- 施工管理技士の受験資格って、今は何が条件なの?
- 一次は何歳から受けられる?1級と2級で違う?
- 二次は一次に受かってから何年働けばいいの?
- 建築・土木・電気・管で受験資格は同じ?違うところはある?
- 自分のやってきた仕事は実務経験に入れてもらえる?
- 旧受験資格っていつまで使えるの?どっちで出せばいい?
- 種目ごとの細かい条件はどこを見ればいい?
上記の様な悩みを解決します。
結論、第一次検定は1級が19歳以上、2級が17歳以上(受検年度末時点)の年齢だけで受けられます。第二次検定は一次合格後の実務経験が条件で、令和10年度までは旧受験資格も選べるため、迷うのはここです。7種目すべてに共通する骨組みを、国土交通省の資料(チラシ「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」)どおりに整理します。
「施工管理技士 受験資格」で調べると、上位に出てくる解説のほとんどは1級建築なら1級建築だけ、というように1つの種目に絞った記事です。けれど制度の骨組みは国土交通省が7種目まとめて決めていて、種目によって違うのは実施機関・建設機械の年数・関連資格で入れる道など、ごく一部に限られます。この記事では7種目を1枚の表に並べて共通部分と違いを先に見せたうえで、実務経験の数え方や証明者の変更、令和8年度の申込方法の変化まで扱います。種目ごとの細部は、最後に種目別の記事へつなぎます。
なるべく分かりやすい表現でまとめていくので、受験の計画を立てる前の頭の整理に使ってもらえる内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
施工管理技士の受験資格とは?令和6年度から一次は年齢、二次は実務経験
施工管理技士の受験資格とは、結論「国土交通大臣が行う施工管理技術検定を受けるための条件」のことで、令和6年度からは第一次検定が年齢、第二次検定が一次合格後の実務経験、という2段の形になっています。
国土交通省のチラシ「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります」(令和5年11月9日版)の〔概要〕は、次の4点で組み立てられています。
- 1級の第一次検定は、19歳以上(受検年度末時点)であれば受検可能
- 2級の第一次検定は、17歳以上(受検年度末時点)であれば受検可能(従前から変更なし)
- 1級及び2級の第二次検定は、第一次検定合格後の一定期間の実務経験などで受検可能
- 令和10年度までの間は、制度改正前の受検資格要件による第二次検定受検が可能
このチラシは種目ごとに分かれておらず、1枚で7種目すべてを対象にしています。7種目とは、建設業法施行令第37条が定める検定種目のことで、建設機械施工管理・土木施工管理・建築施工管理・電気工事施工管理・管工事施工管理・電気通信工事施工管理・造園施工管理の7つです。同じ第37条で、1級は監理技術者として、2級は主任技術者として必要な知識及び能力を判定する検定と位置づけられています(e-Gov法令検索 建設業法施行令、2026年11月5日確認)。
法律の並びも押さえておくと、資料を読むときに迷いません。検定を第一次と第二次に分けると定めているのが建設業法第27条、受検資格の中身を定めているのが国土交通省令の施工技術検定規則で、第4条が第一次、第5条が第二次の受検資格です(e-Gov法令検索 建設業法・施工技術検定規則、2026年11月5日確認)。新しい受検資格の施行日は令和6年4月1日です(国土交通省「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」等について)。
ひとつ用語の注意があります。国土交通省や実施機関の資料は「受検資格」「受検」と書きますが、検索では「受験資格」が使われることが多いので、この記事の地の文は「受験」で書き、資料の言葉をそのまま引くときだけ原文どおり「受検」としています。
僕としては、施工技術検定規則の第4条・第5条を一度読んでおくのがおすすめです。新しい受験資格の条文に出てくるのは、年齢と、どの検定に合格したかと、その後の実務経験の年数(特定実務経験や監理技術者補佐を含む)が中心なので、「結局何が条件なのか」がすっきり見えてきます。
