- 難燃材料って結局どういう材料のこと?
- 不燃・準不燃・難燃の違いが覚えられない
- 5分とか10分とか、何の時間なの?
- 図面に難燃と書いてあるけど準不燃を使っていい?
- 告示で決まってる材料ってどれ?
- 認定番号のRMとかQMって何?
- カーテンの防炎とは違うもの?
- 現場では何を確認して残せばいい?
上記の様な悩みを解決します。
難燃材料は、内装の仕様を決めるときに必ず出てくるのに、不燃・準不燃との関係が入り組んでいて理解が飛ばされがちな用語です。しかも実務で使う場面になると、告示に載っている材料はごくわずかで、ほとんどが大臣認定で流通しているという二段構えになっています。今回は定義と3つの区分の違いから入って、告示で定められている仕様、認定番号の読み方、内装制限での使いどころ、そして消防法の防炎との違いまで、施工管理が現場で判断に使える形で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
難燃材料とは?
難燃材料とは、結論「火にあぶられたときに、5分間だけ不燃性能を保つと認められた建築材料」のことです。読み方は「なんねんざいりょう」で、建築基準法に基づく防火材料の3区分のうち、最も要求が緩い区分にあたります。
ここで言う不燃性能とは、建築基準法施行令第108条の2に定められた3つの要件を指します。
- 燃焼しないものであること
- 防火上有害な変形、溶融、き裂その他の損傷を生じないものであること
- 避難上有害な煙またはガスを発生しないものであること
この3要件を何分間満たし続けられるかで、不燃・準不燃・難燃が分かれるという仕組みです。難燃材料は5分間、準不燃材料は10分間、不燃材料は20分間となっています。なお3つ目の煙とガスの要件については、建築物の外部の仕上げに用いる材料には適用されません。外部は避難経路にならないためですね。
耐火構造との関係はこちらが詳しいです。

僕の感覚だと、難燃材料でつまずく最大の原因は「難燃という言葉の日常的な語感」に引っ張られることです。日常語では燃えにくい素材全般を難燃と呼びますが、建築基準法の難燃材料は5分という時間で線が引かれた、極めて限定的な法令用語です。ここを分けて考えられるようになると、以降の話が一気に整理されます。
不燃材料・準不燃材料・難燃材料の違い
3つの区分は、性能の高い順に不燃・準不燃・難燃です。それぞれの根拠条文と加熱時間を並べると次のようになります。
| 区分 | 加熱時間 | 根拠 | 告示 |
|---|---|---|---|
| 不燃材料 | 20分間 | 建築基準法第2条第九号、令第108条の2 | 平成12年建設省告示第1400号 |
| 準不燃材料 | 10分間 | 令第1条第五号 | 平成12年建設省告示第1401号 |
| 難燃材料 | 5分間 | 令第1条第六号 | 平成12年建設省告示第1402号 |
ここで絶対に押さえておきたいのが、この3つが入れ子構造になっているという点です。告示1402号の第一号は「準不燃材料のうち、加熱開始後10分間、令第108条の2各号の要件を満たしているもの」となっています。つまり準不燃材料はすべて難燃材料に含まれます。同じ理屈で、不燃材料はすべて準不燃材料に含まれます。
この関係が分かっていると、実務での判断が一段速くなります。図面に「難燃材料以上」と書かれていれば、準不燃でも不燃でも要求を満たします。逆に「準不燃以上」の指定に対して難燃材料を持ってくることはできません。上位の材料は下位の指定を常にクリアするけれど、その逆は成立しないという訳です。
判断の順番としては次のように考えると迷いません。
- 図面の指定が難燃 → 難燃・準不燃・不燃のいずれもOK
- 図面の指定が準不燃 → 準不燃・不燃はOK、難燃はNG
- 図面の指定が不燃 → 不燃のみOK
- 材料の認定が上位なら、下位の指定に対して差し替えの承認は取りやすい
石膏ボードで見ると、この関係が一番分かりやすいです。厚さが増えるほど区分が上がっていく構造になっていて、同じ製品群の中で7mm、9mm、12.5mmと厚みが変わるだけで難燃・準不燃・不燃と等級が動きます。
石膏ボードの規格まわりはこちらにまとめてあります。

