スパイラルダクトとは?材質、規格、施工方法、吊りピッチなど

  • スパイラルダクトってなに?
  • どんな材質があるの?
  • 規格について知りたい
  • 定尺は?
  • 施工の流れって?
  • 吊りピッチについて知りたい
  • 板厚は径によって何mmになるの?
  • 差込み継手のビスは何本打てばいい?
  • 吊りボルトはM10で足りる?
  • 防火区画を抜けるときは何をすればいい?

上記のような悩みを解決します。

スパイラルダクトは、亜鉛鉄板をらせん状に甲はぜ掛けで巻いた丸ダクトです。公共建築工事では、板厚や吊り間隔は公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)の表と条文で決まっています。この記事では、呼称寸法ごとの板厚、差込み継手のビス本数、吊り間隔4,000mm以下と吊り金物の組み合わせを、項番つきで確かめられます。

なるべく専門用語は使わずに分かりやすい言葉で解説していくので、初心者の方にも分かりやすい内容になっているかなと思います。

それでは行ってみましょう!

「今の現場がしんどい」と感じたときの選択肢として、転職サービスの比較記事を置いておきます。

目次

スパイラルダクトとは?

スパイラルダクトとは、結論「亜鉛鉄板をスパイラル状に甲はぜ掛けで機械巻きした、断面が円形のダクト」のことです。公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 1.14.4.1(1)では、亜鉛鉄板をスパイラル状に甲はぜ掛け機械巻きしたもの、と定められています。

使われている場面は空調と換気です。室内の温度を整えたり、汚れた空気を外へ出したりするには、空気を運ぶ管が要ります。スパイラルダクトはその「空気を運ぶ管」の役割を担っています。ダクト全般の役割はダクトの解説記事にまとめています。

外から見ると斜めに筋が走っていますが、あれは帯状の鋼板をらせんに巻いたときの継ぎ目(はぜ)です。板を折り曲げて端と端を噛み合わせる継ぎ方を「はぜ掛け」と呼び、それが全長にわたって連続しているのがスパイラルダクトの見た目の特徴になります。

ここで最初に押さえておきたいのが、寸法の測り方です。同じ「φ200」でも、直管と継手では基準にしている面が違います。

部材 呼称寸法の基準 公差 根拠
直管(スパイラルダクト本体) 内径 呼称寸法に対し0〜+2mm 標仕 1.14.4.1(1)
継手 外径 呼称寸法710未満は−1.2〜−1.9mm、710以上1,250以下は−2.0〜−2.2mm 標仕 1.14.4.2(1)・表3.1.25

数字を並べると、直管の内径は呼称寸法と同じかそれより少し大きく、継手の外径は呼称寸法より少し小さくなります。つまり継手が直管の内側にちょうど差し込める寸法関係になっているわけです。後で出てくる「差込み継手接合」は、この寸法の作り方が前提になっています。

なお、ここで引いている公共建築工事標準仕様書(以下、標仕)は、国土交通省大臣官房官庁営繕部が定める公共建築工事の標準仕様です。民間工事では、特記仕様書や設計図書が優先します。

僕の感覚だと、メジャーで現物を測って「呼び径より太い・細い」と迷うことがあるなら、まずこの内径基準と外径基準の違いを疑ってみてください。直管は内側、継手は外側と覚えておくと、搬入時の検品でも慌てずに済むと思います。

角ダクト・フレキとの違いと使い分け

スパイラルダクトは丸ダクトの仲間です。よく比較されるのは断面が長方形の角ダクト(長方形ダクト)と、蛇腹状のフレキシブルダクトです。形の違いは見れば分かりますが、施工管理として効いてくるのは「吊り間隔が違う」という点です。

