鉄筋の比重とは?密度、単位体積重量、D10〜D32の重量など

  • 鉄筋の比重っていくつ?7.85でいい?
  • 比重と密度って違うの?
  • 単位体積重量・単位重量と何が違う?
  • D10〜D32の重量(1mあたり)を一覧で知りたい
  • 鉄筋の重量ってどう計算するの?
  • 断面積は自分で計算していい?規格値を使う?
  • SD295とSD345で比重は変わる?
  • コンクリートや鉄筋コンクリートの比重は?
  • 重量拾いや搬入・揚重の計画に使うの?
  • 現場で「この配筋で何トン」と即答できるようになりたい

上記の様な悩みを解決します。

鉄筋の比重は、配筋の重量拾い・鉄筋の搬入や揚重の計画・積算でのトン数算出など、施工管理が現場でトン数を扱うときの土台になる数値です。ただ、比重・密度・単位体積重量・単位重量と似た言葉が多く、混乱しやすいテーマでもあります。今回は鉄筋の比重7.85t/m³の意味から、紛らわしい用語の整理、重量の計算方法、D10〜D32の1mあたり重量と断面積の一覧、SD295・SD345との関係、そして現場での使い方まで整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

鉄筋の比重とは?

鉄筋の比重とは、結論「7.85(t/m³)」です。これは鉄筋が鋼(鉄)を細長い棒状にしたものなので、比重は鋼と同じ値になるためです。

比重とは「ある物質の密度が、基準となる水の密度の何倍か」を表した値です。水の密度を1としたとき、鉄筋(鋼)はその7.85倍重い、という意味で比重7.85になります。重要なのは、この値が鉄筋の材質(SD295・SD345など強度の違い)に関わらず一定だという点です。強度が違っても鋼であることは同じなので、比重は変わりません。

密度と比重の違いはこちらで整理しています。

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ここで1つ補足です。比重は本来「無次元(単位のない比の値)」ですが、実務では7.85t/m³のように単位体積重量の単位をつけて使うことがほとんどです。これは比重の値と単位体積重量の数値が一致するためで、実務上は問題ありません。なぜ一致するのかは次の章で整理します。

僕の整理では、鉄筋の比重は「7.85という1つの数字を覚えれば、あとは断面積と長さを掛けるだけで重量が出せる」便利な定数だと捉えています。この数字が現場のトン数計算すべての出発点になります。

鉄筋の比重・密度・単位体積重量・単位重量の違い

鉄筋の重量まわりでつまずく一番の原因が、「比重」「密度」「単位体積重量」「単位重量」という似た用語の混在です。一度整理しておきましょう。

用語 意味 鉄筋での値・単位
比重 水の密度に対する比(何倍重いか) 7.85(無次元)
密度 単位体積あたりの質量 約7.85 g/cm³=7850 kg/m³
単位体積重量 単位体積あたりの重量(力) 約77 kN/m³(≒7.85t/m³)
単位重量 単位長さ・単位面積あたりの重量(文脈による) 鉄筋では「1mあたりの重量」を指すことが多い

ポイントは2つです。1つ目は「比重・密度・単位体積重量は実質ほぼ同じ大きさを指す」こと。比重7.85、密度7850kg/m³(=7.85g/cm³)、単位体積重量7.85t/m³は、表現の仕方が違うだけで同じ「鋼の重さ」を表しています。だから比重に単位をつけても実務で通用するわけです。

2つ目は「単位重量だけは少し意味が違う」こと。鉄筋でいう単位重量は、多くの場合「1mあたりの重量(kg/m)」を指します。D13なら0.995kg/m、というあれです。これは比重から計算した結果の値で、現場で重量拾いに直接使うのはこの「1mあたりの重量」です。

単位体積重量そのものはこちらが詳しいです。

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比重の単位(無次元の理由)はこちらが参考になります。

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実務だと、この4つを厳密に区別しなくても困らない場面が多いですが、「比重・密度・単位体積重量は同じ重さの言い換え、単位重量(kg/m)は鉄筋の太さごとに違う実用値」と押さえておくと、試験でも現場でも混乱しなくなります。