難燃材料の告示仕様
難燃材料として認められるルートは2つあります。1つが告示で例示された仕様に当てはまる場合、もう1つが国土交通大臣の認定を取得している場合です。まず告示側から見ていきます。
平成12年建設省告示第1402号「難燃材料を定める件」で定められているのは、意外なほど少ない内容です。
- 準不燃材料のうち、加熱開始後10分間、令第108条の2各号の要件を満たしているもの
- 難燃合板で厚さが5.5mm以上のもの
- 厚さが7mm以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さに条件が付く)
これだけです。第一号は前述の入れ子構造の規定なので、難燃材料として固有に挙げられている品目は、実質的に難燃合板と薄い石膏ボードの2つしかありません。
参考までに、準不燃材料の告示1401号には木毛セメント板、石膏ボード、硬質木片セメント板、パルプセメント板などが並び、不燃材料の告示1400号にはコンクリート、れんが、瓦、陶磁器質タイル、繊維強化セメント板、繊維混入ケイ酸カルシウム板、鉄鋼、アルミニウム、ガラス、モルタル、しっくい、石、ロックウール、グラスウール板などが挙げられています。
ケイカル板の規格はこちらが参考になります。

ロックウールの性質はこちらにまとめてあります。

正直なところ、告示仕様だけを見ていると「難燃材料って使いどころがないのでは」と感じます。実際、内装材として流通している製品の多くは準不燃や不燃の認定を取っているので、あえて難燃を選ぶ場面は限られます。難燃という区分が生きてくるのは、木質系の内装材を使いたいときと、次に説明する大臣認定の製品を選ぶときです。
大臣認定と認定番号の見方
告示に載っていない材料でも、試験を経て国土交通大臣の認定を受ければ、防火材料として使えます。壁紙や化粧板、塗料、木質内装材などは、ほぼこのルートです。
認定番号は記号と数字の組み合わせになっていて、頭の記号で区分が読めます。
| 記号 | 区分 |
|---|---|
| NM | 不燃材料 |
| QM | 準不燃材料 |
| RM | 難燃材料 |
つまり認定番号がRMで始まっていれば難燃材料、QMなら準不燃材料ということです。現場で製品のカタログや納品書を見たときに、この頭2文字を確認するだけで区分が判別できます。
ここで実務上とても重要なのが、認定は材料単体ではなく「仕様」に対して与えられるという点です。壁紙であれば、どの下地に、どの接着剤で、どう施工した状態で認定を取っているかまでがセットになっています。同じ壁紙でも、石膏ボード下地に貼れば認定どおりでも、別の下地に貼れば認定の範囲外になることがあるという訳です。
ビニルクロスの種類と施工はこちらが詳しいです。

だからこそ、現場で確認すべきは「難燃の材料を使ったか」ではなく「認定された仕様どおりに施工したか」になります。ここを取り違えると、材料は正しいのに検査で指摘を受けるという事態が起きます。
難燃材料が使われる場面|内装制限との関係
難燃材料という区分が実際に効いてくるのは、内装制限がかかる部屋の仕上げを決めるときです。内装制限は建築基準法施行令で定められたルールで、火災時の避難時間を確保するために、壁と天井の仕上げ材に防火性能を求めるものです。
対象になるのは、特殊建築物、大規模建築物、火気使用室、無窓の居室、地下の居室などです。用途と規模、階数によって求められる区分が変わります。
内装制限のかかり方には、次のような傾向があります。
- 居室の壁と天井は難燃材料以上を求められることが多い
- 3階以上に居室がある建築物の天井は、より高い区分が求められる
- 居室から地上に通じる廊下・階段などの通路は、居室より高い区分が求められる
- 火気使用室は、居室より高い区分が求められる
- 壁のうち床面から一定の高さ以下の部分は、制限から除外される場合がある
この最後の項目、いわゆる腰壁の除外規定は現場で頻繁に使われます。木の腰壁を張りたいという要望に対して、除外規定の高さの範囲に収めることで、防火材料の縛りを受けずに納める、という設計上の工夫ですね。ただし除外規定が適用されない部屋の種別もあるので、適用の可否は必ず確認が要ります。
防火区画まわりの実務はこちらが参考になります。

