舗装の種類が多くて選べない|表層の材料と機能の2つで整理

  • 舗装って結局何種類あるの?アスファルトとコンクリート以外に何がある?
  • 特記仕様書の「密粒度」「開粒度」って何が違うの?
  • 排水性舗装と透水性舗装、名前が似すぎて同じものに見える
  • 保水性舗装と遮熱性舗装、夏に涼しいのはどっち?
  • インターロッキングとコンクリート平板って何が違う?
  • 道路の舗装って、どこで基準が決まっているの?
  • 「疲労破壊輪数」って言葉が図面に出てきて意味が分からない
  • 構内の舗装と道路の舗装で、見る仕様書は違うの?
  • 施主に「駐車場は何がいい?」と聞かれて、答えに詰まった
  • 仕様書に出てくる舗装の名前を一覧で確認したい

上記の様な悩みを解決します。

舗装の種類は、表層に何を使うか(アスファルト混合物・コンクリート・ブロックなど)と、どんな機能を持たせるか(排水性・透水性・保水性・遮熱性・カラーなど)の2つで分けると整理できます。道路の車道と側帯の舗装は、道路構造令第23条第2項に基づく省令で、材料名ではなく疲労破壊輪数・塑性変形輪数・平たん性(必要な場合は浸透水量)の値で基準が決められています。構内の舗装は、公共建築工事標準仕様書の22章で節が分かれています。

舗装は名前の数が多く、どれが何の仲間かがつかみにくい工種です。しかも「舗装 種類」で調べると、駐車場の施工会社によるメリット・デメリット表と費用の話ばかりで、仕様書の名前の意味や道路の舗装の基準には触れていないんですよね。今回は材料別・機能別の種類といった基本を押さえた上で、今回見た施工会社のコラムでは扱われていなかった「排水性と透水性の違いを公的資料で言い切る」「保水性と遮熱性の効果が散水の有無で入れ替わる国交省の確認結果」「車道の舗装は材料ではなく性能で決まるという省令の考え方」「建築と土木で仕様書の名前が違う点」まで、施工管理の目線で整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、外構の舗装を初めて担当する現場の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

舗装の種類は「表層の材料」と「機能」の2つで分けると迷わない

舗装の種類は、結論「表層を何でつくるか(材料)」と「その舗装にどんな働きを持たせるか(機能)」の2つの軸に分けて考えると迷いません。アスファルト舗装やコンクリート舗装は材料の名前、排水性舗装や遮熱性舗装は機能の名前で、仕様書にはこの2種類が混ざって並んでいます。

公的資料の分類の例として、北陸地方整備局の設計要領(道路編)第8章は、歩道および自転車道等の舗装工法をアスファルト混合物系・セメントコンクリート系・ブロック系・樹脂系混合物・二層構造系・その他の6つに分けています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 8-6-3-2)。表の名前を写すと次のとおりです。

舗装工法(表8.37の区分) 表に載っている舗装の名前
アスファルト混合物系 加熱アスファルト舗装/着色加熱アスファルト舗装/半たわみ性舗装/透水性舗装/保水性舗装/遮熱性舗装
樹脂系混合物 着色加熱アスファルト舗装/合成樹脂混合物舗装
コンクリート系 コンクリート舗装(コンクリート、透水性コンクリート)
ブロック系 コンクリート平板舗装/インターロッキングブロック舗装/アスファルトブロック舗装/レンガ舗装/天然石舗装(天然石ブロック)
二層構造系 タイル舗装(石器質タイル、磁器質タイル)/天然石舗装(小舗石、鉄平石、大谷石)
その他 常温塗布式舗装/土系舗装/木質系舗装/型枠式カラー舗装/弾力性舗装/スラリーシール舗装

この表は、北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章の「表8.37 歩道および自転車道等の舗装の分類」です(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 表8.37)。一つの地方整備局が歩道・自転車道向けにまとめた分類で、全国共通の法令上の区分ではありません。要領自身も表の前で「この表に示すもの以外にも多くの種類が開発・実用化されている」と断っています(同 8-6-3-2)。

