ゼネコンの年収ランキング|平均年間給与で比べる社別と規模別の目安

ゼネコン各社の年収は、有価証券報告書の「平均年間給与」で比べられます。2026年3月期は鹿島建設の1,245万円(1万円未満切り捨て)が最も高く、有価証券報告書で確認できた11社は917万円〜1,245万円でした。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和7年)では、建設業の企業規模1,000人以上の年収の目安は約787万円、10〜99人は約470万円です。社別と規模別の差を出典つきで並べます。

  • ゼネコンの平均年収って、実際いくらなの?
  • ランキングでよく見る数字って、どこから持ってきてるの?
  • スーパーゼネコンは本当に1,000万円を超えてるの?
  • 竹中工務店の年収が載ってないのはなんで?
  • その平均って、事務の人も残業代も全部入ってる?
  • うちみたいな中堅・中小だと、大手とどれくらい差があるの?
  • 20代だとどのくらい?何歳あたりが一番高い?
  • 施工管理と設計と事務で、年収ってどれくらい違うの?
  • 求人票の想定年収とネットの平均年収、並べて見て大丈夫?

上記の様な悩みを解決します。

ゼネコンの年収を調べると、平均年収の数字はいくつも見つかります。ただ、数字どうしを比べるには、それが何年何月期のどの資料の値なのか、平均に誰が含まれているのかを先に押さえておく必要があります。今回は社別ランキング・規模別・年代別といった基本を押さえた上で、「有価証券報告書の平均は会社ごとに母集団が違う」「施工管理という職種の年収は公表統計に出てこない」という、数字の読み方の部分まで施工管理の目線で整理しました。

なるべく出典つきの数字だけで記事をまとめていくので、ネットのランキングに振り回されたくない方にも、自分の年収を照らし合わせやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

有価証券報告書で確認できた11社の年収ランキング(2026年3月期)

2026年3月期の有価証券報告書で平均年間給与が高いのは、鹿島建設・大林組・大成建設の順で、この3社は1,191万〜1,245万円台でした。出典は各社の有価証券報告書「従業員の状況 ②提出会社の状況」で、決算期はいずれも2026年3月期(自2025年4月1日 至2026年3月31日)、提出日は2026年6月です。

ネットで会社別の年収を見かけたときも、僕はまずこの欄の値と決算期を突き合わせるのが確かだと考えています。比べるときは「何年何月期の値か」を最初に確かめてください。

順 会社 平均年間給与(万円) 平均年齢 平均勤続年数 対前事業年度増減率
1 鹿島建設 1,245.4 41.2歳 15.7年 5.1%
2 大林組 1,239.3 42.0歳 15.9年 8.7%
3 大成建設 1,191.0 42.3歳 17.0年 12.6%
4 安藤ハザマ 1,063.3 46.3歳 17.2年 5.8%
5 西松建設 1,061.8 43.8歳 18.9年 8.9%
6 清水建設 1,043.1 43.7歳 16.1年 5.9%
7 長谷工コーポレーション 1,039.9 39.4歳 14.7年 △1.7%
8 戸田建設 1,038.2 44.27歳 18.35年 10.33%
9 東急建設 1,027.7 43.5歳 18.0年 15.6%
10 五洋建設 935.8 41.3歳 16.7年 1.14%
11 熊谷組 917.9 44.0歳 18.6年 8.1%

※出典:各社の有価証券報告書(2026年3月期・2026年6月提出)「従業員の状況 ②提出会社の状況」。平均年間給与は、有報に円または千円で記載された値を万円に換算し、小数第2位以下を切り捨てた算出値です(例:鹿島建設 12,454,406円→1,245.4万円)。平均年齢・平均勤続年数・増減率は有報の記載のまま。安藤ハザマは株式会社安藤・間。

4〜9位の6社は1,027万〜1,063万円台に固まっていて、4位の安藤ハザマ(1,063.3万円)と5位の西松建設(1,061.8万円)の差は算出値で1.5万円です。10位の五洋建設と11位の熊谷組は917万〜935万円台でした。

