- 単位容積質量ってなに?
- 単位体積重量とは何が違うの?
- どんな単位で表すの?
- 骨材試験で出てくるって聞いたけど?
- 計算はどうやるの?
- 密度・比重とどう使い分けるの?
上記の様な悩みを解決します。
コンクリート配合設計や骨材試験の試験成績書を読むと「単位容積質量2,650 kg/m³」のような数値が出てきます。これが「単位容積質量」。似た用語に「単位体積重量」「密度」「比重」があって、現場では混在して使われがちです。本記事では単位容積質量の定義、単位体積重量との関係、JIS A 1104の骨材試験での求め方、代表値、現場での使い分けまでを、初心者向けに整理していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
単位容積質量とは?
単位容積質量とは、結論「ある材料の単位体積(普通は1m³または1Lあたり)に含まれる質量」のことです。「容積1m³あたり何kgか」を示す値、と覚えるとシンプルです。
英語では Unit Volume Mass(ユニット・ボリューム・マス)または Bulk Density(バルク・デンシティ=かさ密度)。日本のJIS規格や建築学会基準では「単位容積質量」という用語が使われます。
式で書くと
単位容積質量 ρ = 質量 m ÷ 容積 V
- ρ(ロー):単位容積質量(kg/m³、g/L、t/m³)
- m:質量(kg、g、t)
- V:容積(m³、L、cm³)
つまり、容積で割って質量を出した値、という訳ですね。
主な単位
| 単位 | 用途 | 換算例 |
|---|---|---|
| kg/m³ | 一般的なSI単位、建築工事の標準 | 普通コンクリート≒2,300〜2,400 |
| g/L | 容器(小型試験用) | 普通コンクリート≒2.3〜2.4 |
| t/m³ | 大規模構造物・土木 | 普通コンクリート≒2.3〜2.4 |
| g/cm³ | 物理・材料工学 | 普通コンクリート≒2.3〜2.4 |
→ どれも「容積あたりの質量」という意味では同じ。1 kg/m³ = 1 g/L = 0.001 t/m³ = 0.001 g/cm³ で換算できます。
「容積」と「体積」の使い分け
似た言葉に「単位体積質量」があり、ほぼ同義で使われます。
- 単位容積質量:JIS規格・建築工事仕様書で使われる用語(骨材試験など)
- 単位体積質量:教科書・物理で使われる用語
正式には「単位容積質量」がJIS用語ですが、現場や設計図書では混在しています。指す内容は同じ、と覚えておけば十分です。
単位容積質量と単位体積重量の違い
ここが一番のつまずきポイント。「質量」と「重量」は厳密には別物で、それに対応する用語も別物です。
質量と重量の物理的な違い
| 用語 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| 質量 | 物体そのものの量。地球上でも月面でも変わらない | kg、g、t |
| 重量 | 質量に重力がかかった「力」。場所で変わる | N、kN、kgf |
→ 1kgの物質には、地球上で約9.8Nの重力(重量)がかかります。月面ならその約1/6。
単位容積質量と単位体積重量の対応関係
| 用語 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|
| 単位容積質量 | 単位容積あたりの質量 | kg/m³(g/L) |
| 単位体積重量 | 単位体積あたりの重量 | kN/m³(kgf/m³) |
→ 数値的には、単位容積質量に重力加速度 g ≒ 9.8 m/s² をかけると、単位体積重量になります。
例:普通コンクリートの場合
- 単位容積質量:約2,400 kg/m³
- 単位体積重量:約2,400 × 9.8 / 1000 ≒ 23.5 kN/m³
実務的には「× 約10」で簡易換算することが多いです(重力加速度を9.8ではなく10で近似)。
いつどっちを使う?
| 場面 | 使う用語 |
|---|---|
| 骨材試験・配合計画 | 単位容積質量(kg/m³) |
| 構造計算・荷重算定 | 単位体積重量(kN/m³) |
| ミルシート・材料納品書 | 質量(kg)、密度(kg/m³) |
| 構造設計指針・許容応力度計算 | 重量(kN)、単位体積重量(kN/m³) |
→ JIS規格は「質量系」、構造計算は「重量系」が原則。同じ材料でも、文書ごとに使われる用語が違うので、出てきた値が「質量」か「重量」かを必ず確認するクセが大事です。
単位体積重量と単位重量の関係はこちらも参考にしてください。

骨材の単位容積質量試験(JIS A 1104)
「単位容積質量」という用語が一番多く出てくるのが、骨材(細骨材=砂、粗骨材=砕石)の試験です。日本では JIS A 1104「骨材の単位容積質量及び実積率試験方法」で規定されています。
試験の目的
骨材の単位容積質量を求めるのは、
- コンクリートの配合計算で粗骨材の体積を質量から逆算するため
- 実積率(骨材で実際に占められている体積の割合)を計算するため
- 粗骨材の品質確認(破砕骨材の硬さ・粒度の指標)
→ 骨材の単位容積質量が同じ砂利でも、産地・粒度で意外に変動するので、配合計画ごとに測定する必要があります。
試験の手順(簡略版)
- 規定の容器(粗骨材なら10Lまたは20Lの円筒容器)を準備する
- 容器の質量を測る
- 骨材を3層に分けて投入し、各層を25回突き固める(または棒で衝撃を与える)
- 余分な骨材を平らに均す
- 骨材+容器の質量を測る
- 単位容積質量 = (骨材質量) ÷ (容器内容積)
→ 突き固めの方法には「棒突き法」(密実な値)と「ジッギング法」(軽い詰め方)の2つがあり、用途によって使い分けます。
代表値(骨材)
| 骨材の種類 | 単位容積質量(kg/m³) |
|---|---|
| 粗骨材(砕石・川砂利) | 1,500〜1,700 |
| 細骨材(砂) | 1,500〜1,700 |
| 軽量骨材 | 700〜1,100 |
| 重量骨材(磁鉄鉱など) | 2,400以上 |
→ 普通の砂・砂利はだいたい1,600 kg/m³前後。これより極端に小さい/大きい値が出たら、配合設計や試験方法に問題がある可能性があります。
骨材の実積率や品質はこちらも参考にしてください。

