トランスとは何か?って分かりにくいですよね。
電気は目に見えませんから概念を掴みづらい分野です。とはいえ、電気を使用するのにトランスは必要不可欠ですので、キッチリ理解しておく必要があります。
この記事ではトランスとはなにか?といったところから、トランスが使用されている具体例、原理、トランスの危険性について解説していきます。
とにかく「分かりやすい」ということに重点を置いて解説にしますので、玄人の方には物足りない記事になるかもしれません。
トランスとは?
トランスとは、結論「電圧の大きさを変える機器のこと」です。
まず、電気には大きさがあります。
発電所で作っている電気は大きい、というのはなんとなく想像は付きますよね。対して、スマホを充電するのに必要な電気は小さい、というのも想像しやすいと思います。
電気を使用するには、適切な電気の大きさに変換してから使わなければなりません。トランスは「電気の大きさを変える」という大切な役割を果たします。
分かりやすい部分で言ったら「大きいトランス」と「小さいトランス」がありますね。
発電所で作るような大きい電気を変換するには「大きいトランス」が必要ですし、小さい電気を更に小さいスマホ用の電気に変換するには「小さいトランス」で問題ありません。大小様々なトランスを必要な場所に配置する必要があります。
正確に言えば、電気の大きさは「大きい」「小さい」の一言で区分できるものではなく、0Vから2万Vを超えるものまであります。よって、大きいものをちょっと小さくしたり、小さい電気をもっと小さい電気にしたりするんです。グラデーションのように、徐々に徐々に下げていきます。
電気を変える作業というのは電気を使用する際の前提条件のようなものですので、電気があるところには必ずトランスが出てきます。それくらい重要な機器です。
ちなみに、トランスは変圧器と呼ばれたりします。呼ばれる比率でいったら半々くらいで、明確な区別がある訳ではありません。
トランスと変圧器は同じものです。
トランスの具体例について見てみよう
その①海外用コンセント変換器
日本のコンセントは100Vですが、海外のコンセントは200Vだったりします。100Vと200Vは違いますから、そのまま使うと機器が壊れます。海外でスマホを充電するには、トランスを使って200Vを100Vに変換しなければなりません。
そこで登場するのが海外用コンセント変換器です。海外へ行った人なら分かると思いますが、海外用コンセントを日本用へと変換する為に変換プラグが必要になります。
この変換プラグにもトランスが用いられているんです。
その②発電所
発電所でもトランスが使用されています。
まず、発電所で作る電気は数千から数万Vと言われています。数千から数万Vは大きすぎて、一般の家庭では使うことはできません。一般的な家庭でも使えるように、小さい電気へと変換する必要があります。
そこで使用されているのがトランスです。トランスを使って電気を小さくすることで、実際に使える大きさまで電気を落としています。
その③その他
トランスが使用されている具体例
- パソコン
- スマホ
- 医療機器
- テレビ
- 照明器具
- 誘導灯
- etc
トランスの原理って?簡単に解説する
トランスの原理を一言で説明すると「コイルの巻数で電圧を調節する」です。
前提の知識として、トランスには二つのコイルと鉄心が入っています。
コイルとは紐状の電線をグルグル巻きにしたものでして、トランスには「一次コイル」と「二次コイル」の2種類があります。「一次コイル」が入力側でして、「二次コイル」が出力側です。鉄心は「電気を通す鉄」という認識で問題ありません。
まず一次コイルに電気を流し込みます。するとグルグル巻きになっている電線に電気が流れますよね。コイルに電気が流れると、磁力が発生します。発生した磁力は鉄心を通じて二次コイルへと流れこみます。
よって、グルグル巻きにしまくれば電気は大きくなり、グルグル巻きの回数を減らせば電気は小さくなります。電気を小さくするのがトランスの目的ですから、出力側である二次コイルの巻き数は少ないです。
伝わった磁力を電気に変換する際、コイルの巻き数の少ない二次コイルの電圧は小さくなります。すると一次コイルと二次コイルで電圧の違いを発生させることができます。
簡単にまとめると、下記がトランスの原理です。
トランスの原理
- 一次コイルに電気を流し込む
- コイルから磁力が発生する
- 磁力が二次コイルに流れ込む
- 二次コイルの巻き数は少ない
- よって二次コイルに発生する電気は小さくなる
知っておかなければならないトランスの危険性
トランス関係で知っておかなければならないのは、トランスは非常に危険であるということです。電気関係の仕事をしている人は電気の恐ろしさを理解していると思いますが、分からない人はトランスの危険性に対する認識が甘いイメージがあります。
まず知っておくべきなのは、人は、数アンペアで亡くなってしまうということです。
発電所で作るような大きな電気に感電したら生きていられない。。。というのは容易に想像が付くと思います。よって、どデカイトランスに触れたら危険というのはイメージできる人も多いです。
ですが実際のところ、人はもっと小さな電気でも逝きます。「小さいトランスなら触れても大きな問題では無いだろう」という考え方は非常に危険です。
近年では電気マッサージの様な技術もありますから、電気に対する危機意識が薄れている人も多いです。実際、電気は非常に危険ですし、通電中のトランスも非常に危険です。
毎年、電気関係の事故で多くの人が命を落としています。トランスは非常に便利ですが、絶対不用意に触れない様心がけることが大切です。
トランスに関する情報のまとめ
トランスに関する情報のまとめ
- トランスとは:電圧の大きさを変える機器のこと
- トランスの使用例:海外用コンセント変換器、発電所、ほとんどの電機機器
- トランスの原理:コイルの巻数で電圧を調節する
- トランスの危険性:人は数アンペアで天国行きなので、非常に危険
以上がトランスに関する情報のまとめです。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
トランスには様々ありますが、一般的な建物では受変電設備に置かれるトランスがメインです。受変電設備に対する情報を理解しておけば、トランスに対する理解も深まります。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。