- カーテンウォールって結局どんな壁?
- 種類は何で分けられてるの?
- メタルとPCって何が違う?
- 方立方式とパネル方式の違いは?
- ファスナー形式って何種類あるの?
- なぜ地震で動いても割れないの?
- どういう建物に使われる?
- 施工管理として何を管理すればいい?
上記の様な悩みを解決します。
カーテンウォールは高層ビルの外壁でおなじみですが、「種類」と一口に言っても、材質による分類・構成方式による分類・取付のファスナー形式と、複数の切り口があります。ここを整理せずに覚えようとすると混乱します。今回は材質によるメタルとPCの2大分類から、方立方式とパネル方式の違い、PCのファスナー形式と地震時の変位追従、メリット・デメリット、そして施工管理として押さえる取付・止水の管理ポイントまで、現場目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
カーテンウォールの種類とは?
カーテンウォールの種類とは、結論「材質で分けると、金属系のメタルカーテンウォールとコンクリート系のPCカーテンウォールの2つ」に大きく分類されるもののことです。
そもそもカーテンウォールとは、建物の荷重を負担しない非耐力の外壁(帳壁)のことです。カーテンのように躯体から吊る・掛ける形で取り付けられ、自重と風圧・地震の水平力は躯体に伝えますが、上階の重さを支える役割は持ちません。だから軽量化でき、高層建築の外装として広く使われています。
種類を語るときに混乱しやすいのは、分類の軸が複数あるからです。整理すると、材質による分類(メタル/PC)、構成方式による分類(方立方式/パネル方式)、取付のファスナー形式(スライド/ロッキング/固定)という3つの切り口があります。この記事ではこの3軸を順に見ていきます。
外壁の仲間であるALCパネルはこちらが参考になります。

僕としては、まず「カーテンウォール=荷重を負担しない吊り下げ式の外壁」という大前提を押さえるのが理解の近道だと思っています。ここが分かると、なぜ軽量なのか、なぜ地震で動いても大丈夫なのかが、後の話とつながってきます。
メタルカーテンウォールとPCカーテンウォールの違い
材質による2大分類が、種類の基本です。金属系のメタルカーテンウォールと、コンクリート系のPCカーテンウォールで、性格がはっきり分かれます。
| 項目 | メタルカーテンウォール | PCカーテンウォール |
|---|---|---|
| 主な材質 | アルミ・スチール等の金属+ガラス | プレキャストコンクリート |
| 重量 | 軽い | 重い |
| 意匠 | ガラスの軽快な外観 | 重厚な質感・タイル打込み可 |
| 耐火性 | 別途対策が必要 | コンクリート自体が有利 |
| 主な用途 | オフィスビル・商業施設 | 高層マンション・重厚な建物 |
メタルカーテンウォールは、アルミを中心とした金属の枠にガラスやパネルをはめ込んだもので、軽量でガラス主体の軽快な外観をつくれます。オフィスビルの全面ガラス張りは、このメタル系の代表です。
一方、PCカーテンウォールは工場で製作したプレキャストコンクリート版を取り付けるもので、重厚感のある外観やタイルの打込み仕上げが得意です。重い分だけ躯体への負担は増えますが、コンクリートならではの耐火性・遮音性の高さが強みになります。
アルミサッシまわりの知識はこちらも参考になります。

捉え方としては、この2つは「軽快さを取るか、重厚さと耐火・遮音を取るか」で選ばれる印象です。どちらが上ということはなく、建物の用途・意匠・階数に合わせて使い分けられます。
構成方式による分類(方立方式とパネル方式)
材質の次に押さえたいのが、どう組み立てるかという構成方式です。大きく方立(マリオン)方式とパネル(ユニット)方式に分かれます。
- 方立方式:先に縦の方立(マリオン)を躯体に取り付け、その間にガラスやパネルをはめ込んでいく
- パネル方式:工場で枠・ガラス・パネルまで組んだユニットを、現場で丸ごと取り付ける
- メタルカーテンウォールは方立方式とパネル方式の両方がある
- PCカーテンウォールはパネル方式が基本
- パネル方式は工場生産の比率が高く、現場作業が減って品質が安定する
方立方式は、細長い方立を縦に流してから面材を入れていくため、現場での調整がしやすい反面、高所での組立作業が増えます。パネル方式(ユニット方式)は、工場である程度組み上げたものを吊り込むので、現場作業が少なく、工期短縮と品質安定に有利です。高層建築ほどパネル方式が選ばれる傾向にあります。
外壁材として比較されるECPはこちらが参考になります。

