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レバーブロックとは?使い方、点検、チェーンブロックとの違いなど

  • レバーブロックってなに?
  • チェーンブロックとどう違うの?
  • どんな場面で使うの?
  • 定格荷重と安全係数は?
  • 点検は法令でどこまで決まってる?
  • 施工管理として何をチェックすればいい?

上記の様な悩みを解決します。

レバーブロックは、レバー(ハンドル)の操作で荷重を引き寄せる手動の荷役装置のこと。鉄骨建方の建ち調整や、足場の補強、機器の据付け位置調整など、現場でかなり頻繁に使われます。「チェーンブロックの仲間」と認識されがちですが、用途も使い方も別物。クレーン等安全規則で点検が義務付けられている装置でもあるので、施工管理として基本を押さえておきたいですね。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

レバーブロックとは?

レバーブロックとは、結論「レバーを上下に往復操作することで、ロードチェーンを引き込んで荷重を移動させる手動の荷役装置」のことです。

商標名「レバーホイスト」「ガッチャ」と呼ばれることもあります。「ガッチャ」は元々、操作音から由来した愛称で、現場では今でも普通に「ガッチャで引っ張ろう」という言い方が通用します。英語ではlever hoist(レバーホイスト)。

主要なメーカーは象印チェンブロック、キトー、Vital(バイタル)、HHHなど。サイズは0.25t、0.8t、1.6t、3.2tなど、定格荷重別に複数規格が用意されています。

構造は、

  • レバー:人が操作するハンドル
  • ロードチェーン:荷重を吊るすチェーン
  • フック(上下2個):荷重と支点を取り付けるフック
  • ラチェット機構:レバーの往復で一方向に荷重を巻き上げ/引き寄せる仕組み
  • フリーチェーン機構:チェーンを手で自由に引き出せる解放機構

「レバーで往復するとチェーンが引き込まれる」という基本動作を理解すれば、構造はシンプルです。

レバーブロックの用途と種類

「鉄骨建方で使うやつ」というイメージが強いですが、実は使われる場面はもっと幅広いです。

①鉄骨建方の建ち調整

鉄骨柱を建て込んだ後、垂直度(建ちと言います)を調整するのにレバーブロックが活躍。柱とアンカーボルト、柱と隣の構造物の間にレバーブロックをセットし、レバーを引いて柱の倒れを矯正します。鉄骨建方の精度の要となる作業ですね。

②水平・斜め方向の引き寄せ

クレーンが垂直方向の荷役を担当するのに対し、レバーブロックは「水平・斜め」の引き寄せが得意。重量物を所定位置に滑り込ませる、ボルト孔位置を合わせる、配管同士を引き寄せて接続する、といった作業で使われます。

③足場・仮設の固定

くさび足場や枠組足場の補強で、控え綱(つっぱり)の張力をレバーブロックで掛けることがあります。仮設構造物の倒れ防止や水平変位の抑制に。

④機器の据付け位置調整

空調室外機・変圧器・キュービクルなど、重量物を所定位置にミリ単位で寄せるとき、レバーブロックで微調整。クレーンで真上から下ろすだけだと位置決めが甘くなるので、最終位置決めはレバーブロックの出番。

⑤定格荷重の種類

定格荷重 主な用途 重量目安
0.25t 小物部材の引き寄せ 軽量
0.8t 軽量鉄骨、小型機器 中量
1.6t 一般的な鉄骨建ち調整 標準
3.2t 大型鉄骨、重機の引き寄せ 重量
6.3t以上 重量物専用 大型

現場で最も多用されるのは0.8〜1.6tクラス。これより重い荷重には複数台を組合せるか、ウインチやチェーンブロックに切り替えるのが原則。

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レバーブロックの使い方(手順)

実際の作業手順を整理します。鉄骨柱の建ち調整を例に。

①事前点検

使用前に、

  • ロードチェーンに損傷・変形・伸びがないか
  • 上下フックの安全ラッチ(外れ止め金具)が機能しているか
  • レバーがスムーズに動くか
  • 銘板の定格荷重が読めるか
  • 製造年月日と最終点検日

を目視と動作で確認。1点でも不具合があれば使用しない。

②取付け

支点側(不動側)と荷重側(移動側)の両端のフックを、それぞれ確実な固定点に掛けます。

  • 上フック:建方済み柱、鉄骨、デッドマン(支点用の重し)など、確実に動かない箇所
  • 下フック:調整したい部材(建ち調整中の柱など)

フックは「フック先端のラッチ(外れ止め)が確実にかかる」位置に取り付け。斜め掛けや無理な向きのフッキングはNG。

③チェーンの引出し

フリーチェーン機構を解放して、ロードチェーンを必要な長さまで手で引き出します。チェーンがねじれたり絡まったりしないように注意。

④仮張り

レバー操作で軽くテンションをかけます。「これから引っ張りますよ」と荷重をかけ始める段階。

⑤本張り(引き寄せ操作)

