1級電気工事施工管理技士 経験記述の安全管理|対策の数で迷う人へ

  • 安全管理の経験記述って、今も「自分の工事」を書くの?
  • 事項はいくつで、対策は全部でいくつ書けばいいの?
  • 墜落を2つにするか、墜落と飛来落下を1つずつにするか決められない
  • 高さ10m以上の揚重作業なんて担当したことがない
  • 「保護帽の着用のみは配点しない」って、ヘルメットに触れたら0点?
  • 感電の話は問題1に書いていいの?
  • 手元の例文集は工事概要を書く形のまま。もう使えない?

上記の様な悩みを解決します。

先に結論を書くと、令和7年度の問題1は問A・問Bのどちらかの場面を選び、予測した事項とその理由を2つ、対策を事項ごとに2つ書かせる設問でした。数え直すと、対策は答案全体で4つになります。

安全管理の経験記述は、事項をいくつ挙げて対策を何個書けば配点されるのか、基準がつかみにくく毎回不安になります。この記事では過去7年分の出題で安全管理がどの問題番号・形式で聞かれてきたかを整理し、安全管理の小問で問い方が「とった対策」から「とるべき対策」へ変わった点まで押さえます。手元の例文集が古い形式のままでも、書き直す優先順位が見えてきます。

検索で出てくる解説は、墜落・飛来落下・感電ごとに完成した例文を並べたものが中心で、何年度のどの問題番号で安全が聞かれ、問題文の語がどう入れ替わってきたかまでは追われていないことが多いんですよね。今回は出題の位置・答案の単位・不配点の条件といった基本を押さえた上で、例文集では扱われにくい「問A・問Bの条件語を分解して事項を立てる表」や「着用のみの文言が年度ごとに揺れている事実」まで、建設業振興基金の問題冊子に印刷された言葉をもとに並べています。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、令和5年度までの形の例文集を手元に置いたまま迷っている方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

1級電気の安全は令和元年度から7回とも出ている|自分の工事で書かせたのは3回

安全管理はどのくらいの頻度で出ているのか。令和元年度から令和7年度までの問題冊子を順に開くと、7回とも、どこかの問題で労働災害の防止を書かせています。ただし、問題番号も書かせ方も年度によってばらばらです。

年度 安全を書かせた問題 書かせ方 扱った災害 出典(問題冊子のページ)
令和元年度 問題2 4つの作業から2つ選び、対策を各2つ 作業ごとの労働災害 実地試験問題 p.2
令和2年度 問題1の小問2・小問3 自分の工事で予測した事項と理由を2項目、とった対策を各2つ/感電の作業内容と対策 墜落・感電 実地試験問題 p.2
令和3年度 問題1の小問2 自分の工事で予測した事項と理由を2項目、とった対策を各2つ 墜落又は飛来落下 第二次検定問題 p.2
令和4年度 問題2 4つの作業から2つ選び、対策を各2つ 作業ごとの労働災害 第二次検定問題 p.2
令和5年度 問題1の小問2・小問3 令和2年度と同じ形 墜落・感電 第二次検定問題 p.2
令和6年度 問題3 4つの作業から2つ選び、対策を各2つ 作業ごとの労働災害 第二次検定問題 p.3
令和7年度 問題1(問A/問B)・問題2 与えられた場面で予測した事項と理由を2つ、とるべき対策を各2つ/感電の作業内容と対策 墜落又は飛来落下・感電 第二次検定問題 p.2

表の出典は、令和元年度・令和2年度が「1級電気工事施工管理技術検定試験 実地試験問題」、令和3年度から令和7年度が「1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題」で、実施機関はどちらも一般財団法人 建設業振興基金です。ページは問題冊子の下に印字された番号で、表紙をp.1と数えています。

書かせ方で分けると、7回は次の3つの型に分かれます。

  • 自分が経験した工事を先に書かせ、その現場で安全を聞いた型:令和2年度・3年度・5年度の3回
  • 作業名の一覧から選ばせ、作業ごとの対策を書かせた型:令和元年度・4年度・6年度の3回
  • 「あなたの電気工事の経験を踏まえ」たうえで、問題文が与えた場面について書かせた型:令和7年度の1回

今も自分の工事を書くのか、という疑問への答えは、この3つ目の型にあります。令和7年度も経験を土台にする点は変わりませんが、題材の場面は問題文の側が決めていて、自分の工事を丸ごと持ち込む形ではなくなりました。経験から書かせた回だけを数えるなら、令和2・3・5・7年度の4回ということになります。

