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容積とは?単位、計算方法、容積率との違い、建築での使い方など

  • 容積ってなに?体積と何が違うの?
  • 単位はL?m³?どっちが正しいの?
  • 容積率と容積はどう違うの?
  • 建築の現場ではどんな容積が出てくるの?
  • 生コンや土砂の発注でなぜ容積が大事なの?
  • 施工管理として何を意識すればいい?

上記の様な悩みを解決します。

「容積」は日常用語としても建築用語としてもよく使われますが、「体積」「容積率」と何がどう違うのかを整理して聞かれると意外と説明に詰まります。実は容積は物理的な体積を生活実感で扱う言い方で、建築の現場では生コン発注・タンク容量・残土処分といったお金がかかる発注物を扱うときに必ず登場します。容積を間違えると即コストインパクトに直結する大事な概念です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

容積とは?

容積とは、結論「ある立体や容器が占める空間の大きさ、または容器の中身が入る量」のことです。物理学・数学的には体積と同義ですが、日常用語・建築用語としては「中に何かが入る空間の量」というニュアンスで使われることが多いです。

英語では volume(ボリューム)または capacity(キャパシティ)。建築業界では用途によって使い分けがあります。

用語 主に使われる場面 ニュアンス
体積 数学・物理・構造計算 純粋な3次元空間の大きさ
容積 容器の容量・建築用途 中身が入る量・占める空間
容量 タンク・水槽・電池 中に入れられる量(容積と同じ意味で使うことが多い)

→ 厳密には「体積=占有する空間量」「容積=入れられる量」「容量=入っている量」ですが、現場では大体同じ意味で混用されています。

ざっくりイメージすると

500mlのペットボトルを思い浮かべてください。ボトルの体積はボトル自体が占める空間(プラスチック厚みも含む)、ボトルの容積は中身を入れられる空間(=500ml)、ボトルの容量は中に入っている量(満杯なら500ml)、というかたち。

建築でも同じで、立体の体積はRC柱の純粋な空間量(計算上の値)、容器の容積は水槽・配管・ピットの中身が入る量、タンクの容量はそのタンクに何mLの水が入るか、という使い分けです。

容積の主な特徴

容積の主な特徴は、空間の大きさを表すスカラー量(方向はない)、単位はm³(立方メートル)・L(リットル)・mL(ミリリットル)が代表、1m³ = 1,000L = 1,000,000mL、縦×横×高さなど3次元の積で計算、容器の場合は内法寸法(内側の寸法)を使う、というあたり。

なぜ建築で重要か

容積は建築・施工の様々な場面で発注量・コストに直結します。生コン発注(1m³あたりの単価でコンクリート費用が決まる)、土砂残土処分(1m³あたりの処分費・運搬費が決まる)、タンク容量(給水・受水槽・浄化槽の必要容量)、配管容量(水量計算・流量設計)、というあたり。

容積率との違い

非常によく混同される用語に容積率がありますが、これは全く別物です。

項目 容積 容積率
何を表すか 空間の大きさ(物理量) 敷地面積に対する延床面積の割合(法的指標)
単位 m³, L, mL %(無次元)
用途 発注量・容量計算 都市計画・建築規制

→ 容積率は次のセクションで詳しく見ていきます。

外法・内法はこちらの記事を参考にしてください。

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容積の単位と計算方法

容積を扱う上で必須の単位と計算方法を整理します。

①主な単位と換算

単位 記号 換算
立方メートル 1,000L
立方デシメートル dm³ 1L
立方センチメートル cm³ 1mL
リットル L 1,000mL = 1,000cm³
ミリリットル mL 1cm³
立方ミリメートル mm³ 0.001mL

→ 建築の生コン・残土は、給水・水量はL、配管細部はmL/cm³ が標準。

②基本図形の容積公式

立体 公式
直方体 縦×横×高さ
立方体 一辺³
円柱 π×半径²×高さ = πr²h
(4/3)×π×半径³ = (4/3)πr³
円錐 (1/3)×π×半径²×高さ
角錐 (1/3)×底面積×高さ
三角柱 底面積×高さ

③計算例:RC柱の容積

幅400×奥行400×高さ3,000mmのRC柱の容積を計算してみます。

容積 = 0.4m × 0.4m × 3.0m = 0.48m³

→ 1本あたり生コン0.48m³。10本なら4.8m³。これが発注量に直結します。

④計算例:円形タンクの容量

直径2,000×高さ3,000mmの円柱形タンクの容量(内寸):

