- 幹線設備ってなに?
- 施工方法について知りたい
- どんな種類があるの?
- 地震対策ってどんなものがあるの?
- 幹線設備の耐用年数ってどれくらい?
上記の様な悩みを解決します。
この記事では幹線設備とは?といったところから、施工方法、配線の種類、地震対策、耐用年数などについて解説していきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも分かりやすい記事になっているかなと思います。
幹線設備とは?
幹線設備とは「受変電設備から分電盤へ配電する設備のこと」です。
受電した電気を各負荷へ送るには「受変電設備→分電盤→各負荷」という流れとなります。「受変電設備→分電盤」ここの配電を担うのが幹線設備です。
人体に例えるなら血管の役割を果たします。
- 心臓(受変電設備)から
- 血液(電気)を
- 人体(建物)の
- 各部(各負荷)に
送る血管の役割です。
もし幹線設備に不備があった場合、建物の各負荷に正しく電気を送ることができなくなり、建物が止まってしまいます。そういった意味では非常に重要な役割と言えます。
幹線設備の施工方法
STEP①負荷容量の確認
まずは各負荷の容量を確認しましょう。
幹線設備の施工を簡単にいうと「ルートを決めて、サイズを決めて、施工する」これだけで終わりです。そこまで難しく考える必要はありません。
幹線サイズは負荷の大きさによって決まります。では負荷の大きさが決まらなければ、幹線のサイズも決まることはありません。
電灯や誘導灯など負荷の大きさが決まっている場合は問題ありませんが、コンセントや動力の負荷の大きさを調べるのはめんどくさいので早いうちに動いておきましょう。
コンセントに関しては、どんな大きさの負荷が接続されるかは分かりません。スマホの充電に使われるかもしれませんし、掃除機が接続されるかもしれません。
よって、ある程度は予測で容量を計算しなければなりませんが、施工者が決定できるものではありません。設計や施主と打合せを行って承認を得なければなりません。
設計や施主と打合せを進めるには時間がかかります。早めに動きましょう。
また、動力設備も面倒です。電気の設計図に動力の負荷の大きさは乗ってないからです。機械の設計図にも乗ってないものもあります。
電気屋からすると空調屋・衛生屋の担当者に「負荷容量教えて」と言わなければならない訳ですが、彼らからするとどうでもいいことです。後回しにされると、いつまでも幹線が決まらない。。。といった事態になります。
動力とコンセントは面倒なので、早めに行動を開始しましょう。
STEP②幹線系統の選定
一言で言うと「どうやって幹線を持っていくのか?を決めること」が幹線系統の決定です。
例えば、近くに似たような負荷がある場合、それぞれ単独で持っていくと材料費も工量もかさんでしまいます。あまり良い手法とは言えないでしょう。
そこで、途中まで1つの幹線で持って行き、途中で分岐するという手段をとります。
「こことここの負荷は同じ系統で持っていく」「こことここの負荷は別の系統で持っていく」といったように、幹線系統を決定します。
あまりにまとめ過ぎると幹線が太くなりすぎますし、あまりにまとめなさ過ぎるとケーブルの本数が増えてしまい面倒になります。
STEP③配線サイズを決定
幹線の持っていき方が決まったら、次は幹線のサイズを決定する必要があります。
送る電力が大きければなるほど、距離が長くなればなるほど、幹線サイズは大きくなります。逆も然りです。どのケーブルサイズが適切か?を検討する必要があります。
もしここで適切なケーブルサイズを選定することができなかった場合、幹線が燃えてしまいます。
1次側は102Vで送電したら、2次側に辿り着く時には100Vになっていたりします。これが俗に言う電圧降下というやつですが、ここで何が起こっているのかというと、電気エネルギーが熱エネルギーに変換されてるんです。幹線にも少なからず抵抗がありますからね。
この熱エネルギーが大きくなり過ぎると、幹線が燃えます。幹線が燃えると、分電盤に電気を配電できなくなります。電気を配電できなくなると、負荷に電気が届きません。
幹線設備のケーブル種類
その①配管
その名の通り金属管や合成樹脂管を配管し、その中にケーブルを通線するやり方です。
250A以上の場合、配管工事はできません。
配管内で電線を接続することはできないので、分岐する場所にはプルボックスという箱を設置する必要があります。工量のかかる仕事なのでめんどくさいです。
その②ケーブルラック
ケーブルラックを施工して、その上にケーブルを乗っけるやり方です。
50〜600A、325sqまでの幹線に適用されます。基本的に分岐部分は工場で製作して現場に搬入するという方法が主流だったりします。
その③バスダクト
600A〜6000Aのようないかつい幹線の場合は、バスダクトを利用します。
バスダクトは簡単に言ってしまえば「いかついダクト」の様なものでして、電圧降下が少ないのが特徴です。
幹線設備の地震対策
幹線設備に限らず、建築物は地震や揺れが発生しても大丈夫なように対策を行わなければなりません。建築基準法と消防法で決まっているので、必ず守る必要があります。
具体的には下記のような施策が求められます。
- ケーブルラックの場合:振れ止めを使用
- 縦配管の場合:耐震架台を使用
- エキスパンションの場合:可とう電線管で余裕を持たせる
要は地震が起こった際にも大丈夫なようにすればいいんです。
これに関してはそこまで難しくはありません。設計図や決まり通りにやればいいということは、ある程度答えが決まっているということです。
工事業者としては、そこまで難しい仕事ではないので気負わなくていいと思います。
幹線設備の耐用年数は?
幹線が敷設される場所の環境や、どれくらい使うのか?というのによって変化するのは大前提ですが、耐用年数は20年から30年と言われています。
世の中に劣化しないものはありません。
一回幹線設備を施工したら、それが半永久的に動き続ける訳ではないんです。
幹線設備が正常に働き続けるよう、適切な管理を心がけましょう。
幹線設備に関する情報まとめ
幹線設備に関する情報まとめ
- 幹線設備とは:受変電設備から分電盤へ配電する設備のこと
- 施工方法:負荷容量確認→幹線系統の選定→配線サイズ決定
- 配線の種類:配管、ケーブルラック、バスダクト
- 地震対策:上章参照
- 耐用年数:20年から30年
以上が幹線設備に関する情報まとめです。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
幹線設備と関連する単語として「ケーブルラック」が挙げられます。幹線設備のほとんどがケーブルラックによる施工ですので、知識として合わせて抑えておきましょう。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。