- 光度ってなに?
- 単位と求め方を知りたい
- 輝度とはどう違うの?
- 照度とはどう違うの?
- 光束とはどう違うの?
上記のような悩みを解決します。
照明器具に関する用語として光度をはじめ、輝度や照度や光束など様々な単語がありますよね。それぞれは明確に違うものでありながら、その違いが分かりにくい分野でもあります。
照明関係の仕事をするなら、必須の知識になってきますので、正しい知識を身につけましょう。
この記事ではなるべく分かりやすい表現で説明するので、誰でも理解しやすい内容となっていますのでご安心ください。
光度とは?
光度とは、結論「一方向に対する光の強さ」です。
車のヘッドライトをイメージしてみてください。ヘッドライトは前に対しては強い光を放ちますが、後ろに対しては光を放っていませんよね。
通常の照明器具の場合、一方向ではなく全体的に光を放ちますよね。よって光度という単語は、通常の照明器具には使われることの少ない単語でもあります。どちらかといえば照度という単語を使ったりしますね。(違いは後ほど解説)
具体的には車のヘッドライトや投光器など、一方向に対する光が強い場合に使用される単語です。照らされる物にどれだけの光が当たるか?というのを想像するのも良いかもしれませんね。
具体的な光源と光度は下記のようなものが挙げられます。
光度の具体例
- 太陽:2.8×10の28乗cd
- 蛍光ランプ15W:80cd
- LED電球6.9W:160cd
- Hf蛍光ランプ32W:360cd
- メタルハライド3600W:1110cd
光度の単位
光度と類似用語の単位
- 光度:cd(カンデラ)
- 輝度:cd/m-2乗
- 照度:lux(ルクス)
- 光束:lm(ルーメン)
光度の求め方
光度の求め方は、結論「 I = dF / dω」です。
まず大前提として、光度とは「一方向に対する光の強さ」です。光の強さは光束ですから、分子には光束であるFが入ってきます。そして一方向という要素を入れる必要がありますから、立体角であるωが入ってきます。
「光度=光束 / 立体角」というのが超大枠の考え方です。
立体角という概念に覚えのない方もいると思います。立体角の定義は下記です。(Wikipediaよりそのまま引用)
立体角とは、二次元における角の概念を三次元に拡張したものである。 われわれに馴染みの深い平面上における角とは、平面上の一点から出る二つの半直線によって区切られた部分のことをいい、この2半直線の開き具合を角度という。
要点は2つありまして、一つ目は「三次元の概念であること」二つ目は「開き具合の角度であること」です。
車のヘッドライトはどう考えても二次元ではなく三次元ですよね。二次元と同じ単位を使うと話がおかしくなってしまうので、通常通りの角度は採用されません。
では立体角をどう求めるのかというと「ω= S / r 2乗」という公式を使用します。
一方向といっても表現がざっくりしすぎですが、要するにどれだけの開き具合か?という話になります。光の強さを開き具合で割れば光度を出せます。
超簡単な数字を使って考えてみましょう。光束が300lmだったとして、開き具合が30°だったとしたら、1°あたりの光束(光の強さ)は10lmになりますよね。このような考え方をします。
もう一度、光度の公式についてまとめます。
光度を求める公式I = dF / dω
- I:光度(cd)
- dF:光束(lm)
- dω:立体角(sr)
光度と輝度の違い
光度と輝度の違いは、結論「光の強さか?人が感じる明るさか?の違い」です。
まず輝度とは、人が光源を見た時の光の強さになります。強い光源を見た時を想像してみてください。遠くから見たらそこまでまぶしくありませんが、近くから見たら眩しいですよね。前者と後者では輝度が変わっています。
要するに観測者がまぶしいと感じるか否かです。遠くから見ればまぶしくないので、輝度は小さい。近くから見ればまぶしいので、輝度は大きいという考え方をします。
具体的には、輝度の求め方を考えれば納得のいく部分かなと思います。
光度については先ほど説明した通り。面積の部分が肝です。面積が分母に来ているので、面積が大きくなればなるほど輝度は小さくなりますよね。逆に、面積が小さくなればなるほど輝度は大きくなります。
先ほど近くで観測した場合と遠くで観測した場合の話をしましたよね。
近くで観測すれば光は発散せずに収束します。公式で言うなら面積が狭いので輝度は高くなります。対して遠くで観測すれば光は発散し、面積は大きくなります。よって輝度が低くなるという訳です。
要するに人が観測する光の強さが輝度であり、一方向に対する光の強さが光度になります。
光度と照度の違い
光度と照度の違いは、結論「一方向に対する光か?面の明るさか?の違い」です。
まず照度とは、照明器具によって照らされた面の明るさを指します。
照明器具を床に近付ければ近付けるほど、床面は明るくなります。この場合、照度は大きくなります。逆に照明器具を床から話せば、床面は暗くなり、照度が小さくなるという考え方です。
照度は下記のような要因によって、変動します。
照度を決める要因
- 床面積
- 光束
- 照明器具の数
- 照明率
- 保守率
この中だと照明率と保守率が聞きなれない部分だと思いますので、詳しく解説していきます。
照明率は要するに「反射率」と考えましょう。光は床や壁や天井で反射します。反射すればするほど、光は持続しますから照度は増していきます。対して、反射率(照明率)が低くなれば反射するときに光が損し、照度が悪くなってしまうんです。
保守率は照明器具の経年劣化を考慮した数字です。
照明器具にも寿命がありますから、最初の明るさを100%持続し続けることができる訳ではありません。徐々に暗くなっていきなす。
本来の照明器具の何%を出せているか?が保守率です。
光度と光束の違い
光度と光束の違いは、結論「一方向に対する光の強さか?照明器具そのものの光の強さか?」です。
まず光束は、照明器具そのものの光の強さを指します。誰かが観測する訳でもなく、一方向に対するものでもなく、照明器具本体の光の強さです。
対して、光度は一方向に対するものですので、全然話が違いますよね。
光度に関する情報まとめ
光度に関する情報まとめ
- 光度とは:一方向に対する光の強さ
- 光度の単位:cd(カンデラ)
- 光度の求め方:I = dF / dω
- 光度と輝度の違い:光の強さか?人が感じる明るさか?の違い
- 光度と照度の違い:一方向に対する光か?面の明るさか?の違い
- 光度と光束の違い:一方向に対する光の強さか?照明器具そのものの光の強さか?
以上が光度に関する情報のまとめです。
一通り光度の基礎知識は網羅できたと思います。
似たような単語は多いですが、特に光束については必ず押さえておいた方がいいです。下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。それでは。