第一次検定の受験資格|1級は19歳以上・2級は17歳以上
第一次検定の受験資格は、結論「年齢だけ」で、1級は受検する年度の末日に19歳以上、2級は17歳以上であれば受けられます。施工技術検定規則第4条は、1級の第一次検定を受けられる者を「当該第一次検定が行われる日の属する年度の末日における年齢が十九歳以上の者」、2級を同じく「十七歳以上の者」と定めています(e-Gov法令検索、2026年11月5日確認)。
「年度末時点」の意味は、国土交通省のよくあるご質問A2がはっきり答えています。受検する年度の年度末(3月31日)時点で満年齢が条件を満たしていれば、受検日に年齢を満たしている必要はない、という内容です。つまり試験の日にはまだ18歳でも、その年度の3月31日までに19歳になるなら1級の第一次検定を受けられます。
令和8年度の線引きは、実施機関によって言い回しが少しずつ違うので並べておきます。中身は同じですが、自分の種目の機関の書き方で確認しておくと安心です。
- 建設業振興基金(建築・電気工事)の1級:「試験実施年度に満19歳以上となる者 (令和8年度に申請する場合、生年月日が平成20年4月1日以前)」
- 建設業振興基金の2級:「試験実施年度に満17歳以上となる者 (令和8年度に申請する場合、生年月日が平成22年4月1日以前)」
- 全国建設研修センター(土木・管工事・造園・電気通信工事)の1級:「令和8年度中における年齢が19歳以上の者(平成20年4月1日に生まれた者も含む)」
- 全国建設研修センターの2級:「令和8年度中における年齢が17歳以上の者(平成22年4月1日に生まれた者も含む)」
- 日本建設機械施工協会(建設機械):「1級第一次検定は受検年度末に満19才以上となる方、2級第一次検定は受検年度末に満17才以上となる方」
全国建設研修センターの書き方は「年度中に19歳になる人」と読めるので、年度末時点という条文の意味がいちばんつかみやすいと思います。なお、建設業振興基金の令和8年度の受検の手引は「第一次検定受検資格は、年齢のみです。(新旧受検資格は関係ありません。)」と明記しています。新旧の受験資格を選ぶ話が出てくるのは第二次検定だけ、ということですね。
第二次検定の受験資格|1級・2級で必要な実務経験の年数
第二次検定の受験資格は、結論「どの検定の合格を起点に、何年、どんな中身の実務経験を積んだか」の組み合わせで決まります。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)が示す新受検資格の年数を、1つの表にまとめるとこうなります。
| 受ける検定 | 起点になる合格 | 必要な実務経験 |
|---|---|---|
| 1級 第二次検定 | 1級第一次検定合格後 | 実務経験5年以上 |
| 1級 第二次検定 | 1級第一次検定合格後 | 特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 |
| 1級 第二次検定 | 1級第一次検定合格後 | 監理技術者補佐としての実務経験1年以上 |
| 1級 第二次検定 | 2級第二次検定合格後(1級第一次検定合格者に限る) | 実務経験5年以上 |
| 1級 第二次検定 | 2級第二次検定合格後(1級第一次検定合格者に限る) | 特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上 |
| 2級 第二次検定 | 2級第一次検定合格後 | 実務経験3年以上(建設機械種目については2年以上) |
| 2級 第二次検定 | 1級第一次検定合格後 | 実務経験1年以上 |
1級を見ると、道の違いは年数の長短というより経験の中身で分かれています。ふつうの実務経験なら5年、請負金額の大きい工事での経験(特定実務経験)を1年以上含めば3年、監理技術者補佐という立場で働いたなら1年、という並びです。施工技術検定規則第5条第1項も、第一号から第五号でこの5つの道をそのまま定めています(e-Gov法令検索、2026年11月5日確認)。