令和6年度だけは少し事情が違います。この年は問題1が工程管理、問題2が品質管理で(令和6年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2)、安全は問題3の作業選択式に回っていました(同 p.3)。問題1だけを見て「今年は安全が出なかった」と判断すると、ここを取りこぼします。同じ年に問題2で聞かれた品質管理の組み立て方は、1級電気の品質管理の経験記述を扱った記事に分けてあります。

令和8年度の第二次検定は10月18日(日)です(建設業振興基金「令和8年度1級 電気工事施工管理技術検定のご案内」1.試験日程)。来年も安全が出るのかという問いに、この表から問題番号を当てにいくことはしません。表の使い道は、安全が問題1に来なくても別の問題番号で書かされる年があった、という準備の範囲を決めるところにあります。

令和7年度の問題1が求めた答案の単位|事項と理由が2つ、対策は4つ

事項はいくつで、対策は全部でいくつなのか。令和7年度の問題1は、この数を問題文の中で指定しています。問Aも問Bも、予測した事項とその理由を「2 つ具体的に記述しなさい。」とし、そのうえで対策を「その事項ごとに 2 つ具体的に記述しなさい。」と求めています(令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2)。答案1枚に並ぶものを数えると、次の4ブロックです。

  • 予測した事項1と、その理由
  • 事項1を防ぐための対策を2つ
  • 予測した事項2と、その理由
  • 事項2を防ぐための対策を2つ

対策を2つだけ書いて手を止めてしまうと、数の上で半分しか答えていないことになります。対策が「その事項ごとに」数えられている点は、書き始める前に一度指で数えておきたいところです。

墜落を2つにするか、墜落と飛来落下を1つずつにするかについて、問題文は「墜落災害 2 項目,飛来落下災害 2 項目,墜落災害及び飛来落下災害各 1 項目のいずれでもよいものとする」としていて(令和7年度 同 p.2)、どれを選ぶと有利かは書かれていません。僕の見方では、墜落を2つにすると2つの理由がどちらも「高いところだから」に寄りやすく、後で触れる重複の条件に引っかかりやすくなります。1つずつに分けたほうが、事項も対策も自然に離れると考えています。

令和3年度・5年度と並べると、2つの語が入れ替わっている

同じ「予測した事項とその理由を2つ、対策を各2つ」という骨格は、令和3年度と令和5年度の問題1にもありました。ところが問題文の語を並べると、答案の性格を決める語が2か所で入れ替わっています。

見比べる語 令和3年度 令和5年度 令和7年度
書き出し 「上記の電気工事の現場において」 「上記の電気工事の現場において」 「あなたの電気工事の経験を踏まえ」
対策の語 「あなたがとった対策」 「あなたがとった対策」 「あなたがとるべき対策」
重複してはいけないもの 「対策の内容は重複しないこと」 「対策の内容は重複しないこと」 「事項とその理由及び対策の内容は重複しないこと」
対象の災害 墜落災害又は飛来落下災害 墜落災害 墜落災害又は飛来落下災害

出典は、令和3年度・令和5年度・令和7年度の1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2(いずれも問題1)です。

1つ目の入れ替わりは「とった」から「とるべき」です。「とった対策」は、先に書いた自分の現場で実際にやったことの報告を求める語でした。「とるべき対策」は、与えられた場面でこれからどうするかを書かせる語です。「とった」と「とるべき」で書き方が違うのか、と迷ったら、答案の文末を「〜した」ではなく「〜する」「〜させる」でそろえる、と僕は整理しています。なお「とるべき」という語そのものは令和7年度が初出ではなく、工程管理を問うた令和6年度の問題1の問A・問Bで「あなたがとるべき対策をその問題ごとに 2 つ具体的に記述しなさい。」と先に使われていました(令和6年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2)。安全の小問でこの語が使われたのは、令和7年度が最初です。

2つ目は重複の範囲です。令和5年度までは重なってはいけないのが対策だけでしたが、令和7年度は事項とその理由まで範囲に入りました。事項2つが似てしまう不安は、ここに直結します。点検のやり方として僕が勧めたいのは、2つの理由を入れ替えて読んでみることです。理由1を事項2の後ろに置いても意味が通ってしまうなら、2つは同じことを言っている可能性が高い、という目安になります。

3時間で6問|1問に割ける時間から答案の粒度を決める

答案の長さは、試験全体の時間から逆算するのが現実的です。令和7年度の表紙には「試験時間は,13 時から 16 時までです。」「試験問題は,6 問題です。全問解答してください。」とあり(令和7年度 同 p.1)、6問のうち記述式は問題1から問題4、五肢択一式は問題5と問題6です(令和6・7年度 各問題冊子 表紙 p.1)。令和5年度までは5問題だったので、同じ3時間に答える問題が1つ増えたことになります(令和元〜5年度 各問題冊子 表紙 p.1)。

