- 安全管理は何年に1回出ているのか
- 品質管理の例文しか準備していない
- 交通誘導員の話は一切書いちゃダメなのか
- 3段の例文を今の2段にどう直すのか
- 「検討理由」が消えたなら理由は書かなくていいのか
- 安全と施工計画で同じ話を2回書きそうで怖い
- 無事故の現場で安全の課題なんて立つのか
上記の様な悩みを解決します。
1級土木の第二次検定で安全管理の課題が出るのはR3・R4・R6の3回で、いずれも「交通誘導員の配置のみに関する記述は除く」という一文が付いています。この「のみ」を読み落とすと、誘導員の話だけで答案を組み立ててしまいがちです。さらにR6からは旧来の3段構成が2段に変わっているため、手元の例文をそのまま当てはめると欄がずれます。
安全管理の経験記述は、例文を覚えて臨む受検者が多い分野です。ただ、出回っている解説の多くは例文と型の紹介が中心で、実施機関が公表した問題冊子の設問文を年度ごとに並べ、どの一文が毎回付いていてどの語が消えたのかを比べたものは多くないんですよね。今回は出題の年・欄の構成・技術的課題の立て方といった基本を押さえた上で、ただし書きの「のみ」の読み方と、令和6年度に安全管理と同じ問題で出た施工計画との書き分けまで、問題冊子の設問文を年度順に突き合わせて整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、安全管理の準備が手薄なまま試験が近づいている方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
1級土木の問題1で安全管理が主題になった年(令和元年度〜令和7年度)
令和元年度から令和7年度までの7年分について、問題1で何の管理項目を書かされたかを問題冊子の柱書と設問文から数えると、安全管理が主題になったのは令和3年度・令和4年度・令和6年度の3回でした。残りの4回は品質管理で、令和7年度はそこに環境対策が加わっています。
| 年度 | 問題1で書かされた管理項目 |
|---|---|
| 令和元年度 | 品質管理 |
| 令和2年度 | 品質管理 |
| 令和3年度 | 安全管理 |
| 令和4年度 | 安全管理 |
| 令和5年度 | 品質管理 |
| 令和6年度 | 安全管理(設問1)+施工計画(設問2) |
| 令和7年度 | 品質管理(設問1)+環境対策(設問2) |
表の出典は、令和元年度・令和2年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験の問題1と、令和3年度〜令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定の問題1です。令和2年度までは今の第二次検定ではなく、実地試験という名称でした。
令和3年度の柱書は「【問題1】あなたが経験した土木工事の現場において,その現場状況から特に留意した安全管理に関して,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。」です(令和3年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1)。令和4年度も同じ文でした(令和4年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1)。品質管理の年は、この「安全管理」の部分が「品質管理」に入れ替わった文で、令和元年度・令和2年度・令和5年度が同じ書き出しです(令和元年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験 問題1)。
令和6年度からは柱書そのものの書き方が変わりました。「【問題1】あなたが経験した土木工事を1つ選び,工事概要を具体的に記述したうえで,次の〔設問1〕,〔設問2〕に答えなさい。なお,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。」となり、管理項目の名前は柱書から消えています(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1)。代わりに設問の側に「〔設問1〕工事概要に記述した工事の「安全管理」に関し,」と、鉤括弧付きで書き込まれる形になりました(同 問題1 設問1)。設問2は「施工計画」です(同 問題1 設問2)。
令和7年度も同じ組み立てで、設問1が「品質管理」、設問2が「環境対策」でした(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1)。令和6年度以降は、1つの工事概要の上に2つの管理項目を書かせる作りになっているということです。
- 7年分で安全管理が主題になったのは令和3・4・6年度の3回
- 令和3・4年度は柱書に「安全管理」と書かれていた
- 令和6年度は柱書から管理項目が消え、設問1に「安全管理」、設問2に「施工計画」が入った
- 令和7年度の設問1は品質管理、設問2は環境対策だった
この並びは過去の事実を数えたもので、次の年に何が来るかを示す材料ではありません。令和8年度の出題テーマは公表されていないので、この記事では予想を扱いません。僕としては、並びを見て「今年はどっちか」を読むより、どちらが来ても書ける題材を1つの工事で持っておく方が、試験当日に迷う時間が減ると考えています。品質管理側の設問文は1級土木の品質管理の設問文を原本から読んだ記事で整理しています。