表のアスファルト混合物系の行には、透水性・保水性・遮熱性という機能の名前も入っています。この記事の「材料×機能の2軸」は、そこを読み分けるための記事側の整理で、表8.37そのものが2軸で作られているわけではありません。

機能側については、同じ要領の8-9-1が「特殊な機能や構造をもつ舗装」を、配合や構造を工夫して機能や用途を広げた舗装とし、配合を工夫したものにグースアスファルト舗装・半たわみ性舗装・排水性舗装・明色舗装・着色舗装・凍結抑制舗装、構造を工夫したものにプレキャストRC版舗装・転圧コンクリート舗装・シックリフト工法・フルデプスアスファルト舗装・コンポジット舗装を挙げています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 8-9-1)。

個人的には、特記仕様書で知らない舗装名に出会ったら、まず「材料の名前か、機能の名前か」を決めてから調べると早いと思います。材料が分かれば施工の段取りが、機能が分かれば設計の意図が見えてきます。

材料で分ける:アスファルト・コンクリート・ブロック系とその他

材料の軸で見ると、舗装は大きくアスファルト混合物を使うもの、コンクリートを使うもの、ブロックを敷き並べるもの、それ以外(土・木・樹脂など)に分かれます。各工法の構造や施工の流れは個別の記事に譲り、ここでは仕様書に出てくる名前が何を指すかに絞ります。

アスファルト混合物:名前の違いは骨材の粒度の違い

「密粒度」「開粒度」は、アスファルト混合物に入れる骨材の粒の揃い方(粒度)を表す名前です。土木工事共通仕様書(案)令和7年3月の表3-2-21(マーシャル安定度試験基準値)の混合物の種類の欄には、①粗粒度アスファルト混合物、②密粒度アスファルト混合物、③細粒度アスファルト混合物、④密粒度ギャップアスファルト混合物、⑨開粒度アスファルト混合物という名前が並んでいます(土木工事共通仕様書(案)令和7年3月 第3編 3-2-6-3 表3-2-21)。表には⑤〜⑧の列もありますが、本記事では名前を確認できた5つだけを挙げます。

同じ条には、密粒度アスファルト混合物の骨材の最大粒径について「車道部20㎜、歩道部及び車道部のすりつけ舗装は20㎜または13㎜とする」とあります(土木工事共通仕様書(案)令和7年3月 第3編 3-2-6-3)。図面で「密粒度(13)」「密粒度(20)」のように書き分けてあれば、この最大粒径を見ていると読めます。

開粒度アスファルト混合物は、表3-2-21の注5に「歩道の透水性舗装の表層として用いる場合、一般に突固め回数を50回とする」とあります(土木工事共通仕様書(案)令和7年3月 第3編 3-2-6-3 表3-2-21 注5)。この50回はマーシャル安定度試験で供試体をつくるときの突固め回数の注記で、現場の転圧回数ではありません。ただ、この注記から「開粒度の混合物は歩道の透水性舗装の表層に使われる」という使い道が読み取れます。北陸地方整備局の表8.37でも、加熱アスファルト舗装の表層材料は「アスファルト混合物(密粒、細粒)」、透水性舗装は「(着色)開粒度アスファルト混合物」とされています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 表8.37)。

半たわみ性舗装とグースアスファルト舗装は、名前だけでも押さえておくと仕様書が読みやすくなります。土木工事共通仕様書の一般舗装工には「半たわみ性舗装工」と「グースアスファルト舗装工」がそれぞれ独立した条として立っています(土木工事共通仕様書(案)令和7年3月 第3編 3-2-6-8・3-2-6-11)。アスファルト舗装の層の構成や施工の段取りは、アスファルト舗装の構造と施工をまとめた記事で扱っています。

コンクリート舗装:国総研資料が扱う5種類は目地と鉄筋で見分ける

コンクリート舗装にも種類があります。国土技術政策総合研究所の資料第747号(土木研究所資料第4266号)「コンクリート舗装の変状に関する技術資料」(2013年7月)は、「本資料で対象とするコンクリート舗装の種類」として次の5つを挙げています(国総研資料第747号 1.2.1〜1.2.5)。この資料が対象にしている5種類であって、コンクリート舗装のすべてを網羅した分類というわけではありません。

