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建築の数学とは?必要性、レベル、文系でも大丈夫?勉強方法など

  • 建築って数学を使うの?
  • どれくらいのレベルが必要?
  • 文系出身でもついていける?
  • 現場の施工管理では何を使う?
  • 建築学科の授業ではどんな数学が出る?
  • どうやって勉強したらいい?

上記の様な悩みを解決します。

建築の数学は、結論「ほどほどに使うが、めちゃくちゃ高度なものは要求されない」ジャンルです。設計・構造計算・施工管理・建築学科の試験で出てくる数学は、ほぼ高校数学の範囲+大学初年度レベルの線形代数・微積分の入口まで。文系出身でも臆さず復習すればキャッチアップできます。一方で「何のために使うか分からないまま記号だけ覚える」と挫折しやすいので、目的とセットで学ぶのが攻略のコツ。本記事では「実務で本当に使う数学」と「学校で勉強する数学」の両面から整理します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

建築の数学とは?

建築の数学とは、結論「建築の設計・構造計算・施工管理を進める上で必要になる数学全般」のことです。

→ ざっくり、「建築実務で使う数学全般」が建築の数学、というイメージです。

ジャンル

ジャンルで分けると、算数寄り(四則演算、面積、体積、単位換算、勾配計算)、幾何寄り(図形の合同・相似、三角比、ベクトル、座標)、代数寄り(1次・2次方程式、関数、対数)、解析寄り(微分・積分、微分方程式=梁のたわみなど)、線形代数寄り(行列、剛性マトリクス、固有値解析)、というあたり。

「建築は文系で生きていけるはず」と思って入学した学生さんが、構造力学の授業でいきなり微積や行列に出くわして青くなる──というのが建築学科あるあるパターン。でも、本気で詰めると怖いゾーンもあるけれど、実務で使う範囲はそんなに広くないというのが結論です。

数学の基本、たとえば2次関数や2次方程式は構造計算でも顔を出します。先に押さえたい方はこちらをどうぞ。

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建築で数学が必要になる場面

実際に建築で数学が登場する場面を整理します。

設計・構造計算

設計の現場では、面積計算(建ぺい率・容積率の確認)、高さ計算(斜線制限、北側斜線、日影)、体積計算(コンクリート発注量、型枠面積)、縮尺計算(1/100、1/50などの図面読み)、三角比(屋根勾配、矩計、階段の段差・踏面)、というあたり。

構造計算の現場では、静力学(モーメント、せん断力、軸力、反力)、材料力学(応力ひずみ、ヤング率、断面二次モーメント)、微分積分(梁のたわみ、面積分・体積分)、線形代数(剛性マトリクス、有限要素法)、微分方程式(地震応答解析、固有振動数)、というところ。

施工管理・試験・学校

施工管理の現場では、数量拾い(コンクリート、鉄筋、型枠)、出来形管理(誤差計算、寸法公差)、写真測量・3次元計測(座標変換、ベクトル)、工程管理(クリティカルパス、稼働日計算)、というあたり。

資格試験では、1級・2級建築士の構造力学(力のつり合い、応力計算)、1級・2級建築施工管理技士(数量・面積計算)、構造設計1級建築士(より高度な解析)、というところ。

大学・専門学校の建築学科では、微積分・線形代数(1〜2年)、構造力学(2〜3年)、設計演習で必要な作図系の幾何、というあたり。「数学の使い道は領域によって全く違う」というのを意識しておくと、自分が今勉強する数学のゴールが見えやすくなります。ベクトルの基礎はこちらの記事もどうぞ。

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建築の数学のレベル感

「結局どれくらい難しいのか?」を整理します。

場面 必要な数学レベル 補足
現場の施工管理 中学校〜高校1年程度 四則演算、面積体積、簡単な三角比
1〜2級建築士の構造 高校数学Ⅱ〜Ⅲの一部 三角比、対数、微分の入口
構造設計実務(基本) 高校数学Ⅲ+大学初年度 微積分、線形代数の入口
構造設計(高度) 大学2年生レベル以上 微分方程式、行列計算、有限要素法
建築学科の学問 大学1〜3年レベル 解析・線形代数・確率統計が必修

ボリュームゾーンと安心ポイント

「ボリュームゾーン」は高校数学。意匠系の建築設計、施工管理、建築士試験、いずれも高校数学までで十分対応できるのが現実。微積分や行列計算が必要なのは「構造設計者」「研究者」「特殊解析業務」のみで、そういう道に進まなければ深追いする必要はありません。

ちょっとビビらせるけれど安心ポイントとしては、構造力学の授業で行列が出る→行列の足し算・掛け算が分かれば乗り切れる、梁のたわみ計算→結局「公式に当てはめる」スタイル、応力計算→高校の力のつり合いの拡張版、というあたり。「完全な数学者にならなくていい」「公式を理解して使いこなせれば十分」というのが、建築側の数学の温度感です。フックの法則の話はこちらの記事もどうぞ。

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文系出身でも建築は大丈夫?

