FPケーブルとは?AE・HPとの違い、ジョイント、メーカー等

  • FPケーブルってなに?
  • AEケーブルとHPケーブルの違いって?
  • FPケーブルのジョイントのやり方って?
  • メーカーはどこが作ってるの?

上記のような悩みを解決します。

FPケーブルは電気工事をする人なら誰もが使用することになるケーブルです。似たようなケーブルもあり、微妙な違いを抑えておくことは重要です。

この記事ではFPケーブルに関する情報を、網羅的に解説します。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

 

FPケーブルとは?

FPケーブルとは、結論「耐火性能を兼ね備えたケーブルのこと」です。

防災関係の機器に使用されるケーブルですね。

例えば、スプリンクラーは火災が発生した時に水をまく働きをします。ここでCVケーブルやVVFケーブルなどで配線していたとしたら、耐火性能はないので、ケーブルが燃えてしまう可能性があります。

火災が発生してケーブルが燃えてしまえば、スプリンクラーへ電源供給ができず、水を巻くことができなくなってしまいますよね。それではスプリンクラーの役割は果たせません。

そこでFPケーブルを採用することによって、火災時でも問題なく電源供給ができるようになるんです。

具体的には、FPケーブルは下記のような機器への電源供給に使われます。

FPケーブルが採用される機器

  • 非常灯(場合によりけり)
  • 誘導灯(場合によりけり)
  • 非常エレベーター
  • 消火栓
  • スプリンクラー

非常灯・誘導灯のところで「場合によりけり」と表記したのは、バッテリーが内蔵されているタイプがあるからです。

例えば、内蔵バッテリーの付いている誘導灯が現場に取り付けられていたら、ケーブルから電源供給ができなかったとしても問題なく動きます。

となると必ずしもFPケーブルを採用する必要はなくなってきます。

「いや、じゃあ全部内蔵バッテリーにした方が楽じゃね?」と思う方もいるかもしれません。

結論から言うとそうでもありません。理由はバッテリーは劣化するからです。

内蔵バッテリーは劣化するので、定期的に取り替えが必要になってきます。そのリニューアル費用や手間を考えると、FPケーブルを採用する場合と大差ありません。

あくまで一長一短ですね。

ただ現場を見てきた人間からすると、割と内蔵バッテリー付の採用率は高いような気がします。

 

FPケーブルとAEケーブル・HPケーブルの違い

FPケーブルとAEケーブル・HPケーブルの違いは「採用される機器」です。

まずそれぞれのケーブルの意味合いをまとめましょう。

FPケーブル・AEケーブル・HPケーブルの違い

  • FPケーブル=Fire Protection=耐火
  • AEケーブル=Alarm Polyethylene=警報用のポリエチレン
  • HPケーブル=Heat Protection=耐熱

まず、AEケーブルは感知器や非常放送設備などの使われます。

直訳すると「警報用のポリエチレンのケーブル」ですので、警報(非常放送)設備の配線に採用されます。また、感知器に関してですが、採用されるのはP型感知器のみですので、覚えておきましょう。

対して、FPケーブルは非常放送設備には採用されません。

注意点としては、AEケーブルに耐火性も耐熱性もないということです。

火に晒されたら、即アウトなケーブルです。

HPケーブルは耐熱用のケーブルでして、これもAEケーブルと同様に非常放送設備の配線に採用されます。感知器に関してはR型感知器限定です。

これら全てをもう一度まとめてみましょう。

FPケーブル・AEケーブル・HPケーブルの違い

  • FPケーブル:消火栓、スプリンクラー、非常灯、誘導灯等に採用
  • AEケーブル:非常放送設備、P型の感知器に採用
  • HPケーブル:非常放送設備、R型の感知器に採用
要は接続される機器が違うということです。

 

FPケーブルのジョイント方法

FPケーブルのジョイント方法は、結論「マイカ→エフコ→ビニテ」の流れです。

まず大前提として、FPケーブルは耐火目的ですから、普通のケーブルと同じようにジョイントしてはいけません。火災が発生した時にジョイント部分に不具合が発生した場合に、負荷へ電源を供給できなくなります。

ジョイントする所までは普通のケーブルと同じですが、テープを巻く際に使用するテープが他のケーブルとの違いです。

使用するテープは下記3種類です。

マイカテープ・エフコテープ・ビニールテープの解説

  • マイカテープ:耐火用
  • エフコテープ:絶縁用
  • ビニールテープ:固定用

繰り返しになりますが「マイカテープ→エフコテープ→ビニールテープ」の順番でテープを巻いていきます。大きな違いはマイカテープを使用するか否かですね。それ以外は対して変わりません。

よってFPケーブルをジョイントする作業があった際には、あらかじめマイカテープを用意しておきましょう。

エフコとビニテはあると思いますが、マイカは忘れがちですので注意しましょう。

 

FPケーブルを作っているメーカー

FPケーブルを作っているメーカー

  • フジクラダイヤ
  • 古賀エレコム
  • 住電日立ケーブル
  • 富士電線

上記のような会社がFPケーブルを作っているメーカーです。

個人的にはフジクラダイヤが強い印象ですね。僕の現場でもフジクラダイヤを採用しています。迷ったらフジクラでいいと思いますよ。

注意点としては、製造年月日が昨年になっていたりすることです。

フジクラ含め、メーカーはケーブルを作り置きしています。2019年に作ったケーブルが2020年に注文されて現場に運び込まれてくることがあったりします。

すると、施工したのは2020年なのに、ケーブル自体は2019年だったりするんです。

これ割と面倒でして、うるさいお客様だと「なんで今年のケーブルじゃないんだ!」と言われる可能性があったりします。

また、過去のケーブルを調査する際に「1989年」とケーブルに書いてあっても「1990」年に施工されていたりします。

幹線更新の工事は30年くらいで行われますが、その調査をする際に間違った情報を取得しやすいです。

その辺は線名札を付けるなどして、勘違いしないようにしましょう。

 

FPケーブルに関する情報まとめ

FPケーブルに関する情報のまとめ

  • FPケーブルとは:耐火性能を兼ね備えたケーブルのこと
  • FPケーブルとAEケーブルとHPケーブルの違い:採用される機器が違う
  • FPケーブルのジョイント方法:マイカ→エフコ→ビニテの順でまく
  • FPケーブルのメーカー:フジクラダイヤ、古賀エレコム、他

以上がFPケーブルに関する情報のまとめです。

一通りFPケーブルの基礎知識は網羅できたと思います。

敷設方法によりますが、配管でFPケーブルを施工する場合は、電線管のサイズ選定も行う必要が出てきます。電気屋なら抑えておくべき知識なので、ここで理解しておきましょう。

下に詳細な情報をまとめた記事を貼っておくので、よかったらチェックしてみてください。

それでは!