- アスベストの種類って結局いくつあるの?
- 6種類と3種類、どっちが正しい?
- 白・茶・青って何が違う?
- どの種類が一番危険なの?
- 建材の「レベル1・2・3」と種類は別物?
- どんな建材にアスベストが入ってる?
- いつ建てた建物が要注意?
- 現場監督として何をすればいい?
上記の様な悩みを解決します。
アスベスト(石綿)の「種類」は、実は2つの軸がごちゃ混ぜに語られがちです。1つは鉱物としての種類(6種類)、もう1つは工事で扱う際の飛散性による建材の分類(レベル1〜3)です。この2軸を分けて理解しておかないと、事前調査や解体・改修の現場で話が噛み合わなくなります。今回は鉱物としての6種類と危険度、含有建材の分類、飛散性によるレベル区分、そして施工管理として押さえるべき事前調査・報告の実務まで、現場目線で整理しました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
アスベストの種類とは?
アスベストの種類とは、結論「鉱物としての6種類」と「飛散性による建材のレベル1〜3」という、2つの別々の分類軸のことです。
まずここを分けて理解するのが出発点です。「アスベストは6種類」と言うときは、天然の鉱物としての分類を指します。一方、現場で「レベル3の建材」と言うときは、工事の際の飛散のしやすさで分けた建材のランクを指していて、鉱物の種類とは全く別の話です。この2つを混同すると、事前調査の報告や作業計画の場面で認識がズレます。
もう1つ知っておきたいのが、「6種類」と「3種類」のどちらも正しいという点です。法令で規制対象とされているのは6種類ですが、実際に建材へ大量に使われたのは白・茶・青の3種類です。だから場面によって「6種類」と説明されたり「主に3種類」と説明されたりします。
アスベストと紛らわしい断熱材の違いはこちらが参考になります。

僕としては、この記事で一番伝えたいのは「種類には鉱物の軸と建材レベルの軸がある」ということです。ここさえ押さえれば、行政資料や調査報告書を読んでも迷わなくなります。
鉱物としてのアスベスト6種類
鉱物としてのアスベストは、大きく蛇紋石族と角閃石族に分かれ、合計6種類が規制対象になっています。国や自治体の資料でも、この6種類で説明されるのが標準です。
| 分類 | 種類(通称) | 特徴 |
|---|---|---|
| 蛇紋石族 | クリソタイル(白石綿) | 使用量が最も多い。柔軟で加工しやすい |
| 角閃石族 | アモサイト(茶石綿) | 断熱・保温材に多用。飛散性が高め |
| 角閃石族 | クロシドライト(青石綿) | 最も発がん性が高いとされる |
| 角閃石族 | トレモライト | 不純物として混入することが多い |
| 角閃石族 | アクチノライト | 建材への意図的使用は少ない |
| 角閃石族 | アンソフィライト | 建材への意図的使用は少ない |
このうち、建材に意図的に大量使用されたのはクリソタイル(白)・アモサイト(茶)・クロシドライト(青)の3種類です。残りのトレモライト・アクチノライト・アンソフィライトは、他の鉱物に不純物として混じる形で規制対象に加えられた経緯があります。
なお、規制対象がもともとの3種類から6種類に拡大されたのは、法令改正で不純物としての石綿も対象に含めるようになったためです。だから古い資料は「3種類」、新しい資料は「6種類」と書かれていることが多く、両方見かけるわけです。
捉え方としては、6種類の名前をすべて暗記する必要はないと思っています。大事なのは「白・茶・青の3種類が建材の主役で、法令上は6種類が対象」という枠組みを押さえることです。
よく使われた3種類と危険度
建材に使われた主な3種類は、色の通称で呼ばれ、危険度にも差があります。危険度の順序を知っておくと、調査で青石綿が見つかった時の警戒度が変わってきます。
危険度と使われ方を整理すると次の通りです。
- クロシドライト(青石綿):最も発がん性が高いとされ、吹付け材や一部の保温材に使用
- アモサイト(茶石綿):発がん性は青に次ぐ。断熱材・保温材・吹付け材に多用
- クリソタイル(白石綿):使用量が圧倒的に多く、成形板・スレート・内装材まで幅広く使用