容量 = π × (1.0)² × 3.0 = 9.42m³ = 9,420L

→ 浄化槽・受水槽の容量計算で頻出する形式。

⑤建築でよく出る単位

場面 標準単位
生コン発注
残土処分
受水槽容量 m³, L
給水配管流量 L/min, m³/h
排水管容量 L/s
浄化槽容量 L, m³

→ 業務ごとに「業界標準の単位」があるので、混在しないよう注意。

⑥容積から重量への換算

容積×密度=重量、という関係があります。

物質 密度(t/m³)
1.00
普通コンクリート 2.30〜2.40
鋼材 7.85
普通土(砂質) 1.60〜1.80
砕石 1.60〜1.80

→ 例:RC柱0.48m³の重量 = 0.48 × 2.4 = 1.15t

コンクリートの密度はこちらの記事も参考にしてください。

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容積と容積率の違い

「容積」と「容積率」は名前は似ていますが、まったく別の概念です。

①容積率の定義

容積率とは、「敷地面積に対する建物の延床面積の比率」のこと。

容積率 = (延床面積 / 敷地面積) × 100 (%)

用途地域ごとに法律で上限が定められていて、例えば第一種住居地域なら容積率200%、商業地域なら容積率400〜1300%、というあたり。

②なぜ容積率があるのか

容積率を制限することで、過密開発の抑制(狭い敷地に巨大な建物が乱立するのを防ぐ)、インフラへの負荷管理(道路・上下水道・電力の容量バランス)、日照・通風の確保(周辺住環境の保護)、景観の維持(街並みの統一感)、といった都市計画上の効果が期待されます。

③容積率の計算例

敷地面積100m²、延床面積180m²の建物の場合:

容積率 = 180 / 100 × 100 = 180%

第一種住居地域(容積率上限200%)なら適合、第一種低層住居専用地域(容積率上限60〜200%)なら確認が必要、というように地域ごとの規制と照合して使用します。

④容積率と建ぺい率の違い

容積率と並んで出てくるのが建ぺい率

項目 容積率 建ぺい率
何の比率 敷地面積に対する延床面積 敷地面積に対する建築面積(1階の投影面積)
何を制限 建物全体のボリューム(立体) 建物が地面を占める面積(平面)

→ 両方の制限を同時に満たす必要があります。

⑤容積率と物理的容積の関係

容積率の「容積」は、本来は「延床面積×階数」=立体的なボリュームとして捉える指標ですが、実務上は延床面積で計算されます(階高の違いを吸収するため)。

つまり、物理的容積はm³(立体の量)、容積率の「容積」は延床面積m²で代用(法的指標)、という、用語が同じでも内容が違うところが混乱の原因。本記事の主題である「容積」は物理量としての体積の意味で扱っています。

⑥緩和措置・特例

容積率には様々な緩和措置があり、地下室の容積率不算入、共用部分(エレベーター・階段)の不算入、機械室の不算入、容積率不算入バルコニー、など、設計上の余裕を取りやすくする工夫があります。

建築の現場で出てくる容積

建築・施工の現場で具体的に出てくる「容積」の場面を整理します。

①生コン発注時の容積

最も日常的に出てくるのが生コン(レディーミクストコンクリート)の発注。単位はm³、標準呼びは1台あたり4.5m³(ミキサー車1台)または2.5m³(小型車)、発注量は設計図書から積算→打設前にミキサー車の台数決定、余裕は5〜10%の余分(打設ロス・型枠の隙間吸収)、というあたり。

具体例として、RCスラブ(150mm厚×100m²)の必要量:

必要容積 = 0.15 × 100 = 15m³
余裕10%を見込む = 16.5m³
ミキサー車4台(各4.5m³ = 18m³)で発注

生コン発注はこちらの記事を参考にしてください。

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②残土処分時の容積

地下工事・基礎工事で出る残土もm³単位で発注・処分します。単位はm³、換算は現地土の体積×ほぐし率(1.2〜1.4)= 運搬時の体積、処分費は1m³あたり数千円(都市部で1万円超のことも)、残土運搬は10t車1台あたり約5〜6m³、というあたり。

③水槽・タンク容量

給水・排水・消火・浄化槽などの水を貯める容器は容積で表現。

種類 一般的容量
戸建受水槽 1〜3m³
集合住宅受水槽 5〜30m³
消火水槽 20〜200m³(規模で変わる)
浄化槽(7人槽) 約2.5m³

④空調冷媒・配管容量

空調設備でも容積概念が登場。冷媒充填量(L)、配管容量(L/m)、蓄熱槽容量(m³)、ファンコイル風量(m³/h)、というあたり。

⑤断熱材の体積

断熱材もで発注されます。グラスウールは袋単位 or m³、硬質ウレタンフォームはm³、セルロースファイバーはm³、というあたり。

グラスウールの詳細はこちらの記事を参考にしてください。

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⑥配管内容量(満水時)

