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建築の大学ランキングとは?評価軸、国公立、私立、就職の強さなど

  • 建築学科のある大学ってどう選べばいいの?
  • 「建築の大学ランキング」って結局なに基準で決まってるの?
  • 国公立と私立で何が違う?
  • 一級建築士の合格者数ランキングは見て大丈夫?
  • 卒業設計や研究室で強い大学はどこ?
  • 就職先で見た時に「強い大学」ってどう判断する?

上記の様な悩みを解決します。

建築の大学選びは、偏差値だけ見ても正直なところピンと来ない世界です。建築は「設計」「構造」「環境」「歴史」「都市」「インテリア」「施工」と中で大きく系統が分かれていて、同じ「建築学科」でも大学ごとに得意分野がガラッと違うんですよね。本記事では「建築 大学 ランキング」というキーワードでよく見かける指標を、施工管理視点も交えて整理し、ランキングをどう読み解けば後悔しない大学選びにつながるかをまとめていきます。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

建築の大学ランキングとは?

建築の大学ランキングとは、結論「建築系の学科を持つ大学を、何かしらの指標で順位付けしたリストの総称」のことです。一つの統一ランキングがあるわけではなく、媒体によって基準がバラバラなのが特徴です。

よく見かけるランキングの種類

よく見かけるランキングは、偏差値ランキング(一般的な大学入試難易度)、一級建築士試験合格者数ランキング、一級建築士試験合格率ランキング、大学院修了者の進路(アトリエ・ゼネコン・ハウスメーカー)、卒業設計コンクール(赤レンガ・せんだい・京都Diploma)の入賞数、スーパーゼネコン就職者数ランキング、海外大学評価(QS、THEなど)の建築・建築工学部門、というあたり。

それぞれ「何を測っているか」が違うので、自分が建築でやりたいことに合わせて見るランキングを選ぶ意識が大事ですね。偏差値だけで決めると、入ってから「自分のやりたい方向と研究室の強みが噛み合っていない」となりがちです。

ランキングが当てにならないケース

ランキングが当てにならないケースとしては、建築系といっても「工学系建築」と「芸術系建築」で評価軸が違う場面、ハウスメーカー志望か設計事務所志望かで「強い大学」が変わる場面、一級建築士合格者「数」ランキングは在籍学生数が多い大学が有利に出る点、卒業設計の入賞は教員の指導スタイルやその年の作風次第で変動する点、というあたりが代表例です。

ランキングは出発点としては便利ですが、必ず複数の軸で見て、自分の優先順位と照合するという使い方が現実的です。

ランキングの代表的な評価軸

ランキングを読み解くには、評価軸ごとに「これは何を測っているのか」「どこに偏りが出るのか」を知っておく必要があります。代表的な5軸を整理します。

評価軸1:偏差値

大学入試の難易度を表す指標で、河合塾・駿台・東進などの予備校が出しています。建築学科の偏差値は、同じ大学の他学部と比べてやや高めに出る傾向があります(理工系の中でも人気学科のため)。ただし、偏差値が高い大学=建築の研究や設計が強い、とは限りません。

評価軸2:一級建築士合格者数

公益財団法人 建築技術教育普及センターが、毎年「学校別の一級建築士試験合格者数」を公表しています。これは「大学院修了後、最短ルートで合格した人がどれだけ出たか」を測れる客観指標として有名です。ただし、母数(在籍学生数)が大きい大学ほど合格者の絶対数も多く出るので、合格者「率」もあわせて見るのがオススメです。

評価軸3:卒業設計コンクール入賞数

「赤レンガ卒業設計展」「せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦」「Diploma × KYOTO」の3つは三大卒業設計と呼ばれます。これらの入賞者を多く出す大学は、設計のレベルが高いと評価されやすい傾向にあります。卒業設計コンペの位置づけや評価軸は、別記事で詳しく解説しています。

評価軸4:就職先(特にスーパーゼネコン)

各大学が公表している就職実績データから、大手ゼネコン・組織設計事務所・ハウスメーカー・アトリエ系設計事務所への就職者数を比較する見方です。大手ゼネコンに強い大学、組織設計に強い大学、ハウスメーカーに強い大学、アトリエに強い大学、と色がはっきり分かれます。

評価軸5:研究分野の充実度

設計、構造、環境(熱・光・音・空気)、都市計画、建築史、インテリアといった分野で、それぞれ著名な教員がいるか、研究室の規模が大きいか、で測ります。「都市計画なら東大」「設計なら芸大」のように、分野で名前が挙がる大学を覚えておくと、進学先のミスマッチを減らせます。

評価軸ごとに「強い大学」は入れ替わるため、一つの順位表に縛られないことが鉄則です。

国公立大学・建築の代表校

国公立大学で建築学科として有名な大学を、おおまかな立ち位置とともに整理します(年度・媒体によって順位の入れ替わりはあります)。

最上位グループ(旧帝大・東工大ほか)