現場目線で言えば、内装制限は部屋ごと、面ごとに条件が変わるので、仕上表と平面図を突き合わせて「この部屋のこの面は何の区分か」を一覧にしておくのが確実です。特に改修工事では、既存の仕上げが現行基準を満たしていないケースもあるので、既存を追認せずに条文から確認する姿勢が必要になります。
難燃材料と防炎の違い
現場でよく混同されるのが、難燃と防炎です。この2つは所管する法律が違う、まったく別の制度です。
| 項目 | 難燃材料 | 防炎物品 |
|---|---|---|
| 根拠法 | 建築基準法 | 消防法 |
| 対象 | 壁・天井などの建築材料 | カーテン、じゅうたん、工事用シート等 |
| 判定 | 加熱5分間の不燃性能 | 防炎性能試験 |
| 表示 | 大臣認定番号(RMなど) | 防炎ラベル |
難燃材料は建築物そのものを構成する仕上げ材の話、防炎は建物に持ち込まれる物品の話、と分けて考えると整理できます。カーテンに「難燃」と書かせても法的な意味はありませんし、逆に壁の仕上げ材に防炎ラベルを求めるのも筋が違います。
なお、工事中の現場で使う養生シートやメッシュシートには防炎の要求がかかります。こちらは消防法の話なので、防炎ラベルの有無を確認するのが正解です。難燃材料の認定番号を探しても出てきません。
消防検査で見られるポイントはこちらにまとめてあります。