令和3・4年度の3段と令和6年度の2段|同じ中身をどの欄に書くか
手元の例文が3段で書かれているなら、それは令和3・4年度の設問の形に合わせた型です。令和6年度の安全管理は2段になっていて、段の数だけでなく、段に入る要素の組み合わせも変わっています。
令和3・4年度の設問2は「上記工事の現場状況から特に留意した安全管理に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。」に続けて、3つの事項を求めていました。「⑴ 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題」「⑵ 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容」「⑶ 上記検討の結果,現場で実施した対応処置とその評価」です(令和3年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問2。令和4年度も同じ)。品質管理の年だった令和元年度・令和2年度・令和5年度も、この3項目で出ていました(令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問2)。
令和6年度の設問1は2つです。「⑴ 具体的な現場状況と特に留意した安全管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目」「⑵ ⑴で記述した検討項目の対応処置とその評価」(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問1)。旧⑵の前半にあった「検討した項目」が、新⑴の後ろに移って課題と同じ欄に入っています。
| 旧(令和3・4年度 設問2) | 新(令和6年度 設問1) | 移るときに見るところ |
|---|---|---|
| 「⑴ 具体的な現場状況と特に留意した技術的課題」 | 「⑴ 具体的な現場状況と特に留意した安全管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目」 | 課題の文のあとに「検討した項目」を続けて書く |
| 「⑵ 技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容」 | (「検討した項目」は新⑴へ。「検討理由及び検討内容」という語は新しい設問文に無い) | 旧⑵の中身をどこに寄せるかを決める |
| 「⑶ 上記検討の結果,現場で実施した対応処置とその評価」 | 「⑵ ⑴で記述した検討項目の対応処置とその評価」 | 処置は⑴に書いた検討項目に対応させる |
表の中央の列で分かるとおり、「検討理由及び検討内容」という語は令和6年度の設問文から消えています。旧⑶の「上記検討の結果,現場で実施した」という書き出しも、新⑵では「⑴で記述した検討項目の」に置き換わりました(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問1)。
ここから先は設問文の読み方です。語が消えたことは事実ですが、それを「理由は書かなくてよい」と言い切れる材料は問題冊子にありません。新しい⑴は、課題と検討した項目を1つの欄で続けて書かせる形なので、なぜその項目を検討したのかは、課題の文と項目の文のつながりの中で読み手に伝わる程度に収める、と読むのが素直だと思います。旧⑵に厚く書いていた検討内容のうち、実際に何をしたかに当たる部分は新⑵の「対応処置」の側へ寄せる、という移し方になります。
もう一つ、新⑵の「⑴で記述した検討項目の」という書き出しは、⑵で扱う処置の範囲を⑴に書いた項目に結び付けています。⑴で挙げていない項目の処置を⑵で急に書くと、欄どうしが対応しなくなります。
- 旧⑴の課題の文は、そのまま新⑴の前半に置ける
- 旧⑵の「検討した項目」は新⑴の後半へ移す
- 旧⑵の「検討理由及び検討内容」という語は新しい設問文に無い
- 旧⑶の「対応処置とその評価」は新⑵に対応し、⑴の検討項目と結び付けて書く
品質管理しか準備していない人にとっての材料もあります。令和7年度の品質管理の設問1は「⑴ 具体的な現場状況と特に留意した品質管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目 ⑵ ⑴で記述した検討項目の対応処置とその評価」で、令和6年度の安全管理と管理項目の名前以外は同じ文です(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問1)。欄の組み方そのものは品質管理の準備がそのまま使え、入れ替えるのは中身の側だけ、ということになります。
「交通誘導員の配置のみに関する記述は除く」は3回とも付いていた
安全管理が主題になった3回とも、設問の柱書の末尾に同じただし書きが付いていました。令和3・4年度は「〔設問2〕上記工事の現場状況から特に留意した安全管理に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。ただし,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。」です(令和3年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問2。令和4年度も同じ)。