最上位グループには、東京大学(工学部建築学科/工学系研究科建築学専攻)、京都大学(工学部建築学科/工学研究科建築学専攻)、東京工業大学(工学院建築学系/環境・社会理工学院建築学系)、大阪大学(工学部地球総合工学科建築工学コース)、そして北海道大学・東北大学・名古屋大学・九州大学(各工学部建築学科)といった旧帝大ラインが並びます。これらは建築計画・構造・環境・都市計画までフルラインで強く、特に大学院進学率が高いのが特徴です。就職でも組織設計事務所やスーパーゼネコン、研究機関、独立アトリエ、官公庁とどこにでも進める間口の広さがあります。

強い独立系国公立

独立系の国公立で強いのは、横浜国立大学(都市科学部建築学科)、千葉大学(工学部総合工学科建築学コース)、神戸大学(工学部建築学科)、筑波大学(芸術専門学群環境デザイン領域=芸術系建築)、京都工芸繊維大学(工芸科学部デザイン・建築学課程)、大阪公立大学(工学部建築学科)、というあたり。これら独立系の国公立は、設計の作家性が強い、研究の領域が独自、地域とのつながりが太い、といった個性があります。卒業設計や設計教育の評価が高い学校が多く、設計志向の学生が積極的に選ぶ進学先です。

国公立の費用感

国公立大学の標準授業料は年間およそ54万円前後(年度によって若干変わる)。入学金と合わせても1年目の初期費用は80万円〜90万円台に収まることが多いです。設計課題で必要な模型材料・PCソフトなどの周辺費は別途必要になります。

私立大学・建築の代表校

私立大学は、建築学科の歴史が長い学校・芸術系大学・近年勢いのある工科系大学に分かれます。

老舗・伝統校(建築学科の歴史が長い)

老舗・伝統校の代表は、早稲田大学(創造理工学部建築学科)、慶應義塾大学(理工学部システムデザイン工学科)、日本大学(理工学部建築学科=国内最大規模)、東京理科大学(工学部建築学科/創域理工学部建築学科)、法政大学(デザイン工学部建築学科)、明治大学(理工学部建築学科)、芝浦工業大学(建築学部建築学科)、工学院大学(建築学部)、というラインナップ。このグループは一級建築士合格者数の絶対数が大きいことで知られます。特に日本大学はOB・OG数が圧倒的で、ゼネコン・組織設計・ハウスメーカーで日大ネットワークがしっかり機能しています。

芸術系・設計に強い

芸術系で設計に強いのは、東京藝術大学(美術学部建築科=国公立だが芸術系で並列)、京都市立芸術大学、多摩美術大学、武蔵野美術大学、京都精華大学(建築学科)、というあたり。芸術系は構造・環境などの「理系の建築」を深く学ぶよりも、空間芸術としての建築・インテリア・都市的なリサーチに強い学校群です。設計事務所のアトリエ系を目指す学生が好んで選びます。

近年伸びている工科系

近年伸びている工科系は、関西の私立3工大(大阪工業大学・摂南大学・近畿大学など)、神戸芸術工科大学、関東の理系新興私大、というあたり。地方の私大は、地域のゼネコン・工務店・設計事務所との結びつきが強く、地元就職を考えるなら国公立より私大の方が動きやすいこともあります。

私立の費用感

私立大学の建築学科は、年間授業料が110万円〜170万円台が中心です。4年間で500〜700万円程度の負担になることが多く、加えて設計の模型材料費・PCソフトのライセンス代も大きめです。給付奨学金や学校独自の特待制度を確認しておくと負担をかなり下げられます。

一級建築士合格者・就職で見るランキング

「建築の大学ランキング」と検索したときに最も使い物になるのが、一級建築士試験の学校別合格者ランキングと、就職先の質を比較する見方です。

一級建築士試験 学校別合格者ランキングの読み方

毎年、建築技術教育普及センターから「学校別合格者数」が公表されます。ここで上位常連となるのが、日本大学、東京理科大学、芝浦工業大学、早稲田大学、近畿大学、京都大学、東京大学、神戸大学、明治大学、工学院大学などです。年によって入れ替わりがあるので、最新版を必ず公式サイトで確認するのが鉄則です。

注意点として、合格者数は「在籍規模」の影響を強く受けます。日本大学のように建築学科の規模が大きい大学は、構造上、合格者数で上位に来やすい。合格率(合格者数/受験者数)で見直すと、規模が小さくても合格率が高い大学(東大・京大・東工大・芸大の大学院ストレート組)が浮かび上がってきます。

