は黄・5年で、注1ではなく数字のほうの条件です(電気工事・管工事の技士補の行には解体の欄に色がありません)。解体工事業そのものの範囲は 解体工事の基本 で確認できます。
特定建設業の側:一覧表で赤になるのは1級の第二次検定だけ
特定建設業の特定営業所技術者のうち、第15条第2号イの試験で当てられる施工管理技士は、施行規則ではなく告示で決まっています。告示は第15条第2号イの試験として、業種ごとに「技術検定(第二次検定に限る。)のうち検定種目を一級の建築施工管理とするもの」という形で並べています(昭和63年建設省告示第1317号・令和5年国土交通省告示第524号による改正後)。第一次検定だけの1級技士補は一覧表で黄で、告示のこの書き方とも合っています。
業種から逆に引く、赤になる施工管理技士
許可を取りたい業種が先に決まっている場合は、業種から引いたほうが早いです。一覧表の赤と告示の表を業種ごとに並べると、次のとおりです。
| 業種 | 一覧表で赤になる施工管理技士 |
|---|---|
| 土木(指定建設業) | 1級建設機械/1級土木 |
| 建築(指定建設業) | 1級建築 |
| 大工/左官/屋根/タイル・れんが・ブロック/鉄筋/板金/ガラス/防水/内装仕上/熱絶縁/建具 | 1級建築 |
| とび・土工 | 1級建設機械/1級土木/1級建築 |
| 石/塗装/鋼構造物(指定建設業)/解体(注1) | 1級土木/1級建築 |
| 舗装(指定建設業) | 1級建設機械/1級土木 |
| しゅんせつ/水道施設 | 1級土木 |
| 電気(指定建設業)/管(指定建設業)/電気通信/造園(指定建設業) | それぞれ1級電気工事/1級管工事/1級電気通信工事/1級造園 |
| 機械器具設置/消防施設/清掃施設/さく井 | 施工管理技士の行に赤はない |
出典は国土交通省「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧(令和7年12月18日)」p.1と、上の告示の表です。機械器具設置・消防施設・清掃施設・さく井の4業種は、1級施工管理技士でも黄・3年までで、施工管理技士の行から特定の側に当てられるマスはありません。
2級でも特定に行ける道と、指定建設業7業種
2級の行に赤はありませんが、それで特定の道が閉じるわけではありません。一覧表の下には「(補)表中の主任技術者になれるものに関し、建設業法第十五条第二号ロの規定を満たす場合には、特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)となり得ます。(ただし、指定建設業は除かれています)」と書かれています(国土交通省 同一覧表(補))。黄の資格でも、第15条第2号ロを満たせば特定の側に入り得る、ということです。ロの具体的な中身は、ここでは扱いません。
例外になる指定建設業は、一覧表で灰色に塗られた土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園の7業種です(同一覧表)。指定建設業について、第15条第2号ただし書は、営業所ごとに置く専任の者を「イに該当する者又はハの規定により国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者」に絞っています(建設業法 第15条第2号ただし書)。施工管理技士の中でイに当たるのは、告示の表では1級の第二次検定です。指定建設業以外の業種で特定を目指すのか、指定建設業なのかで、2級の人の道筋が変わります。特定建設業の許可そのものは 特定建設業許可の基本 にまとめています。
営業所技術者と現場の主任技術者・監理技術者のつながり
営業所技術者は許可の要件、主任技術者・監理技術者は工事現場に置く技術者で、置く場所が違います。それでも同じ一覧表で両方を見られるのは、条文の引き方がつながっているからです。凡例でも、黄は「一般建設業の営業所専任技術者(又は主任技術者)」、赤は「特定建設業の営業所専任技術者(又は監理技術者)」と、1つの色で両方を表しています。
主任技術者は第7条第2号を、監理技術者は第15条第2号を引く
建設業法第26条第1項は、建設業者が工事を施工するときに「当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者」で現場の施工の技術上の管理をつかさどる者を、主任技術者として置くよう定めています。第2項は、発注者から直接請け負った特定建設業者が、下請契約の請負代金の額(2以上あるときは総額)が政令で定める金額以上になる場合に、第15条第2号イ、ロ又はハに該当する者を監理技術者として置くよう定めています。監理技術者については、指定建設業の工事ではイに該当する者か、ハで大臣が認定した者に限られます(建設業法 第26条第2項)。営業所技術者の資格表と、現場の技術者の資格表が同じものになるのはこのためです。
現場の技術者にかかわる金額の線
| 何の線か | 金額 | 向き | 根拠と施行日 |
|---|---|---|---|
| 監理技術者を置く(法第26条第2項)下請代金の総額 | 5,000万円(建築工事業は8,000万円) | 以上 | 施行令 第2条・令和7年2月1日 |
| 主任技術者・監理技術者を工事現場ごとに専任で置く(法第26条第3項・公共性のある施設などの重要な工事)工事1件の請負代金 | 4,500万円(建築一式工事は9,000万円) | 以上 | 施行令 第27条第1項・令和7年2月1日 |
| 専任の特例(法第26条第3項第1号イ)の請負代金 | 1億円(建築一式工事は2億円) | 未満 | 施行令 第28条・令和6年12月13日 |
| 営業所技術者等が現場の職務を兼ねる(法第26条の5第1項第2号)請負代金 | 1億円(建築一式工事は2億円) | 未満 | 施行令 第33条・令和6年12月13日 |
施行令第2条は5,000万円とし、ただし書で「建築工事業である場合においては、八千万円」としています。第27条は4,500万円で、括弧書きが「建築一式工事である場合にあつては、九千万円」です(建設業法施行令 第2条・第27条)。8,000万円の括弧書きは「建築工事業」、9,000万円の括弧書きは「建築一式工事」と書き分けられているので、混ぜずに読む必要があります。