  • 普通コンクリート舗装:振動締固めでつくった版を表層にする。ダウエルバーを使った横目地(収縮目地と膨張目地)とタイバーを使った縦目地を設け、版には原則として鉄網と縁部補強鉄筋を使う
  • 連続鉄筋コンクリート舗装:縦方向鉄筋をあらかじめ連続して配置してから版をつくる。収縮目地は全く設けない構造で、発生するひび割れを縦方向鉄筋で分散させる
  • 転圧コンクリート舗装:単位水量の少ない硬練りコンクリートを、アスファルト舗装用の舗設機械で敷きならして転圧で締め固める。ダウエルバーやタイバーは使わず、鉄網や縁部補強鉄筋による補強も行わない
  • プレキャストコンクリート版舗装:工場でつくった版(標準サイズ5.0×1.5m)を路盤やアスファルト舗装の基盤の上に据え、すき間にグラウト材を注入して仕上げる
  • コンポジット舗装:表層または表基層にアスファルト混合物を使い、その直下にセメント系の版(普通コンクリート版、連続鉄筋コンクリート版、転圧コンクリート版等)を使う

こう並べると、5種類の違いは「目地をどう切るか」「鉄筋をどう入れるか」「版をどこでつくるか」でほぼ言い分けられます(コンポジット舗装は、表層がアスファルト混合物で直下がセメント系の版という、層の材料の組み合わせで分かれます)。なお同じ資料は、15〜20%程度の空隙を持つ多孔質のコンクリートを使い、排水性・透水性・騒音低減などの機能を持たせたポーラスコンクリート舗装も転圧コンクリートの一種だとしています(国総研資料第747号 1.2.3)。コンクリートの側にも、機能の軸の舗装があるということです。

強度については、土木工事共通仕様書が「コンクリート舗装工で使用するコンクリートの強度は、設計図書に示す場合を除き、材齢28日において求めた曲げ強度で4.5MPaとする」と定めています(土木工事共通仕様書(案)令和7年3月 第3編 3-2-6-4 3.)。同じ条の4.では、転圧コンクリート版を直接表層に使う場合、交通量区分N3・N4・N5で4.5MPa、N6で5MPaとしています(同 3-2-6-4 4.)。どのコンクリート舗装でも4.5MPaと決まっているわけではなく、設計図書の指定があればそれにより、転圧コンクリート版を直接表層に使う場合は交通量区分でも変わる値だと押さえておくと読み違えません。

コンクリート舗装の構造や費用の考え方はコンクリート舗装の記事、建物まわりの土間との違いは土間コンクリートの解説で整理しています。

ブロック系:建築の仕様書ではコンクリート平板・インターロッキング・舗石の3つ

ブロックを敷き並べる舗装は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の22章8節「ブロック系舗装」で扱われます。22.8.1は、この節をコンクリート平板舗装、インターロッキングブロック舗装及び舗石舗装に適用するとしています(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 22.8.1)。

インターロッキングとコンクリート平板の違いは、仕様書の上では「どこに使う前提か」に表れています。表22.8.1(ブロック系舗装の構成及び厚さ)では、コンクリート平板舗装と舗石舗装は歩行者用通路だけで、クッション材は砂又は空練りモルタル30mmです。インターロッキングブロック舗装は車路と歩行者用通路の両方の欄があり、クッション材(砂)の厚さは車路20mm、歩行者用通路30mmです(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 22.8.2(1) 表22.8.1)。

この20mm・30mmはクッション材の厚さで、ブロック自体の厚さではありません。インターロッキングブロック自体はJIS A 5371のもので、特記がなければ車路は曲げ強度5.0N/mm2・厚さ80mm、歩行者用通路は曲げ強度3.0N/mm2・厚さ60mmの普通ブロックとされています。車路の割付けはヘリンボンボンドです(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 22.8.3(2))。