鉄筋の重量の計算方法

鉄筋の重量は、比重を使って次の式で計算します。考え方はとてもシンプルです。

鉄筋の重量 = 断面積 × 長さ × 比重

体積(断面積×長さ)に比重(密度)を掛ければ重量が出る、という基本どおりの式です。これを1mあたりにしたものが「単位長さあたりの重量(kg/m)」で、現場で使うのはこちらです。

鉄筋の重量 = 1mあたりの重量(kg/m) × 長さ(m)

例えばD13(1mあたり0.995kg)が10m分あれば、0.995×10=約9.95kgになります。配筋全体ならこれを本数分・サイズ分すべて足し上げて総重量を出します。

ここで注意したいのが断面積の扱いです。鉄筋の断面積は、自分で「直径から円の面積」を計算してはいけません。異形鉄筋(表面にリブや節がある鉄筋)は表面の凹凸があるため、規格で定められた公称断面積を使うのが正解です。例えばD13は「直径が概ね13mm」ですが、自分で計算した断面積(約133mm²)と規格の公称断面積(126.7mm²)は値が違います。断面算定では必ず規格値を使う、これが鉄則です。

呼び径と断面積の関係はこの後の一覧で示します。配筋の基礎はこちらが参考になります。

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正直なところ、現場では毎回この式で計算するより、次の章の「1mあたりの重量の一覧表」を使うほうが速いです。式は理屈を理解するために押さえ、実務では一覧で引く、という使い分けが効率的です。

D10〜D32の鉄筋の重量・断面積一覧

実務で一番使うのが、鉄筋サイズごとの「1mあたりの重量」と「公称断面積」の一覧です。よく使うD10〜D32をまとめました。(JIS G 3112 異形棒鋼の規格値)

呼び名 公称直径(mm) 公称断面積(mm²) 単位質量(kg/m)
D10 9.53 71.33 0.560
D13 12.7 126.7 0.995
D16 15.9 198.6 1.56
D19 19.1 286.5 2.25
D22 22.2 387.1 3.04
D25 25.4 506.7 3.98
D29 28.6 642.4 5.04
D32 31.8 794.2 6.23

表の見方は、左から「呼び名(D=異形鉄筋、数字は概ねの直径mm)」「規格上の直径」「断面算定に使う公称断面積」「重量拾いに使う1mあたりの重量」です。呼び名のDはdeformed(異形)の頭文字で、数字は概ねの直径を表しますが、公称直径とはわずかにずれます(D13は概ね13mmだが公称直径は12.7mm)。

D22の重量や使いどころを深掘りしたい場合はこちらが参考になります。

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僕の感覚だと、この表の中でも「単位質量(kg/m)」の列を体で覚えておくと現場が速いです。D13≒1.0、D16≒1.56、D19≒2.25、D22≒3.0、D25≒4.0…と、よく使うサイズだけでも頭に入れておくと、図面を見ながら概算のトン数がその場で出せるようになります。

SD295・SD345と鉄筋の比重の関係

鉄筋には材質(強度区分)の規格があり、代表的なのがSD295・SD345・SD390です。SDのDは異形(deformed)、数字は降伏点の目安(N/mm²)を表します。ここでよくある疑問が「材質が違うと比重も変わるのか?」です。

結論は、材質が違っても比重は7.85で変わりません。SD295もSD345も鋼であることは同じなので、密度・比重は共通です。違うのは強度(降伏点・引張強さ)であって、重さ(比重)ではありません。

材質 主な使用サイズ 比重
SD295A 主にD10〜D16 7.85
SD345 主にD19〜D25 7.85
SD390 大径・高強度部材 7.85

つまり、同じD13ならSD295でもSD345でも1mあたりの重量は同じ0.995kgです。重量拾いではサイズ(D13・D16など)だけ見れば材質を気にする必要はない、という整理になります。材質は強度計算・配筋仕様で効いてくるもので、重量計算には影響しない、と覚えておくと混乱しません。

