- ラスボードって普通の石膏ボードと何が違うの?
- 名前の「ラス」ってどういう意味?
- 金網のメタルラスと同じもの?
- 表面のブツブツは何のため?
- 何を塗るための下地なの?
- 漆喰はそのまま塗れる?
- 厚みは何mm?
- プラスターボードと見分けつく?
- なんで最近あまり見かけないの?
- リフォームで既存のラスボードはどう扱う?
上記の様な悩みを解決します。
ラスボードは、塗り壁(プラスターや漆喰)の下地として使う石膏ボードの一種です。やっかいなのは、名前が金網の「メタルラス」と紛らわしく、普通の石膏ボードとも見分けにくいこと。ここを整理しないまま図面の「ラス」を読むと、材料の取り違えが起きます。定義や厚みといった基本に加えて、プラスターボードとの違い、金網のラスとの区別、漆喰下地の落とし穴、そして今も使われる場面まで、順に見ていきます。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
ラスボードとは?
ラスボードとは、結論「表面に多数のくぼみを付けた、塗り壁専用の下地用石膏ボード」のことです。
塗り壁の仕上げ(石膏プラスター・漆喰・繊維壁など)を塗るとき、下地がツルツルだと塗り材が食いつかず剥がれてしまいます。そこで、ボード表面に半貫通のくぼみ(型押し)を無数に設けて、塗り材がくぼみに入り込んで引っかかる(キーが効く)ようにしたのがラスボードです。正式にはJISで「せっこうラスボード」として規格化されています。
名前の由来は、モルタルや漆喰の湿式下地に使う金網「ラス(lath)」にあります。昔は木摺(きずり)に金網のラスを張ってから塗り材を塗っていましたが、その手間のかかる下地を、くぼみ付きのボード一枚で代替できるようにしたのがラスボード、というわけです。
塗り壁の仕上げや左官の世界はこちらが参考になります。

僕の感覚だと、ラスボードは「塗るための石膏ボード」と覚えるのが一番しっくりきます。後述するプラスターボード(クロスや塗装の下地)とは、そもそも上に何を載せる前提で作られているかが逆なので、そこを分けて理解しておくと選定で迷いません。
ラスボードの厚み・サイズ
ラスボードの厚みは、結論「標準7mmが基本で、その上に石膏プラスターを規定厚で塗って仕上げる」のが一般的です。
ラスボード自体は薄めのボードで、標準的な厚さは7mm、サイズはサブロク(910×1,820mm)が定番です。ラスボード単体では仕上がらず、上に塗る石膏プラスターと合わせて初めて下地として成立します。厚みの目安は下表のとおりです。
| 項目 | 目安 | 補足 |
|---|---|---|
| ラスボード本体 | 厚さ7mm | 標準厚。9.5mm品もある |
| サイズ | 910×1,820mm | サブロクが定番 |
| 表面くぼみ | 半貫通の型押し | 塗り材の食いつき用 |
| 上塗りプラスター | 8mm前後 | 下塗り・中塗り・上塗りの合計 |
| 仕上がり総厚 | 15mm前後 | ボード+塗り厚の合計 |
つまり「ラスボード7mm+プラスター8mm=計15mm」のようなイメージで、ボードと塗り厚をセットで考えるのがポイントです。ボードだけ見て「薄いから頼りない」と判断するものではなく、塗り材と一体で強度と仕上がりを出す下地だと理解しておくと納まりを読み違えません。
ラスボードとプラスターボードの違い
ラスボードとプラスターボードの違いは、結論「上に載せる仕上げが逆」という一点で整理できます。
どちらも石膏系のボードで名前も似ていますが、設計思想が正反対です。プラスターボード(一般的な石膏ボード・PB)は表面が平滑で、クロス貼りや塗装の下地として使います。一方ラスボードはくぼみ付きで、塗り壁(プラスター・漆喰)の下地として使います。主な違いを表にまとめます。
| 比較項目 | ラスボード | プラスターボード(PB) |
|---|---|---|
| 表面 | くぼみ付き(型押し) | 平滑 |
| 前提の仕上げ | 塗り壁(プラスター・漆喰) | クロス・塗装 |
| 目的 | 塗り材の食いつき | 平滑面の確保 |
| 厚み | 7mm前後 | 9.5・12.5mmなど |
| 使われ方 | 湿式仕上げ | 乾式仕上げ |
プラスターボードの詳細はこちらが参考になります。

