- CASBEEって「キャスビー」で読み方合ってる?
- LEEDと何が違うの?
- Sランクってどのくらいすごいの?
- BEE値って何?Q÷Lってどういうこと?
- 自己評価と認証、どっちが必要なの?
- うちの自治体、CASBEE届出が要るって本当?
- 届出っていつまでに出すの?確認申請に間に合う?
- 取ると賃料や資産価値が上がるって本当?
上記の様な悩みを解決します。
CASBEE認証は、日本で生まれた建築物の環境性能を評価する制度で、一定規模以上の建物では自治体への届出が義務になっているため、施工管理が確認申請まわりで避けて通れない場面が増えています。名前は知っていても、BEE値やランクの仕組み、そして「届出はいつまでに出すのか」という実務は意外と知られていません。今回は定義・評価の仕組み・ランク・評価ツールの種類・認証制度といった基本を押さえた上で、他の解説記事がほとんど踏み込まない「届出制度と確認申請での段取り」まで現場目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
CASBEE認証とは?
CASBEE認証とは、結論「日本で開発された、建築物の環境性能を総合的に評価する制度」のことです。読み方は「キャスビー」で、Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency(建築環境総合性能評価システム)の頭文字を取っています。
国土交通省の主導で産官学が共同開発した日本発の制度で、現在は一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター(IBECs)が普及・運営を担っています。省エネ性能だけでなく、室内の快適性・景観への配慮といった「建物の質」と、エネルギーや資源の「環境負荷」の両面から建物を採点するのが特徴です。
前の記事で扱った国際基準のLEEDと並んでよく名前が挙がりますが、CASBEEは「日本国内の物差し」、LEEDは「海外に見せる国際共通言語」という位置づけの違いがあります。両制度やZEBを含めた全体像はこちらが参考になります。

僕の感覚だと、施工管理がCASBEEで最初に押さえるべきは「点数を取りにいく認証」という側面よりも、「自治体によっては提出が義務づけられている届出制度」という側面です。案件によっては認証そのものより、この届出対応の方が現場に直接効いてくるからです。
CASBEEの評価の仕組みとランク
CASBEEの評価は、結論「Q(建物の環境品質)とLR(環境負荷の低減性)の2つを採点し、その比で求めるBEE値でランクを決める」仕組みです。
具体的には、次の2つの軸で建物を評価します。
- Q(Quality):室内環境・サービス性能・敷地内の外部環境など「建物の質」を高める側面
- LR(Load Reduction):エネルギー・資源・マテリアル・敷地外環境など「環境負荷」を減らす側面
この2つから、BEE(建築物の環境効率)= Q ÷ L という指標を算出します。分子の質が高く、分母の負荷が小さいほどBEE値が大きくなり、評価が高くなるという考え方です。「エコな設備を足す」だけでなく「質を上げつつ負荷を下げる」という両立を促すのがCASBEEの思想で、ここがシンプルな省エネ評価とは違うところです。
BEE値に応じて、次の5段階のランクが付きます。
| ランク | 評価 | BEE値の目安 |
|---|---|---|
| S | 素晴らしい | 3.0以上(かつQが高い) |
| A | 大変良い | 1.5〜3.0 |
| B+ | 良い | 1.0〜1.5 |
| B- | やや劣る | 0.5〜1.0 |
| C | 劣る | 0.5未満 |
評価結果は、縦軸にQ・横軸にLをとったグラフ上で、原点からの傾きでランクを表す図で示されるのが定番です。
僕としては、施工管理が全評価項目の配点まで覚える必要はないと感じます。それより「今回の目標はAランクか、Sランクか」「そのために建築・設備・電気のどの仕様が効いているのか」を設計と共有しておく方が、実務では役に立ちます。
CASBEEの評価ツールの種類
CASBEEは、対象となる建物の種類やスケールに応じて複数の評価ツールが用意されています。自分の案件がどのツールで評価されるのかを最初に確認するのが出発点です。
代表的な評価ツールは次のようなものです。
- CASBEE-建築(新築):オフィス・店舗・病院など一般の建築物を新築するときの主力ツール
- CASBEE-建築(既存・改修):既存建物の運用評価や改修時の評価
- CASBEE-戸建:一戸建て住宅向け
- CASBEE-不動産:不動産市場での活用を意識した簡易評価
- CASBEE-街区・都市:まちづくりや都市スケールの評価