2級第二次検定に合格している人の道は、年数を数え始める日に注意が要ります。規則第5条第1項第四号・第五号は「当該二級の第二次検定に合格した後」の実務経験と書いていて、日本建設機械施工協会の令和8年度1級第二次検定の受検の手引も「区分(Ⅳ)および(Ⅴ)は 2 級第二次検定の合格から 3 年または 5 年以上の実務経験を必要とします」と注記しています。1級第一次検定の合格は別に必要ですが、年数の起点は2級第二次検定の合格です。
合格の年度にも条件があります。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)の注記と、令和8年度の全国建設研修センターの手引から、数え方の注意を拾うと次のとおりです。
- 起点になる「第一次検定合格」は、令和3年度以降の第一次検定合格が対象(国土交通省チラシ※2)
- 起点になる「2級第二次検定合格」は、令和2年度以前の2級技術検定合格も対象(同※2)
- 令和3年度以降の第一次検定合格後の経験なら、令和6年4月1日の施行日より前の分も実務経験に算入できる(国土交通省 よくあるご質問A3)
- 令和8年度に2級第二次検定合格者の道で1級第二次検定を受ける場合、5年の道は令和2年度まで、3年の道は令和4年度までの合格者が該当(全国建設研修センター 令和8年度 1級土木・管工事・造園・電気通信工事の各受検の手引)
特定実務経験とは
特定実務経験は、国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)で「請負金額4,500万円(建築一式工事は7,000万円)以上の建設工事において、監理技術者・主任技術者 (当該業種の監理技術者資格者証を有する者に限ります)の指導の下、または自ら監理技術者・主任技術者として行った経験」と定義されています。同じチラシは、発注者側技術者の経験や、建設業法の技術者配置に関する規定の適用を受けない工事の経験等は特定実務経験に該当しない、とも書いています。
金額は令和8年度の手引でも同じで、建設業振興基金(建築・電気工事)の新受検資格インターネット専用受検の手引は4,500万円(建築一式工事については7,000万円)、全国建設研修センターの1級土木の受検の手引は「請負金額4,500万円(税込)以上」と書いています。規則第5条は「国土交通大臣の定める実務の経験」としか書いていないので、金額は条文ではなく国の資料と各手引で確かめる、という順番になります。
監理技術者補佐とは
監理技術者補佐は、国土交通省のよくあるご質問A6で、建設業法第二十六条第三項ただし書きに規定される監理技術者の職務を補佐する者として専任で配置される技術者と説明されています。当該建設工事の業種の主任技術者の要件を持ち、対応する種目の1級第一次検定に合格している者等が対象です。建設業振興基金の令和8年度の手引は「単なる監理技術者の補助経験は対象になりません」と念を押しているので、監理技術者の下で働いていた期間がそのまま1年の道に乗るわけではありません。監理技術者そのものの役割は監理技術者の解説記事、1級第一次検定の合格で名乗れる技士補については1級建築施工管理技士補の記事で整理しています。
個人的には、この表は「何年で受けられるか」より先に「自分の現場がどの道に乗る経験か」を見るための表だと捉えています。同じ3年でも、特定実務経験を含むかどうかは工事の請負金額と、誰の指導の下で働いたかで決まるからです。
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【PR】一次は年齢だけ。対策の選び方も
第一次検定は年齢だけで受けられるため、受験資格の面では早めに動き出せます。新受験資格の主な道では第二次検定に必要な実務経験の年数が第一次検定の合格後から数えられるので、一次に先に合格しておくと、その年数を数え始める時期も早くなります。独学で進めるか迷う場合の比較先として、独学サポート事務局の講座の中身を一度見ておく手もあります。
7種目で同じところ・違うところ|実施機関、建設機械の年数、関連資格
