- 接地工事ってなに?
- 何の為に接地工事をするの?
- 4種類接地工事あるけど、どこまで覚えておけばいいの?
- 接地工事っていつやるの?
- 接地工事をやる時の注意点って?
上記の様な疑問を解決します。
接地とは、電気工事において最も基本的なものでありながら、抽象的で理解が難しい部分でもあります。プロとして工事に携わるなら、キッチリと抑えておきましょう。
この記事では接地とは?といったところから、目的、身近な例、種類やり方、資格などについて解説していきます。
なるべく専門用語は使わずに分かりやすい表現で文章をまとめていくので、初心者の方にも分かりやすい記事になっているかなと思います。
接地とは?
接地とは、一言で言うと「電気機器と地球を電気的に接続すること」です。
とはいえ、そんなのイメージできませんよね。
電気機器と電気機器を接続するのはイメージできそうです。例えば、電球とスイッチを接続したかったら、電線の片側を電球に接続し、もう片側をスイッチに接続します。
具体的なやり方としては、接地極という「金属製の棒」を使います。金属製の棒を地球に打ち込むと、接地極と大地が繋がりますよね。その接地極と電気機器を接続することによって、接地が完了します。
接地の目的
実は、接地がなくての電気機器は作動します。では何故、接地をするのか。
それは電気機器を利用する人の安全性を確保する為です。
電流というのは抵抗が少ない方に流れます。あなたも人がたくさんいて混雑状態にある道よりも、人があまりいない空いてる道を通りたくなりますよね。電流も同じです。抵抗の少ない方に流れます。
人体の抵抗は大体5500オームくらいあります。
大地の抵抗が100オームだとしたら、人が電線を触ったとしても人体に電流は流れず、大地の方に電流が流れます。(抵抗が少ないから)
そうすると人体は感電せず、人体の代わりに地球が感電してくれます。
人の安全性を確保することができます。
身近にある接地工事
接地工事が使われている所
- 電柱
- 街灯
- 鉄道
- 信号機
- 避雷針
- 家電製品(冷蔵庫や電子レンジ)
等々、数多くの電気機器で接地工事は利用されています。
一番分かりやすいのは家電製品ですかね。例えば、電子レンジのコンセント部分にニョロっと緑色の線が出ていませんか?それが接地線であり、接地専用のケーブルです。
接地工事の種類
工事の種類 | 区分 | 接地抵抗値 |
A種接地工事 | 高圧、特別高圧 | 10オーム |
B種接地工事 | 高圧または特別高圧電路と低圧電路とを結合する変圧器の低圧側中性線 | いろいろ |
C種接地工事 | 300Vを超える低圧 | 10オーム以下 |
D種接地工事 | 300V以下の低圧 | 100オーム以下 |
初心者の段階では「A〜D種までの接地工事があるんだな」ってことと「それぞれの接地抵抗値」を覚えておけばオーケーです。
というのも、どこでどの種類の接地工事が必要になるか?は設計図に書いてあります。
もしあなたが電気設計なら、接地工事についてもっと勉強する必要がありますが、最初は不要です。設計図に書いてある通りの施工をすれば良いですからね。
接地工事のやり方
まず最初は基礎工事の段階(工事最初の穴を掘っている段階)です。コンクリートが打たれる前に、接地極を埋め込む必要があります。
ここを逃すと大変なことになるので、絶対に忘れないようにしましょう。
土に接地極を打ち込んで、接地抵抗を測定しましょう。例えばD種なら100オーム以下になるよう、接地極を打ち込み続けます。
そして接地極と接続した電線をコンクリートで埋められないように全ネジボルトを使用して立ち上げておきましょう。コン打ちしている途中で踏まれてしまう可能性もあるので、合番の人は注意しておく必要があります。
接地極埋設は有資格作業
接地極を埋設する工事は、電気工事士の資格を持った人でなければできません。
必ず有資格者をアサインしましょう。
正直な話をすると、接地極の埋設なんて誰でもできます。別に有資格者じゃなきゃ出来ないという訳ではありませんが、法令では有資格作業と決まっています。
「いやいや、ぶっちゃけバレないでしょ。」と思う方もいるかもしれませんが、辞めた方がいいです。究極を言えば、その日の作業者を参照すればバレますからね。
接地工事まとめ
接地工事まとめ
- 接地工事とは:電気機器と地球を電気的に接続すること
- 接地工事の目的:安全性の確保
- 身近にある接地工事:電子レンジや冷蔵庫
- 接地工事の種類:A種接地工事〜D種接地工事まで4種
- 接地工事のやり方:接地極を打ち込んで、電気機器と接続する
- 接地工事の注意点:有資格作業であること
以上が接地工事に関する情報のまとめとなります。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
接地は、工事自体は簡単ですが超重要です。しかもタイミングを逃すと恐ろしいことになります。キチンと要点を抑えて、確実に正しく接地工事を行いましょう。
また、接地に使用される接地極や接地線に関する情報も合わせて抑えておくとベターです。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。