一般に、繊維が硬く体内に留まりやすい角閃石族(青・茶)のほうが、蛇紋石族の白より危険性が高いとされています。ただし「白なら安全」ということでは決してなく、どの種類も発がん性物質であることに変わりはありません。使用量が最多の白石綿は、それだけ遭遇する確率も高いので油断できません。
実務だと、色で種類を見分けようとするのは危険です。建材に加工された状態では色だけで判別できないことが多く、種類の特定は分析調査に委ねるのが原則です。現場では「色で決めつけない」というのが鉄則になります。
アスベスト含有建材の種類
アスベストが使われた建材は、大きく分けると次の4つのタイプに整理できます。国土交通省の「目で見るアスベスト建材」でも、部位ごとにどんな建材が使われたかがまとめられています。
| 建材タイプ | 具体例 | 主な使用部位 |
|---|---|---|
| 吹付け材 | 吹付けアスベスト、吹付けロックウール | 鉄骨の耐火被覆、機械室の天井・壁 |
| 保温材・断熱材 | 配管の保温材、煙突断熱材、耐火被覆板 | 配管まわり、ボイラー室、煙突 |
| 成形板(非飛散性) | スレート波板、ケイ酸カルシウム板、床タイル | 外壁、屋根、天井、床 |
| その他 | 石綿含有塗材、シール材、接着剤 | 内外装の仕上げ材、目地 |
このうち、鉄骨造の耐火被覆に使われた吹付け材や、配管・煙突の保温材は飛散性が高く、特に慎重な扱いが必要です。一方、スレート波板やケイカル板などの成形板は、アスベストがセメント等で固められているため、通常の状態では飛散しにくい建材です。
耐火被覆の考え方はこちらでも触れています。

実際のところ、建材のタイプを見ただけで飛散性の高低がおおまかに読めるようになると、調査結果を受け取った時の判断が速くなります。次に説明するレベル区分は、まさにこの飛散性を3段階にしたものです。
飛散性によるレベル1・2・3の分類
工事の現場で最も重要なのが、この飛散性によるレベル区分です。鉱物の種類とは別軸で、「作業時にどれだけ飛散しやすいか」で建材を3段階に分けたもので、レベルによって必要な養生・作業方法・届出が大きく変わります。
| レベル | 対象建材 | 飛散性 | 主な対応 |
|---|---|---|---|
| レベル1 | 吹付けアスベスト等 | 非常に高い | 隔離養生・負圧除じん・作業計画届出 |
| レベル2 | 保温材・耐火被覆材・断熱材 | 高い | 湿潤化・隔離養生・届出 |
| レベル3 | 成形板・仕上塗材等 | 比較的低い | 破砕を避け手ばらし・適正処理 |
レベル1は吹付け材のように繊維が舞いやすいもので、最も厳重な隔離養生と負圧管理が求められます。レベル2は保温材・耐火被覆材・断熱材で、レベル1に準じた厳しい管理が必要です。レベル3は成形板など固められた建材で、割ったり砕いたりしなければ飛散しにくいため、破砕せず手ばらしで撤去するのが基本になります。
ここで注意したいのが、レベル3だから安全という誤解です。成形板でも、電動工具で切断・破砕すれば粉じんが飛散します。レベルはあくまで「通常状態での飛散のしやすさ」であって、扱い方を誤ればどのレベルでも曝露リスクが生じます。
正直なところ、施工管理として現場で最初に確認すべきは「この建材はレベルいくつか」です。鉱物が白か青かより、レベル区分のほうが、養生・工法・届出という段取りに直結するからです。
施工管理が押さえる年代・事前調査・報告の実務
ここが施工管理として一番大事なところで、種類やレベルの知識を「実務の段取り」に落とす部分です。競合の解説記事は用語説明で終わっていることが多いですが、現場では調査と届出の実務まで押さえて初めて意味があります。
施工管理として押さえるべき実務は次の通りです。
- 年代の目安:石綿含有製品は2006年(平成18年)に製造・使用等が原則全面禁止。それ以前の建物は要注意
- 事前調査:解体・改修の前に、有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による調査が義務
- 報告義務:一定規模以上の工事は、調査結果を所定のシステムで届け出る
- 作業前届出:レベル1・2の除去等は、着工前に労働基準監督署・自治体へ届出
- 有資格者の配置:除去作業には石綿作業主任者の選任と特別教育の修了者が必要