標仕は、ダクトの種類や工法ごとに横走りダクトの吊り間隔を分けて定めています。

ダクトの種類・工法 吊り間隔 根拠
スパイラルダクト 4,000mm以下 標仕 2.2.2.4(1)
円形ダクト(スパイラル以外) 3,640mm以下 標仕 2.2.2.4(1)
長方形ダクト(アングルフランジ工法) 3,640mm以下 標仕 2.2.2.2(1)
長方形ダクト(スライドオンフランジ工法) 3,000mm以下 標仕 2.2.2.3(1)
長方形ダクト(共板フランジ工法) 2,000mm以下 標仕 2.2.2.3(1)

同じ丸ダクトでも、スパイラルダクトは4,000mm以下、それ以外の円形ダクトは3,640mm以下です。角ダクトの共板フランジ工法と比べると、吊りの間隔は最大で倍の長さまで取れます。吊りの箇所が減れば、インサートの数も吊りボルトの本数も減るので、天井内の段取りがかなり変わります。

フレキシブルダクトは、標仕 2.2.5.3(1)で吹出口・吸込口ボックスの接続用として、1.5m以下で使用してもよいとされています。標仕上は、吹出口・吸込口ボックスにつなぐ部分に1.5m以下で使うもの、という扱いです。

違いを整理すると、見ておきたいのは次の4つです。

  • 断面の形(円形か長方形か)
  • 呼称寸法の基準(スパイラルは直管が内径、継手が外径)
  • 横走りの吊り間隔(上の表のとおり工法ごとに違う)
  • 接合の方法(スパイラルは差込み継手かフランジ継手)

どのダクトを使うかは設計図で決まっていますが、施工図を描く段階で吊り間隔が変わることを頭に入れておくと、インサートの割付けを出すときに数え間違いが減ります。ダクトの種類全体の整理はダクトの種類の記事が参考になります。

スパイラルダクトの材質(亜鉛鉄板・塩ビ鋼板・ステンレス)

スパイラルダクトの材質は、標準が亜鉛鉄板で、用途によって塩ビ鋼板やステンレスのものがあります。

  • 亜鉛鉄板(空調・換気ダクトの標準)
  • 塩ビ鋼板(腐食性ガス・薬品に強い製品。浴室・トイレ換気の実績例もある)
  • ステンレス

それぞれの材質について詳しく解説していきます。

亜鉛鉄板製スパイラルダクトの特徴

空調・換気に使うスパイラルダクトは、まず亜鉛鉄板製と考えて問題ありません。標仕 1.14.1(2)は、空気調和設備及び換気設備に使用するダクトは亜鉛鉄板製とする、と定めています。

亜鉛鉄板は、鋼板の表面に亜鉛をめっきした板です。亜鉛の塊で作っているわけではありません。標仕 1.14.2.1(1)では、めっきの付着量をJIS G 3302「溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯」のZ18以上としています。材料を受け入れるときは、ミルシートや製品表示でこの規格とめっきの記号を確かめる、という見方になります。

塩ビ鋼板製スパイラルダクトの特徴

塩ビ鋼板は、鋼板に塩化ビニルを被せた板です。プラスチックだけで作った管とは別物なので、混同しないようにしたいところです。

メーカーの製品情報(株式会社フカガワ「塩ビ鋼板 スパイラルダクト」)では、鋼板の両面に塩化ビニルを被覆しているため高い耐食性と気密性を持ち、耐食性・耐薬品性に優れ、各種腐食性ガスに強い素材と説明されています。実績例として、化学薬品工場用ダクト、集合住宅の浴室・トイレの換気、浄水場・下水処理場用ダクトが挙げられています。

ステンレス製スパイラルダクトの特徴

ステンレス製のスパイラルダクトもあります。ただ、耐食性や耐熱性をどの程度見込めるかを示す公的な規定は、この記事では確認できていません。採用する場所や板厚は、設計図書の指定に従うのが確実です。

厨房の排気ダクトで気をつけること

材質とは別に、厨房の排気ダクトには標仕 2.2.1(3)で「ダクト内の点検が可能な措置を講ずる」という規定があります。これはスパイラルダクトに限った話ではなく、厨房の排気ダクト全般の決まりです。油を含んだ排気が通る系統は、点検口の位置まで施工図に落としておく必要があります。