営業所技術者が現場を兼ねる話は、第26条の5に置かれています。専任を要する工事(第26条第3項本文の建設工事)が4つの要件をすべて満たす場合に、営業所技術者には主任技術者の職務を、特定営業所技術者には主任技術者または監理技術者の職務を兼ねて行わせることができる、という条文です。4つの要件の1つが、請負代金の額が政令で定める金額(上の表の1億円、建築一式工事は2億円)未満であることです(建設業法 第26条の5第1項・施行令 第33条)。残りの要件の中身は、この記事では扱いません。
監理技術者として専任で置くなら資格者証と講習
第26条第5項は、専任でなければならない監理技術者を、監理技術者資格者証の交付を受けていて、登録講習を受講した者から選ぶよう定めています(建設業法 第26条第5項)。第26条の5の特例で監理技術者の職務を兼ねる特定営業所技術者にも、同じく資格者証と第26条第5項の講習が求められています(建設業法 第26条の5第3項)。講習については、国土交通省の監理技術者制度運用マニュアルが、専任の監理技術者は「監理技術者講習を過去五年以内に受講したもののうちから」選任しなければならないとしています(監理技術者制度運用マニュアル 四・最終改正 令和7年1月28日)。資格者証と講習の手続きの流れは 監理技術者の資格者証と講習 で確認できます。
現場目線で言えば、営業所技術者と主任技術者・監理技術者は「同じ資格表を引くが、置く場所と金額の線が別々に決まっている」と押さえておくと、兼務の話が出たときに迷いにくくなります。
国の一覧表を読むときに引っかかりやすい点
一覧表は便利な反面、名前や用語が条文とそろっていない部分があります。許可の書類を作る前に、次の点を頭に入れておくと読み違いが減ります。
- 名前が2つある:国土交通省のページのリンク名は「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧(令和7年12月18日)」、PDFの表題は「建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧」で、右上に「2025/12/18 施行」とあります
- 凡例は旧称のまま:凡例は「営業所専任技術者」と書かれていて、「営業所技術者」「特定営業所技術者」の語は表に出てきません
- 赤は黄を兼ねる:凡例の(※)で、赤の資格を持つ人は一般建設業の側(黄)にもなり得るとされています
- 改訂箇所は書かれていない:2025年12月18日の版で何が変わったかは、一覧表PDFには記載がありません(2026年10月22日確認)
- 条文の版:この記事で照らした施行規則第7条の3は、令和5年7月1日施行の改正後の条文です
個人的には、申請の前に一覧表のPDFを開き、該当する社員の資格の行と、取りたい業種の列が交わる1マスの色と数字を、その場で指差して確かめるのが一番確実だと思います。
施工管理技士と建設業許可に関する情報まとめ
- 営業所技術者になれるか:なれる。令和6年12月13日から専任技術者の呼び名が営業所技術者・特定営業所技術者に変わり、施工管理技士は第7条第2号ハのルートで入る
- 早見表:1級は赤・赤注1・黄3年、2級は黄・黄注1・黄5年の区分。2級建築は第二次検定の種別、2級土木は種別で当てられる業種が分かれる
- 実務年数と技士補:「合格した後」1級は3年以上、2級は5年以上。技士補の行はすべて年数つきの黄で、資格名と同じ業種の欄は空いている。解体の注1は平成27年度までの合格者に実務1年以上か登録解体工事講習
- 特定の側:一覧表で赤になるのは1級の第二次検定だけで、業種も限られる。黄でも(補)の道があるが、指定建設業7業種は除かれる
- 現場の技術者:主任技術者は第7条第2号、監理技術者は第15条第2号を引くので資格表は共通。金額の線は5,000万円・4,500万円が「以上」、兼務と特例の1億円は「未満」
- 一覧表の注意:リンク名と表題が違い、凡例は旧称のまま。改訂箇所は記載なし
以上が施工管理技士と建設業許可に関する情報のまとめです。
業種追加や特定への切り替えを考えるときは、まず社内の有資格者を「検定種目・級・2級の種別・合格した年度」の4点で書き出し、一覧表の行に当てはめてみてください。黄に数字が付いているマスは実務経験の年数を、解体の注1のマスは平成27年度までの合格かどうかを確かめる。そこまで手元で整理できていれば、申請の相談もぐっと具体的になると、僕は考えています。
Q1:2級建築施工管理技士で内装仕上工事業の営業所技術者になれますか?
種別によります。一覧表では、第二次検定の種別が「仕上げ」なら内装仕上は黄で、実務年数の条件はありません。種別が「建築」または「躯体」なら黄・5年で、合格した後に内装仕上工事で5年以上の実務経験が要ります(国土交通省「監理技術者/主任技術者となり得る国家資格等一覧(令和7年12月18日)」、建設業法施行規則 第7条の3)。
Q2:技士補でも営業所技術者になれますか?
業種と年数の条件つきでなれます。1級技士補は黄・3年、2級技士補は黄・5年で、たとえば1級建築施工管理技士補なら内装仕上工事で3年以上の実務経験が要ります。ただし、技士補の行は資格名と同じ業種の欄(土木・建築・電気・管・造園)に色が付いていないので、たとえば1級建築施工管理技士補の行では建築工事業の欄に色がありません(同一覧表)。
Q3:特定建設業の営業所技術者は2級でもなれますか?
一覧表の2級の行に赤はありません。ただし一覧表の(補)で、黄の資格でも建設業法第15条第2号ロの規定を満たす場合には特定の側になり得るとされています。指定建設業の7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園)はこの道から除かれていて、置けるのはイに該当する者か、ハで国土交通大臣が認定した者です(建設業法 第15条第2号ただし書)。