現場的には、方式の選択は工期・揚重計画・現場の作業環境に直結します。都心の狭い敷地で足場も限られる現場なら、現場作業を減らせるパネル方式が有利、といった判断になります。方式は意匠だけでなく、施工計画そのものに関わる選択です。
ファスナー形式と地震時の変位追従
ここが、この記事で一番深掘りしたいところです。カーテンウォールが地震で建物が揺れても割れずに済むのは、ファスナー(取付金物)が躯体の変形に追従する仕組みになっているからです。この原理を理解しているかどうかで、取付管理の質が変わります。
PCカーテンウォールのファスナー形式は、主に次の3つです。
- スライド方式:パネルが滑って動くことで、上下階のズレ(層間変位)を吸収する
- ロッキング方式:パネルが回転(ロッキング)することで層間変位に追従する
- 固定方式:躯体に固定し、変位はパネル間の目地などで吸収する
地震時、建物は上下階で横方向にズレます。このズレの角度が層間変形角で、カーテンウォールはこの変形に追従できないと、パネルが破損したりガラスが割れたりします。そこでスライドやロッキングといった機構で「躯体は動くがパネルは追従して壊れない」状態をつくります。
層間変形角の考え方はこちらが詳しいです。

層間変形の基準についてはこちらも参考になります。

現場目線で言えば、ファスナーの取付は「設計で決まった追従の仕組みを、現場で殺してしまわない」ことが肝です。スライドすべき部分を溶接でガチガチに固めてしまうと、地震時に変位を吸収できず本末転倒になります。ファスナーの可動部が図面通りに機能する状態で取り付けられているか、ここは検査で必ず確認したいポイントです。
カーテンウォールのメリット・デメリット
種類を理解したら、なぜカーテンウォールが選ばれるのか、その長所と短所も押さえておきます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| メリット:軽量化 | 非耐力壁なので躯体を軽くでき、高層化に有利 |
| メリット:工期短縮 | 工場生産・ユニット化で現場作業が減る |
| メリット:品質安定 | 工場製作で精度・仕上がりが安定する |
| メリット:意匠自由度 | ガラス・金属・PCで多彩な外観が可能 |
| デメリット:コスト | 専門工事で単価が高い |
| デメリット:止水管理 | 雨仕舞(水密性)の設計・施工がシビア |
| デメリット:専門性 | 設計・製作・施工に専門ノウハウが要る |
最大のメリットは軽量化と工場生産による工期短縮・品質安定です。高層ビルを短工期で建てられるのは、カーテンウォールのユニット化があってこそと言えます。一方でデメリットは、専門工事ゆえのコストと、雨水の浸入を防ぐ止水管理のシビアさです。
デメリットの止水は特に重要で、目地やシールの設計・施工が甘いと、竣工後の漏水クレームに直結します。ここは次の管理ポイントで詳しく触れます。
正直なところ、カーテンウォールは「メリットが大きいぶん、止水とコストの管理を外すと痛い」構法だと感じます。採用する以上は、専門業者との連携と検査体制をしっかり組むことが前提になります。
施工管理が押さえる取付・止水の管理ポイント
最後に、施工管理として現場で何を管理するかを整理します。カーテンウォールは専門業者が施工しますが、取付精度・止水・変位追従の確認は施工管理の責任範囲です。
現場で押さえるべき管理ポイントは次の通りです。
- 取付精度:墨出し・レベル・通りを確認し、パネルの目違いや倒れを防ぐ
- ファスナー:可動部が図面通りに機能する状態か(過剰な溶接・固定をしていないか)
- 水密性:水密試験でシール・目地からの漏水がないかを確認する
- 揚重・建て方計画:パネルの搬入・吊り込み手順と安全を段取りする
- 躯体との取合い:鉄骨・PC躯体側の受け金物の位置精度を事前に確認する
特に注意したいのが、躯体側の受け金物の精度です。カーテンウォール本体がいくら精密でも、取り付ける躯体側の金物位置がずれていると、現場で無理な調整を強いられ、追従機能や止水に悪影響が出ます。躯体工事の段階から、取付金物の位置を管理しておくのが効きます。
鉄骨躯体の知識はこちらが参考になります。