「文系から建築学科」「文系から施工管理」という人にとって、数学はネックになりがちです。結論から言うと──

結論:高校数学を復習すれば追いつける

建築学科に来る学生の3〜4割は理系といっても物理が苦手だったり、建築から専攻替えで来ていたりします。入学時点で完璧な数学力を持っている人は少数派で、入学後に詰めていく流れが普通。文系出身の方も、数Ⅰ・数Ⅱの基本(関数・三角比・対数)、数Bの数列・ベクトル、数Ⅲの微分・積分の入り口、をやり直しておけば、構造力学の授業についていける土台は作れます。

施工管理のキャリアなら高校数学の前半で十分

ゼネコン・サブコンで施工管理として働くだけなら、必要な数学はぐっと下がって中学〜高校前半レベルで足ります。具体的には、四則演算・分数・%計算、面積・体積の公式、三角比(建物の高さ・勾配計算)、一次方程式、というあたり。

このあたりを思い出せれば、現場の数量拾い・配筋検査・出来形管理はこなせます。「数学アレルギーで文系を選んだ人」でも、目的が明確な実用計算は意外と楽しく解けるもの。心配しすぎる必要はありません。

[talk words=’以前ある現場で、文系卒で現場監督2年目の若手と「数学アレルギー」の話になったとき、彼から「現場で頻繁に使う計算は、配筋ピッチの割付・数量拾いの面積計算・電圧降下の√3倍くらいで、覚悟していたほど重くない」と聞いたことがあります。確かに毎日のように微積分が登場するわけではなく、必要なときに必要な公式を引き出せれば回るのが施工管理の数学の現実。文系出身でこの仕事に入った同僚たちが、想像していたほど数学に苦しまずに馴染んでいるのを見てきました。’ name=”” avatarimg=”https://seko-kanri.com/wp-content/uploads/2020/02/c-run.png” avatarsize=70 avatarbdcolor=#d0d0d0 avatarbdwidth=1 bdcolor=#d0d0d0]

建築の数学の勉強方法

最後に、効率的な勉強の進め方を整理します。

目的・参考書・演習

①目的とセットで学ぶ。「微分積分を覚える」ではなく、「梁のたわみを求めるために微分方程式を解けるようになる」という目的とセットで勉強するのがコツ。建築の文脈で出てくる数学は、必ず物理的な意味があります。意味と式をセットで覚えると、忘れにくくて応用も効きます。

②高校数学の参考書を1周復習する。文系・理系問わず、まずチャート式やFocus Goldなどの高校数学の網羅系参考書を1周。建築の構造力学に入る前にやっておくと「数学の基礎が抜けていてどこで詰まったか分からない」状態を避けられます。

③構造力学の演習書をたくさん解く。「力のつり合い→反力→モーメント→応力」の流れは演習量がすべて。1冊やり込めば、それ以降の構造系科目は全部楽になります。建築士試験の構造の過去問もそのまま教材になります。

単元別・ツール

④数学そのものではなく「単元別」に必要な箇所だけ深掘り。静定構造→力のモーメント・力のつり合い、不静定構造→連立方程式・行列、たわみ→微分積分の応用、振動解析→微分方程式・固有値、というあたり。「構造のテーマごとに必要な数学を取りに行く」スタイルが、建築学生・実務家には合っています。

⑤実務で使うときはツールに頼る。実務ではExcel、構造解析ソフト(SS3、SEIN、Midasなど)、CAD・BIMが計算を肩代わりしてくれます。「手計算で全部やる必要はない」「ただし結果の妥当性を判断する数学的素養は必須」というのが、実務家のスタンス。

ベクトルの大きさ、断面二次モーメントなどの基礎を1つずつ押さえていくのが結局は最短ルートです。

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建築の数学に関する情報まとめ

  • 建築の数学とは:設計・構造計算・施工管理・大学の授業で使う数学
  • レベル感:施工管理は中学〜高校前半/実務設計は高校数学+大学初年度
  • 文系出身でも:高校数学を復習すれば追いつける
  • ボリュームゾーン:高校数学までで大半の建築業務は対応可
  • 高度な数学が必要な領域:構造設計、有限要素解析、研究
  • 勉強のコツ:目的(物理的意味)とセットで学ぶ
  • 実務ではツール頼りでOK、ただし結果の妥当性を判断する素養は必要
  • 学校では構造力学を演習量で乗り切る

以上が建築の数学に関する情報のまとめです。

一通り建築の数学についての全体像は理解できたかなと思います。建築の世界の数学は「ハイエンドの数学者を求めている」のではなく、「物理の現象(力・面積・体積・周期)を式で記述して、それを設計や施工に落とし込む語彙」を求めているだけ。だから入口は急に高く感じても、文脈と一緒に学べば思ったよりすんなり身につく分野でもあります。数学アレルギーで建築を諦めるより、まずは建築士試験の構造の過去問を1問解いてみる方が、案外モチベーションになるかもしれません。建築は文系出身者にも理系出身者にも、それぞれの役回りで居場所がある業界、というのが現場で過ごしてきた実感です。

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