仮設道路とは?種類、幅員、構造、設計、道路使用許可、注意点など

  • 仮設道路ってそもそも何のこと?
  • 幅員はどれくらい必要?
  • 路盤の厚みってどう決めるの?
  • 敷鉄板・敷砂利の使い分けは?
  • 道路使用許可って必要なの?
  • 仮設道路の計画で失敗する典型パターンを知りたい

上記の様な悩みを解決します。

仮設道路とは、結論「本工事を進めるために、工事中だけ使うために設ける道路」のことです。「仮」とはいえ、ダンプ・重機・コンクリミキサー車が出入りする生命線の動線。ここを甘く計画すると、本工事全体が止まる事態になります。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

仮設道路とは?

仮設道路とは、工事を遂行するために一時的に設ける道路のことです。建設機械・運搬車両・作業員の移動を支える役割を担い、工事完了後には撤去・原形復旧されます。

仮設道路には大きく分けて2種類あります。

  • 現場内仮設道路:工事現場の敷地内に設ける道路。造成現場・大規模建築現場・ダム建設現場・トンネル工事の坑外進入路など。
  • 公道工事用通路(公道占用型):公道の一部または隣接地を借用して設ける、工事用の通路。

両者で適用される法律・許可の手続きが大きく違います。「現場内」なら基本的に発注者・元請の判断で計画できますが、「公道占用」となると道路管理者(自治体・国交省)と警察への許可申請が必要です。

仮設道路は「仮」とは付いていますが、品質が悪いと本工事の進捗にダイレクトに響きます。「ダンプがスタックして1日工程が止まった」「沈下で構造物が傾いた」みたいな事態は、仮設道路の計画ミスから起きます。

仮設道路の種類

代表的な仮設道路を、用途・構造別に整理します。

種類 主な用途 構造の特徴
砂利道(クラッシャラン敷) 一般的な造成現場・建築現場 路床整正+砕石100〜300mm
敷鉄板道 軟弱地盤・短期使用 路床上に敷鉄板を直敷き
砂利+敷鉄板併用 重車両通行で支持力不足の箇所 砕石路盤+部分的に敷鉄板
アスファルト舗装仮設道 長期使用・公道接続部 簡易As舗装
横断構台 河川・既存道路を仮にまたぐ 鋼製仮設構造物
工事用桟橋 軟弱地盤・水中での重機通路 H鋼杭+鋼製デッキ
鋼板敷鉄板(覆工板) 公道掘削部の仮復旧 矢板枠内に敷鉄板を敷く

最も多用されるのは「砂利道」と「敷鉄板道」、そしてその併用です。

砂利道:クラッシャランなどの砕石を路盤として敷く方法。コストが安く、撤去・復旧も比較的容易です。

敷鉄板道:路床に直接敷鉄板を並べる方法。設置・撤去が早く、工事の中盤で動線変更したい時に強いです。地盤との接触面で支持力が出るので、軟弱地盤でも一定機能します。

工事用桟橋:軟弱地盤や河川敷で、地盤改良ではなく上部構造で重機通路を作る方法。橋梁工事や河川工事で頻出します。

仮設道路の幅員と構造

仮設道路の幅員と構造の決め方を整理します。

幅員

通行する車両の幅と離合(すれ違い)の有無で決まります。一般的な目安は以下。

用途 必要幅員の目安
一方通行のみ(離合なし) 4.0〜4.5m
ダンプの離合あり 6.0〜8.0m
大型ダンプ・トレーラ離合 8.0〜10.0m
重機回送車・特殊車両 個別検討(10m以上)

「離合場所」だけ部分的に拡幅して、全体は単線幅員で済ませるパターンも一般的です。

路盤厚

路盤厚は、通行車両の重量と地盤の支持力で決まります。基本は以下の3要素を勘案。

  1. 設計交通量(1日あたりのダンプ通行台数)
  2. 路床のCBR値N値からの推定でもOK)
  3. 使用期間(短期なら薄め、長期なら厚め)

実務的な目安としては、CBR3〜5%程度の路床に対して以下程度が一般的。

用途 路盤厚(クラッシャラン)
軽量機械の通路 100〜150mm
ダンプ・通常車両 200〜300mm
大型重機・コンクリ車 300〜500mm
特殊重量車(大型クレーン回送等) 500mm以上+敷鉄板