個人的には、材質の欄は「亜鉛鉄板・Z18以上」を基本に置き、塩ビ鋼板やステンレスは設計図書に書かれているときだけ選ぶ、という順番で考えると迷いにくいと思います。

スパイラルダクトの規格(サイズ・板厚・はぜ)

スパイラルダクトの規格で一番よく調べられるのが板厚です。標仕 1.14.4.1(1)は、スパイラルダクトの板厚とはぜのピッチを表3.1.23と表3.1.24によるとしています。

板厚(表3.1.23)

板厚は、呼称寸法と、低圧ダクトか高圧ダクトかの区分で決まります。

適用表示厚さ 低圧ダクトの呼称寸法 高圧1・高圧2ダクトの呼称寸法
0.5mm 450以下 200以下
0.6mm 450を超え710以下 200を超え560以下
0.8mm 710を超え1,000以下 560を超え800以下
1.0mm 1,000を超え1,250以下 800を超え1,000以下
1.2mm - 1,000を超え1,250以下

出典:公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 表3.1.23(単位:呼称寸法はmm)

表の板厚は「適用表示厚さ」という欄で示されている値です。同じ呼称寸法でも、高圧ダクトの方が厚い区分に入ります。たとえば呼称寸法400なら、低圧ダクトは0.5mm、高圧1・高圧2ダクトは0.6mmです。系統が低圧か高圧かは設計図の凡例や特記で決まっているので、板厚を拾う前にそこを確かめます。

はぜのピッチ(表3.1.24)

呼称寸法 はぜのピッチ
100以下 125以下
100を超え1,250以下 150以下

出典:公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 表3.1.24。同表の注で、はぜ折りの幅は4.0mm以上とされています。

サイズ(呼称寸法)の範囲

標仕のスパイラルダクト関係の表(表3.1.23・3.1.24・3.1.26・3.1.27・3.2.3・3.2.4)は、いずれも呼称寸法1,250までを扱っています。小さい側の下限は、標仕には規定がありません。

実際にどの径が作られているかはメーカーの製品寸法で、たとえば株式会社フカガワの亜鉛鋼板スパイラルダクトでは、φ75〜φ600は呼び径25mmピッチ、φ600〜φ1600は呼び径50mmピッチで製作できるとカタログに書かれています。標仕の表にない呼称寸法を使う場合は、特記仕様書や設計図書の指定を確認してください。

実務だと、施工図の凡例に「呼称寸法・板厚・低圧/高圧」の3つを並べて書いておくと、製作図のチェックや材料の受け入れで同じ表を何度も引かずに済みます。

スパイラルダクトの定尺と継手

定尺はメーカーのカタログ値

スパイラルダクトの定尺は、メーカーのカタログでは「4.0m」としている例があります。株式会社フカガワの亜鉛鋼板スパイラルダクトでは定尺4.0mとされ、現場や運搬の条件に応じた指定寸法でも製作するとしています。

4.0mは規格(標仕)の数値ではなく、メーカーの製品寸法です。メーカーによって違う可能性があるので、発注前に採用メーカーのカタログで確かめるのが確実です。定尺で収まらない端部などは、長さを調節するための加工や指定寸法での製作が必要になります。

継手の作り方と寸法

エルボや分岐などの継手について、標仕 1.14.4.2(1)は、亜鉛鉄板をはぜ継ぎ又は溶接加工したものとし、呼称寸法は外径基準と定めています。直管が内径基準だったのと逆なので、ここは混同しやすいところです。

継手の板厚は表3.1.26で決まっています。

継手の板厚 呼称寸法
0.6mm 315以下
0.8mm 315を超え710以下
1.0mm 710を超え1,000以下
1.2mm 1,000を超え1,250以下