レバーを往復操作。シャンク(取手)を握り、上下にゆっくり動かす。一方向にラチェットが効いてチェーンが引き込まれます。

⑥精度確認

下げ振りやレーザーレベルで建ちを確認しながら、レバー操作で微調整。所定位置に来たら止めます。

⑦解放

作業完了後、レバーをフリー側に切り替えてチェーンを緩め、フックを外します。

⑧使用後の点検と保管

使用後にチェーン・フックを目視確認、清掃してから所定の保管庫へ。雨ざらし保管は厳禁。

「無理な引き、斜め引き、人がチェーンに乗り越える」が三大NG。常に「誰が荷重ライン上に居ないか」を意識して操作するのが基本ですね。

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チェーンブロックとの違い

「レバーブロックとチェーンブロックは似たような物」と思われがちですが、実際は明確に役割が違います。

項目 レバーブロック チェーンブロック
操作方法 レバーを往復 操作チェーンを下に引く
主な用途 水平・斜めの引き寄せ 垂直方向の吊り上げ・降ろし
設置位置 任意の方向 上方の固定点に吊るす
移動性 軽量で移動が容易 据置き・固定使用が多い
引き寄せの細かさ 微調整が容易 巻き上げ寸法は荒め
動作スピード 遅め(一往復で短距離) 比較的速い

使い分けの考え方

  • 垂直方向に重量物を吊る → チェーンブロック
  • 水平方向・斜め方向に荷重を寄せる → レバーブロック
  • 微妙な位置調整 → レバーブロック
  • 大きな上下動が要る → チェーンブロック

鉄骨建方の建ち調整は「水平方向の微妙な力を継続的にかける」作業なので、レバーブロックが圧倒的に向きます。一方、設備機器を高所に揚げるならチェーンブロック。

両者を併用する現場も多いです。チェーンブロックで吊り上げて、レバーブロックで横に引き寄せる、という組合せ。

点検と法令(クレーン等安全規則の話)

レバーブロックは「玉掛け用具」「揚重機械」に該当し、労働安全衛生法とクレーン等安全規則で点検が義務付けられています。

①作業開始前点検(毎回)

使用前に作業者が実施。

  • ロードチェーンの損傷・変形・伸び
  • フックの開き・摩耗・ラッチ機能
  • レバー操作の異常
  • ブレーキの効き

異常を発見したら使用を中止し、補修または廃棄します。点検結果は元請の現場備付け帳簿に記録するのが望ましい。

②月例点検(推奨)

メーカーや業界団体は月例点検を推奨しています。

  • ロードチェーンの長さ伸び(製造時の5%以上伸びていれば交換)
  • ブレーキの作動確認
  • フックの開き寸法
  • 銘板の確認

③年次自主検査(労働安全衛生規則)

労働安全衛生規則および関連の指針で、年1回以上の自主検査が望まれます。検査者は知識のある者(メーカー研修受講者、有資格者など)が望ましい。検査結果は記録し、3年間保存。

検査記録は元請の安全管理書類として、施工管理が確認することがあるので、サブコン・職人さんが持ってくる「自主検査記録票」を見たことがある人も多いはず。

④廃棄基準

明確な使用不可基準は、

  • ロードチェーンの伸びが5%以上
  • フック開き寸法が初期の10%以上
  • 著しい変形・亀裂・腐食
  • レバーやブレーキの動作不良

これらに該当したら即廃棄、補修不可。

⑤定格荷重の遵守

銘板に記載された定格荷重を超える荷重は絶対NG。「2台で2倍まで使える」という発想も基本NG(角度や荷重配分で実際は変わる)。設計荷重に対して安全率を見て使うのが原則です。

レバーブロックに関する情報まとめ

  • レバーブロックとは:レバー操作でロードチェーンを引き込み、荷重を移動させる手動荷役装置
  • 用途:鉄骨建ち調整、水平・斜めの引き寄せ、足場補強、機器据付け位置調整
  • 種類:定格荷重0.25t〜6.3t以上。現場で多用されるのは0.8〜1.6t
  • 使い方:事前点検→確実な固定点へのフック取付け→引き寄せ操作→精度確認→解放
  • チェーンブロックとの違い:レバーブロックは水平・斜め向き、チェーンブロックは垂直向き
  • 点検:作業開始前点検、月例点検、年次自主検査(クレーン等安全規則)
  • 廃棄基準:チェーン伸び5%、フック開き10%、変形・腐食・動作不良

以上がレバーブロックに関する情報のまとめです。

レバーブロックは「現場のあちこちで見るけど、使い方を間違うと事故になる」装置。鉄骨建方の建ち調整のような繊細な作業から、機器据付けの最終位置決めまで幅広く使われます。施工管理としては、定格荷重の遵守、点検記録の確認、現場での斜め引き・無理引きの監督が主な役割。「ガッチャ」と呼ばれて親しまれている道具ですが、安全規則の対象機器であることを意識して扱うのが鉄則ですね。

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