7種目の受験資格は、結論「一次の年齢と、二次の5年・3年・1年の骨組みは共通で、違いは実施機関、建設機械の年数と数え方、関連資格で入れる道、2級の受検種別の4つに集まっている」という見方で整理できます。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)と、令和8年度の各実施機関の受検の手引をもとに並べると次の表になります。
| 種目 | 実施機関 | 一次の年齢(1級/2級) | 2級二次(2級一次合格後) | 1級二次の関連資格で入れる道(国土交通省チラシの表) |
|---|---|---|---|---|
| 建築 | 建設業振興基金 | 19歳/17歳 | 3年以上 | 一級建築士試験合格者 |
| 電気工事 | 建設業振興基金 | 19歳/17歳 | 3年以上 | 第一種電気工事士試験合格者 |
| 土木 | 全国建設研修センター | 19歳/17歳 | 3年以上 | 技術士第二次試験合格者 |
| 管工事 | 全国建設研修センター | 19歳/17歳 | 3年以上 | なし |
| 造園 | 全国建設研修センター | 19歳/17歳 | 3年以上 | なし |
| 電気通信工事 | 全国建設研修センター | 19歳/17歳 | 3年以上 | なし |
| 建設機械 | 日本建設機械施工協会 | 19歳/17歳 | 2年以上 | 建設機械の操作の実務経験6年以上の道(国土交通省チラシの関連資格の表) |
表の「共通の道」は、1級第一次検定合格後の5年・3年・1年と、2級第二次検定合格者の5年・3年のことです。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)が種目を分けずに示している年数で、施工技術検定規則第5条第1項も検定種目を問わず同じ形で定めています。2級造園の年数は、全国建設研修センターの令和8年度 2級造園の受検の手引で「2級 第一次検定合格後の実務経験3年以上」「1級 第一次検定合格後の実務経験1年以上」と確認できます。
実施機関は3つに分かれている
申込先は種目で変わります。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)は、建設業振興基金が建築・電気工事、全国建設研修センターが土木・管工事・造園・電気通信工事、日本建設機械施工協会が建設機械、という分担を示したうえで、検定種目ごとに取り扱いが異なる場合もあるので各機関の受検の手引を必ず確認するよう書いています。土木と管工事の両方を考えている人なら申込先は同じ全国建設研修センター、建築と土木なら別々の機関になる、ということです。
建設機械だけ年数と数え方が違う
7種目の中でいちばん違いが大きいのが建設機械です。施工技術検定規則第5条第2項第一号は、2級の第二次検定を2級第一次検定合格後「二年以上」の実務経験で受けられると定めていて、他の6種目の3年より1年短くなっています(e-Gov法令検索、2026年11月5日確認)。そのかわり日本建設機械施工協会の令和8年度 2級第二次検定の受検の手引は、1級第一次検定合格後1年・2級第一次検定合格後2年の区分について「第一次検定の合格発表日以降の実務経験に限られます」と注記しています。
受け方の順番にも決まりがあります。日本建設機械施工協会の試験部のページは、建設機械施工管理技術検定は第一次検定と第二次検定、1級と2級の各試験を同年度に受検することはできず、第二次検定の受検申込みは第一次検定合格の翌年度以降になる、と案内しています。
関連資格で入れる道は種目ごとに違う
関連資格を持っている人の道は、国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)の2ページ目「関連資格保有者の受検資格要件」と、令和8年度の各手引に種目別に書かれています。持っている資格が種目と合っていなければ使えないので、ここは種目ごとに読むしかありません。
- 建築:一級建築士試験合格後、1級第二次は実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上、2級第二次は実務経験1年以上