出典:公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 表3.1.26

直管の低圧ダクト(表3.1.23)と比べると、たとえば呼称寸法300の直管は0.5mm、継手は0.6mmで、継手の方が厚い区分になっています。

継手の差込み長さは表3.1.27で、呼称寸法315以下、315を超え800以下、800を超え1,250以下のいずれも「60以上」です。差し込みが浅いとビスもシールも効かないので、検査では差込み長さを最初に見ておきたいところです。

曲がりの半径

ダクトの湾曲部の内側半径について、標仕 1.14.1(5)(イ)は、スパイラルダクトの場合はその半径以上とする、としています。急な曲がりを作らず、ダクトの半径以上の内側半径を取るという決まりです。配管の曲がり部材の考え方はベンド管の記事でも整理しています。

スパイラルダクトの接続方法(差込み継手接合・フランジ継手接合)

スパイラルダクト同士や継手との接合は、標仕 2.2.3.2(1)で「差込み継手接合又はフランジ継手接合とする」と定められています。

差込み継手接合の手順

差込み継手(およびフランジ用カラー)とダクトの接合は、標仕 2.2.3.2(2)で手順まで決まっています。順番に並べると次のとおりです。

  • 継手を直管に差し込む
  • 鋼製ビスで周囲を固定する
  • 継手と直管の継目全周にシール材を塗る
  • ダクト用テープで二重巻きにする

シールとテープの両方をやる、テープは二重巻き、というのがポイントです。どちらか片方で済ませると、標仕の手順を満たしていないことになります。

ビスの本数(表3.2.4)

接合部の鋼製ビス本数は、ダクトの内径ごとに片側の最小本数が決まっています。

ダクト内径 ビスの片側最小本数
155mm以下 3本
155mmを超え355mm以下 4本
355mmを超え560mm以下 6本
560mmを超え800mm以下 8本
800mmを超え1,250mm以下 12本

出典:公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 表3.2.4

表の本数は「片側最小本数」なので、継手の片側ごとに最低この本数を打ちます。φ300の差込みなら、片側4本以上です。

フランジ継手接合の決まり

フランジ継手接合の場合、フランジの最大間隔は標仕 1.14.4.2(2)で4,000mmとされています。

フランジ用カラーは、標仕 1.14.4.2(2)(エ)で、つば部の外径が差込部の外径より15mm以上大きく、板厚は接続するダクトより1番手厚く、差込み長さ100mm以上のもの、と決められています。フランジの接合材料は表3.1.28です。

呼称寸法 山形鋼
710以下 25×25×3
710を超え1,000以下 30×30×3
1,000を超え1,250以下 40×40×3

出典:公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 表3.1.28。同表では、リベットは最小呼び径4.5・最大間隔65mm、ボルトは最小M8・最大間隔100mmとされています。

この表の呼称寸法の区切り(710・1,000・1,250)は、後で出てくる吊り金物の表(750・1,000・1,250)と違います。同じ山形鋼の寸法が並ぶので、表を取り違えないように注意してください。

差込みとフランジのどちらにするかについて、標仕はどちらの接合でもよいとしています。採用する接合方法は設計図書や施工要領書で決めておき、職方と事前に共有しておくのが確実です。

スパイラルダクトの施工方法

スパイラルダクトの施工方法

  • 躯体工事の段階でインサートを仕込む
  • インサートからボルトを吊るす(下章参照)
  • 金具でスパイラルダクトを固定
  • 継手を差し込み、ビス・シール・テープで接続
  • 必要な箇所に振れ止めを取る
  • 防火区画の貫通部など、必要があればその他工事

以上がスパイラルダクトの施工方法です。

まず、スパイラルダクトは天井から吊るすことがほとんどです。天井から吊るす為に、躯体工事(建物の骨組みを作る工事)の段階でインサートと呼ばれる「めねじ」を仕込みます。

めねじであるインサートに対して、おねじであるボルトを差し込みます。すると天井からボルトが吊るされている格好です。

このボルトの先端に金具を付け、スパイラルダクトを固定します。支持ピッチやボルトの太さ等は下章で詳しく扱います。インサートの位置は吊り間隔から逆算して決まるので、スパイラルダクトの4,000mm以下という数字を、躯体工事より前の段階で押さえておく必要があります。