その他:タイル・天然石・土系・木質系など

表8.37には、ここまでの3つに入らないものとして、タイル舗装や小舗石・鉄平石・大谷石の天然石舗装(二層構造系)、常温塗布式舗装・土系舗装・木質系舗装・型枠式カラー舗装・弾力性舗装・スラリーシール舗装(その他)が載っています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 表8.37)。建築の仕様書では、22章9節に「砂利敷き」があり、22.9.1で構内の砂利敷きに適用するとされています(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 22.9.1)。

現場目線で言えば、材料の軸で一番大事なのは「同じ名前でも、どの仕様書のどの条を見ているか」です。コンクリートの曲げ強度もブロックの厚さも「設計図書に示す場合を除き」「特記がなければ」の値なので、まず特記仕様書を開いてから標準仕様書の値に戻る順番を崩さないようにしたいところです。

機能で分ける:排水性・透水性・保水性・遮熱性・カラー

機能の軸で見ると、舗装は「水をどう処理するか」「路面の温度をどう抑えるか」「どう見せるか」で名前が分かれます。名前が似ていて取り違えやすいのはこの軸なので、ここを一番丁寧に見ていきます。先に5つを1行ずつ並べると次のとおりです。

  • 排水性舗装:表層に入った水を、その下の不透水層の上で横に流して排水する。路盤以下へは浸透させない
  • 透水性舗装:雨水を表層から基層・路盤を通して路床まで浸透させる
  • 保水性舗装:空隙に充填した保水材の水が蒸発するときの気化熱で、路面温度を下げる
  • 遮熱性舗装:表面で赤外線(日射)を反射させて、路面温度の上昇を抑える
  • カラー舗装(着色舗装):舗装に色を付けたもの。建築の仕様書では加熱系又は常温系とされる

排水性と透水性の違いは「水を路床まで通すかどうか」

排水性舗装と透水性舗装は、一言でいえば「不透水層があるかどうか」で分かれます。北陸地方整備局の設計要領は、排水性舗装を、空隙率の高いポーラスアスファルト混合物を表層もしくは表層と基層に使い、その下に不透水層を設けることで、浸透した水が不透水層の上を流れて排水処理施設に速やかに排水され、路盤以下へは水が浸透しない構造としたもの、と定めています。対象は車道用舗装です(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 8-9-2-1)。空隙率の高い構造は走行音を下げる働きもあり、低騒音舗装とも呼ばれるとしています(同 8-9-2-1)。

一方の透水性舗装は「雨水を表層から基層、路盤を通して路床に浸透させる構造」で、市街地の歩道に採用することを原則とする、とされています。車道に使うタイプは、水たまり防止・騒音低減・地下水の涵養が期待できるため、都市型洪水の抑制が求められる都市内の道路に主として適用するとしています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 透水性舗装の項)。主語をそろえて対比すると、排水性は「水を路盤より下へ入れない」、透水性は「水を路床まで入れる」舗装です。

面白いのは、土木工事共通仕様書の中では、両者の表層に使うポーラスアスファルト混合物が同じ規定で扱われている点です。土木工事共通仕様書は、ポーラスアスファルト混合物の目標値を表3-2-28で、空隙率20%程度、透水係数10の−2乗(0.01)cm/sec以上、安定度3.43kN以上、動的安定度が一般部4,000程度・交差点部5,000程度としています(土木工事共通仕様書(案)令和7年3月 第3編 3-2-6-9 5. 表3-2-28)。そして透水性舗装工の条は、ポーラスアスファルト混合物の配合と目標値を「3-2-6-9排水性舗装工の規定による」としています(同 3-2-6-10 2.)。混合物の配合と目標値は同じ規定によりながら、前に見た北陸地方整備局の定義のとおり、水を路盤以下へ通さないか路床まで通すかで、排水性と透水性の役割が分かれます。

適用する場所にも条件があります。排水性舗装は、当面、道路交通騒音(自動車騒音)対策として「環境基準(Leq)」を超過し、住宅等が連担している区間に適用することを原則とするとされています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 8-9-2-1-1)。歩道の透水性舗装については、浸透した雨水の凍結融解の繰り返しで舗装の破壊が懸念される箇所、雨水を考慮する必要のないトンネル等の区間、地下水位が高く雨水を円滑に浸透させる構造が不適当な箇所では適用しない、としています(同 8-6-3-2(1)2)③)。透水性舗装の構造や注意点は透水性舗装と排水性舗装の違いをまとめた記事で詳しく扱っています。