- 土木:技術士第二次試験(建設部門、上下水道部門等)合格後、1級第二次は実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上、2級第二次は実務経験1年以上
- 電気工事:1級第二次は第一種電気工事士試験合格後または免状交付後、実務経験5年(特定実務経験1年を含む場合3年)以上(別途1級第一次検定の合格が必要)。2級第二次は電気工事士試験または電気主任技術者試験の合格後または免状交付後、実務経験1年以上(別途1級又は2級第一次検定の合格が必要)
- 電気通信工事:2級第二次は電気通信主任技術者試験合格後または資格者証交付後、実務経験1年以上(別途1級又は2級第一次検定の合格が必要)
- 建設機械:国土交通省チラシの関連資格の表では、1級第二次の欄に「受検種別の建設機械の操作について実務経験6年以上(別途2級第一次検定に合格することが必要)」とあります。2級第二次は受検種別の2級第一次検定の合格者で、受検種別に関する建設機械操作施工の実務経験6年以上(2級第一次検定合格前のものを含む。日本建設機械施工協会 令和8年度 2級の受検の手引の区分Ⅲ)
管工事と造園は、令和8年度の全国建設研修センターの受検の手引に関連資格の区分がありません。また土木の技術士第二次試験は、全国建設研修センターの令和8年度 1級土木の受検の手引で、建設部門・上下水道部門のほか、農業部門(選択科目:農業農村工学)・森林部門(選択科目:森林土木)・水産部門(選択科目:水産土木)と、総合技術監理部門の該当する選択科目の合格者が対象と書かれています。
2級は種目によって受検種別がある
2級には、さらに受検種別で分かれる種目があります。建設業法施行令第37条第5項と施工技術検定規則第1条によると、2級の建設機械は第一種から第六種、2級の土木は土木・鋼構造物塗装・薬液注入、2級の建築は第二次検定に限って建築・躯体・仕上げに分かれます(e-Gov法令検索、2026年11月5日確認)。建設機械の2級の実務経験が「受検種別に関する」経験と書かれているのはこのためです。
申込の細かい決まりも種目で違います。たとえば建設業振興基金の令和8年度 2級建築のご案内には「2級建築施工管理技術検定の第一次・第二次同時申請はできません」と書かれています。似た条件でも機関ごとに書き方と例外が違うので、最後は自分の種目の手引で確かめるのが確実です。
実務経験として数えられる仕事|対象の工事・業務と証明のしかた
実務経験として数えられる仕事は、結論「受ける種目に対応する業種の工事で、施工の管理に直接関わった技術上の職務経験」です。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)は、新受検資格の実務経験について、対象の工事の範囲を「原則、検定種目(資格)に対応した建設業の種類(業種)に該当する工事」とすると説明しています。
業種の対応は、令和8年度の手引で具体的に示されています。建設業振興基金の手引では、建築の対象が建築一式工事・大工工事・とび・土工・コンクリート工事・鉄筋工事・内装仕上工事など17工事種別、電気工事の対象は電気工事の1工事種別です。全国建設研修センターの1級土木の手引では、土木一式工事・とび・土工・コンクリート工事・石工事・鋼構造物工事・舗装工事・しゅんせつ工事・塗装工事・水道施設工事・解体工事が対象です。日本建設機械施工協会の手引では、土木工事業、とび・土工工事業または舗装工事業の工事に係る建設機械施工の実務経験が対象とされています。
この2つの一覧を見比べると、とび・土工・コンクリート工事、石工事、鋼構造物工事、塗装工事、解体工事は建築と土木の両方に入っています。こうした工事の扱いについて、国土交通省のチラシは「複数の検定種目(資格)が対応する建設業の種類(業種)の工事の経験については、同じ経験を複数の検定種目の実務経験として申請することを可能とします。」と書いています。あわせて国土交通省の「令和6年度以降の技術検定の基本的な方針について」は、同時期に複数の業務に従事した場合に、その期間を複数の実務経験として申請するときは従事割合に応じて申請できる、としています。土木と建築のように2つの種目を考えている人は、この2点を手引で確認しておくと計画が立てやすくなります。