僕の感覚だと、カーテンウォールの管理は「本体より取合い」で差がつきます。本体は工場で精度が出ているので、問題が起きるのはたいてい躯体との取合い部分と止水です。躯体の受け金物の精度と、水密試験での漏水チェック、この2つを外さなければ、大きなトラブルは避けられる印象です。
カーテンウォールの種類に関する情報まとめ
- 種類とは:材質でメタル(金属系)とPC(コンクリート系)の2つに大別
- メタルとPC:軽快で軽いメタル、重厚で耐火・遮音に強いPC、用途で使い分け
- 構成方式:方立方式とパネル方式、PCはパネル方式が基本
- ファスナー形式:スライド・ロッキング・固定で層間変位に追従し、地震で割れない
- メリット:軽量化・工期短縮・品質安定・意匠自由度
- デメリット:コストと止水管理のシビアさ、専門性
- 管理の肝:取付精度・可動部の機能維持・水密試験・躯体との取合い精度
以上がカーテンウォールの種類に関する情報のまとめです。
カーテンウォールの種類は、材質(メタル/PC)・構成方式(方立/パネル)・ファスナー形式(スライド/ロッキング/固定)という3つの軸で捉えると、頭の中がすっきり整理できます。特にファスナー形式と層間変位追従の関係は、地震国の日本では欠かせない知識で、一級建築施工管理技士の試験でも問われるテーマです。取付精度と止水、そして躯体との取合いを押さえておけば、現場でも自信を持って管理できるはずです。
カーテンウォールの種類に関するよくある質問
Q1:カーテンウォールの種類は何で分けられますか?
主に3つの軸で分けられます。1つ目は材質による分類で、金属系のメタルカーテンウォールとコンクリート系のPCカーテンウォールの2種類です。2つ目は構成方式による分類で、方立(マリオン)方式とパネル(ユニット)方式です。3つ目は取付のファスナー形式で、スライド・ロッキング・固定の3方式があります。「種類」といっても切り口が複数あるので、どの軸の話かを意識すると混乱しません。
Q2:メタルカーテンウォールとPCカーテンウォールはどう違いますか?
材質と性格が違います。メタルはアルミなどの金属枠にガラスやパネルをはめたもので、軽量でガラス主体の軽快な外観が得意です。オフィスビルの全面ガラス張りが代表例です。PCはプレキャストコンクリート版で、重厚な質感やタイル打込みができ、耐火性・遮音性に優れます。軽さと意匠を取るならメタル、重厚さと耐火・遮音を取るならPC、というイメージで使い分けられます。
Q3:方立方式とパネル方式の違いは何ですか?
組み立て方の違いです。方立方式は、先に縦の方立(マリオン)を躯体に取り付けてから、その間にガラスやパネルをはめ込んでいきます。パネル方式(ユニット方式)は、工場で枠・面材まで組んだユニットを現場で丸ごと取り付けます。パネル方式は現場作業が少なく工期短縮と品質安定に有利で、高層建築で多く採用されます。メタルは両方式、PCはパネル方式が基本です。
Q4:なぜカーテンウォールは地震で揺れても割れないのですか?
ファスナー(取付金物)が躯体の変形に追従する仕組みになっているからです。地震時、建物は上下階で横方向にズレます(層間変位)。カーテンウォールはスライド方式で滑る、ロッキング方式で回転する、といった機構でこのズレを吸収し、パネル本体には無理な力がかからないようにしています。だから躯体は動いてもカーテンウォールは追従して割れずに済みます。逆に、可動すべき部分を現場で固めてしまうと追従できず破損の原因になります。
Q5:施工管理としてカーテンウォールで何を管理すべきですか?
取付精度・可動部の機能維持・水密性・躯体との取合い精度が主な管理ポイントです。特に問題が起きやすいのは、本体そのものより躯体側の受け金物の精度と止水です。躯体工事の段階から取付金物の位置を管理し、竣工前には水密試験でシール・目地からの漏水がないかを確認します。ファスナーの可動部を過剰な溶接で殺していないかも、検査で必ず確認したいところです。
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