配管の維持管理(水抜き・洗浄)では配管内容量を計算します。DN50配管は0.0023m³/m(2.3L/m)、DN100配管は0.0079m³/m(7.9L/m)、DN200配管は0.0316m³/m(31.6L/m)、というあたり。

→ 配管延長×内容量 = 配管充填水量。長距離の配管では数十L〜数百Lになります。

容積に関する施工管理のポイント

施工管理として、容積に関わる実務ポイントを整理します。

①生コン発注精度の管理

生コン発注は容積精度がコストインパクト直結です。不足は打設中断→生コン追加発注→単価UP・遅延、過剰は残コンが発生→産廃処分費が発生、適正は積算精度+余裕10%が標準、というあたり。

体験的には、特殊形状部材(基礎フーチング・梁勾配部分)の積算ミスが最もありがちな失敗。図面寸法から手計算+CAD算出の両方で照合しておくと安全です。

②残土容積の事前見積り

地下掘削の残土容積は、ほぐし率1.3倍を見込んで運搬車両を発注します。1日あたりの掘削量×ほぐし率 = 排出土量、排出土量÷10t車1台容量 = 必要トラック台数、というかたち。

→ 掘削深さが想定より深くなると、急に処分費が膨らみます。地盤調査結果と現場確認を必ず照合。

③水張り試験での容量計算

防水試験(屋上・浴室)で水張り試験を行うとき、必要な水量(=容量)を事前計算。屋上スラブ100m²×水深50mm = 5m³ = 5,000L、浴室床1.5m²×水深30mm = 0.045m³ = 45L、というあたり。

→ 給水ホース・電源など段取りに直結します。

防水の詳細はこちらの記事を参考にしてください。

④建材の積算精度

タイル・石材・木材・断熱材など、すべて容積または面積で発注されます。タイルはm²、石材(花崗岩等)はm³、構造木材はm³(立米)、断熱材はm³ or 袋、というあたり。

⑤現場での具体例(独自エピソード)

新築マンションのRC基礎工事で、ベタ基礎の生コン打設を行ったときの話。事前積算では総容積45m³で、ミキサー車10台(各4.5m³=45m³)で発注しました。実際の打設中、最後の1台が到着する前に約2m³不足することが判明。

原因を調べると、基礎フーチング下端の捨てコン厚みの過小設計(実寸が図面より深かった)、型枠外側のせり出し(精度不足で隙間ができた)、打設時のロス(型枠跨ぎ・締固め時のあふれ)、というあたりが要因。

慌ててプラントに追加発注を電話で依頼しましたが、生コンプラントの稼働状況によっては当日対応できないこともあります。最終的に翌日朝の追加打設で対応しましたが、コールドジョイントのリスクと打継ぎ処理の手間が増えました。

それ以降、「容積発注では必ず10%余裕を見る」「土曜日は追加発注が間に合わないので余裕を15%」を自分のルールにしています。容積は紙の上では数字ですが、現場ではお金と時間の両方が刻まれていることを身に沁みて思い知った経験でした。

スランプ試験(生コン品質管理)はこちらの記事を参考にしてください。

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容積に関する情報まとめ

最後に、容積の重要ポイントを整理します。

  • 容積とは:立体が占める空間の大きさ、または容器の中身が入る量。物理学的には体積と同義
  • 単位:m³ / dm³ / cm³ / L / mL の階層。1m³ = 1,000L = 1,000,000mL
  • 計算方法:基本図形の公式(直方体は縦×横×高さ、円柱はπr²h)で計算
  • 容積率との違い:容積=物理的な空間量。容積率=敷地面積に対する延床面積の割合(法的指標)で全く別物
  • 現場で出る容積:生コン発注・残土処分・水槽容量・配管内容量・断熱材
  • 施工管理視点:生コン発注の余裕10%、残土ほぐし率1.3倍、水張り試験の段取り、積算精度の確保

以上が容積に関する情報のまとめです。

容積は計算上の概念に見えて、現場では生コン費・残土処分費・タンク容量といった直接お金に変わる量として登場します。新人施工管理が初めての打設管理で「2m³足りない!」とパニックになるのを何度も見てきましたが、これは大体「余裕10%を見ていなかった」が原因。容積は「数字に見えても実は余裕設計の感覚値が必要な量」として、経験で精度を上げていくものでもあります。一通り容積の基礎知識は理解できたと思います。

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