経験の中身については、建設業振興基金の令和8年度の手引が、施工計画の作成及び当該工事の工程管理、品質管理、安全管理など、工事の施工の管理に直接的に関わる技術上の職務経験(業務として行われたもの)と定義し、補助者としての経験を含むとしています。具体的には、請負側の施工管理、発注者側の施工監督、工事監理業務等受託者側の設計監理の3つです。同じ手引が実務経験として認められない例に挙げているものを抜き出すと、次のようになります。
- 工事着工以前における設計者としての基本設計、実施設計のみの業務
- 設計、積算、保守、点検、維持、メンテナンス、事務、営業などの業務
- 工事における雑役務のみの業務、単純な労働作業など
- アルバイトによる作業員としての経験
- 入社後の研修期間
設計や積算だけを担当していた期間は数えられない、というのが基本線です。ただ種目によって細かい書き方は違い、全国建設研修センターの1級土木の手引は、認められない業務に測量を挙げつつ「施工中の工事測量は認める」と但し書きを付けています。自分の業務が境目にあると感じたら、該当する種目の手引の一覧で確かめてください。
証明のしかたも新受検資格で変わりました。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)は、工事の従事期間等について「原則、工事毎に、工事請負者の代表者等又は請負工事の監理技術者等による証明を求めます」としたうえで、令和6年3月31日を含む工事の経験までは、従前の方法(申請時に所属している会社の代表者等)による証明も可能としています。今の会社の代表者にまとめて証明してもらう形から、工事ごとに証明する形へ変わったということなので、転職して前の会社で担当した工事を数えたい人は、その工事の証明を誰に頼むかを早めに考えておく必要があります。なお同じチラシは、旧受検資格の実務経験(対象や証明方法等)の取り扱いは従前のとおりとしています。
旧受験資格は令和10年度まで|新旧どちらで出すか
旧受験資格は、結論「第二次検定に限って令和10年度まで選べて、令和11年度以降は原則として新受験資格だけになる」制度です。国土交通省のチラシ(令和5年11月9日版)は、令和6年度から令和10年度までの間を経過措置期間とし、第二次検定は旧受検資格と新受検資格の選択が可能、としています。期限の前後で何が変わるかを並べると次のとおりです。
- 令和6年度〜令和10年度:第二次検定は旧受検資格と新受検資格のどちらでも受検できる(国土交通省 よくあるご質問A4)
- 令和11年度以降:「令和11年度以降は、旧受検資格は廃止となります。」(建設業振興基金 令和8年度 新受検資格インターネット専用受検の手引)
- 例外:令和6年度から令和10年度までに「第二次検定のみ」の再受検対象者(第二次検定の受検票交付実績がある者)は、令和11年度以降も「第二次検定のみ」の再受検申請ができる(同手引)
- 例外の除外:旧2級学科試験合格者と、同日受検における1次検定不合格者は除く(国土交通省 別添2「令和6年度以降の技術検定制度概要」)
経過措置の根拠として確認できるのは、施工技術検定規則の本文ではなく国土交通省告示第五百十三号(令和5年5月12日)です。告示の第2項は、制度改正前の要件に該当していた者などを「令和十一年三月三十一日までの間」、第二次検定の受検票の交付を受けて再度受検しようとする者を「同年四月一日以後」、規則第5条第1項の者と同等以上の知識及び経験を有する者として扱うと定めています。令和10年度の末日がちょうど令和11年3月31日なので、チラシの「令和10年度まで」と告示の日付は同じ線を指しています。
令和8年度は申込方法にも変化がありました。建設業振興基金の令和8年度の手引は、新受検資格で第二次検定を受検申請する場合はすべてインターネット申請で、書面申請(郵送)による新受検資格の受検申請は廃止された、と書いています。全国建設研修センターの令和8年度 1級土木のページも、新受検資格の新規受検申込と第一次検定のみの申込はインターネットのみと案内しています。新受験資格で出すなら、ネット申請の準備が前提になると考えておくのがよさそうです。
