- 電気設備ってどんな種類があるの?
- 電気工事業者としてはどんな仕事をするの?
このような悩みを解決します。
経験の浅い人でも分かるように、専門用語は一切使いません。ただ逆に、深いところまでは触れませんので大枠を知りたい人は読んでみてください。
また、電気工事業者がどのような仕事を行うべきかについても軽く触れていきたいと思います。
電気設備の種類とは?
- 受変電設備
- 幹線・分岐回路設備
- 動力設備
- 電灯・コンセント設備
- 情報通信設備
- 防災・防犯設備
電気設備の種類は大きく分けると、上記の6つに分けることができます。
それぞれについて解説していきます。
電気設備の種類その①受変電設備
受変電設備を一言で言うと「電線から電気を取り込んで、建物で使えるように電気を変換する設備」です。
建物で電気を使えるようにするにはまず、電気を作る必要があります。これは発電所で行われますので、建物を施工する人からすると関係ありません。
その後、作った電気を電線を使って送電します。街を歩くと電柱や電線があると思います。あれは発電所で作った電気を各建物に送電する為のものです。
建物で電気を使えるようにするには、電線に通っている電気を建物内に取り込まなければなりません。ここで登場するのが受変電設備です。キュービクルという受変電設備で、電線の電気を受け止める感じとなります。
電気を変換しなければ、建物で電気は使えるようにならないんです。
ざっくりのイメージですが、発電所で作る電気って強そうじゃないですか?逆に、豆電球を光らせるには弱い電気でも大丈夫そうですよね。弱い電気しか受け付けない家電製品に大きな電気をぶちこむと、家電製品が強い電気に耐えられずぶっ壊れます。
よって電線から取り込んだ電気を、各負荷にとって適切な電気に変換する必要があります。
これが受変電設備の役割です。
工事内容としては、下記のようなものが挙げられます。
- 外構工事からの受変電設備までの配線
- 盤搬入、盤据付
- 盤の内容を決めて発注
- 盤の基礎を施工する
電気設備の種類その②幹線・分岐回路設備
各負荷(例えばコンセントとか)に電気を送る流れは「受変電設備→各分電盤→各負荷」となっています。幹線設備、分岐回路は下記です。
- 「受変電設備→各分電盤」:ここを送電する設備が幹線設備
- 「各分電盤→各負荷」:ここを送電する設備が分岐回路
人の体に例えると、血管のような役割を果たします。心臓から血液を体の各部に運んで行っているというイメージです。
負荷が大きくなればなるほど、距離が遠ければ遠いほど、ケーブルのサイズは大きくなります。負荷が小さければ小さいほど、距離が近ければ近いほど、ケーブルのサイズは小さくなります。
よって適切なケーブルサイズは何か?を選定する必要があります。
選定後はメーカーに発注し、通線する作業が必要です。
電気設備の種類その③動力設備
動力設備を超ざっくり説明すると「機械の設備」です。
「動力」というのは「動かす力」ですよね。では何を動かすのかというと、機械を動かします。具体的には下記のようなものが挙げられます。
- エレベーター
- エスカレーター
- エアコン
- 換気扇
- 給水ポンプ
- 排水ポンプ
- スプリンクラー
- 冷蔵庫
- 食器洗い
上記のような機械を動かす為の設備が動力設備です。
確かに機械関係は空調・衛生工事の人達が担当します。ただ、その機械に電気を送電するのは電気屋さんの仕事です。そのために電線のルートを確保したり動力盤を設置したりしなければなりません。
また、負荷の大きさによって電線の大きさも変わりますので、空調・衛生工事の人と密にコミュニケーションを取らなければいけなかったりします。ぶっちゃけ、工事する側からするとめんどくさいです。
電気設備の種類その④電灯・コンセント設備
電灯設備とは、建物の照明設備のことです。コンセント設備はそのままの意味です。割と新人が担当したりするような設備です。僕も新人で担当しました。
まず、電灯設備の仕事内容としては下記のようなものが挙げられます。
- 明るさは適切か?
- 照明の配置はどのようにするか?
- 点滅区分はどうするか?
- 分電盤からどのように配線するか?
上記のような内容を検討し、設計者と打合せを行い、承認を得て、施工します。所詮設計図は設計図なので、細かい部分までは詰められていません。そこで詰めて完成まで持っていくのが、電灯設備担当の仕事です。
- コンセントの配置はどうするか?
- どれくらい負荷を見るか?
- どの種類のコンセントを使うか?
等々の検討を行い、施工まで持っていきます。
電気設備の種類その⑤情報通信設備
情報通信設備とは割と広い意味ですので、その内容は多岐に渡ります。具体例を挙げると、下記のようなものが挙げられます。
- 電話設備
- 放送設備
- テレビ共聴設備
- 時計設備
- 車路管制設備
- LAN設備
今までの「受変電設備」や「幹線設備」等はどの建物にも必ずありますが、情報通信設備に関しては建物用途によって、あったりなかったりします。
電気工事をする人が気をつけるべきポイントは、工事区分の確認です。
情報通信設備はメーカーさんと協力して行います。電話設備なら時計屋さん(シチズンとか)と協力します。LAN設備ならLAN屋さん(NECとか)と協力します。全てを電気工事業者が行う訳ではありません。
「ここまでは電気工事業者がやる」「ここからはNECがやる」といったように、工事区分が決まっています。設計図に書いてあることなので「自分の会社はどこまで工事をやるのか?」を確認しておきましょう。
電気設備の種類その⑥防災・防犯設備
防災設備は「災害が起こらないようにし、災害が起こっても被害が最小になることを目的とした設備」のことです。
具体例としては下記のようなものが挙げられます。
- 非常灯設備
- 誘導灯設備
- 避雷針設備
停電した場合、真っ暗になるとパニックになりますよね。そこで停電しても明るさを確保できるよう「非常灯(非常時に点灯する電灯)」が必要になります。
「どのくらいの明るさを確保すべきか?」は決まっているので、それを守れるよう設計し、施工することが電気工事業車の仕事です。
火事が起こった際は、建物内にいる人を外に避難させる必要があります。そこで適切なルートを示してくれるのが誘導灯です。
誘導灯の設置基準は自治体によって異なりますので、その建物の自治体の決まりを把握し、消防署と打合せを行います。その後、設計者に承認を得て施工といった感じです。
防犯設備はその名の通り「犯罪を防ぐ」設備のことです。具体的には「ITV設備(防犯カメラ)」などが挙げられます。
施主に「ここの出入りは確認したい」といった要望を聞いてそれを施工図に反映し、施工するという流れです。