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配管保温とは?種類、厚み、施工方法、結露防止のポイントなど

  • 配管保温ってなに?
  • 保温と保冷って違うの?
  • どんな材料が使われてる?
  • 厚みはどうやって決まる?
  • 外側のジャケットはなぜ必要?
  • 施工で気をつけることは?

上記の様な悩みを解決します。

「配管保温」は空調・給湯・蒸気の配管で必須の工事で、ここをサボると結露でビショビショ・熱損失でランニングコスト爆増という事故に直結します。施工管理として一通り押さえておきましょう。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

配管保温とは?

配管保温とは、結論「配管の表面に断熱材を巻いて、熱損失や結露を防ぐ工事」のことです。英語ではPipe Insulation。

ざっくり言うと、「配管の中を流れる流体の温度を、外気の影響から守る防護服」を着せる作業。

大きく目的は2つで、「保熱(熱を逃がさない)」「保冷(外気の熱を入れない+結露防止)」。蒸気管なら保熱、冷水管なら保冷、と切り替わるイメージです。

配管工事全般の話はこちら。

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保温と保冷の違い

実務でよく混同されるのが「保温」と「保冷」の使い分け

項目 保温 保冷
対象配管 蒸気・温水・給湯(高温側) 冷水・冷媒・低温給水(低温側)
主目的 熱損失の防止、火傷防止 結露防止、熱侵入防止
代表材料 ロックウール、グラスウール 発泡ポリエチレン、発泡ゴム
防湿層 不要 必須(結露水の浸入防止)
厚み傾向 配管径×温度で増す 配管径×外気露点で増す

業界一般では「保温」を上位概念として両方を含めて呼ぶことが多いので、文脈で「保熱用の保温」「保冷用の保温」と読み分ける必要があります。

特に注意なのが冷水管の保冷外気の水蒸気が断熱材を通り抜けて配管表面で結露するので、防湿層(アルミ蒸着フィルムなど)を最外層に配置するのがマスト。これを怠ると断熱材が水を吸って性能ダダ下がり、しまいにはカビ・腐食につながります。

冷温水管の話はこちら。

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主な保温材の種類

実務でよく使う保温材を6つ。

グラスウール保温筒

ガラス繊維を成形した筒状の保温材。最も汎用的でコストが安い

グラスウール保温筒の特徴

グラスウール保温筒の特徴は、使用温度が〜350℃程度、配管径φ15〜800まで規格品あり、厚みは20〜100mm、円筒成形・分割タイプあり、安いがチクチクする(取扱い注意)、というあたり。

ロックウール保温筒

玄武岩などを溶融繊維化した筒状保温材。耐熱性が高い

ロックウール保温筒の特徴

ロックウール保温筒の特徴は、使用温度が〜650℃、蒸気配管・高温油配管で多用、不燃材で耐火構造の定番、グラスウールより少し高価、というあたり。

ポリスチレンフォーム

発泡ポリスチレン(断熱性・吸水性)保温材。冷水・冷媒配管で使用

ポリスチレンフォームの特徴

ポリスチレンフォームの特徴は、使用温度が-40〜80℃、軽くて施工性が良い、防湿性がそこそこある、火に弱いので外装材で保護必須、というあたり。

発泡ポリエチレン

発泡PEのカット筒。屋内給水・冷温水管で多用

発泡ポリエチレンの特徴

発泡ポリエチレンの特徴は、使用温度が-50〜80℃、柔軟性があり配管に巻きやすい、切れ目(スリット)入りで後付け可能、DIYでも使える普及材、というあたり。

発泡ゴム

合成ゴム発泡材。冷媒・冷水管の主流

発泡ゴムの特徴

発泡ゴムの特徴は、使用温度が-50〜105℃、防湿性が高く結露防止に強い、アルミ仕上げ込みの一体型もあり、切断・接着が容易、というあたり。

ケイ酸カルシウム保温材

水酸化カルシウムとケイ砂を反応させた高温配管用の高級材

ケイ酸カルシウムの特徴

ケイ酸カルシウムの特徴は、使用温度が〜650℃、寸法安定性が高い、蒸気配管・プラント配管で使用、高価で施工は専門業者、というあたり。

つまり「給湯・蒸気=グラスウール/ロックウール、冷水・冷媒=発泡ゴム/発泡PE」という棲み分けが基本です。

保温厚みの選び方

保温厚みは「公共建築工事標準仕様書(機械設備工事編)」または「建築設備設計基準」に基づいて選定します。

代表的な厚みの目安。

用途 配管径 標準厚み
給湯管(70℃前後) φ15〜25 25mm
給湯管(70℃前後) φ32〜80 30mm
冷水管(7℃) φ15〜25 20mm
冷水管(7℃) φ32〜80 25mm
冷温水管両用 φ15〜80 25〜30mm
蒸気管(150℃) φ15〜80 40〜65mm
蒸気管(200℃) φ15〜80 50〜80mm