去年より上がったかは、表の右端の「対前事業年度増減率」で分かります。11社のうち10社がプラスで、東急建設の15.6%、大成建設の12.6%が大きく、長谷工コーポレーションだけが△1.7%でした。

三井住友建設は、今回の確認では2026年3月期の有価証券報告書を確認できなかったため、表と順位に入れていません。確認できた直近の値は2025年3月期の8,933千円(算出値で893.3万円)で、決算期が違うので上の11社とは並べないでください。

この11社の並びは、各社の平均に含まれる人や手当の範囲がそろっていない値どうしの並びです。何が違うのかは次の章で整理します。各社の決算そのもの(売上や利益)を追いたい場合は、ゼネコンの決算の読み方にまとめています。

有報の平均年間給与は「誰の平均か」が会社ごとに違う

有価証券報告書の平均年間給与は、その会社単体(提出会社)の従業員の平均で、職種も役割もまたいだ1つの値です。施工管理だけの平均でも、全員の平均でもなく、どこまでを数えたかは注記に会社ごとに書かれています。

まず「平均に何が入っているか」は、各社の注記でそろっていません。鹿島建設は「平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいる。」(鹿島建設 有価証券報告書・2026年3月期)と書き、大林組・大成建設・西松建設・五洋建設なども同じ趣旨の注記です。一方で清水建設は「平均年間給与は、期末手当及び諸手当を含んでおります。」(清水建設 有価証券報告書・2026年3月期)という書き方です。

「基準外賃金」に残業代が入るかどうかは、注記の中で定義されていません。なので僕は「残業代込みの金額」と言い換えずに、注記の言葉のまま読むのが安全だと考えています。

次に「誰の平均か」も会社ごとに違います。注記で確かめておきたいのは次の点です。

  • 清水建設:「平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与は、契約社員199人を除く従業員11,235人の状況」を記載
  • 鹿島建設・大成建設:表の従業員数とは別に、出向者等を含めた在籍者数(鹿島建設9,334人、大成建設9,652人)が注記されている
  • 戸田建設:平均年間給与は「当事業年度に支給した実績に基づくもの」で、別の列に「総合職・エリア総合職平均年間給与」10,660,033円がある
  • 安藤ハザマ・東急建設:平均勤続年数は旧会社の勤続を通算した値(安藤ハザマは旧ハザマ・安藤建設、東急建設は(旧)東急建設を含む)

もう1つ見落としやすいのが平均年齢です。11社の平均年齢は、長谷工コーポレーションの39.4歳から安藤ハザマの46.3歳まで開いています。平均年齢が高い会社は、年代の高い人の給与が平均を押し上げている可能性があるので、僕は年収と平均年齢をセットで見るようにしたほうがいいと考えています。

竹中工務店については、確認した公表ページ(キャリア採用「数字でみる働く環境」「数字で知る竹中工務店」「3分で知る竹中工務店」新卒募集要項)に平均年収・平均年間給与の記載はありませんでした。確認したページで公表されていたのは平均勤続年数18.4年・従業員平均年齢43.3歳(2024年実績)で、時点が違うため上の表には並べていません。

会社の規模で比べると、1,000人以上と10〜99人で約1.67倍

建設業の年収の目安は、企業規模1,000人以上が約787万円、10〜99人が約470万円で、算出値の比は約1.67倍です。出典は厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の一般労働者、産業「D 建設業」、企業規模別・男女計・学歴計(民営事業所)の年齢計の値です。

統計には「年収」という項目が無いので、ここでは所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で年収の目安を出しています(算出値)。年齢計の値は次のとおりです。

  • 企業規模計(10人以上):約556万円(555.90万円)
  • 1,000人以上:約787万円(786.54万円)
  • 100〜999人:約604万円(604.05万円)
  • 10〜99人:約470万円(470.24万円)

この算出値には、残業代などに当たる超過労働給与が入っていません。前の章の有価証券報告書の平均年間給与は、多くの会社が注記で賞与及び基準外賃金を含むとしている値なので(清水建設の注記は期末手当及び諸手当を含む)、2つは同じ物差しではありません。「1,000人以上の約787万円より有報の11社のほうが高い」といった比べ方はしないでください。

