- 建築のアンカーとは?
- インサートとはどう違うの?
- どんな種類があるの?
- 施工方法について知りたい
- 新築工事で使えないってホント?
- 有資格作業なの?
上記の様な悩みを解決します。
この記事ではアンカーとは?といったところから、インサートとの違い、種類、施工方法、新築で使えるか否か、有資格作業か否かについて解説します。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
建築現場のアンカーとは?
建築現場におけるアンカーとは「固定するための部品」です。
例えばケーブルラックを施工する時に用いられます。ケーブルラックは天井から固定します。となると天井からボルトを垂らして、そこにケーブルラックを取り付けなければなりません。
天井からボルトを垂らすには、ボルトを天井に固定しなければなりませんよね。
アンカーは直訳すると「いかり」の意味です。船なんかでありますよね。
要は対処のものが動かないよう固定するものです。建築現場においては、アンカーボルトなどを固定する目的で使用されます。
アンカーとインサートの違いは?
違いが分かりにくいのが、アンカーとインサートです。
インサートも似たような働きをしますから、間違えやすいポイントかもしれません。というか働き自体は全く同じかもしれません。
アンカーとインサートの違いは、コンクリート打設する前に施工するのか?打設した後に施工するのか?の違いです。
アンカーとインサートの違い
- コンクリート打設前に施工するのがインサート
- コンクリート打設後に施工するのがアンカー
アンカーとGoogleで検索すると「アンカー」ではなく「あと施工アンカー」に関する記事が多数出てくると思います。
そもそも、あとから施工するのがアンカーなんですよ。つまり前施工アンカーはインサートということになりますね。
建築現場のアンカーの種類とは?
金属系アンカー
金属系アンカーはその名の通り、「金属製のアンカー」のことです。
一番汎用的に利用されているのが、金属系のアンカーになります。現場でアンカーといったらだいたい金属系のアンカーだったりします。
ケミカルアンカーと比較すると強度はそこまで強くありません。重さもありますし、施工性も大して良くはありません。
ただ、値段は安いですし最低限の働きをしてくれますので、一番汎用的に使われているといった感じですね。
ケミカルアンカー
ケミカルアンカーは、その名の通り「化学薬品を用いたアンカー」のことです。
他のアンカーと比較すると、強度が強い傾向にあります。穴にケミカルアンカーを突っ込んで、刺激を与えると中のカプセルが破裂して、化学薬品が飛び出して固定されるといった仕組みです。
あと施工アンカーはドリルでガンガンやらなきゃいけなかったりしますし、金属系のアンカーも施工が面倒です。対してケミカルアンカーは施工するのが楽だったりします。
また、金属ではなく液体なので軽いです。持ち運びが楽ですね。
強度も強く、施工性も良い。加えて軽いとなると欠点が見当たらないように見えますよね。全現場、全部ケミカルでええやんって思うかもしれません。
欠点としては、値段は高いことが挙げられます。
金を稼ぐために施工する訳ですから、値段は無視できません。極力使わないようにするのがベターだったりします。
その他のアンカー
金属系アンカー・ケミカルアンカーがメインですが、一応それ以外のアンカーも存在します。
「このタイミング専用のアンカー」とか「この部材専用のアンカー」とか、あまり汎用的ではないですがちょくちょく使われたりするものがあるんです。
具体的には下記のようなものが挙げられます。
アンカーの種類
- プラスチックアンカー
- ALCアンカー
- 壁用アンカー
- 石膏ボードアンカー
建築現場のアンカーの施工方法は?
アンカーの施工方法は、一言で言えば「穴を開けて、そこにアンカーを突っ込む」です。
まずアンカーを施工するには、アンカーが収まる穴がなければなりませんよね。ドリルで天井にドカドカと穴を開けます。
コンクリートを削るわけですから、砂がめちゃくちゃ落ちてきます。自分の真上で使ってしまうと、粉を被りまくることになるので注意が必要です。
穴が開いたら、アンカーを突っ込みましょう。
奥までアンカーを差し込んで、ドライバーで強く奥に差し込みます。金属系のアンカーは強くやって大丈夫ですが、ケミカルアンカーは強くやりすぎないよう注意が必要です。
また、垂らすボルトには複数の規格があります。M10とかM12とかですね。
そのボルトと適合しなければアンカーは何の役にも立ちません。
あと施工アンカーは新築工事で使えない?
建築基準法によると、新築工事ではあと施工アンカーを使えません。改修工事なら使えますが、新築工事ではそうではありません。
インサートで対応できるんだから、アンカー使う必要ないよねって話です。そもそもインサートを完璧に打ち込んでおけば、アンカーを使う必要無いですからね。
アンカーを施工するとなると、コンクリートを削る訳ですので必然的に耐震強度は弱くなります。一個だけならまだしも、各地でガンガン開けまくったら大変です。
そんなこんなで新築ではあと施工アンカーは禁止になってますが、その実情はガンガン使ってます(笑)。
施工する人としては「新築工事ではあと施工アンカーを使ってはいけない決まりがある」ということくらいは頭の片隅においておくようにしましょう。
あと施工アンカーって有資格作業?資格あるの?
結論、あと施工アンカーは有資格作業ではありません。
資格がない状態で施工したとしても、法律上違法にはなりません。
ただ、資格があった方がベターであるのは間違い無いです。「JCAA 日本建築あと施工アンカー協会」という何とも存在意義が不明な団体があるのですが、そこが民間資格としてアンカーの資格を提供しています。国家資格では無く、民間資格です。
アンカー資格の種類
- 第2種あと施工アンカー施工士
- 特2種あと施工アンカー施工士
- 第1種あと施工アンカー施工士
- あと施工アンカー技術管理士
この資格を取得するには、講習会へ出向いて勉強をしなければなりません。そこであと施工アンカーについて勉強するので、職人としてのレベルは上がります。
アンカーの資格があっても、ダメな施工をする人はいます。
アンカーの資格がなくても、良い施工をする人はいます。
ただ割合の問題でして、アンカーの資格を持っているなら講習会へ行っているということですので、必然的に良い施工をする人の割合は増えます。
建築現場のアンカーを作ってるメーカー
アンカーを作ってるメーカー
- サンコーテクノ
- 泰生工業
- エイ・ワイ・ファスナー
- サン・ライズ工業
上記のような会社がアンカーを作っています。
ぶっちゃけ、各メーカー毎の違いというのは無いです。
その辺はどこの代理店を使っているか?や、後は好みの問題ですので、あまりメーカー名自体は気にしなくてもいいかなと思います。
建築のアンカーに関する情報まとめ
建築のアンカーに関する情報まとめ
- 建築のアンカーとは:固定するための部品
- インサートとの違い:コンクリート打設前か?後か?
- 種類:金属系アンカー、ケミカルアンカー、その他
- 施工方法:ドリルを穴を開け、アンカーを差し込む
- 新築工事で使えるか否か:使えない
- 有資格作業か否か:有資格作業ではない
以上が建築のアンカーに関する情報まとめです。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。
アンカー打設は有資格作業ではありませんが、アンカーの資格を持っておくことは非常にオススメできます。合わせて資格に対する知識も抑えておきましょう。
下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。