冷水管は外気の露点温度で計算して決めます。例えば外気27℃・湿度80%の条件なら、配管表面温度を露点(約23℃)以上に保つ厚みが必要、という考え方。

実務では「夏期の最悪条件で結露しない厚み」を選定するのが鉄則。「冬期の暖房負荷だけ考えて保温したら、夏に結露で天井が水浸し」というのは設備工事のあるある事故。

外装ジャケット(仕上げ材)の種類

保温材の上にもう一層、保温材を保護+意匠のためのジャケット(仕上げ材)を巻きます。

仕上げ材 主な用途 特徴
アルミガラスクロス 屋内一般 軽量、汚れにくい、最も一般
ペットコート(PETクロス) 屋内見え掛かり 上品な仕上げ、機械室で使用
亜鉛めっき鋼板(ラッキング) 屋外配管 耐候性高、見栄え良し
ステンレス鋼板 プラント・腐食環境 高価だが長寿命
塩ビカバー 屋外配管(DIYレベル) 安価、UV劣化注意

屋内見え掛かりはアルミガラスクロス、屋外はラッキングが基本。機械室で配管が露出する場合はペットコートで上品に仕上げる、というのが定番の使い分け。

ラッキングは鉄工屋さんが現場で板金加工して被せる作業で、職人の技量がモロに出ます。立ち上がり・分岐・バルブ周りの納まりは、職人によって出来栄えがハッキリ違うほどです。

配管保温の施工と施工管理

施工フローと施工管理のポイント。

配管保温の施工フロー

配管保温の施工フローは7ステップ。①配管完了・気密試験合格を確認、②配管表面の清掃(油・サビ・水分を除去)、③保温筒・保温帯の取り付け(配管にぴったり巻く)、④継ぎ目・端部の処理(シール材で隙間封止)、⑤アングル・サポート部の処理(保温の連続性を確保)、⑥外装ジャケットの取り付け(アルミガラスクロス or ラッキング)、⑦検査(保温抜けがないか、結露しないかをチェック)、という流れ。

施工管理として最も気を遣うのが、④の「継ぎ目処理」と⑤の「サポート部処理」

継ぎ目処理の落とし穴

継ぎ目処理の落とし穴は、保温筒同士の突合せ部に隙間があるとそこから結露・熱損失、アルミテープで完全シール、見栄え重視ならコの字テープ重ね貼り、というあたり。

サポート部処理の落とし穴

サポート部処理の落とし穴は、配管支持金具の部分で保温材を切り欠くとそこが熱橋(ヒートブリッジ)になる、木製・樹脂製のスペーサー(保温支持具)を入れて熱橋を切る、ゼロから設計時にスペーサー位置を考えておくと現場が楽、というあたり。

「保温抜け」と呼ばれる施工不良(バルブ・フランジ・継手部の保温が短い、無い)は、検査時の代表的な指摘事項。バルブ・フランジ部こそ脱着可能保温(ウェッジカバー)でしっかり巻くのが施工品質の見せ所です。

配管保温に関する情報まとめ

  • 配管保温とは:配管表面に断熱材を巻いて熱損失と結露を防ぐ工事
  • 保温と保冷の違い:保熱は熱損失防止、保冷は結露防止+防湿層必須
  • 主な保温材:グラスウール・ロックウール(高温)/発泡ゴム・発泡PE(低温)
  • 厚みの基準:公共建築工事標準仕様書、夏期の最悪条件で結露しない厚みを選ぶ
  • 外装ジャケット:屋内アルミガラスクロス、屋外ラッキング、機械室ペットコート
  • 施工管理ポイント:継ぎ目シール、サポート部の熱橋処理、バルブ・フランジ部の脱着保温
  • 頻発トラブル:保温抜け、結露、熱橋、防湿層破れ

以上が配管保温に関する情報のまとめです。

一通り配管保温の基礎知識は理解できたと思います。「冷水は防湿層が必須」「夏期最悪条件で厚みを選ぶ」「バルブ・フランジ部の保温抜けが品質を分ける」を押さえておけば、施工管理として外せない要点はカバーできます。

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