もう1つ大事なのは、これは建設業の会社を従業員数で分けた値で、「ゼネコン」「中堅」「中小」の区分ではないことです。ゼネコン以外の建設業の会社も同じ規模の欄に入りうるので、ゼネコンだけの値として読まないようにしてください。

約1.67倍という差も、会社の規模だけで生まれた差とは言い切れません。同じ表の年齢計では、1,000人以上の平均年齢43.3歳・平均勤続年数16.6年に対して、10〜99人は46.3歳・12.2年、100〜999人は45.2歳・15.8年でした(令和7年賃金構造基本統計調査・建設業)。年齢構成や勤続の長さの違いも含んだ比です。

中小から大手に移れば年収が上がるかについても、この統計からは言えません。統計は各規模の会社で働く人の平均であって、移った人がその後どうなったかを追った数字ではないからです。僕は「規模で平均に差がある」と「自分が移れば上がる」は別の話として分けて考えるべきだと考えています。

年代別に見ると、最も高い年齢階級は規模で違う

年齢階級ごとに見ると、1,000人以上は55〜59歳の約1,109万円が最も高く、100〜999人と10〜99人は50〜54歳が最も高い階級でした。60〜64歳はどの規模でも50代より低くなっています。数値は前の章と同じ令和7年賃金構造基本統計調査(建設業・企業規模別・男女計・学歴計)からの算出値です。

企業規模 年齢計 20〜24歳 30〜34歳 40〜44歳 50〜54歳 55〜59歳 60〜64歳
企業規模計(10人以上) 555.90万円 349.51万円 498.06万円 585.63万円 670.83万円 701.21万円 584.45万円
1,000人以上 786.54万円 429.95万円 673.99万円 885.96万円 1,010.55万円 1,108.91万円 774.11万円
100〜999人 604.05万円 368.74万円 512.80万円 622.90万円 777.43万円 739.88万円 648.16万円
10〜99人 470.24万円 311.77万円 429.20万円 497.69万円 538.65万円 536.95万円 508.48万円

※出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」一般労働者・産業「D 建設業」・企業規模別・男女計・学歴計(民営事業所)。所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額の算出値で、超過労働給与(残業代など)は含みません。表は一部の年齢階級だけを抜き出しています。

20代前半から差がある

20〜24歳の時点で、1,000人以上は429.95万円、10〜99人は311.77万円でした。差は入口から出ていて、40〜44歳では885.96万円と497.69万円まで開きます。

最も高い年齢階級

表に載せていない階級も含めた同じ表の中で比べると、企業規模計と1,000人以上は55〜59歳、100〜999人は50〜54歳(777.43万円)が最も高い階級です。10〜99人は50〜54歳が538.65万円、55〜59歳が536.95万円で、50代はほぼ横ばいと見るのが実態に近いと思います。

60〜64歳は下がる

60〜64歳は、どの規模でも50〜54歳・55〜59歳より低い値でした。下がり幅は1,000人以上が大きく、55〜59歳の1,108.91万円から774.11万円になっています。

下がる理由は統計には書かれていません。僕は役職を離れる時期や定年後の雇用形態の切り替えが重なる年代だからではないかと考えていますが、これは数字から読み取れる事実ではなく、あくまで見立てです。

施工管理・設計・事務の年収差は、ゼネコン内では公表データで比べられない

ゼネコンの中で施工管理・設計・事務の年収を職種別に比べられる公表データは、確認できた範囲では見つかりませんでした。有価証券報告書の平均年間給与は職種別に分かれておらず、賃金構造基本統計調査には「施工管理」という職種名がありません。

有価証券報告書のほうは、1社につき1つの平均です。戸田建設には「総合職・エリア総合職平均年間給与」の別列がありますが、これは期間の定めなく基幹業務に従事する人という働き方の区分で、施工管理や設計といった職種の区分ではありません。