令和6年度は設問の番号と書き出しが変わりましたが、ただし書きは残っています。「〔設問1〕工事概要に記述した工事の「安全管理」に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。ただし,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。」(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問1)。柱書の形が大きく変わった年にも、この一文は削られずに残ったということです。
ここで見ておきたいのが「のみ」の一語です。除かれているのは「交通誘導員の配置に関する記述」ではなく、「交通誘導員の配置のみに関する記述」と書かれています。字面どおりに読むと、誘導員の配置だけで課題と処置を完結させた答案を認めない、という意味に取れます。誘導員という語が答案に1回でも出たら対象外になる、とまでは書かれていません。ただし、どこからが「のみ」に当たるのか、触れた場合に採点でどう扱われるのかは、問題冊子には書かれておらず、この記事でも断定はできません。
道路工事の経験しかない人が第三者災害を題材にするなら、この一文とぶつかりやすくなります。通行車両や歩行者への災害を防ぐ話は、手を打つ場面を誘導員の配置で終わらせやすいからです。「のみ」の読み方に沿うなら、答案の主役を誘導員の配置以外の手立てに置き、誘導員は全体の中の一部として扱う組み立てが考えられます。
- 作業帯をどう区切り、どこで一般の通行と分けたか
- 歩行者や車両の通り道を、工事の進み具合に合わせてどう切り回したか
- 重機の動く範囲と一般の通行が重なる時間を、工程や作業の順番でどう避けたか
- 作業員の側にどういう周知と確認の手順を置いたか
どれも一般的な手立ての例で、自分の工事で実際にやったことに置き換えて使うものです。課題を「第三者災害の防止」のような大きな言い方で置くと、その下の処置が誘導員の配置や一般的な注意喚起に寄りやすくなります。課題の置き方は次の見出しで扱います。
安全管理の技術的課題は「現場状況」から立てる|工事概要の欄とつなぐ
令和3・4年度の⑴は「具体的な現場状況と特に留意した技術的課題」、令和6年度の⑴は「具体的な現場状況と特に留意した安全管理上の技術的課題と,その課題を解決するために検討した項目」でした(令和3年度・令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1)。どちらの年も、技術的課題の前に「具体的な現場状況」が置かれています。課題は現場状況の上に立てる、というのが設問文の並び順そのものです。
その現場状況の材料は、同じ問題1の工事概要の欄にもう書いてあります。令和6年度・令和7年度の工事概要の記入項目は「⑴ 工事名 ⑵ 工事現場における施工管理上のあなたの立場 ⑶ 工事の内容 ① 発注者名 ② 工事場所 ③ 工期 ④ 主な工種 ⑤ 施工量」です(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 工事概要)。令和元年度〜令和5年度は並び順が違い、立場の欄が最後に来ていました(令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 工事概要)。どちらにしても、工事場所・工期・主な工種・施工量の欄に書いた内容は、安全管理の⑴で言う現場状況の出どころになります。
| 工事概要の欄 | そこから拾える現場状況の方向 | 課題にするときの書き方の方向 |
|---|---|---|
| 工事場所 | 周辺に何があるか(通行のある道路、住宅、既設の構造物、埋設物や架空線など) | 作業と周辺の何が、どこで接していたかまで書く |
| 工期 | 期間中にどんな時期を含んだか、他の作業と重なった時期があったか | どの時期に、どの作業同士が重なったかまで書く |
| 主な工種 | 危険が伴う作業がどれか(高所、掘削、揚重、重機の稼働など) | 作業名で止めず、その作業のどの段階で危なくなったかまで書く |
| 施工量 | 作業の規模や日数、同じ作業を繰り返した量 | 規模から生まれた条件(作業の輻輳、長期間の同種作業など)に結び付ける |
⑴の設問文にあるのは「特に留意した安全管理上の技術的課題」という語で、事故の有無を問う語は見当たりません(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問1)。無事故で終わった現場でも、事故を起こさないために特に気を配った条件があれば、それが課題の材料になると読めます。工事概要の主な工種に掘削が入っているなら、その欄から、掘削のどの段階で、誰が、どの条件のときに危なくなったのかを拾うと、⑴の「具体的な現場状況と」という要求に沿います。工事場所に通行のある道路が接しているなら、その道路と作業帯がどこで、どういう時間帯に接していたかが現場状況です。表にしたのは書き方の方向だけで、自分の工事の条件はこの欄に書いた内容から拾うことになります。