保水性と遮熱性は「気化熱で冷やす」か「反射して温めない」か

国交省道路局の資料3「路面温度上昇抑制機能を有する舗装技術の効果確認」(平成28年7月)は、路面温度上昇抑制機能を持つ舗装の主なものとして保水性舗装と遮熱性舗装を挙げ、保水性舗装を「舗装の空隙に保水材を充填し、それに吸収された水が蒸発散する際の気化熱によって路面温度を低減する舗装」、遮熱性舗装を「表面で赤外線を反射させて路面温度の上昇を抑制する舗装」と説明しています(国土交通省 道路局 資料3 平成28年7月 p.3)。

環境省の「まちなかの暑さ対策ガイドライン 改訂版」(平成30年3月)も、保水性舗装には開粒度タイプアスファルトや多孔質材に保水材を充填したもののほか、吸水・保水能力を備えた舗装用ブロックや保水性と透水性を兼ね備えた製品もあるとしています。遮熱性舗装は、表面に遮熱性材料を吹き付け・塗布する「塗布型」、表面近くに充填する「充填型」、表層用混合物に混ぜる「混合物型」に大別され、人が受ける反射日射は増えると注記しています(環境省 まちなかの暑さ対策ガイドライン 改訂版 平成30年3月 3章 対策技術等データシート)。北陸地方整備局の設計要領の機能対応表でも、保水性舗装・緑化舗装・土系舗装が「気化熱による路面温度の上昇抑制」、遮熱性舗装が「赤外線反射による路面温度の上昇抑制」と整理されています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 8-2 目標の設定の表。注記「研究開発中のものも含む(平成17年12月現在)」)。

どちらが路面温度を抑えるかは、散水の有無で入れ替わる

「保水性と遮熱性、どっちが涼しいの?」には、条件をつけないと答えられません。国交省が国道246号(第3通行帯)で平成27年7〜9月に行った計測では、「晴天時・散水なし」の場合は遮熱性舗装の効果が保水性舗装より大きく、散水を行った場合(平成27年8月1日の1日の散水実験)は保水性舗装の効果が遮熱性舗装より大きい、という結果でした(国土交通省 道路局 資料3 平成28年7月)。期間を通した非降雨日・晴天日の平均でも、遮熱性舗装の効果が大きいとされています(同 期間中総括)。

雨の日についても同じ資料に記述がありますが、降雨日の平均はわずかに保水性が大きいものの、値はいずれも小さく差も小さいとされています(同 期間中総括)。そのため「雨の日なら保水性」とまでは言えません。さらに、散水ありの結果について資料は「散水の効果は長続きせず、継続的な効果発現には、継続的な散水が必要となる」と書いています(同 散水あり(晴天時))。国交省都市局のガイドラインも、保水性舗装は水分がなくなると表面温度が上昇してしまうので、日中は定期的に散水するなどして水分を補給することに留意する必要がある、としています(国土交通省 都市局「ヒートアイランド現象緩和に向けた都市づくりガイドライン」平成25年12月)。

遮熱性舗装の側にも留意点があります。環境省のガイドラインは、歩道に設置する場合には日中に歩行者が反射日射を受けるため、歩行者への影響に留意して施工場所等を検討することが重要だとしています(環境省 まちなかの暑さ対策ガイドライン 改訂版 平成30年3月)。

正直なところ、ここは条件の書き落としが誤りのもとになる部分です。「保水性は涼しい」「遮熱性は涼しい」のどちらも、散水できるか、晴れの日の路面を見ているのか、歩行者が上を歩くのか、という条件しだいで答えが変わります。施主に聞かれたら、まず散水の手間をかけられるかどうかを確かめるところから話すのが安全です。

