- パッケージエアコンって普通のエアコン?
- ビル用マルチ(VRF)と何が違うの?
- 馬力(HP)と冷房能力の関係は?
- 天井埋込・壁掛け・床置きどう選ぶ?
- 配管長は何mまでOK?
- 電源は単相?三相?
上記の様な悩みを解決します。
パッケージエアコンは、業務用空調の標準機種で、店舗・事務所・診療所・小規模工場など、契約電力50kW未満〜中規模の建物で広く採用されています。施工管理者として「馬力選定(負荷計算)+ビル用マルチ(VRF)との使い分け+三相電源容量+配管長制限」の4点を押さえておくと、設備設計者・空調業者との打ち合わせが早く回ります。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
パッケージエアコンとは?
パッケージエアコンとは、結論「1台の室外機に1〜数台の室内機を組み合わせた業務用エアコン」のことです。
英語では「Packaged Air Conditioner」、現場では略して「パッケージ」「業務用エアコン」とも呼ばれます。
パッケージエアコンの基本特性
- 業務用空調の標準機種
- 室外機1台に対し室内機1〜複数台
- 能力:1〜10馬力(家庭用は0.5〜2.5馬力)
- 三相200V電源が標準(4馬力以上)
- 設置形態:天井埋込、壁掛け、床置き、天吊り
- 冷暖房両用(ヒートポンプ式)
「家庭用と業務用ビル空調(VRF)の中間」というポジションで、店舗・事務所・小規模工場のメインになります。
家庭用エアコンの基礎技術はヒートポンプの記事で。

家庭用エアコン・VRFとの使い分け
施工管理者として最重要なのが、家庭用 / パッケージ / VRFの使い分けです。
| 項目 | 家庭用エアコン | パッケージエアコン | VRF(ビル用マルチ) |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | 戸建・マンション住戸 | 店舗、小規模オフィス、診療所 | 中・大規模ビル |
| 能力 | 0.5〜2.5HP | 1〜10HP | 8〜60HP級 |
| 室外機・室内機の構成 | 1対1 | 1対1〜数台 | 1対多数(数十台) |
| 電源 | 単相100/200V | 三相200V(4HP以上) | 三相200V |
| 各室独立制御 | △ | ○ | ◎ 細かい個別制御 |
| 冷媒配管の総延長 | 短い(〜15m目安) | 中(機種により30〜70m級、要メーカー仕様) | 長距離可(〜165m級) |
| 主な選定理由 | 居室1部屋ずつ | コスト・機械室不要 | 個別制御・エネルギー融通 |
選定の実務感覚
- 店舗1〜2室、〜100㎡ → パッケージ(壁掛け・天井埋込)
- 小規模オフィス(〜500㎡) → パッケージ複数台
- 中規模ビル(500〜3,000㎡) → パッケージ vs VRFを比較検討
- 大規模ビル(3,000㎡超) → VRF or 中央熱源式
「個別制御の柔軟性が必要ならVRF、シンプルさとコストならパッケージ」が選定の基本軸です。
能力(馬力)の選定
パッケージエアコンの能力選定は負荷計算で決まります。
目安:床面積あたりの必要能力
| 用途 | 必要能力(kW/㎡) | HP換算(200㎡の場合) |
|---|---|---|
| 一般事務所 | 0.20〜0.25 | 16〜20HP |
| 店舗(飲食以外) | 0.25〜0.30 | 20〜24HP |
| 飲食店 | 0.35〜0.45 | 28〜36HP(厨房熱負荷大) |
| 診療所 | 0.20〜0.30 | 16〜24HP |
| 工場(軽作業) | 0.15〜0.20 | 12〜16HP |
負荷計算の補正要素
- 窓面積:南向きで日射大なら割増
- 天井高:4m超なら割増
- 発熱量:人員・機器(PC・サーバ・調理器具)
- 外気導入量:換気量で増加
「飲食店は他用途の1.5〜2倍の負荷」が現場の感覚値。負荷計算書の根拠を施工管理者がレビューできると、過大設計・能力不足の両方を防げます。
設置形態の使い分け
パッケージエアコンは設置形態が多様で、用途に応じて選定します。
主な設置形態
| 形態 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 4方向天井カセット | 4方向吹出し、デザイン◎ | オフィス・店舗の標準 |
| 2方向天井カセット | 2方向吹出し、細長い空間 | 細長い店舗・廊下 |
| 天吊形 | 天井露出、吹出し2方向 | 天井裏スペースなし |
| 壁掛形 | 家庭用に近い、安価 | 小規模事務所、病室 |
| 床置形 | 床に据置 | 工場、事務所 |
| ダクト形 | 天井裏、ダクトで複数室分配 | 複数室への配風 |
「天井裏スペース」が設置形態を決める最大の要因。天井裏が浅い建物では天吊形 or 壁掛形に限定されます。
施工管理の主なポイント
パッケージエアコン工事で施工管理者が押さえるべきチェック項目。
パッケージエアコン施工管理ポイント
- 負荷計算書の妥当性確認
- 電源容量の確認:4HP以上は三相200V必須
- 分電盤の専用回路:他負荷との共用NG
- 冷媒配管の銅管種別・サイズ
- 配管長制限:機種により総延長30〜70m、メーカー仕様要確認
- 配管高低差:屋上設置なら室内機との高低差確認
- 真空引き・気密試験:冷媒配管の必須プロセス
- ドレン配管の勾配:1/100以上、結露水処理
- 室外機据付:通気スペース、防振、防音、屋上設置の重量検討
- 試運転:冷暖房両モード、各室温度測定
屋上室外機の重量チェックを忘れない
10HPのパッケージ室外機は400〜600kg級で、屋上に複数台据え付けると数tの集中荷重になります。屋上スラブの設計荷重チェック+振動絶縁+アンカー打ちを建築側と事前協議しておかないと、入居後の振動クレームや、最悪は構造補強工事が必要になります。
電源容量関連は高圧受電設備の記事も参照。

パッケージエアコンに関する情報まとめ
- パッケージエアコンとは:1台の室外機に1〜数台の室内機を組み合わせた業務用エアコン
- 使い分け:家庭用→0.5〜2.5HP、パッケージ→1〜10HP、VRF→8〜60HP
- 能力選定:床面積×用途別kW/㎡で計算、飲食店は他の1.5〜2倍
- 設置形態:4方向カセット(標準)/2方向/天吊/壁掛/床置/ダクト
- 電源:4HP以上は三相200V、専用回路必須
- 配管制限:機種により総延長30〜70m、メーカー仕様要確認
- 施工管理:負荷計算/真空引き+気密試験/屋上重量+振動/試運転
パッケージエアコンは「業務用空調の標準解」で、規模・コスト・個別制御の自由度のバランスから、店舗・小中規模オフィス・診療所で第一候補に上がる空調方式です。施工管理者として「馬力選定根拠+三相電源+屋上重量」を押さえておくと、設備業者・建築側双方との取り合い調整がスムーズに回ります。
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