令和6年度の形では、同じ工事から施工計画も書くことになります(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問2)。工事概要の欄から現場状況を拾う段階で、着工前の事前調査で分かったことと、施工中に気を配ったことを分けて書き出しておくと、安全管理の⑴に置く材料と、次の見出しで扱う施工計画の材料が最初から混ざりません。
下請の立場で書いてよいのか、という点は、工事概要の注意書きが答えています。令和6年度の〔注意〕は「「経験した土木工事」は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。例えば,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。」です(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 工事概要の注意)。二次下請の立場で書く受検者を想定した書き方で、その場合は所属会社が受注した工事の範囲で工事概要と課題を組み立てることになります。
同じ安全管理でも、2級土木の設問文は1級とは別に作られています。1級と2級を両方受ける予定がある、あるいは2級の答案を土台にしたいときは、2級土木の経験記述(安全管理)の設問文を読んだ記事と並べて、欄の要求を1つずつ突き合わせておくと安心です。
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令和6年度は設問2が施工計画|「設問1と同一内容の解答は不可」で材料を分ける
令和6年度は、安全管理の設問1の後ろに施工計画の設問2が続きました。「〔設問2〕工事概要に記述した工事の「施工計画」の作成に関し,次の事項について解答欄に具体的に記述しなさい。ただし,設問1と同一内容の解答は不可とする。⑴ 施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査で判明した施工上の課題 ⑵ ⑴で記述した課題について施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価」(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1 設問2)。
柱書が「工事を1つ選び」と書いているので、設問1と設問2は同じ工事から書くことになります(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1)。同じ工事で安全と施工計画を書けば、材料が重なりやすいのは当然です。そこに「設問1と同一内容の解答は不可とする。」という一文が付いていました。どこまで似ていると同一内容に当たるのかは、問題冊子には書かれていません。書かれていない線をこちらで引くことはできないので、ここでは重ならないように材料を分ける考え方の方を整理します。
手がかりは、2つの設問の入口に書かれた語の違いです。
| 見るところ | 設問1(安全管理) | 設問2(施工計画) |
|---|---|---|
| 入口の語 | 「具体的な現場状況と特に留意した安全管理上の技術的課題」 | 「施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査で判明した施工上の課題」 |
| 課題が見えた時点 | 施工中の現場状況として書く、と読める | 施工計画を立てる前の事前調査の段階 |
| ⑵で書く処置 | 「⑴で記述した検討項目の対応処置とその評価」 | 「施工計画の作成にあたり反映した対応処置とその評価」 |
設問2の⑴は「施工計画立案に先立ち行った現場の事前調査で判明した」と、課題が見えた時点を着工前の調査に置いています。処置も「施工計画の作成にあたり反映した」ものです。一方の設問1は時点を名指ししていませんが、施工計画の設問と並べると、作業が進む中で見えた危険と、それに現場で打った手を書く欄として読むのが自然だと思います。
- 施工計画側は、事前調査で分かった条件と、それを計画書にどう織り込んだかを書く
- 安全管理側は、施工中に特に留意した危険の条件と、現場で打った手と評価を書く
- 同じ場所の同じ危険を両方に書きそうになったら、どちらか一方に寄せ、もう一方は別の条件を探す
たとえば事前調査で近接する埋設物が見つかり、それを施工計画に反映した話は、設問2の入口にそのまま合います。同じ埋設物の近くで施工中に何に留意したかを設問1に書くと、題材が重なるので、設問1には別の作業や別の条件を選ぶ、という分け方になります。どちらの設問に何を置くかは、答案を書き始める前に決めておく方が、途中で書き直す手間が少なくなります。
令和7年度は設問2が環境対策に変わっていますが、同じ工事から2つの管理項目を書かせる作りは続いています(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題1)。
採点の対象になる条件は年度で書きぶりが違う|安全の知識は穴埋めでも出た
問題1を書かなかった場合の扱いは、問題冊子の注意書きに毎年書かれていますが、年度で言い方が違います。令和5年度は「問題1で ① 設問1の解答が無記載又は記入漏れがある場合,② 設問2の解答が無記載又は設問で求められている内容以外の記述の場合,どちらの場合にも問題2以降は採点の対象となりません。」でした(令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 表紙裏の注意書き)。令和3・4年度も同じ組み立てなので、安全管理が設問2に入っていた年は、その安全管理の記述が「設問で求められている内容以外の記述」に当たると問題2以降が採点されない、という位置にあったことになります(令和3年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 表紙裏の注意書き)。