鋼材の単位体積重量はこちらでも触れています。

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現場目線で言えば、材質と比重を切り分けられると、図面の「SD345 D19」という表記を見たときに、強度はSD345で確認、重量はD19の3.something kg/mで拾う、と頭の中で役割分担ができるようになります。

コンクリート・鉄筋コンクリートの比重との関係

鉄筋の比重を理解したら、コンクリートや鉄筋コンクリート(RC)の比重との関係も押さえておくと、躯体全体の重量がイメージできるようになります。

実務で使われる代表的な比重は次の通りです。

材料 比重(t/m³)
鉄筋(鋼) 7.85
コンクリート 2.3
鉄筋コンクリート(RC) 2.4

ここで面白いのが、コンクリート2.3とRC2.4の差「0.1t/m³」が、RC部材に含まれる鉄筋の寄与分だという点です。鉄筋単体の比重は7.85と重いのに、RC全体では0.1しか上げないのは、RC部材の体積のうち鉄筋が占める割合が小さく(大部分はコンクリート)、部材体積あたりで均すと鉄筋の影響が薄まるためです。

鉄筋コンクリートの比重はこちらが詳しいです。

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実務だと、躯体の重量を概算するときはRC比重2.4を使います。スラブや梁の体積(m³)に2.4を掛ければ、おおよその躯体重量(t)が出せます。鉄筋単体の7.85は鉄筋の重量拾いに、RCの2.4は躯体全体の重量に、と場面で使い分けるのがコツです。

鉄筋の比重・重量の現場での使い方

最後に、鉄筋の比重・重量が現場で何の役に立つのかを整理します。競合の重量表サイトは数値で終わりがちですが、施工管理にとっては「どこで使うか」が本題です。

鉄筋の重量が効いてくる場面は主に次の通りです。

  • 重量拾い(数量積算):配筋図からサイズ別の総長さを拾い、1mあたり重量を掛けてトン数を算出する
  • 鉄筋の発注:トン数で発注するため、拾った重量がそのまま発注量になる
  • 搬入計画:トラックの積載量に対し、何台で搬入するかを重量から計画する
  • 揚重計画:クレーンの能力に対し、1回に吊る鉄筋の重量(玉掛け)が収まるか確認する
  • 工程・歩掛:鉄筋工の人工は加工・組立のトン数で見積もるため、重量が基準になる

特に重量拾いは施工管理の基本作業です。配筋図から「D13が何m、D19が何m」とサイズ別に総長さを集計し、一覧表の1mあたり重量を掛けて合計すれば、その部材・建物の鉄筋総重量(トン数)が出ます。これが発注・積算・工程のすべての土台になります。

実務で見落としやすいのが、定尺・働き長さとロスの扱いです。鉄筋は定尺(5.5m・6m・7mなど)で入ってくるため、現場で切断すると端材(ロス)が出ます。また継手(重ね継手・ガス圧接)がある部分は重ね長さの分だけ実際の鉄筋量が増えます。だから純粋な設計長さだけで拾うと、実際の発注量より少なく出ることがあります。重量拾いではロスと継手の割り増しを見込む、という実務感覚が必要です。

継手による割り増しの考え方は、ガス圧接などの継手記事も参考になります。躯体重量の概算と合わせて押さえておくと、現場でのトン数感覚が一段上がります。

僕の考えでは、鉄筋の比重は「7.85」という単なる定数に見えて、実は重量拾い・発注・搬入・揚重・工程まで全部つながる起点です。この数字と一覧表を体に入れておくと、図面を見た瞬間に「この配筋なら何トン、トラック何台、クレーンで何回」と段取りが頭に浮かぶようになります。