カラー舗装は、仕様書の上では加熱系と常温系に分かれる

カラー舗装(着色舗装)について、北陸地方整備局の設計要領は「主としてアスファルト混合物系の舗装に各種の色彩を付加したもの」とし、歩道・横断歩道・バス停車帯・バスレーン・自転車通行帯などに必要に応じて採用されるとしています。あわせて、着色舗装は一般舗装に比べ高価であることから、適用の効果を十分検討し、担当課と協議して適用する、と書いています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 8-9-2-3)。

建築の仕様書では、22章6節「カラー舗装」で、カラー舗装の種類を加熱系又は常温系とし、種類は特記によるとしています(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 22.6.2(1))。常温系の着色部の厚さは、表22.6.1でニート工法3〜5mm、塗布工法1mm程度です(同 22.6.2(3) 表22.6.1)。土木側では「薄層カラー舗装工」という条名で扱われます(土木工事共通仕様書(案)令和7年3月 第3編 3-2-6-13)。どちらにするかは特記で決まるので、まず特記仕様書の指定を確かめるのが先になります。

車道と側帯の舗装は「性能」で決まる:道路構造令第23条と省令の指標

道路の車道と側帯の舗装の基準は、結論「道路構造令第23条と、その第2項に基づく車道及び側帯の舗装の構造の基準に関する省令」で決まっています。省令は材料名を挙げず、車道と側帯の舗装が満たすべき性能の値だけを定めています(省令全文で確認)。

道路構造令第23条の第1項は、車道・中央帯(分離帯を除く)・車道に接続する路肩・自転車道等・歩道を舗装するものとしています。第2項は、車道及び側帯の舗装を、設計に用いる自動車の輪荷重の基準を49キロニュートンとし、計画交通量・自動車の重量・路床の状態・気象状況等を勘案して省令の基準に適合する構造とする、としています。第3項は、第四種の道路(トンネルを除く)の舗装を、必要がある場合に雨水を路面下に円滑に浸透させ、かつ道路交通騒音の発生を減少させる構造とする、としています。3つの項とも「特別の理由がある場合」などのただし書が付いています(道路構造令 第23条第1項〜第3項)。

第3項は第四種の道路だけが対象です。また、構造令・省令・技術基準の本文に「排水性舗装」「透水性舗装」の語は無く(確認範囲=3資料の本文)、第3項を特定の舗装名に置き換えて読むことはできません。

省令は前文で道路構造令第23条第2項に基づくと書き、第2条で、車道及び側帯の舗装は第3条から第5条の基準に適合させ、雨水を路面下に浸透させる構造とする必要がある場合は第6条の基準にも適合させる、としています(車道及び側帯の舗装の構造の基準に関する省令 前文・第2条)。指標は次の4つです。

  • 疲労破壊輪数:49キロニュートンの輪荷重を繰り返し加えたとき、舗装にひび割れが生じるまでの回数(同 第1条第1号)
  • 塑性変形輪数:表層の温度を60度とし、同じ輪荷重で路面が下方に1ミリメートル変位するまでの回数(同 第1条第2号)
  • 平たん性:路面と想定平たん舗装路面との高低差の、平均値に対する標準偏差。2.4ミリメートル以下(同 第1条第3号・第5条)
  • 浸透水量:直径15センチメートルの円形の路面の路面下に、15秒間に浸透する水の量(同 第1条第4号)

疲労破壊輪数は、大型の自動車の1車線あたりの日交通量である舗装計画交通量に応じて、次の値以上とされています(同 第1条第5号・第3条)。

舗装計画交通量(台/日) 疲労破壊輪数(回/10年)
3,000以上 35,000,000
1,000以上3,000未満 7,000,000
250以上1,000未満 1,000,000
100以上250未満 150,000
100未満 30,000

塑性変形輪数は、第一種・第二種・第三種第一級及び第二級並びに第四種第一級の道路で、舗装計画交通量3,000以上なら3,000、3,000未満なら1,500、その他の道路は500(1ミリメートルにつき回)以上です(同 第4条)。浸透水量は、同じ区分の道路で1,000、その他の道路で300(15秒につきミリリットル)以上です(同 第6条)。平たん性の2.4ミリメートルは標準偏差の値で、「凸凹が2.4ミリメートル以下」という意味ではありません。