このほかにも、働く人の健康を重視したCASBEE-ウェルネスオフィスや健康チェックリストなど、目的別のツールが整備されています。施工管理として関わるのは、圧倒的にCASBEE-建築(新築)です。
正直なところ、案件が始まったら「CASBEE-建築の新築版で、どのバージョンの評価マニュアルを使うのか」を設計に確認しておくと、後で評価項目の解釈で食い違うことが減ります。
CASBEE評価認証制度
CASBEEには、大きく分けて「自己評価」と「第三者による評価認証」の2つの使われ方があります。ここを混同すると、何を求められているのか分からなくなるので整理します。
CASBEEは基本的に、設計者が評価ツールを使って自己評価を行い、その結果を登録・公表できる仕組みです。後述の自治体への届出は、多くの場合この自己評価の結果を提出する形になります。
一方で、評価結果の信頼性をより高めたい場合は、第三者の認証機関による評価認証を受けることができます。これがいわゆる「CASBEE認証(評価認証)」で、IBECsが認定した認証機関が、自己評価の内容を審査して認証書を交付します。認証機関の一覧はIBECsが公開しており、そこから選んで申請する流れになります。
つまり整理すると、次のような関係です。
- 自己評価:設計者が評価し、登録・公表する(届出はこれで足りる自治体が多い)
- 第三者評価認証:認証機関が審査し、客観性・信頼性を担保する(資産価値アピールなどで有効)
個人的には、案件で「CASBEEが要る」と言われたら、まず「自治体届出のための自己評価で足りるのか、資産価値アピールのために第三者認証まで取るのか」を発注者・設計に確認するのが最初の一歩だと考えています。ここで求められるレベルが違うと、必要な費用も工数も大きく変わります。
CASBEEの届出制度と確認申請での実務
ここが他の解説記事がほとんど踏み込まない、施工管理にとって一番重要な部分です。結論から言うと、多くの自治体では一定規模以上の建築物にCASBEEに基づく届出を義務づけており、これが建築確認申請のスケジュールに直結します。
この仕組みは建築物環境配慮制度(いわゆるCASBEE届出制度)と呼ばれ、横浜市・名古屋市・大阪市・京都市・神戸市など多くの自治体が導入しています。対象となる延床面積の基準(2,000㎡超、5,000㎡超など)や提出期限は自治体ごとに異なりますが、共通して押さえるべきポイントは次の通りです。
- 対象は一定規模以上の建築物の新築・増改築(規模基準は自治体で異なる)
- 建築確認申請の一定日数前(21日前など)までに届出書の提出が必要な自治体が多い
- 届出にはCASBEEの自己評価結果が必要で、省エネ計算が終わっていないと数値が固まらない
- 内容に変更があれば変更届が必要になる
現場で一番ハマるのが「届出期限に評価が間に合わない」問題です。CASBEE届出は確認申請より前のタイミングで求められることが多い一方、その根拠になる省エネ計算やCASBEE評価は設計が固まらないと確定しません。ここのスケジュールが噛み合わず、確認申請全体が後ろ倒しになる、というのがよくある落とし穴です。
省エネ関連の制度改正の流れはこちらも押さえておくと理解が深まります。

僕の感覚だと、CASBEE届出が絡む案件では、着工スケジュールを引く段階で「自治体の届出期限」と「省エネ計算・CASBEE評価の完了時期」を逆算して並べておくのが鉄則です。確認申請の直前に慌てて評価に着手すると、ほぼ間違いなくスケジュールが破綻します。届出制度の有無と期限は、案件が決まった時点で自治体のホームページか設計に確認しておくべき最優先事項です。
CASBEE認証を取得するメリット
CASBEE認証を取得するメリットは、結論「第三者評価によって環境性能を客観的に示し、建物の価値と信頼性を高められること」です。
主なメリットは次の通りです。
- 環境性能を客観的な指標で示し、他の建物と差別化できる
- 環境配慮に積極的な企業としてブランドイメージを高められる
- 環境性能の高い建物として不動産価値・賃料が向上する傾向がある
- 自治体によっては助成金・税制優遇・金融支援の対象になる
- 良好な室内環境による快適性・生産性の向上
- 自治体の届出義務にも対応できる
日本ではCASBEE評価の高い建物が金融機関の評価や自治体の支援制度と結びつく動きが広がっており、単なる環境アピールにとどまらず、実利につながる場面が増えています。建築環境の基礎的な考え方はこちらが参考になります。

僕としては、発注者にメリットを説明するなら「資産価値・賃料と、自治体の優遇制度、そして届出義務への対応」の3点を軸に語るのが、日本の実情に合っていて伝わりやすいと感じます。
CASBEE認証とLEED認証の違い