単位容積質量の計算方法
単位容積質量の計算は、「質量 ÷ 容積」のシンプルな割り算ですが、実務での3つのパターンを整理します。
パターン1:試験結果から求める
JIS A 1104の手順そのまま。
- 骨材質量:35.2 kg
- 容器内容積:0.022 m³(=22L)
- 単位容積質量:35.2 ÷ 0.022 = 1,600 kg/m³
パターン2:密度と空隙率から求める
骨材の密度ρs(真の密度)と空隙率 V から、単位容積質量を求めることもできます。
単位容積質量 = ρs × (1 – V)
例:砕石の真の密度が2,650 kg/m³、空隙率が40%なら
- 単位容積質量 = 2,650 × (1 – 0.4) = 2,650 × 0.6 = 1,590 kg/m³
→ 「真の密度」は鉱物そのものの密度、「単位容積質量」は粒の集まりとしての見かけ密度。空隙が多いほど、単位容積質量は真の密度より小さくなります。
パターン3:材料の代表値から推定する
詳細試験をしない場合は、JIS規格や設計指針の代表値で代用します。例えば「砕石の単位容積質量=1,650 kg/m³とする」のように仮定して、配合計算を進めます。
「かさ比重」との関係
骨材の単位容積質量を、水の密度(1,000 kg/m³)で割ったものがかさ比重です。
かさ比重 = 単位容積質量 ÷ 水の密度
例:単位容積質量1,600 kg/m³の砂利なら、かさ比重 = 1,600 ÷ 1,000 = 1.60。
無次元なので、海外文献やJIS規格の比較にも使えます。かさ比重についてはこちらも参考にしてください。

代表的な材料の単位容積質量
主要な建築材料の単位容積質量を、設計時の参考値として整理します。
| 材料 | 単位容積質量(kg/m³) | 備考 |
|---|---|---|
| 普通コンクリート | 2,300〜2,400 | 設計値2,400が一般的 |
| 軽量コンクリート1種 | 1,800〜2,100 | 軽量骨材使用 |
| 軽量コンクリート2種 | 1,400〜1,800 | より軽い |
| 高強度コンクリート | 2,400〜2,500 | 50N以上 |
| 鉄筋(一般構造用鋼) | 7,850 | JIS G 3112 |
| 構造用鋼(SS400等) | 7,850 | |
| ステンレス鋼(SUS304) | 7,930 | |
| アルミニウム | 2,700 | |
| 木材(杉) | 350〜450 | 含水率による |
| 木材(檜) | 400〜500 | 含水率による |
| 木材(栂) | 400〜550 | |
| 集成材 | 550〜600 | |
| ALC | 500〜700 | 軽量気泡コンクリート |
| 普通れんが | 1,800〜2,000 | |
| 粘土瓦 | 1,800〜2,000 | |
| ガラス | 2,500 | |
| 普通モルタル | 2,100 | |
| 砂(細骨材) | 1,500〜1,700 | 含水率による |
| 砕石(粗骨材) | 1,500〜1,700 | |
| 一般土砂(湿潤) | 1,700〜1,900 | 含水率による |
→ 「鉄は2.4倍重い」「木は1/5の軽さ」「コンクリートは水の2.4倍」と覚えると、現場の積算や荷重計算で桁感覚が掴めます。
水の密度はこちらも参考にしてください。

単位容積質量に関する情報まとめ
- 単位容積質量とは:単位容積あたりの質量(kg/m³など)
- 単位:kg/m³、g/L、t/m³、g/cm³(数値は同じ)
- 単位体積重量との違い:「質量×重力=重量」の関係。単位容積質量 × 9.8 ≒ 単位体積重量(kN/m³)
- 使い分け:骨材試験・配合設計は質量系(kg/m³)、構造計算は重量系(kN/m³)
- JIS A 1104:骨材の単位容積質量および実積率試験。突き固めまたはジッギング法で求める
- 計算方法:質量 ÷ 容積。密度と空隙率からも算出可
- 主な代表値:普通コンクリート2,300〜2,400、鉄筋・鋼7,850、木材350〜500、ALC500〜700
- かさ比重との関係:単位容積質量 ÷ 水の密度=かさ比重
以上が単位容積質量に関する情報のまとめです。一通り基礎知識は網羅できたかなと思います。「質量」か「重量」かは現場の会話では曖昧にされがちですが、設計書を正確に読むためには区別が必須。試験成績書のkg/m³は質量系、構造計算書のkN/m³は重量系——この対応関係を意識して図面を読めば、配合計画と構造計算がスムーズにつながるようになります。
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