問題1の安全管理は、記述式4問のうちの1問にすぎません。事項2つ・理由2つ・対策4つの計8か所を埋めるのに、ほかの記述の時間を削るわけにはいかないので、僕は事項・理由・対策をそれぞれ1文で言い切る粒度で練習しておくのがちょうどいいと考えています。1文で言い切れる答案なら、本番の解答欄が広ければ具体を足し、狭ければそのまま収める、という調整が利きます。なお、字数や行数の指定は令和7年度の問題1の問題文には見当たりません。採点の基準や配点も、公表資料で確かめられないのでこの記事では書きません。

問Aと問Bの条件語から「予測した事項」を立てる

高さ10m以上の揚重作業なんて担当したことがない、夜間の屋外工事の経験が無い。そう感じて片方を最初から捨てる前に、場面を条件語に分けてみてください。令和7年度の場面は、問Aが「高さ 10 m 以上の作業場への揚重作業を伴う電気工事」、問Bが「屋外における作業時間が夜間に限られる電気工事」でした(令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2)。

手順は、場面の文を条件語ごとに区切り、それぞれの語から起こりうる墜落・飛来落下の場面を出し、そこから事項と理由の向きを決める、という3段です。一般的な電気工事の作業に置き換えると、次のような対応になります。

問 条件語 条件語から浮かぶ場面(墜落・飛来落下) 事項と理由に持ち込む言葉の向き
問A 高さ 10 m 以上 上の作業場の端や開口のそばで、配線や器具を取り付ける 端部・開口の状態と、落ちたときの高さ
問A 作業場への揚重 上の階の荷受け口で荷を受け取るとき、身を乗り出す・手すりを外す 荷受けのときだけ生まれる開口と無防備な時間
問A 揚重作業を伴う 吊り荷やその中の部材が落ちる、吊り荷の下を人が通る 吊り荷の下への立入りと、荷の固定の状態
問B 屋外 風で材料や養生材が飛ぶ、雨で足元が濡れる 天候で変わる足元と資材の状態
問B 夜間 照明が届かず、段差・開口・吊り荷の位置が見えにくい 見えないことが原因になる危険
問B 作業時間が限られる 時間内に終えようとして手順を飛ばす、片付けを急いで上から物を下ろす 時間の制約が生む省略

表の右端は、事項の文そのものではなく、事項と理由に入れる言葉の向きです。事項は「何が」「どういう状態だと」「なぜ危ないか」の3つを1文に収めます。そのうえで、読み手が事項と理由だけを読んで「この人は問Aを選んだ」「問Bを選んだ」と判別できるかを確かめてください。判別できない答案は、どちらの問に出しても通用する一般論になっている、ということです。

経験が無い場面は書けないのか、という点について。問題文の語は「あなたの電気工事の経験を踏まえ」で、同じ場面に立ち会ったことの証明を求める語ではない、と僕は読んでいます。10mに届かない高さでも上の階へ材料を上げた作業、夜間ではなくても屋外で照明器具や配線を扱った作業など、表の中ほどの場面に近い記憶を自分の現場から探すのが現実的です。

下請の立場で安全対策を決める側ではなかった、という心配もよく聞きます。令和5年度までの問題1には「この電気工事でのあなたの立場」を書く欄がありましたが(令和元〜5年度 各問題冊子 p.2)、令和7年度の問題1には工事概要や立場を書く欄がありません。問われているのは「あなたがとるべき対策」なので、その場面で電気工事の施工管理として何をすべきかを書けばよい、というのが問題文の語から言える範囲です。

問Aと問Bのどちらを選ぶかは、書きやすさの印象より、数で決めるのがおすすめです。条件語の表を見ながら、事項2つとそれぞれの理由を出し、さらに重ならない対策を4つ並べられた方を選ぶ。本番の冒頭で両方を数分ずつ試して、4つ目の対策が先に出た方に決めると、途中で乗り換える事故を防げます。

「着用のみ」は配点しない|保護帽と墜落制止用器具を書くときの線引き

令和7年度の問題1には「なお,保護帽の着用のみ又は要求性能墜落制止用器具( 安全帯 ) の着用のみの記述については配点しない。」という一文があります(令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2)。実はこの条件文、年度によって書き方がかなり揺れています。まず7年分を並べます。

