- 工程表アプリ、無料のやつで足りるのか知りたい
- 検索するとおすすめ何選ばかりで、結局どれが無料なのか分からない
- 「初期費用無料」って書いてあるけど、それ月額はかかるよね?
- 無料プランって何人まで?協力会社も招待できるの?
- ネットワーク工程表を無料で書けるアプリってあるの?
- スマホで工程を直せるのか、見るだけなのか
- 現場に貼るA3で印刷できないと使えないんだけど
- 工期や施工手順のデータを、よそのサーバーに置いて大丈夫か
- Excelでいいのでは?という気持ちがまだ抜けない
- 無料で始めて、後から高い有料プランに乗り換えさせられそう
- 出来高や実績も入れたいけど、無料の範囲でできる?
上記の様な悩みを解決します。
工程表アプリを「無料」で探すと、比較記事が何十本も出てきます。ところが並んでいる製品を実際に開くと、全機能が無料のものと、人数を絞れば無料のもの、30日だけ無料のもの、そして「初期費用が無料」なだけで月額は有料のものが、同じ一覧に混ざっているんですよね。ここを分けずに読むから、いつまでも決まらない。今回は無料の4分類・人数上限・出力機能・スマホ対応といった基本を押さえた上で、2026年7月にネットワーク工程表アプリが全機能無料になった動きと、無料で必ず詰まる3か所まで、施工管理の目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、アプリを入れたことがない方にも判断しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
無料の工程表アプリとは?「無料」は1種類ではない
無料の工程表アプリとは、結論「費用をかけずに工程表の作成・共有ができるツール」の総称ですが、この言葉が指す状態は少なくとも4つあります。比較記事が読みづらいのは、この4つを同じ表に並べているからです。
先に結論だけ言うと、施工管理が現場で使う前提なら見るべきは2種類だけです。全機能が無料で公開されているものと、人数上限つきで期限なく無料のもの。残りの2つは「いずれ有料になる前提のもの」なので、無料で完結させたい場面では候補から外れます。
- 無料トライアルは「試す」ためのもので、工程表を1本走らせるには短い
- 初期費用無料・サポート費用無料は、月額が別にかかるという意味
- 無料の範囲で運用するなら、更新する人が誰と何人かを先に決める必要がある
工程表そのものの種類と書き方が曖昧なままアプリを選ぶと、機能表の意味が読めません。型の違いはこちらで整理しています。

「無料」の4分類|自分がどれを探しているのかを決める
まずこの表で自分の探しているものを確定させてください。ここが決まると、候補は一気に減ります。
| 分類 | 中身 | 向いている場面 | 代表的な形 |
|---|---|---|---|
| ① 全機能が無料 | 機能制限なしで公開されている。登録のみ、または完全にオフライン | 自分ひとりで工程を組み立てる。社外に出さない | 無償公開されたWebアプリ、フリーソフト |
| ② 人数・容量の上限つきで無料 | 期限はないが、ユーザー数やストレージに上限がある | 社内数人で共有する。小規模な改修工事 | 汎用のガントチャートツールの無料プラン |
| ③ 無料トライアル | 期間限定で有料機能を開放。期間後は課金 | 有料前提で、現場の反応を見たい | 施工管理アプリの2週間〜2か月無料 |
| ④ 初期費用・サポート費用が無料 | 導入時の費用がゼロという意味で、月額は有料 | 会社として本格導入する | 建設向け施工管理アプリの主流 |
④が一番の落とし穴です。「無料の工程管理アプリ」という広告文で出てくる製品の多くは④で、月額の価格そのものが公開されておらず問い合わせ見積になっています。たとえば建設業向けで広く使われているアプリでは、プランごとの自社アカウント数(10アカウント〜など)と保存容量(200GB・400GB・1,000GBなど)は公開されているのに、月額料金は「初期導入費用もサポート費用も無料」という表記だけで金額が出てきません。
僕の感覚だと、④を無料枠として数えてしまうのが「調べたのに決まらない」最大の原因です。価格が非公開である以上、無料で完結する話ではないと割り切って、①か②に絞ったほうが早い。
比較記事に並ぶ主な製品を、この4分類に当てはめると次のようになります。名前の知られているものほど③④に寄っているのが分かります。