吊ったダクトは、前章の手順で継手を差し込み、ビス・シール・テープで接続していきます。端部の場合ならば長さを調節する為に加工が必要ですし、防火区画を貫通する部分なら、防火区画貫通処理が必要になってきます。

その時その時で必要な処理を施しましょう。

スパイラルダクトの吊りピッチと吊り金物

横走りダクトは、標準図(ダクトの吊り金物・形鋼振れ止め支持要領)に準じた吊りを行う。吊り間隔は、スパイラルダクトは 4,000mm 以下、円形ダクトは 3,640mm 以下とする。

引用:国土交通省大臣官房官庁営繕部「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版」2.2.2.4(1)

結論から言うと、スパイラルダクトの吊りピッチは「4,000mm以下」です。

これは公共建築工事の標準仕様として定められている数値なので、公共工事では施工する上で必ず押さえなければならないポイントになります。民間工事では特記仕様書や設計図書が優先するので、まず特記を確認してから吊りの計画を立てます。躯体工事の段階でしっかりインサートを仕込んでおきましょう。

吊り金物の組み合わせ(表3.2.3)

また、支持する山形鋼(アングル材)と吊り用ボルトにも規定があります。組み合わせは標仕の表3.2.3のとおりです。

呼称寸法 山形鋼寸法 吊り用ボルト
750以下 25×25×3 M10又は呼び径9
750を超え1,000以下 30×30×3 M10又は呼び径9
1,000を超え1,250以下 40×40×3 M10又は呼び径9

出典:公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)令和7年版 表3.2.3(スパイラル及び円形ダクトの吊り金物)。同表の注で、呼称寸法1,000を超える場合の吊り用ボルトの径は、強度を確認の上、選定するとされています。

吊り用ボルトは表の上ではすべてM10又は呼び径9ですが、呼称寸法1,000を超える大きな径では、注のとおり強度を確かめてから径を決めます。表を見て「全部M10でよい」と読んでしまわないことが大事です。山形鋼そのものの規格はLアングルの記事で解説しています。

吊りバンドで吊ってよい範囲

標仕 2.2.2.4(3)では、呼称寸法750以下の横走りダクトについて、厚さ0.8mm以上の亜鉛めっきを施した鋼板を円形に加工した吊りバンドと、吊り用ボルトとの組合せでもよいとしています。

さらに呼称寸法300以下の小口径では、吊り金物に代えて厚さ0.6mmの亜鉛鉄板を帯状に加工したものを使ってもよいとされています。ただし、この方法による場合は要所に振れ止め支持を行う、という条件が付いています。

形鋼振れ止め支持

標仕 2.2.2.1(2)では、横走りダクトは12m以下ごとに形鋼振れ止め支持を行い、あわせて横走りダクトの末端部にも形鋼振れ止め支持を行うとしています。ただし、ダクトの周長が1,000mm以内の場合と、吊り用ボルトの長さが平均200mm以内の場合は除かれます。

吊りの計画で確認したいことをまとめると、次の4つです。

  • 吊り間隔は4,000mm以下になっているか
  • 呼称寸法に合った山形鋼と吊り用ボルトか(1,000超はボルト径の強度確認)
  • 吊りバンドや帯状の金物を使う場合、呼称寸法と板厚の条件を満たしているか
  • 12m以下ごとと末端部に形鋼振れ止めがあるか(除外条件に当たるかどうか)

個人的には、施工図の段階でこの4つを吊り詳細図の横に書き込んでおくと、職方への指示も検査の指摘も同じ紙で話ができるので楽になると思います。

同じ設備の仕事でも、新築か改修かで拘束時間はかなり違います。年収・拘束時間・職種のどれを変えたいかで選ぶ形にまとめています。

スパイラルダクトが防火区画を貫通するとき

スパイラルダクトが防火区画を貫通するときは、法令の規定と標仕の規定が重なります。根拠ごとに分けて見ていきます。

防火ダンパーの設置(建築基準法施行令第112条第21項)