賃金構造基本統計調査の職種(小分類)には、「建築技術者」「土木技術者」はありますが、施工管理にあたる職種名は表中にありません。参考までに令和7年の産業計(建設業に限らない)・企業規模計・男女計の値を同じ式(所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額)で出すと、建築技術者は620.61万円(平均年齢43.4歳・勤続12.9年)、土木技術者は584.39万円(平均年齢46.0歳・勤続13.4年)です。建設業以外の会社の技術者も入った値で、ゼネコンの施工管理の年収ではありません。

求人票の想定年収と、有報の平均年間給与を並べて比べるのも注意が要ります。求人票は特定のポジションと条件の金額で、有報は会社全体の平均です。僕は、転職先を比べるなら、求人票の年収の内訳(基本給・賞与・手当・残業代の扱い)を確かめて、自分の今の内訳と同じ項目どうしで並べるのがいちばん確かな比べ方だと考えています。

施工管理の現場監督が具体的にどんな仕事を担うかは現場監督の仕事の整理に、土木の施工管理技士の年収の話は土木施工管理技士の年収にまとめています。実際に転職先を比べる段階なら、施工管理向けの転職サービスの比較で、サービスごとの違いを先に押さえておくと選びやすくなります。

「スーパー」「準大手」は国交省資料の図にある区分で、年収の基準ではない

ゼネコンの規模の区分には、年収で線を引いた公的な基準は確認できた範囲ではありません。国土交通省の資料に規模別の区分を示した図はありますが、それは会社数の目安を示した図で、定義文ではありません。

その図は、国土交通省 i-Construction推進コンソーシアム 第7回企画委員会の資料「i-Constructionが今後注力すべき取組について」(2021年6月7日)p.4にあります。Aランク「全国大手ゼネコン」約30社のうち「完工高9000億円超」が4社(「大成、鹿島、清水、大林の4社」)、Bランク「地域ブロックを地盤とする」「準大手ゼネコン」約100社、Cランク「地域(都道府県)を地盤とする中堅ゼネコン」約5,900社、Dランク「地域(複数の市町村)を地盤とする中小ゼネコン」約1.1万社という並びです。「完工高9000億円超」は4社に付いた文言で、Aランク全体の基準ではありません。また「スーパーゼネコン」という語は、この資料には出てきません。

区分の考え方そのものはゼネコンとは何かの記事で扱っています。各区分の会社の顔ぶれはスーパーゼネコン・準大手ゼネコン・地場ゼネコンの各記事、元請と下請の関係はゼネコンとサブコンの違いで確かめてください。

ゼネコンの年収に関する情報まとめ

  • 社別ランキング:2026年3月期の有価証券報告書で確認できた11社は917.9万〜1,245.4万円(算出値)で、鹿島建設・大林組・大成建設が上位
  • 有報の読み方:平均は提出会社の従業員の値で、手当の範囲や対象者が注記で会社ごとに違う。竹中工務店は確認した公表ページに平均年収の記載なし
  • 規模別:令和7年の建設業で、企業規模1,000人以上は約787万円、10〜99人は約470万円(超過労働給与を含まない算出値)。比は約1.67倍で、年齢・勤続の違いも含む
  • 年代別:1,000人以上は55〜59歳、100〜999人は50〜54歳が最も高く、10〜99人は50代でほぼ横ばい。60〜64歳はどの規模も50代より低い
  • 職種別:ゼネコン内の施工管理・設計・事務の年収を比べられる公表データは確認できず、統計にも「施工管理」の職種名は無い
  • 区分:国交省資料(2021年6月7日)の図はA〜Dランクの社数の目安で、年収の基準ではない

以上がゼネコンの年収に関する情報のまとめです。

ゼネコンの年収は、数字そのものより「どの資料の、何年何月期の、誰の平均か」で見え方が大きく変わります。ネットのランキングを見かけたら、まず決算期と出典を確かめ、自分の年収と比べるときは賃金構造基本統計調査の同じ規模・同じ年代の値を目安にする。その上で、実際に動くかどうかは求人票の内訳で判断する、という順番がいちばんブレにくいと僕は考えています。

転職を具体的に考え始めたら、施工管理の転職サービスを比べた記事から、自分に合う探し方を確かめてみてください。

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