| 分類 | 当てはまる主なもの |
|---|---|
| ① 全機能が無料 | Con-Sche(ネットワーク工程表・2026年7月に無償公開)、がんすけなどのフリーソフト |
| ② 人数・容量の上限つきで無料 | ブラビオプロジェクト管理(5ユーザー・50MB)、Jooto、Gantterなどの汎用ツールの無料枠 |
| ③ 無料トライアル | Photoruction、Anymore施工管理、KANNAなど建設向けアプリの試用期間 |
| ④ 初期費用・サポート費用が無料 | ANDPAD、ダンドリワーク、現場ポケット、サクミル、現場Plus、Kizuku、現場ナビ工程、AnyONE、Aippear、工程さんなど |
④に並ぶ製品は、工程表以外に現場写真・図面・報告書・チャットまで含めた総合型が多く、工程表だけを目的に導入すると割高になります。逆に、写真や書類まで一気に電子化したいなら④の方向が正解です。目的が工程表1点なら①②、現場管理全体なら③④という切り分けで見てください。
人数上限つきで無料のツール|上限は「協力会社を招いた瞬間」に来る
②の代表が、汎用のガントチャートツールです。たとえばブラビオプロジェクト管理は、無料プランで5ユーザーまで・プロジェクト数は無制限・ストレージは50MBまでという条件で、期間の制限がありません。有料はエントリープランが10ユーザーまで3,300円/月から始まり、20ユーザー6,600円/月、50ユーザー16,500円/月、100ユーザーで33,000円/月という段階です。
数字だけ見れば5人は十分に思えます。ただ工程表の共有相手を数えてみると、この5人はすぐ埋まります。自分と上司で2人、そこに躯体・設備・電気の職長を入れると5人。施主や設計事務所を入れたい、他工種も呼びたいと考えた時点で足りません。
- 更新する人(工程を動かす人)と、見るだけの人を分けて数える
- 見るだけの人が多いなら、PDFや印刷で配る運用のほうが無料枠に収まる
- ストレージ50MBは、工程表だけなら余るが図面や写真を貼ると一瞬で埋まる
- 無料プランのまま人を増やすより、閲覧をPDF配布に寄せるほうが現実的
工程表を共有すること自体が目的なら、写真や書類の共有まで含めた総合型のアプリを検討する道もあります。その領域の無料の実態はこちらにまとめています。

ネットワーク工程表を無料で作る|2026年にここが変わった
これまで「無料の工程表アプリ」でいちばん手当てが薄かったのが、ネットワーク工程表です。バーチャートやガントチャートは無料ツールでもテンプレートでも作れますが、作業の前後関係を持たせてクリティカルパスを自動計算するとなると、有料ソフトしかないのが長年の状況でした。
そこが2026年7月に動きました。株式会社建ログ(兵庫県明石市)が、建設業向けネットワーク工程表アプリ「Con-Sche(コンスケ)」の全機能を無償公開しています。これまで有料プランで提供していた機能を、氏名・会社名・会社ドメインのメールアドレスの登録だけで使えるようにしたものです。
- アローダイヤグラム形式(ADM)のネットワーク工程表をブラウザ上で作成・編集できる
- クリティカルパスを自動計算し、遅れると全体工期に影響する作業を赤色で強調。フロート日数、最早開始日、最遅開始日も自動算出する
- 歩掛マスタと数量から所要日数を自動算出でき、自社の歩掛をカスタム登録できる
- 印刷・PDF・CSV出力に対応し、工程データは独自形式のファイルとしてローカルに保存する
実務目線で大きいのは、工程表データがブラウザ内やローカルファイルに保存され、サーバーには送信されない設計だという点です。工期や施工手順は機密情報なので、「無料だからクラウドに置きます」と言われると社内で止まる会社が少なくありません。そこが最初からクリアになっています。
一方で制約もあります。タブレット・スマホはPWAとしてホーム画面に追加できますが、スマホ・タブレットでは閲覧のみ。工程を組むのはPCという前提です。ネットワーク工程表そのものの読み方が不安な場合は、用語の意味はこちらで整理しています。

Excelとスプレッドシートも「無料の選択肢」として数える
アプリの比較記事では触れられませんが、無料で工程表を作る手段として最も使われているのは今もExcelです。会社のPCにすでに入っていて、追加費用がなく、A3で印刷でき、社外に渡しても相手が開ける。この4点を同時に満たすツールは、実はアプリ側にほとんどありません。