軟弱地盤では、サンドマット(砂置換)+ジオテキスタイル(土木シート)+砕石路盤の3層構造で支持力を確保するパターンも多いです。

勾配

仮設道路の縦断勾配は、ダンプが空荷・積載時いずれでも安全に走行できる範囲に収めます。一般的に最大10〜12%が現場内の限度。これより急な箇所はターンテーブルで方向を変えるなど、現場ごとの工夫が必要です。

排水勾配も忘れずに。仮設道路上に水が溜まるとぬかるんで通行不能になるので、横断勾配(路面の左右の傾き)2〜3%程度を確保します。

道路使用許可と占用許可

公道に関連する仮設道路では、以下2つの許可が必要です。

道路使用許可(警察)

道路交通法第77条に基づく許可。「工事のために道路を一時的に使用する」という行為に対する許可で、所轄警察署の交通課で申請します。許可期間は数日〜数か月単位で、期間が長い場合は更新申請が必要。

申請には施工計画書、交通規制図(誘導員配置・標識設置場所等)、工程表、保安要員配置計画などが必要です。

道路占用許可(道路管理者)

道路法第32条に基づく許可。「公道に工作物・施設を設置して継続的に占用する」という行為に対する許可。道路管理者(国土交通省・都道府県・市町村)に申請します。

仮設の歩道・覆工板・足場・仮囲い・架空配線などは、道路占用許可が必要なケースが多いです。

両者の関係は「占用許可は使用に先行する」が一般的。占用許可を取った後、占用行為が伴う使用について道路使用許可を取る、という順序です。

申請から許可までは、内容にもよりますが数週間〜2か月程度を見込みます。施工開始の余裕を持って準備するのが鉄則です。

仮設道路の計画・施工での注意点

最後に、現場で気を付けるべき5つのポイント。

1. 「仮」の認識を捨てる

仮設道路を「仮だから安く・早く」と考えると、必ず痛い目を見ます。本工事の動線を支える生命線という認識で、本工事に準じる品質管理が必要です。「仮設工はやり直しが効くから」と気を抜くと、結局やり直しに時間と金を取られます。

2. 沈下・排水のセットで設計する

軟弱地盤上の仮設道路は、必ず沈下します。沈下で勾配が崩れ、排水が悪くなり、ぬかるんで使えなくなる、という連鎖。サンドマット・ジオテキスタイル等の地盤補強と排水溝の組合せで、初期からセット設計するのがコツです。

3. 重機の旋回・退避スペースを盛り込む

ダンプの転回スペース、重機の置き場・退避場所を仮設道路計画に組み込みます。「ダンプがバックで侵入できない」「ローラーが退避できず本工事をブロックしてる」みたいな事態は典型的な計画ミスです。

4. 雨天時のスタック対策

長雨が続くと、仮設道路は最も先にダメになる場所です。雨天対応として「敷鉄板の追加敷き」「砕石の補充プラン」「やむを得ない時の代替動線」を予め準備しておきます。

5. 撤去・復旧の費用と工程を計画に入れる

仮設道路は最終的に撤去します。撤去費用・復旧費用、撤去のための工程、原状復旧の検査などが意外と工数を食います。計画段階でこれらの工程を盛り込まないと、最終工程が圧迫されます。

仮設計画施工計画書に仮設道路の項目を必ず明記し、発注者・元請の承認を得てから着工する流れが原則です。

仮設道路に関する情報まとめ

  • 仮設道路とは:工事中のみ使う一時的な道路、本工事の動線を支える生命線
  • 種類:現場内仮設道路(砂利道・敷鉄板道・併用)、公道工事用通路、工事用桟橋
  • 幅員:単線4.5m、ダンプ離合6〜8m、特殊車両は個別検討
  • 路盤厚:交通量×CBR×使用期間で決定。クラッシャラン100〜500mm程度
  • 公道関連許可:道路使用許可(警察)と道路占用許可(道路管理者)
  • 注意点:「仮」と思わず本工事品質、沈下と排水のセット設計、旋回スペース、雨天対策、撤去工程

以上が仮設道路に関する情報のまとめです。

仮設道路は「準備工程」のように見えますが、本工事の進捗を左右する超重要な要素。これがしっかりしている現場は本工事もスムーズで、これが甘い現場は雨が降るたびに工程が止まる。「仮設で勝負が決まる」と言っても言い過ぎではないです。合わせて仮設計画N値排水勾配施工要領書安全パトロールあたりも読んでおくと、仮設関連の知識が網羅的に組み上がります。

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