年代の目安として、2006年より前に建てられた建物はアスベスト含有の可能性が高く、改修・解体の前提として事前調査が欠かせません。この事前調査は、近年は有資格者による実施と、一定規模以上での結果報告が制度化されており、「調べていない・届け出ていない」は通用しなくなっています。
事前調査の結果や届出は安全書類の一部として管理されます。書類の全体像はこちらが参考になります。

現場で使う断熱材との違いはこちらも確認しておくと安心です。

僕の感覚だと、アスベスト対応は「知識」より「段取り」で差がつきます。種類やレベルを知っているだけでなく、着工前に調査を手配し、必要な届出を出し、有資格者を配置する。この段取りを工程に組み込めているかどうかが、施工管理としての力量の見せどころだと感じます。
アスベストの種類に関する情報まとめ
- 種類の2軸:鉱物としての6種類と、飛散性による建材レベル1〜3は別物
- 鉱物6種類:白・茶・青の3種類が建材の主役、法令上は6種類が規制対象
- 危険度:青(クロシドライト)>茶(アモサイト)>白(クリソタイル)だが、どれも発がん性物質
- 含有建材:吹付け材・保温材・成形板・その他の4タイプ
- レベル区分:レベル1(吹付け)>レベル2(保温材等)>レベル3(成形板)で扱いが変わる
- 実務:2006年以前は要注意、事前調査・報告・届出・有資格者配置が段取りの肝
以上がアスベストの種類に関する情報のまとめです。
アスベストの種類は、鉱物の6種類とレベル1〜3という2つの軸を分けて捉えるのが理解の近道です。そして施工管理として本当に効くのは、種類やレベルの知識を事前調査・届出・有資格者配置という段取りに変換できることです。色で決めつけず、2006年以前の建物は必ず調査から入る、この姿勢を工程に組み込んでおくと、解体・改修の現場でも慌てずに動けるようになるはずです。
アスベストの種類に関するよくある質問
Q1:アスベストは6種類ですか、3種類ですか?
どちらも正しい説明です。法令で規制対象とされている鉱物は6種類(クリソタイル・アモサイト・クロシドライト・トレモライト・アクチノライト・アンソフィライト)です。ただし建材に大量使用されたのは白石綿・茶石綿・青石綿の3種類で、残りの3種類は主に不純物として混入するものです。もともと3種類だった規制対象が法令改正で6種類に拡大された経緯があり、資料によって表記が分かれます。
Q2:どの種類のアスベストが一番危険ですか?
一般には、クロシドライト(青石綿)が最も発がん性が高いとされ、次いでアモサイト(茶石綿)、クリソタイル(白石綿)の順とされています。繊維が硬く体内に留まりやすい角閃石族(青・茶)のほうが危険性が高いという考え方です。ただし白石綿も発がん性物質であり、使用量が最も多いぶん遭遇機会も多いため、「白だから安全」という判断は禁物です。
Q3:建材の「レベル」と鉱物の「種類」は違うものですか?
はい、別軸です。鉱物の種類(6種類)は石綿という鉱物そのものの分類です。一方レベル1〜3は、工事の際にどれだけ飛散しやすいかで建材を3段階に分けたもので、レベル1が吹付け材、レベル2が保温材・耐火被覆材・断熱材、レベル3が成形板などです。現場の養生方法や届出はレベルで決まるため、施工管理はまずレベルを確認します。
Q4:いつ建てられた建物が要注意ですか?
石綿含有製品は2006年(平成18年)に製造・使用等が原則全面禁止になりました。そのため、2006年より前に建てられた建物は、アスベスト含有建材が使われている可能性が高く、解体・改修の前に事前調査が必要です。禁止前後の時期に着工した建物は、在庫建材が使われているケースもあるので、年代だけで安全と決めず調査で確認します。
Q5:施工管理として最初に何をすべきですか?
解体・改修に入る前の事前調査の手配です。近年は有資格者(建築物石綿含有建材調査者)による調査と、一定規模以上での調査結果の報告が制度化されています。レベル1・2の除去がある場合は着工前の届出、除去作業には石綿作業主任者の選任と特別教育修了者の配置も必要です。これらを工程に組み込んでおくのが、施工管理としての第一歩になります。
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