僕としては、この2つを取り違えると仕上げが成立しなくなる点が一番の注意どころだと思っています。平滑なプラスターボードに厚塗りしようとすると食いつかずに剥がれますし、逆にくぼみ付きのラスボードにクロスを貼っても凹凸が出て使えません。「上に何を載せるか」から下地を逆算するのが、失敗しない考え方です。
ラスボードとメタルラス・ワイヤラスの違い
ラスボードで一番混乱しやすいのが、結論「金網の『ラス』とは別物」という点です。
現場で「ラス」と言うと、モルタル外壁の下地に使う金網(メタルラス・ワイヤラス)を指すことが多く、石膏系のラスボードと混同されがちです。同じ「ラス」でも用途も材質も違うので、ここを整理しておくと会話がかみ合います。
- ラスボード:室内の塗り壁(プラスター・漆喰)の下地に使う、くぼみ付きの石膏ボード
- メタルラス:モルタル外壁などの下地に張る、ひし形などに成形された金網
- ワイヤラス:針金を編んだ金網で、モルタル下地に使うラスの一種
- ラスカット:構造用面材に塗り下地機能を持たせた窯業系のモルタル下地材
大きな分かれ目は「室内の塗り壁下地か、外壁モルタルの下地か」です。ラスボードは石膏系なので、常に水がかかる外部や水回りには不向きで、屋内の塗り壁下地に使います。外壁モルタルの下地は金網のメタルラス+モルタル、という住み分けです。
モルタルまわりの基礎はこちらが参考になります。

正直なところ、「ラス」という言葉が石膏ボードを指しているのか金網を指しているのかは、文脈で読むしかないところです。図面や指示で「ラス」と出てきたら、室内の塗り壁下地なのか外壁モルタル下地なのかを確認するクセをつけると、材料の取り違えを防げます。
ラスボードの施工方法
ラスボードの施工は、結論「ボードを留めた上に石膏プラスターを塗って仕上げる湿式工法」で、漆喰は直接塗れない点に注意が必要です。
流れとしては、間柱や下地にラスボードを釘・ビスで留め、突付けでジョイントを合わせ、その上に石膏プラスターを下塗り・中塗り・上塗りと重ねていきます。くぼみに塗り材が食い込むことで、剥がれにくい塗り壁になります。施工で押さえておきたい点を挙げます。
- 留め付け:所定の釘・ビスで下地にしっかり固定し、浮きを作らない
- ジョイント:ボード同士を突付けで納め、目地に段差を残さない
- 下塗り材:仕上げに合った専用の下塗りを使う(漆喰は直接塗れない)
- 塗り厚:下塗り・中塗り・上塗りを規定の厚みで重ねる
- 乾燥:各層をしっかり乾かしてから次を塗り、ひび割れを防ぐ
特に注意したいのが、漆喰をラスボードに直接塗ることはできない点です。漆喰仕上げにする場合は、ラスボードに合った専用の下塗り(ラスボードプラスターなど)を先に塗ってから漆喰を重ねます。ここを飛ばすと、密着不良やアク・ひび割れの原因になります。
珪藻土など塗り壁の仕上げはこちらも参考になります。

ラスボードは今も使う?
ラスボードを今も使うかは、結論「乾式工法の普及で出番は減ったが、真壁の和室や漆喰・プラスター塗りの現場では今も現役」です。
近年はクロス貼り(プラスターボード下地)の乾式工法が主流になり、手間と工期のかかる湿式の塗り壁は減りました。それに伴ってラスボードの出番も少なくなっています。ただ、和室の真壁や、意匠として漆喰・プラスターを塗る壁では、いまも塗り下地としてラスボードが選ばれます。
真壁・大壁の考え方はこちらが参考になります。

僕としては、ラスボードは「減ってはいるが消えてはいない下地」だと捉えています。リフォームで古い和室の壁を触ると、既存の下地がラスボード+プラスターということはよくあります。新築の乾式現場しか知らないと戸惑うので、塗り壁下地の代表格として仕組みを知っておくと、改修現場でも慌てずに対応できます。内装全体の流れはこちらが参考になります。