就職先で見るときの3カテゴリ

就職先で見るときは大きく3カテゴリに分けて整理できます。スーパーゼネコン(鹿島・大成・大林・清水・竹中)には旧帝大・東工大・早慶・東京理科大が多く、私大では日大・芝浦・明大・法政も常連。組織設計事務所(日建・日本設計・三菱地所設計・梓設計・佐藤総合計画)には旧帝大・東工大・東京理科大・芸大・京工繊・早慶などのデザイン教育が強い大学が並びます。アトリエ系設計事務所には芸大・武蔵美・多摩美・京都精華・芝浦・早大などの「設計と作家性で評価される大学」が中心に進む、というかたち。

「強い大学」は就職先カテゴリごとに大きく入れ替わるので、自分の進みたいキャリアを先にイメージしてからランキングを参照することがポイントです。

現場・施工管理志向で見た時の選び方

設計ではなく施工管理(現場監督)志向で大学を選ぶなら、合格者数ランキングよりも「ゼネコン就職者の絶対数」と「学校推薦のパイプ」を見るほうが現実的です。研究室単位でゼネコンとの太い推薦ルートがある大学があり、これは合格者数の表では見えてきません。ゼネコン推薦は大学院進学を前提にしているケースもあり、進学コストと推薦経路はセットで確認しておくのが安全です。

大学選びで失敗しないための着眼点

ランキングを見ながら最終的に大学を絞り込むときに、必ず確認したい着眼点を整理します。

着眼点1:研究室の顔ぶれを必ず見る

大学のサイトで「研究室・教員紹介」を必ず開き、自分が興味あるテーマ(例:高層建築の構造、断熱・パッシブハウス、都市再生、保存修復、デジタルデザインなど)を扱う教員がいるかを確認します。ランキング上位でも、自分のテーマを扱う教員がいなければミスマッチです。

着眼点2:設計課題のスタイルを確認する

設計教育には「徹底的に手書き」「PC・CADを早い段階で使わせる」「BIMをカリキュラムに組み込む」など、学校ごとに方針が違います。BIMを学生時代に体系的に触れる大学は、ゼネコンや組織設計から特に評価されやすい流れがあります。

着眼点3:建築士試験の受験要件を必ず確認

2020年の建築士法改正で、一級建築士の受験要件が「実務経験ゼロでも卒業後すぐに受験可能」に変わりました(合格後の登録時に実務経験が必要)。とはいえ、認定建築学科であるかどうかで進路の選択肢が変わるので、志望校が建築士の試験対象学科に該当しているかは必ず確認するべきです。

着眼点4:施工・現場系の科目があるか

設計だけでなく「施工計画」「建築生産」「現場見学」などの科目が体系的にあるかも、現場感覚を養う上で重要です。施工に強い大学のOB・OGがゼネコンに多くいるのには、こうしたカリキュラム上の理由もあります。

着眼点5:オープンキャンパス・展覧会・卒業設計展に行く

最終的に一番頼りになるのは現地で見た感触です。卒業設計展や学園祭の建築展に足を運ぶと、教育水準と学生の熱量が一目でわかります。これは偏差値表やランキング表では絶対に読み取れない情報です。

合わせて、入学後の流れや建築設計の入り口になる図面の書き方も、進学前から触れておくと授業についていきやすくなります。

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建築の大学ランキングに関する情報まとめ

  • 建築の大学ランキングとは:建築系学科を何らかの指標で並べた順位の総称(統一ランキングはない)
  • 評価軸の代表:偏差値/一級建築士合格者数/卒業設計コンペ入賞/就職先/研究分野
  • 国公立の主要校:東京大・京都大・東工大・阪大・北大・東北大・名大・九大・横国・千葉・神戸・筑波・京工繊・大阪公立
  • 私立の主要校:早稲田・慶應・日大・東京理科大・法政・明治・芝浦・工学院・芸大系(多摩美・武蔵美・京都精華・京都市立芸大)
  • 一級建築士合格者数ランキング上位:日大・東京理科大・芝浦・早大・近大・京大・東大・神戸大・明大・工学院
  • 就職先で見る強み:スーパーゼネコン系/組織設計系/アトリエ系で「強い大学」は入れ替わる
  • ランキングを読むコツ:偏差値だけで決めない/合格者「率」も併せて見る/研究室を必ず確認

以上が建築の大学ランキングに関する情報のまとめです。ランキングは便利な道具ですが、結局のところ「自分が建築の中でどの分野で食べていきたいのか」を先に決めないと、上位の大学を選んだはずなのにミスマッチに苦しむ、というパターンが起きやすいです。一つの順位表で大学を決め打ちせず、複数の評価軸と自分の優先順位を重ねて、最終的にオープンキャンパスや卒業設計展で現地確認まで踏むのが、後悔しない選び方かなと思います。

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