国交省の通知「舗装の構造に関する技術基準」(平成13年6月29日)は、2-4で「車道及び側帯の舗装の必須の性能指標は、疲労破壊輪数、塑性変形輪数及び平たん性とする」とし、浸透させる構造では浸透水量を追加するとしています(舗装の構造に関する技術基準 2-4 1・2)。これは法令ではなく通知で、国土交通大臣・公団が監理する道路の新設・改築には「これによられたい」、都道府県道・市町村道には「本基準によるよう十分な配慮を願いたい」という位置づけです。施工後の測定と記録は出来形管理の考え方とあわせて押さえておきます。

では歩道はどうか。第1項で歩道は舗装するものとされていますが、歩道の性能指標の値は見当たりません(確認範囲=省令全文・道路構造令第23〜24条・技術基準2章)。歩道は発注者の設計要領や特記仕様書で中身を確認します。

構内の舗装と道路の舗装では、仕様書の名前と節が違う

同じ「舗装」でも、建築と土木では開く仕様書が違い、名前と節の立て方も違います。比べる2冊はどちらも国交省発注工事の標準仕様書で、土木工事共通仕様書(案)は地方整備局の河川・海岸・砂防・ダム・道路等の工事の標準、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)は官庁営繕の基準です。民間の構内工事では、どの仕様によるかは特記仕様書・設計図書で決まります。

公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版の22章「舗装工事」は、22.1.1で「この章は、主として構内の舗装工事に適用する」としています。舗装の種類にあたる節は次の6つです(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 22章 目次・22.1.1)。

  • アスファルト舗装(4節):締固め度は現場密度が基準密度の94%以上(22.4.2(2))
  • コンクリート舗装(5節):特記がなければ歩行者用通路のコンクリート版の厚さは70mm(22.5.2(1))
  • カラー舗装(6節):加熱系又は常温系で、種類は特記による(22.6.2(1))
  • 透水性アスファルト舗装(7節):歩行者用通路に適用(22.7.1)
  • ブロック系舗装(8節):コンクリート平板・インターロッキングブロック・舗石(22.8.1)
  • 砂利敷き(9節):構内の砂利敷きに適用(22.9.1)

22章の目次と22.1〜22.9の全節の見出しを確認した範囲では、「排水性舗装」「保水性舗装」「遮熱性舗装」という節はありません。締固め度94%の意味は、転圧(締固め)の基本を読んでおくと判断しやすくなります。

土木工事共通仕様書(案)令和7年3月の一般舗装工(3-2-6)は、アスファルト舗装工・半たわみ性舗装工・排水性舗装工・透水性舗装工・グースアスファルト舗装工・コンクリート舗装工・薄層カラー舗装工・ブロック舗装工などを工種に挙げています(同 第3編 3-2-6-1 1.)。「保水性舗装」「遮熱性舗装」を独立した工種名とする項目は、令和7年3月(案)の目次の舗装工の各節と、令和8年3月(案)の3-2-6の条名19件を確認した範囲ではありません。建築の「カラー舗装」「ブロック系舗装」に近い名前として、土木側には「薄層カラー舗装工」「ブロック舗装工」の条がありますが、両者の範囲が同じかどうかは使う仕様書ごとに確かめる必要があるので、施工計画書では現場で使う仕様書の名前をそのまま使います。外構の工事が章ごとにどう分かれるかは、外構工事の記事で整理しています。

場所ごとの選び方:車道・歩道・構内通路・駐車場

場所ごとの選び方は、資料にある「どこに使うか」の言葉だけで組み立てるのが安全です。費用や耐用年数の比較は資料に無いので扱いません。

車道では、排水性舗装は車道用舗装を対象とし騒音対策の区間に適用するのが原則、透水性舗装の車道タイプは都市内の道路に主として適用、とされています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章 8-9-2-1-1・透水性舗装の項)。歩道では、透水性舗装は市街地の歩道が原則、着色舗装は歩道・横断歩道・バス停車帯などに必要に応じて採用し一般舗装に比べ高価なので効果を検討する、とされています(同 8-6-3-2(1)2)・8-9-2-3)。遮熱性舗装を歩道に置くなら反射日射への留意が要ります(環境省 ガイドライン 平成30年3月)。構内の通路は建築の22章が主に適用され、透水性アスファルト舗装(7節)は歩行者用通路が対象です(公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版 22.1.1・22.7.1)。