条件文の書き方 年度 目立つ違い
「保護帽の着用及び安全帯(要求性能墜落制止用器具)の着用のみの記述については配点しない。」 令和元年度・2年度・4年度・6年度 「及び」でつなぎ、安全帯が先・かっこ内が器具
「保護帽の着用のみ又は安全帯(要求性能墜落制止用器具) の着用のみの記述については配点しない。」 令和3年度 「又は」でつなぎ、安全帯が先・かっこ内が器具
「保護帽の単なる着用のみの記述」「要求性能墜落制止用器具の単なる着用のみの記述」 令和5年度 2行に分けて「単なる」を付け、安全帯の語が無い
「保護帽の着用のみ又は要求性能墜落制止用器具( 安全帯 ) の着用のみの記述については配点しない。」 令和7年度 「又は」でつなぎ、器具が先・かっこ内が安全帯

出典は、令和元年度・令和2年度 1級電気工事施工管理技術検定試験 実地試験問題 p.2、令和3年度〜令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2(令和6年度はp.3)です。令和5年度の2行は、問題文では「次のいずれか又は両方の記述については配点しない。」の後に並んでいます(令和5年度 同 p.2)。

見比べて面白いのは、令和3年度と令和7年度で、かっこの外と中が入れ替わっている点です。令和3年度は安全帯を本体にして要求性能墜落制止用器具をかっこに入れ、令和7年度はその逆になっています。どちらの年も、配点しない対象を名指しする語は「着用のみの記述」のままです。

では何が配点外なのか。器具に触れること自体を配点しないと読める語は、並べたどの年度の文言にも見当たりません。なので僕は、配点外になるのは着用で対策が止まっている記述であって、保護帽や墜落制止用器具を対策の中に登場させることではない、と読んでいます。ただし記述の設問は正答が公表されていないので、ここは僕の読み方として受け取ってください。

着用で止めない書き方は、僕の整理だと、対策の文に次の4つが入っているかどうかで見分けられます。

  • 何を:器具を掛ける親綱や取付け設備、手すりや開口の養生など、着用の前提になる設備
  • いつ:作業を始める前、揚重を始める前、夜間なら照明を点けた後など、確かめる時点
  • 誰が:職長や作業者本人など、確かめる人
  • どう確かめる:点検や目視、合図の取り決めなど、確認の手段

この4つがそろえば、保護帽や器具は対策を支える脇役に下がり、主役は設備と手順のほうになります。フルハーネス型の墜落制止用器具を使う作業者の教育については、フルハーネスの特別教育をまとめた記事に整理してあります。

4つのうち「誰が」は、職長や作業者本人といった現場での役割名で書けば、確かめる人が1人に特定できるので足りる、と僕は考えています。役割の呼び方を指定する語は、並べた問題文には見当たらないからです。

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感電は問題2で別に聞かれた|墜落・飛来落下・感電で引き出しを分ける

感電の話も問題1に書いていいのか。令和7年度に限って言えば、問題1の問A・問Bはどちらも「墜落災害又は飛来落下災害」が発生する危険性を予測させる設問で(令和7年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2)、感電を書く余地は問題文の上にありません。感電は問題2で、「全停電のできない施設における電気設備の改修工事において」感電災害の危険性がある「あなたが予測した作業内容とその理由」と、とるべき対策を書かせる形で、別に聞かれています(同 p.2)。

過去には、墜落と感電を同じ問題1の中の別の小問で聞いた年がありました。令和2年度と令和5年度は、自分の工事について墜落の事項と対策を書かせた後に、続く小問で「感電災害が発生する危険性があると予測した作業内容とその理由」を聞いています(令和2年度 1級電気工事施工管理技術検定試験 実地試験問題 p.2/令和5年度 1級電気工事施工管理技術検定 第二次検定問題 p.2)。令和3年度の問題1には感電の小問がありませんでした(令和3年度 同 p.2)。

問題2の感電と材料がかぶりそう、という心配には、材料を最初から3つの引き出しに分けておくことで応えられます。作業選択式だった年の作業名も、同じ引き出しに入るものが並んでいます。

  • 墜落:高所の端部や開口、高所作業車の上での作業。令和6年度の「高所作業車での作業」にもつながる
  • 飛来落下:揚重、吊り荷、上下で重なる作業。令和元年度・4年度の「クレーン等による揚重作業」にもつながる
  • 感電:充電中の電路のそばでの作業や、電路を止めて行う作業。令和元年度・4年度の「高圧活線近接作業」、令和6年度の「高圧停電作業」にもつながる

