- FEP管ってなに?
- 特徴について知りたい
- メーカーは?
- 何で波付になってるの?
- 関連部材はどんなものがあるの?
- 施工する上での注意点って?
上記の様な悩みを解決します。
FEP管は他の電線管とは大きく異なった特徴を持ち、用途としても明確に区別される電線管です。どの現場でも頻繁に出てくる電線管ですので、基礎知識は抑えておきましょう。
この記事ではFEP管とは?といったところから、サイズ、特徴、定尺、メーカー、波付の理由、関連部材、施工の注意点などについて解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも分かりやすい記事になっているかなと思います。
FEP管(フェップ管)とは?
FEP管とは「波付硬質合成樹脂管」のことです。フェップ管と言ったりしますね。
「波付」というのは写真から見ても分かる通り、電線管が波打った感じになっています。「硬質」というのはそのままの意味でして、触る硬いです。そして合成樹脂で出来ています。
まとめると「波打っていて硬い合成樹脂で出来た電線管」と言ったところでしょうか。
FEP管の英語
- F:Flexible(柔軟性のある)
- E:Electric(電気の)
- P:Pipe(管)
ということで、直訳すると「柔軟性のある電線管」ということです。とはいえ、柔軟性のある電線管は数多く存在するので、直訳はあまり気にしなくて良いかなと思います。
FEP管は電柱からの引き込みの際によく使われる電線管でして、地中に埋設されることが多いです。
FEP管(フェップ管)のサイズ表
サイズ | 外径 | 内径 | 厚み | 面積 | 面積0.32掛け |
FEP30 | 40 | 30 | 1.5 | 706.5 | 226.1 |
FEP40 | 54 | 42 | 1.5 | 1384.7 | 443.1 |
FEP50 | 65 | 50 | 1.7 | 1962.5 | 628.0 |
FEP65 | 85 | 66 | 1.9 | 3419.5 | 1094.2 |
FEP80 | 102 | 80 | 2.1 | 5024.0 | 1607.7 |
FEP100 | 130 | 100 | 2.2 | 7850.0 | 2512.0 |
FEP125 | 160 | 125 | 2.4 | 12265.6 | 3925.0 |
FEP150 | 189 | 150 | 2.8 | 17662.5 | 5652.0 |
FEP200 | 253 | 200 | 3.5 | 31400.0 | 10048.0 |
ここで面積の0.32掛けを示したのは、電線の収容可能面積を示したいと考えた為です。
電線の電線管に対する占有率は32%ですので、内断面積に対して0.32をかければ、電線の収容可能面積を求めることが出来ます。
FEP管(フェップ管)の特徴
その①軽い
FEP管のまず一つ目の特徴として「重量が軽い」という点が挙げられます。
勿論、大きなサイズのいかつい奴はそれなりに重いですが、合成樹脂管ですので金属管よりは軽いです。軽いので持ち運びが楽です。施工する側からすると、かなり助かります。
その②強度が高い
「硬質」と銘打っているだけあって、FEP管は硬いです。
PF管やCD管は強度が弱いので、現場で誰かに踏み潰されてしまうことがあります。その点、FEP管は強度が強く硬いので、踏まれても全然平気です。
外からの衝撃に強く、キッチリ中の電線管を保護してくれるのもFEP管の強さです。
③可とう性がある
「可とう性がある」というのもFEP管の強さです。
金属管を曲げようと思ったら、ベンダーを使用しなければなりません。大変ですし、技術も必要です。時間がかかるので、工数もかかります。
FEP管は可とう性があるので、簡単に曲げることができます。
その④数多くの耐性がある
FEP管が持つ耐性
- 耐寒性
- 耐薬品性
- 耐油性
- 耐水性
FEP管は上記のように数多くの耐性を持っています。
よって、地中埋設以外にも幅広い環境で活躍します。屋内外問わず、露出配管として利用できる為、使い勝手が良いです。
その⑤耐熱性が低い
FEP管の大きな弱みとして、「耐熱性が低い」という点が挙げられます。まあ、樹脂ですからね。
近くで溶接が行われている場合、その火花が飛び散り、FEP管が燃えてしまう可能性があります。FEP管は地中埋設で使われることが多いので、地中埋設の場合は大丈夫ですが、それ以外の場合は施工場所を考える必要があります。
とはいえ、近年は耐熱性の高いFEP管も販売されています。
よって、「FEP管の耐熱性は低い」という短所の解決策としては、下記です。
- 火花が飛び散る可能性のある場所にはFEP管は使わない
- もしくは耐熱性の高いFEP管を使用する
FEP管(フェップ管)を作っているメーカー
FEP管を制作しているメーカー
- 古河電工
- 未来工業
- カナフレックス
- TOTAKU
- 東拓工業
- クリモトポリマー
この中では古河電気工業のエフレックスが有名で、現場では「エフレックス」と呼ぶ人もいるくらいです。メーカーによって微妙に呼び方が異なるのもポイントになります。
ほとんどの現場ではメーカーが選定されていると思いますので、各所取引先のFEP管を使います。
FEP(フェップ管)が波付になっている理由
FEP管の表面ってボコボコ波打ってますよね。
その理由は、ケーブル引き込み時の摩擦係数を低くする為です。
金属管のように表面がボコボコ波打っていない場合、電線と電線管の接触面積が大きくなります。大きくなればなるほど、摩擦が発生し、電線が傷ついてしまいます。
FEP管はボコボコ波打っているので、電線との接触面積が小さくなっています。よって、電線を引き込む際も電線が傷つきにくいですし、引き入れがしやすいです。
無駄にボコボコ波打っている訳ではなく、理由がある訳ですね。
FEP管(フェップ管)の関連部材
FEP管(フェップ管)の関連部材
- コンビネーションカップ
- カップリング
- ベルマウス
- etc…
FEP管(フェップ管)を施工する上での注意点
30m以上FEP管を使用する場合は、ハンドホールを設置しなければなりません。
これは地中埋設の場合ですね。
大型現場の引き込みではよく使われますので、大型現場で外構工事を行う方はFEP管が30m以上にならないように注意が必要です。
FEP管(フェップ管)に関する情報まとめ
FEP管(フェップ管)に関する情報まとめ
- FEP管とは:波付硬質合成樹脂管
- FEP管の良さ:軽い、強度がある、可とう性がある、数多くの耐性がある
- FEP管の悪さ:基本的に耐熱性はない(耐熱性のあるFEP管も出始めている)
- FEP管を作っているメーカー:未来工業、古河工業、カナフレックス等
- FEP管が波付の理由:電線との摩擦を減らす為
- FEP管の関連部材:コンビネーションカップ、カップリング、ベルマウス等
- FEP管を施工する上での注意点:30mを超える場合はハンドホールを設置する
上記がFEP管(フェップ管)に関する情報のまとめです。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
FEP管以外にも電線管は多種多様にあります。現場では様々な電線管を使い分けていきますので、別の電線管に関する情報についても抑えておきましょう。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみて下さい。