- 建築の構造体ってなに?
- 具体的にどこが主要構造部なの?
- 施工の流れは?
上記の様な悩みを解決します。
構造体は建物を支える上で非常に重要な役割を果たします。重要な項目ですので、基礎知識についてキッチリ理解しておきましょう。
この記事では構造体とは?といったところから、具体的な主要構造部、施工の流れなどについて解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
建築の構造体とは?
建築の構造体とは、結論「建物の骨組みのこと」です。
要は基礎の部分ですね。具体的に建物のどこが骨組みなのかは次の章で解説します。
建築の構造体は人間で言う所の骨になります。骨が貧弱な人はすぐに骨折して病院送りですよね。建物が骨折してしまったら大変困りますので、建築の構造体は頑丈に施工しなければなりません。
簡単な話、重いものを建物に入れてたら、重さに耐えられず建物が倒壊したとか笑えませんよね。ある程度余裕を持って構造体の強度を計算する必要があります。
それに現場では常にイレギュラーが発生したりします。
構造体を削ったりすることが起こったりするんです。はつったり、コア抜きをしたりしなければならなかったりします。
ただ余裕を持って設計しようとすると、建築の構造体は太くなります。
イメージ、太い骨の方が重い荷重に耐えられる感じです。
建築の構造体が太くなると、ダクトや配管のスペースが減ってしまいます。もしくは階高がやたらと狭くなってしまったりします。
ダクトや配管のスペースが少なすぎて現場が収まらない。。。なんてことになれば、建物でエアコンも使えなくなりますし、電気もつかなくなるかもしれません。
階高が低くなれば、建物を使っている人が圧迫感を感じ、快適さが失われてしまいます。
具体的な主要構造部
建築の主要構造部
- 壁
- 柱
- 床
- 梁
- 屋根
- 階段
以上が具体的な主要構造部です。(主要構造部=建築の構造体)つまり、上記が建築の構造体であり、上記以外は建築の構造体ではないということになります。
例えば、シャッターなんかは主要構造部ではありません。シャッターは建物を支えていませんからね。他にも窓とかドアとかも主要構造部ではありません。
注意点としては、上記の中で例外的に構造体に含まれないものがあるということです。
具体的には、下記は構造体に含まれません。
構造主要部に含まれないもの
- 間柱
- 附け柱
- 揚げ床
- 小梁
- ひさし
- 局部的な小階段
- 屋外階段
建築の構造体に関しては、建築基準法第2条で言及されています。
詳しく知りたい方はそちらを確認しましょう。
建築の構造体工事=躯体工事
建物の構造体を作る工事を躯体工事といいます。
つまりは建物の骨組みを作る工事が躯体工事な訳です。
躯体工事の流れはS造かRC造かSRC造かで微妙に異なりますが、今回はRC造を具体例に挙げて解説してみます。といっても大まかな流れは大して変わりませんので安心してください。
躯体工事の流れ
- 鳶が足場を組む
- 鉄筋屋が鉄筋を組む
- 大工が型枠を組む
- コンクリート打設
2階の床を作るなら、2階がある所で工事をする必要がありますので、足場が必要になりますよね。
足場を施工したら鉄筋屋が鉄筋を組みます。コンクリートだけでは弱く、鉄筋があることで建築の構造体を補強する役割を果たします。
コンクリート打設にはコンクリートを流し込む型が必要ですので、型枠大工が型枠を組みます。型枠ができたらコンクリート打設をして、建築の構造体が完成するんです。
基本的に躯体工事はやり直しの効かない工事です。
コンクリートは固まってしまったら、元に戻りません。建物の構造体を作る大事な工事ですので、細心の注意を払って工事を進める必要があります。
建築の構造体の例
建築の構造体の例その①木造
イメージしやすいと思いますが、木造は建築の構造体を木で作っています。丸太などを切ってサイズを調節して、柱や梁や屋根に使います。
木を構造体構造体に使うメリットとして、断熱性があることが挙げられます。木はコンクリートと違って暖かいので、室内を暖かく保つことができます。
デメリットは遮音性ですね。
木造の建物に住んでいる人なら分かると思うのですが、生活音が響きます。一戸建てとかならいいかもしれませんが、木造のマンションだと、もろに隣の住人の生活音が聞こえてきます。
建築の構造体の例その②S造
S造のSは「Steel」ですので、直訳すると「鉄」とか「鋼」とかになります。つまり、構造体を鉄骨(鉄もしくは鋼)で施工するのがS造形です。
鉄や鋼は木に比べて頑丈ですから、耐震性能に優れます。
最近は地震頻繁に起こるので、建物に高い耐震性能を求められることが多いです。鉄や鋼を構造体に使えば、高い耐震性能を発揮することができます。
建築の構造体の例その③RC造
RCの意味としては「Reinforced Concrete」ですので、直訳「補強されたコンクリート」という意味です。この「補強された」の部分は鉄筋を指しますので、鉄筋+コンクリートが構造体となります。
コンクリートだけだと、せん断破裂の可能性があるので鉄筋で補強します。
建築の構造体の例その④SRC造
SRC造は「S造」と「RC造」の両方を組み合わせたものになります。S造では鉄骨(鉄もしくは鋼)を構造体に使い、RC造では鉄筋とコンクリートを構造体に使います。
つまり、SRC造では鉄骨と鉄筋とコンクリートが構造体になります。
鉄骨も、鉄筋も、コンクリートも使うので、かなり頑丈に構造体が仕上がります。ただ、全部使う分、建設費用が高くなってしまうのが難点です。
建築の構造体に関する情報のまとめ
建築の構造体に関する情報のまとめ
- 建築の構造体とは:建物の骨組みのこと
- 具体的な建物の構造体:壁、柱、床、梁、屋根、階段
- 建築の構造体を作る工事:躯体工事
- 建築の構造体の例:木造、S造、RC造、SRC造
以上が建築の構造体に関する情報のまとめとなります。
建築の構造体は建物の主幹部分です。検討においても工事においても、非常に重要な役割を果たします。知識として必ず押さえておくようにしましょう。
たまに中国とか韓国とかで、建物が倒壊したなんてニュースありますよね。
あれは建築の構造体がしっかりしていなかったから起こった事故です。建物が倒壊したら、人が命を落としてしまう可能性もあります。
建築の構造体に関わる際は、十分注意して取り組むようにしましょう。