作業名の出典は、令和元年度 実地試験問題 p.2、令和4年度 第二次検定問題 p.2、令和6年度 第二次検定問題 p.3 です。4つの作業から2つを選ぶ形なので、どの年も2つは3つの引き出しから出せる作業が入っていたことになります。酸素欠乏危険場所での作業や掘削作業は3つの外にあるので、作業選択式に備えるなら別に用意が要ります。

引き出しを分けておくと、問題1で墜落と飛来落下を使い、問題2で感電を使う、という配分が本番で迷わずにできます。高所作業車を使う作業の教育については高所作業車の特別教育を扱った記事が、墜落の引き出しの材料を増やすときの下調べになります。

手元の旧形式の答案・例文をどう使い直すか

昔の例文集はもう使えないのか。令和元年度から令和5年度の問題1は「あなたが経験した電気工事について,次の問に答えなさい。」で始まり、工事名・工事場所・電気工事の概要・工期・あなたの立場・担当した業務の内容を書かせてから小問に入る形でした(令和元〜5年度 各問題冊子 p.2)。令和7年度の問題1にはこの工事概要の欄がなく、場面は問題文が与えます。旧形式の例文集は、その前提の上に組み立てられています。

とはいえ、中身を分けて見れば使える部分は残ります。

  • そのまま使える:どこで、何が、なぜ危なかったかという事項と理由の材料
  • 形を変えれば使える:対策の材料。「〜した」を「〜する」に直し、事項ごとに2つにそろえる
  • 使えない:工事名や工期などの工事概要と、「上記の電気工事の現場において」を前提にした書き出し

形式そのものが何から何に変わったのかは、1級電気の経験記述の形式変更を追った記事で詳しく扱っているので、ここでは繰り返しません。

本番まで残りが少ない時期に安全管理へどれだけ時間を使うかは、人によって違います。ただ、旧形式の答案を持っている人なら、ゼロから書くより「事項と理由の材料を拾い出し、対策を『とるべき』の形に直す」作業のほうが短く済むはずです。個人的には、まず問Aと問Bの条件語の表を自分の記憶で埋めることを先にやり、例文を読むのはその後に回すのが、時間の割に効く順番だと思っています。

実施機関は「※解答形式が記述の設問は正答を公表しません。」としていて、第二次検定の合格基準は「得点が60%以上」です(建設業振興基金「検定問題・正答肢」および合格基準表)。自分の答案が合っているか誰にも見てもらえない、という不安はここから来ています。記述の設問は正答が公表されないので、答え合わせの相手は外には無く、ここまでの道具を自分の答案に当て直すことになります。1つは、この記事で作った問Aと問Bの条件語の表を自分の記憶で埋め、答案の事項と理由に条件語が入っているかを見ること。もう1つは、2つの理由を入れ替えて読み、入れ替えても文が成立してしまわないかを見ることです。どちらも1枚の紙の上でできるので、書いた答案を翌日に読み返すときの習慣にしておくと、独学でも直す場所が自分で見つけられます。

1級電気工事施工管理技士の安全管理の経験記述に関する情報まとめ

  • 出題の位置:令和元〜7年度の7回とも安全を書く問題があり、自分の工事を先に書かせたのは令和2・3・5年度の3回。令和6年度は問題3の作業選択式だった
  • 答案の単位と語の変化:令和7年度は事項と理由が2つ、対策は事項ごとに2つで計4つ。「とった対策」は「とるべき対策」に、重複禁止は事項と理由まで広がった
  • 場面の読み方:問A・問Bの条件語を区切り、そこから墜落・飛来落下の事項と理由の向きを決める
  • 着用のみ:条件文の書き方は年度で揺れているが、名指しされているのは「着用のみの記述」。何を・いつ・誰が・どう確かめるかまで書く
  • 3つの引き出し:令和7年度は感電が問題2に分かれた。墜落・飛来落下・感電で材料を分けておけば、作業選択式にも回せる
  • 旧形式の答案:事項と理由、対策の材料は使えるが、工事概要と過去形の書き出しは使えない

以上が1級電気工事施工管理技士の安全管理の経験記述に関する情報のまとめです。

安全管理の経験記述で迷いやすいのは、書く中身より先に「数」と「語」でした。事項2つ、対策4つ、そして「とるべき」の語尾。この3点を問題文どおりにそろえ、問A・問Bの条件語の表を自分の現場の記憶で埋め終えたら、安全管理の準備はいったん区切りにして、問題2から問題6まで含めた二次検定全体の時間配分を決める段階に進みましょう。第二次検定の6問全体の回し方は、1級電気の二次検定対策をまとめた記事で確認できます。

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