Googleスプレッドシートを使えば、共有と同時編集も無料の範囲に入ります。工程表のテンプレートも豊富です。弱点は、作業の依存関係を持たせられないことと、行数が増えたときの操作の重さ。つまりバーチャートまでは無料で十分、ネットワーク工程表を書きたいなら専用アプリという住み分けになります。
無料で始めるなら、まずExcelのテンプレートで自分の工事の粒度を確かめてからアプリに移るほうが失敗しません。テンプレートの作り方はこちらが詳しいです。

無料で必ず詰まる3か所
無料の範囲で運用しようとすると、だいたい同じ場所で止まります。先に知っておけば、そこだけ別の手段を用意すれば済みます。
| 詰まる場所 | 何が起きるか | 回避の方向 |
|---|---|---|
| 印刷とA3出力 | 現場事務所に貼る紙にならない。画面上はきれいでも、印刷すると文字が潰れる・ページが分断される | 印刷・PDF出力があるアプリを選ぶ。無ければExcelで貼り出し用を別に作る |
| スマホでの編集 | 現場でその場で工程を直せない。閲覧専用の制限がある製品が多い | 直すのはPC、現場では閲覧と写真で足りる運用にする |
| 出来高・実績の記入 | 予定は引けるが、実績線や進捗率の管理が有料機能に入っている | 予定はアプリ、実績は別管理に割り切る。実績も要るなら有料前提で考える |
このうち一番効くのは印刷です。工程表は「関係者全員が同じ1枚を見ている」ことに価値があるので、紙にならないアプリは現場で採用されません。個人的には、機能表を上から読むより、まず試しに1本工程を組んで印刷プレビューを開いてみるのが、いちばん早い選定方法だと思っています。
選び方|作りたい工程表の型から逆算する
最後に順番の話です。アプリを比較してから工程表の型を決めるのではなく、型を決めてからアプリを見ると迷いません。
- バーチャートで足りるなら、Excel・スプレッドシートで無料完結。アプリは不要
- ガントチャートで社内数人と共有したいなら、②の人数上限つき無料プラン
- ネットワーク工程表とクリティカルパスが必要なら、①の全機能無料アプリ
- 写真・図面・報告書まで一緒に回したいなら、③④の有料前提のアプリ
そのうえで、無料プランを触るときに確認しておくと後悔しないのが、データの持ち出しができるかどうかです。CSVやPDFで出せないアプリは、乗り換えるときに工程表を手で打ち直すことになります。無料で始めるからこそ、出口を先に見ておく。実務だと、ここを見ずに入って半年後に困る例が多いです。
無料の工程表アプリに関する情報まとめ
- 無料は1種類ではない:全機能無料、人数・容量の上限つき無料、無料トライアル、初期費用無料の4分類。無料で完結させたいなら前の2つに絞る
- 初期費用無料の落とし穴:月額が別途かかる意味で、建設向けアプリの主流。プランのアカウント数や容量は公開されていても月額は問い合わせ見積が多い
- 人数上限つき無料の実際:ブラビオプロジェクト管理は5ユーザー・プロジェクト無制限・ストレージ50MBまで無料。有料は10ユーザー3,300円/月から
- 上限は協力会社を招くと来る:更新する人と見るだけの人を分け、閲覧はPDFや印刷で配ると無料枠に収まる
- ネットワーク工程表:2026年7月に建ログがCon-Scheの全機能を無償公開。ADM形式でクリティカルパス・フロート・最早最遅を自動算出し、データは端末内に保存されサーバーへ送信されない
- Excelとスプレッドシート:追加費用なし・A3印刷・相手が開けるという強みがあり、バーチャートまでなら無料で完結する
- 無料で詰まる3か所:印刷とA3出力、スマホでの編集、出来高や実績の記入
- 選び方:作りたい工程表の型を先に決め、CSVやPDFでデータを持ち出せるかを入る前に確認する
以上が無料の工程表アプリに関する情報のまとめです。
工程表アプリの検討が長引くのは、機能が足りないからではなく「無料」という言葉が4つの意味で使われているからです。自分が欲しいのは全機能無料か、上限つき無料か。作りたいのはバーチャートか、クリティカルパスまで見えるネットワーク工程表か。この2つを決めてしまえば、候補は2〜3本に落ちます。そこから先は、1本だけ試しに工程を組んで印刷してみる。それで判断がつくはずです。
工程表の型ごとの使い分けをもう一段深く見たい場合は、あわせて読むならこちらです。