建築基準法施行令第112条第21項では、換気、暖房又は冷房の設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通する場合(国土交通大臣が防火上支障がないと認めて指定する場合を除く)、貫通する部分又はこれに近接する部分に特定防火設備を設けなければならないとしています。その要件の一つが、火災により煙が発生した場合又は温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖するものであること、です。現場で防火ダンパーと呼んでいるものがこれに当たります。

貫通部の隙間の処理(標仕 2.2.1(1))

貫通部の隙間の埋め方は、法令ではなく標仕 2.2.1(1)の規定です。準耐火構造の防火区画等をダクトが貫通する場合、貫通部とダクトとの隙間にモルタル又はロックウール保温材を充塡します。保温が必要なダクトの場合、貫通部の保温はロックウール保温材とし、ロックウール保温材を施す場合は脱落防止の措置を講じます。

ダンパーの固定(標仕 2.3.3(2))

防火ダンパー、防煙ダンパー等は、火災時に脱落しないように、防火区画の壁又は床に固定すると標仕 2.3.3(2)で定められています。ダクトの吊りだけで支えるのではなく、区画側に固定するという点がポイントです。

風道を不燃材料で造る建物(施行令第129条の2の4第1項第六号)

これはダンパーとは別の規定です。建築基準法施行令第129条の2の4第1項第六号では、地階を除く階数が3以上である建築物、地階に居室を有する建築物、又は延べ面積が3,000平方メートルを超える建築物に設ける換気、暖房又は冷房の設備の風道は、不燃材料で造ることとしています(屋外に面する部分その他防火上支障がないものとして国土交通大臣が定める部分を除く)。

防火区画の貫通で確認したいことを並べると、次のとおりです。

  • 貫通部又は近接部に、自動閉鎖する特定防火設備(防火ダンパー)があるか
  • 貫通部とダクトの隙間にモルタル又はロックウール保温材が充塡されているか
  • 防火ダンパーが区画の壁又は床に固定されているか

区画貫通処理の全体像は防火区画貫通処理の記事で詳しく解説しています。

スパイラルダクトに関する情報まとめ

項目 要点
スパイラルダクトとは 亜鉛鉄板をスパイラル状に甲はぜ掛け機械巻きした丸ダクト。直管は内径基準、継手は外径基準
角ダクト・フレキとの違い 吊り間隔はスパイラル4,000mm以下、長方形は工法により3,640〜2,000mm以下。フレキは吹出口等の接続用で1.5m以下
材質 空調・換気は亜鉛鉄板製(Z18以上)。塩ビ鋼板やステンレスの製品もある
規格 板厚は表3.1.23(低圧・高圧で区分)、はぜピッチは表3.1.24。標仕の表は呼称寸法1,250まで
定尺と継手 定尺4.0mはメーカーのカタログ値。継手の板厚は表3.1.26、差込み長さは60以上
接続方法 差込み→鋼製ビス→シール材全周→ダクト用テープ二重巻き。ビス本数は表3.2.4
施工方法 インサート→吊りボルト→金具で固定→接続→振れ止め→区画貫通の処理
吊りピッチ 4,000mm以下。吊り金物は表3.2.3、振れ止めは12m以下ごとと末端部
防火区画の貫通 施行令第112条第21項の特定防火設備、標仕2.2.1(1)の隙間充塡、2.3.3(2)のダンパー固定

以上がスパイラルダクトに関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。板厚・ビス本数・吊り金物は、どれも標仕の表で引けるので、施工図や施工要領書を作るときは項番ごと控えておくと、確認の手戻りが減ります。

スパイラルダクトは内装工事で登場します。内装工事全体の流れを掴んでおけば、スパイラルダクト施工に対しても理解が深まりますので、内装工事についても勉強しておきましょう。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!

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