鉄筋の比重に関する情報まとめ

  • 鉄筋の比重とは:7.85(t/m³)。鋼と同じで、材質(SD295・SD345)が違っても変わらない
  • 用語の整理:比重・密度・単位体積重量は同じ重さの言い換え(7.85/7850kg/m³/約77kN/m³)、単位重量は鉄筋では1mあたりの重量(kg/m)を指す
  • 重量の計算:重量=断面積×長さ×比重。実務は1mあたり重量×長さ。断面積は規格の公称断面積を使う
  • 重量・断面積一覧:D10=0.56、D13=0.995、D16=1.56、D19=2.25、D22=3.04、D25=3.98、D29=5.04、D32=6.23(kg/m)
  • SD295・SD345との関係:材質が変わっても比重7.85は同じ。重量拾いはサイズだけ見ればよい
  • コンクリート・RCの比重:コンクリート2.3、RC2.4。差0.1がRC部材中の鉄筋の寄与分。躯体概算はRC2.4を使う
  • 現場での使い方:重量拾い・発注・搬入・揚重・工程の土台。定尺ロスと継手の割り増しを見込む

以上が鉄筋の比重に関する情報のまとめです。

鉄筋の比重は7.85という1つの定数ですが、ここから重量の計算、D10〜D32の重量拾い、発注のトン数、搬入・揚重の段取りまで一本でつながります。紛らわしい比重・密度・単位体積重量・単位重量を「同じ重さの言い換えと、1mあたりの実用値」で整理し、一覧表のkg/mを体に入れておけば、図面を見た瞬間にトン数と段取りが浮かぶようになります。実務ではロスと継手の割り増しまで見込む、ここまでできると重量拾いの精度がぐっと上がります。

鉄筋の比重に関するよくある質問

Q1:鉄筋の比重はいくつですか?材質で変わりますか?

鉄筋の比重は7.85(t/m³)で、鋼と同じ値です。鉄筋は鋼を棒状にしたものなので、SD295・SD345・SD390など材質(強度区分)が違っても比重は7.85で変わりません。違うのは強度(降伏点・引張強さ)であって重さではないため、重量拾いではサイズ(D13・D19など)だけ見れば材質を気にする必要はありません。

Q2:比重と密度と単位体積重量はどう違いますか?

表現の仕方が違うだけで、鉄筋ではほぼ同じ大きさを指します。比重は水に対する比で7.85(無次元)、密度は単位体積あたりの質量で約7850kg/m³(7.85g/cm³)、単位体積重量は単位体積あたりの重量で約77kN/m³(≒7.85t/m³)です。値が一致するため、比重に単位体積重量の単位をつけて使っても実務上は問題ありません。一方、鉄筋でいう「単位重量」は1mあたりの重量(kg/m)を指すことが多く、これは比重から計算した実用値です。

Q3:鉄筋の重量はどう計算しますか?

基本式は「重量=断面積×長さ×比重」です。実務では1mあたりの重量(kg/m)に長さを掛ける形を使います。例えばD13(0.995kg/m)が10mなら約9.95kgです。注意点として、断面積は自分で直径から計算せず、規格で定められた公称断面積を使ってください。異形鉄筋は表面に凹凸があるため、自分で計算した値と規格の公称断面積は一致しません。

Q4:D10〜D32の1mあたりの重量を教えてください。

JIS規格の単位質量(kg/m)は、D10=0.560、D13=0.995、D16=1.56、D19=2.25、D22=3.04、D25=3.98、D29=5.04、D32=6.23です。重量拾いではこの値に各サイズの総長さを掛けて合計し、鉄筋の総重量(トン数)を算出します。よく使うD13≒1.0、D19≒2.25、D22≒3.0、D25≒4.0あたりを覚えておくと、図面から概算トン数をその場で出せます。

Q5:鉄筋コンクリートの比重が2.4なのに、鉄筋の比重が7.85なのはなぜですか?

鉄筋コンクリート(RC)部材は、体積の大部分がコンクリートで、鉄筋が占める割合は小さいためです。コンクリートの比重2.3に対し、RCは2.4で、その差0.1がRC部材中の鉄筋の寄与分にあたります。鉄筋単体は7.85と重いものの、部材体積あたりで均すと鉄筋の影響は0.1程度に薄まります。躯体重量を概算するときはRC比重2.4を、鉄筋単体の重量拾いには7.85(および1mあたり重量)を使い分けます。

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