令和6年度は「問題1の工事概要及び設問1のいずれかが無記載等の場合,問題1の設問2以降は採点の対象となりません。」と書かれています(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 注意事項3)。この年は設問1が安全管理だったので、安全管理の欄が無記載等になると、施工計画の設問2から先が採点されない、という並びです。
令和7年度は同じ場面の扱いが「不合格となります。」と印刷されました(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 表紙 注意2)。この年の書きぶりの変化は、令和7年度の環境対策の設問を読んだ記事で詳しく扱っています。
安全の知識が問われるのは問題1だけではありません。令和3年度以降は問題1〜問題3が必須問題で、令和元年度・令和2年度は必須が問題1だけでした(令和2年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験 表紙/令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 注意事項3)。その必須問題の中に、令和4年度から令和7年度まで毎年、安全系の出題が入っています。
- 令和4年度 問題2:「地下埋設物・架空線等に近接した作業に当たって,施工段階で実施する具体的な対策について,…」の穴埋め(令和4年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題2)
- 令和5年度 問題3:「つり足場,張出し足場又は高さが2m以上の構造の足場の組立て,解体又は変更の作業を行うとき,事業者が講じなければならない措置を2つ」記述(令和5年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題3)
- 令和6年度 問題2:「墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準」の穴埋め(令和6年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題2)
- 令和7年度 問題2・問題3:建設物・機械等の設置届の穴埋めと、墜落等による危険の防止に関する措置を2つ記述(令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題2・問題3)
令和5年度と令和7年度は、問題1が品質管理の年です。それでも必須問題の側に安全の出題が入っていました(令和5年度・令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第二次検定 問題3)。問題1の主題が何であっても、安全の知識は必須問題の側で問われてきた、という並びです。穴埋めや措置の答えはこの記事では書きません。必須問題の範囲まで含めた準備の順番は1級土木の第二次検定の対策をまとめた記事で整理しています。
1級土木施工管理技士の安全管理(経験記述)に関する情報まとめ
- 出題の年:令和元年度〜令和7年度で問題1の主題が安全管理だったのは令和3・4・6年度の3回。令和8年度のテーマは公表されていない
- 欄の構成:令和3・4年度は⑴課題 ⑵検討項目と検討理由及び検討内容 ⑶対応処置と評価の3段、令和6年度は⑴課題と検討項目 ⑵対応処置と評価の2段で、「検討理由及び検討内容」の語は新しい設問文に無い
- ただし書き:「交通誘導員の配置のみに関する記述は除く」は3回とも付いていた。「のみ」は配置だけで答案を完結させない、と読める
- 課題の立て方:設問文は技術的課題の前に「具体的な現場状況」を置いている。工事場所・工期・主な工種・施工量の欄から現場状況を拾う
- 施工計画との書き分け:令和6年度の設問2は「設問1と同一内容の解答は不可」。施工計画は事前調査で判明した課題、安全管理は施工中に留意した課題として入口で分ける
- 採点の条件と必須問題:無記載等の扱いは年度で書きぶりが違い、令和7年度は「不合格」。安全の知識は令和4年度〜令和7年度の必須問題でも問われた
1級土木の安全管理の経験記述について、ここまでが要点の整理です。
安全管理が主題になった3回には、どれも「交通誘導員の配置のみに関する記述は除く」が付いていました。令和6年度はそこに施工計画の設問2と「設問1と同一内容の解答は不可とする。」が重なり、1つの工事から2つの管理項目を書き分ける形になっています。下書きができたら、2つの問いで読み返してみてください。処置の欄から交通誘導員の配置を外しても、課題と処置のつながりが残るか。施工計画の欄と同じ場所・同じ危険を使っていないか。この2つを確かめておけば、令和3・4年度の形でも令和6年度の形でも、ただし書きを意識した答案に近づきます。
経験記述全体の流れを押さえ直すなら、1級土木の経験記述の全体像から入ると、工事概要から各設問までの順番がつながります。