新旧どちらで出すかは、一律にどちらが有利とは言えません。旧受験資格の年数は旧制度の表で決まり、新受験資格は一次合格からの年数で決まるので、自分の経歴を両方の表に当てはめてみないと答えが出ないからです。国土交通省の「令和8年度建築施工管理技術検定の実施について」も、新・旧受検資格により異なる場合があるので基金の受検の手引又はホームページで確認するよう書いています。種目によっては実施機関が目安を出していて、日本建設機械施工協会の令和8年度 2級の受検の手引は「これまでの実務経験が少ない方は、新受検資格とすることで、1級第一次検定合格後1年、または2級第一次検定合格後2年で受検できます。」と案内しています。同じ協会の1級の手引には、実務経験が十分な方は旧受検資格で1級第一次検定合格後の翌年度に第二次検定を受検できる場合がある、とも書かれています。
令和9年度の受験資格の案内は、2026年11月5日時点では国土交通省・建設業振興基金・全国建設研修センター・日本建設機械施工協会の各ページを確認した範囲では出ていません。国土交通省の実施計画のページで公表されているのは令和8年度分までで、たとえば「令和8年度建築施工管理技術検定の実施について」は令和7年12月18日付です。僕の感覚では、年度ごとに見直すべきなのは受験資格の骨組みよりも、令和8年度のネット申請のような申込の運用のほうです。次の年度の手引が出たら、まず申込方法のページから確認するのが安全だと思います。
種目別の受験資格の記事
ここまでは7種目に共通する骨組みを中心に見てきました。自分の種目の細かい条件や申込の流れは、種目別の記事で確認してください。
建設業振興基金が実施する建築・電気工事は、次の4本です。1級建築施工管理技士の受験資格では1級建築に絞った第一次・第二次の条件を、2級建築施工管理技士の受験資格では建築・躯体・仕上げの受検種別との関係まで扱っています。電気は1級電気工事施工管理技士の受験資格で1級の条件を、2級電気工事施工管理技士の受験資格で電気工事士や電気主任技術者を持っている人の道を確認できます。
全国建設研修センターが実施する4種目は、土木が1級土木施工管理技士の受験資格と2級土木施工管理技士の受験資格、管工事が2級管工事施工管理技士の受験資格、造園が1級造園施工管理技士の受験資格です。電気通信工事は1級電気通信工事施工管理技士の受験資格と2級電気通信工事施工管理技士の受験資格に分けてまとめています。
日本建設機械施工協会が実施する建設機械は、1級建設機械施工管理技士の受験資格で、受け方の順番まで整理しています。若手の受験計画をまとめて立てるときは、この記事で共通部分を押さえてから、各人の種目の記事に進む読み方が使いやすいと思います。
施工管理技士の受験資格に関する情報まとめ
- 受験資格とは:令和6年度から、第一次検定は年齢、第二次検定は一次合格後の実務経験の2段。7種目共通の仕組み
- 第一次検定:1級は受検年度末に19歳以上、2級は17歳以上。新旧の受験資格は関係ない
- 第二次検定:1級は一次合格後5年/特定実務経験1年以上を含む3年/監理技術者補佐1年、2級は2級一次合格後3年(建設機械は2年)か1級一次合格後1年
- 7種目の違い:実施機関が3つ、建設機械の年数と受け方の順番、関連資格で入れる道、2級の受検種別
- 実務経験:種目に対応する業種の工事での施工の管理。設計のみや積算・事務・営業は対象外、証明は原則工事ごと
- 旧受験資格:第二次検定に限って令和10年度まで選べる。令和11年度以降は廃止(受検票交付を受けた再受検者を除く)
以上が施工管理技士の受験資格に関する情報のまとめです。
受験資格の骨組みは7種目でほとんど同じなので、迷ったときに見るべきなのは「自分の種目の実施機関」と「自分の経験がどの道に乗るか」の2点です。まずは自分の種目の受検の手引を開き、新旧どちらの表に自分が入るのかを、まず照らし合わせてみてください。1級と2級のどちらから狙うか自体を考えたい人は、施工管理技士の1級と2級の違いもあわせて読むと判断しやすくなるはずです。