駐車場については、22章に「駐車場」の語が出てくるのは2か所だけです。表22.5.1で、コンクリート舗装に使うコンクリートを車路及び駐車場は設計基準強度24N/mm2・スランプ8cm(歩行者用通路は18N/mm2・8cm)としている箇所と、注入目地材の深さを車路及び駐車場で40mm、歩行者用通路で30mmとしている箇所です(同 22.5.3 表22.5.1)。駐車場の舗装は、特記仕様書・設計図書で何が指定されているかを確かめる、と考えておくのが安全です。公的資料では、環境省のガイドラインが遮熱性舗装と保水性舗装の事例に駐車場を挙げています(環境省 まちなかの暑さ対策ガイドライン 改訂版 平成30年3月)。

施主に「駐車場は何がいい?」と聞かれたら、舗装名を答える前に次の点を一緒に確かめると話がかみ合います。

  • 入る車両:乗用車だけか、トラックなど大型の車も入るか
  • 水の逃がし方:雨水を路面で流すか、地中へ浸透させたいか
  • 夏の路面温度:気にする場所か、散水の手間をかけられるか
  • 色の要否:区画や動線を色で分けたいか
  • 仕様の根拠:特記仕様書・設計図書のどの項目で指定されているか

実務だと、施主の関心が「見た目」「水たまり」「夏の暑さ」のどこにあるかを先に聞き分け、それが材料の軸・水の機能・温度の機能のどれに当たるかを示すと、選択肢が自然に絞れます。

舗装の種類に関する情報まとめ

  • 種類の分け方:表層の材料と機能の2軸で読み分ける。表8.37は北陸地方整備局の歩道・自転車道向けの6分類
  • 材料別:アスファルト混合物は粒度で名前が分かれ、コンクリート舗装は国総研資料の5種類を目地と鉄筋で見分ける
  • 機能別:排水性は路盤以下へ水を入れず、透水性は路床まで浸透させる。保水性と遮熱性の効果は散水の有無で入れ替わった
  • 道路の基準:車道及び側帯の舗装は、省令が材料名でなく性能指標の値で定める
  • 仕様書の違い:建築22章と土木3-2-6で名前と節が違い、建築22章に排水性・保水性・遮熱性の節は無い
  • 場所ごとの考え方:資料の適用範囲の言葉で選び、駐車場は特記仕様書・設計図書で確かめる

以上が舗装の種類に関する情報のまとめです。

初めて見る舗装名でも、「材料の名前か、機能の名前か」「どの仕様書のどの節の名前か」の2つを確かめれば置き場所が決まります。特記仕様書を開いたら舗装名をこの地図の上に置き、そのうえで標準仕様書の値と照らし合わせる。この順番を守れば施主への説明でも検査でも慌てずに済むと、僕は考えています。

排水性舗装と透水性舗装の違いは何ですか?

水を路床まで通すかどうかの違いです。排水性舗装は不透水層の上で水を流して排水し、路盤以下へは浸透させません。透水性舗装は雨水を路床まで浸透させます。排水性は車道用、透水性は市街地の歩道が原則とされています(北陸地方整備局 設計要領(道路編)第8章)。

保水性舗装と遮熱性舗装はどちらが涼しいですか?

条件で変わります。国交省が国道246号で平成27年に行った確認では、晴天時・散水なしでは遮熱性舗装、散水ありでは保水性舗装の効果が大きく、散水の効果は長続きしないとされています(国土交通省 道路局 資料3 平成28年7月)。

駐車場の舗装は何で決めればいいですか?

建築の22章で駐車場の語が出るのはコンクリートの強度と注入目地材の深さの2か所だけなので、舗装の種類は特記仕様書・設計図書で確認します。施主とは、入る車両・水の逃がし方・夏の路面温度・色の要否を先に確かめると選択肢が絞れます。

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