ラスボードに関する情報まとめ
- ラスボードとは:くぼみを付けた塗り壁専用の下地用石膏ボード(せっこうラスボード)
- 名前の由来:金網のラスの代わりに塗り下地になることから
- 厚み・サイズ:標準7mm、サブロク。上にプラスターを塗って計15mm前後で成立
- プラスターボードとの違い:ラスボードは塗り壁下地、PBはクロス・塗装下地で用途が逆
- メタルラスとの違い:ラスボードは室内塗り壁下地の石膏板、メタルラスは外壁モルタル下地の金網
- 施工:ボードを留めて石膏プラスターを重ね塗り。漆喰は専用下塗りを介して塗る
- 現状:乾式化で減少したが、真壁和室・漆喰塗り壁では今も使われる
以上がラスボードに関する情報のまとめです。
ラスボードは「塗るための石膏ボード」で、プラスターボード(クロス下地)や金網のメタルラス(外壁モルタル下地)とは役割がまったく違います。上に何を載せる前提かで下地を逆算し、漆喰なら専用下塗りを介す、というポイントを押さえておけば、新築でも改修でも塗り壁下地を正しく扱えるようになるはずです。
ラスボードに関するよくある質問
Q1:ラスボードと普通の石膏ボード(プラスターボード)は何が違うんですか?
上に載せる仕上げが逆です。プラスターボードは表面が平滑で、クロス貼りや塗装の下地に使います。ラスボードは表面にくぼみがあり、石膏プラスターや漆喰などの塗り壁の下地に使います。平滑なプラスターボードに厚塗りしても食いつかず剥がれ、くぼみのあるラスボードにクロスを貼っても凹凸が出るので、用途を取り違えないことが大切です。
Q2:ラスボードの「ラス」は、外壁モルタルの金網(メタルラス)と同じですか?
別物です。同じ「ラス」でも、ラスボードは室内の塗り壁下地に使うくぼみ付きの石膏ボード、メタルラスは外壁モルタルなどの下地に張る金網です。ラスボードは石膏系なので水に弱く、外壁や水回りには使いません。外壁モルタルの下地は金網のメタルラス+モルタルという組み合わせになります。図面で「ラス」と出てきたら、どちらを指すのか文脈で確認しましょう。
Q3:ラスボードに漆喰を直接塗れますか?
直接は塗れません。漆喰仕上げにする場合は、ラスボードに合った専用の下塗り材(ラスボードプラスターなど)を先に塗り、その上に漆喰を重ねます。下塗りを省いて漆喰を直接塗ると、密着不良やアク、ひび割れの原因になります。仕上げ材ごとに適した下塗りがあるので、メーカーの仕様に従って下地を作ることが大切です。
Q4:ラスボードの厚みは何mmですか?
ラスボード本体の標準的な厚さは7mmで、9.5mm品もあります。ただしラスボードは単体では仕上がらず、上に石膏プラスターを規定厚(8mm前後)で塗って、合計15mm前後の塗り壁として成立します。ボードの薄さだけを見て頼りないと判断せず、塗り厚と合わせた総厚で強度と納まりを考えるのがポイントです。
Q5:最近ラスボードをあまり見ないのはなぜですか?
クロス貼り(プラスターボード下地)の乾式工法が主流になり、手間と工期のかかる塗り壁が減ったためです。それに伴ってラスボードの出番も少なくなりました。ただし、和室の真壁や漆喰・プラスターを塗る意匠壁では今も使われています。リフォームで古い和室を触ると既存下地がラスボードということも多いので、仕組みを知っておくと改修現場で役立ちます。
Q6:ラスボードは外壁や水回りに使えますか?
おすすめしません。ラスボードは石膏系なので水に弱く、常に水がかかる外壁や水回りには不向きです。外壁でモルタル塗りをする場合は、金網のメタルラス+モルタルという下地を使います。水回りで不燃・耐水の下地が必要なら、ケイカル板やフレキシブルボードなどのセメント系ボードが選択肢になります。ラスボードは屋内の塗り壁下地、と用途を限定して考えるのが安全です。
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