僕の感覚だと、この2つの混同は言葉の似ている度合いに比べて実務上の影響が大きいです。設計事務所からの指示、メーカーの営業資料、消防からの指導が、それぞれ別の制度の話をしていることがあるので、「今どちらの話をしているか」を最初に確認する癖をつけておくと、無駄なやり取りが減ります。
施工管理が現場で確認すること
最後に、難燃材料を扱ううえで現場が押さえるべき実務を整理します。
認定書と出荷証明を確保する
大臣認定品を使う場合、認定を受けている事実を書類で示せる状態にしておく必要があります。認定書の写し、製品の出荷証明書、カタログの認定番号表示などが該当します。竣工検査や消防検査で求められることがあるので、材料承認の段階で揃えておくのが安全です。
認定仕様どおりの施工になっているか
前述のとおり、認定は施工方法まで含んだ仕様に対して与えられています。下地の種類、接着剤、留め付け方法、目地の処理。これらが認定条件から外れると、材料は認定品でも仕様としては認定外になります。施工要領書を入手して、その内容で施工計画を組むのが基本です。
目地や見切り部分の扱い
仕上げ材そのものが認定品でも、目地の底や見切り部分から下地や別の部材が室内に露出することがあります。内装制限がかかる室では、露出する部材も内装材として評価されるので、そこまで含めた確認が必要です。目透かし張りのような納まりでは特に注意が要ります。
変更時の再確認
工期やコストの都合で材料を差し替える場面はよくあります。このとき、上位区分への差し替えなら性能上は問題ありませんが、下位区分への差し替えは絶対にできません。また同じ区分でも認定仕様が違えば施工方法が変わるので、差し替えの承認時には認定番号と施工要領の両方を確認します。
正直なところ、難燃材料まわりのトラブルは「材料を間違えた」より「書類が揃っていない」「施工方法が認定と違う」で発生することの方が多いです。材料の選定自体は設計側で決まっていることがほとんどなので、施工側の勝負どころは証明と施工方法の管理になります。ここを材料承認の段階で固めておけば、後工程で慌てる場面はほぼなくなります。
難燃材料に関する情報まとめ
- 定義:火熱が加えられたときに5分間、不燃性能を保つと認められた建築材料
- 不燃性能の3要件:燃焼しない、防火上有害な変形等を生じない、避難上有害な煙・ガスを発生しない
- 外部仕上げの扱い:煙・ガスの要件は外部の仕上げに用いる材料には適用されない
- 3区分の加熱時間:不燃20分、準不燃10分、難燃5分
- 入れ子構造:準不燃はすべて難燃に含まれ、不燃はすべて準不燃に含まれる
- 判断の原則:上位の材料は下位の指定を満たすが、逆は成立しない
- 告示1402号の仕様:準不燃相当のもの、難燃合板t5.5以上、せっこうボードt7以上の3項目のみ
- もう1つのルート:国土交通大臣の認定。壁紙や化粧板などはほぼこちら
- 認定番号の記号:NMが不燃、QMが準不燃、RMが難燃
- 認定は仕様に対して与えられる:下地・接着剤・施工方法まで含めて認定条件になる
- 内装制限:部屋の用途・規模・階数で求められる区分が変わる。腰壁部分の除外規定もある
- 防炎との違い:難燃は建築基準法の建築材料、防炎は消防法の物品。制度がまったく別
- 現場実務:認定書と出荷証明の確保、認定仕様どおりの施工、目地部の露出材、変更時の再確認
以上が難燃材料に関する情報のまとめです。
難燃材料は、3区分の中で最も要求が緩い代わりに、単独で使われる場面が意外と少ない区分です。告示に載っている品目が2つしかないという事実がそれを物語っていて、実務のほとんどは大臣認定品と内装制限の読み解きに帰着します。加熱時間で区分が分かれること、上位が下位を包含すること、認定は施工方法まで含むこと。この3点を押さえておけば、内装の仕様検討でも材料承認でも判断に迷わなくなるはずです。
難燃材料に関するよくある質問
Q1:不燃・準不燃・難燃の違いは何ですか?
火熱を受けたときに不燃性能を保てる時間が違います。不燃材料は20分間、準不燃材料は10分間、難燃材料は5分間です。不燃性能とは、燃焼しないこと、防火上有害な変形や溶融などを生じないこと、避難上有害な煙やガスを発生しないことの3要件を指します。時間が長いほど要求が厳しく、不燃が最上位です。なお外部の仕上げに用いる材料については、煙とガスの要件は適用されません。
Q2:図面に「難燃」と書いてありますが、準不燃材料を使ってもいいですか?
問題ありません。告示の規定上、準不燃材料は難燃材料に含まれる関係になっているためです。同じ理屈で、不燃材料も難燃材料の要求を満たします。逆に、図面が準不燃以上を指定している場合に難燃材料を持ってくることはできません。上位の材料は下位の指定を常にクリアするけれど逆は成立しない、と覚えておけば判断に迷いません。
Q3:難燃材料として告示で定められているのは何ですか?
平成12年建設省告示第1402号で定められているのは3項目だけです。準不燃材料のうち一定の要件を満たすもの、難燃合板で厚さ5.5mm以上のもの、そして厚さ7mm以上のせっこうボード(ボード用原紙の厚さに条件が付く)です。第一号は準不燃材料を包含する規定なので、難燃固有の品目は実質的に難燃合板と薄い石膏ボードの2つになります。それ以外の材料は大臣認定によって難燃材料として扱われています。
Q4:認定番号のRM、QM、NMはどう違いますか?
頭の記号が防火材料の区分を表しています。NMが不燃材料、QMが準不燃材料、RMが難燃材料です。製品カタログや納品書に記載された認定番号の頭2文字を見れば、その材料がどの区分で認定されているかが判別できます。ただし認定は材料単体ではなく、下地や接着剤、施工方法まで含めた仕様に対して与えられているので、番号の確認と併せて施工要領書の入手が必要です。
Q5:難燃と防炎は同じものですか?
まったく別の制度です。難燃材料は建築基準法に基づく建築材料の区分で、壁や天井の仕上げ材に適用されます。防炎はカーテンやじゅうたん、工事用シートなどの物品に対する消防法の制度で、防炎ラベルによって表示されます。根拠法も対象も判定方法も異なるので、建物を構成する仕上げ材の話なのか、持ち込む物品の話なのかで切り分けてください。工事中の養生シートは防炎の対象です。
Q6:内装制限で難燃材料が使えるのはどの部分ですか?
一般的には居室の壁と天井が難燃材料以上とされることが多く、居室から地上に通じる廊下や階段などの通路、火気使用室ではより高い区分が求められる傾向にあります。また壁のうち床面から一定の高さ以下の部分は制限から除外される規定があり、腰壁に木材を使う場合などによく活用されます。ただし用途、規模、階数、部屋の種別によって条件が細かく変わるため、仕上表と平面図を突き合わせて面ごとに確認するのが確実です。
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