CASBEEとLEEDは、どちらも建物の環境性能を評価する制度ですが、生まれと使いどころが違います。
| 項目 | CASBEE | LEED |
|---|---|---|
| 生まれ | 日本 | アメリカ(国際基準) |
| 評価の考え方 | QとLRの比(BEE値) | 加点積み上げ方式(110点満点) |
| ランク | S・A・B+・B-・Cの5段階 | プラチナ・ゴールド・シルバー・標準の4段階 |
| 主な使いどころ | 国内向け・自治体届出 | 外資テナント・グローバル企業 |
ざっくり言えば、国内の届出や国内向けのアピールが目的ならCASBEE、海外の投資家やテナントに見せたいならLEED、という住み分けです。グローバル企業のオフィスなどでは、国内向けにCASBEE、海外向けにLEEDと両方取得するケースもあります。省エネ性能の基礎となる熱の逃げやすさの考え方はこちらが参考になります。

現場目線で言えば、施工管理としては「この案件はどっちの制度を、誰に見せるために取るのか」を押さえておけば十分です。制度の細部を丸暗記するより、この目的の違いを腹落ちさせる方が実務でぶれません。
CASBEE認証に関する情報まとめ
- CASBEE認証とは:日本発の建築環境総合性能評価システム(読み方はキャスビー、運営はIBECs)
- 評価の仕組み:Q(環境品質)とLR(環境負荷低減)からBEE=Q÷Lを算出
- 評価ランク:S・A・B+・B-・Cの5段階(BEE値が大きいほど高評価)
- 評価ツールの種類:CASBEE-建築(新築)を主軸に、戸建・不動産・街区など目的別に整備
- 評価認証制度:設計者の自己評価と、第三者の認証機関による評価認証の2本立て
- 届出制度:多くの自治体が一定規模以上の建物に義務づけ、確認申請の一定日数前までに提出が必要
- 取得メリット:資産価値・賃料の向上/自治体の優遇制度/ブランドイメージ/届出義務への対応
- LEEDとの違い:CASBEEは国内向け・自治体届出、LEEDは国際基準・外資向け
以上がCASBEE認証に関する情報のまとめです。
CASBEEは「Q÷LのBEE値でランクが決まる、日本国内の環境性能の物差し」と捉えると理解しやすくなります。施工管理として一番効いてくるのは認証そのものより届出制度で、自治体の期限と省エネ計算の完了時期を逆算してスケジュールに落とし込めるかが勝負です。ここを着工前に押さえておけば、確認申請まわりで慌てることが大きく減るはずです。
CASBEE認証に関するよくある質問
Q1:CASBEEの読み方と正式名称は?
読み方は「キャスビー」です。正式名称は建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)で、その頭文字を取った略称がCASBEEです。国土交通省主導で開発された日本発の制度で、現在は住宅・建築SDGs推進センター(IBECs)が運営しています。
Q2:CASBEEのSランクはどのくらいすごいのですか?
CASBEEはBEE値(環境品質Q÷環境負荷L)でランクが決まり、SランクはBEE値3.0以上に相当する最上位の評価です。上からS(素晴らしい)・A(大変良い)・B+(良い)・B-(やや劣る)・C(劣る)の5段階で、Sランクは質を高く保ちながら環境負荷を大きく抑えた、環境性能が非常に優れた建物という位置づけになります。
Q3:CASBEEの自己評価と第三者認証はどう違いますか?
自己評価は設計者が評価ツールを使って自ら採点し、結果を登録・公表するものです。自治体への届出は、多くの場合この自己評価で対応します。第三者認証は、IBECsが認定した認証機関が自己評価の内容を審査して認証書を交付するもので、評価の客観性・信頼性が高まります。資産価値のアピールなど対外的な信頼が必要な場面では第三者認証が有効です。
Q4:CASBEEの届出はいつまでに出せばいいですか?
自治体によって異なりますが、建築確認申請の一定日数前(21日前など)までに提出を求める自治体が多いです。対象となる延床面積の基準も自治体ごとに違います。届出にはCASBEEの自己評価結果が必要で、その根拠になる省エネ計算が終わっていないと数値が固まらないため、着工スケジュールを引く段階で届出期限から逆算して評価の完了時期を並べておくことが重要です。
Q5:CASBEE認証を取ると具体的にどんな得がありますか?
環境性能を客観的に示せることで、他の建物との差別化、不動産価値・賃料の向上、企業のブランドイメージ強化につながります。自治体によっては助成金・税制優遇・金融支援の対象になることもあります。加えて、一定規模以上の建物では届出が義務づけられているため、その対応そのものが必要になるケースも多いです。
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