空気量とは?コンクリートの基準、測定方法、AE剤、許容差など

  • コンクリートの空気量ってそもそも何のこと?
  • 標準値は何%?基準を知りたい
  • 空気量が多いとダメなの?少ないとどうなる?
  • なんでわざわざ空気を入れるの?
  • エントレインドエアとエントラップトエアの違いは?
  • AE剤って何をしてるの?
  • 空気量ってどうやって測るの?
  • 受入検査で空気量が範囲外だったらどうする?
  • 冬と夏で空気量って変わるの?
  • 試験にも出るけど、現場でも使う知識?

上記の様な悩みを解決します。

コンクリートの空気量は、受入検査でスランプと並んで毎回測る基本項目です。ただ「なぜわざわざ空気を入れるのか」「範囲外だったらどう判断するのか」まで説明できる人は意外と少ない。数値を暗記するだけだと、荷卸しの現場で空気量が基準を外れたときに動けません。今回は空気量とは何か、標準値と許容差、空気が果たす役割といった基礎を押さえた上で、強度とのトレードオフや受入検査での判断まで、実務目線で整理しました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

コンクリートの空気量とは?

コンクリートの空気量とは、結論「フレッシュコンクリートの体積に占める、空気泡の容積の割合(%)」のことです。

生コンの中には、目に見えないレベルの微細な空気の泡がたくさん含まれています。この空気が全体積の何%を占めるかを表したのが空気量です。標準的な現場打ちコンクリートでは、この値がおおむね4.5%前後になるように管理されます。

ここで大事なのが、空気には2種類あるという点です。ひとつは「エントレインドエア(連行空気)」で、AE剤という混和剤で意図的に連行した独立した微細な気泡。もうひとつが「エントラップトエア(巻き込み空気)」で、練混ぜのときに自然に入ってしまう大きめの不定形な気泡です。品質改善に役立つのは前者の微細な独立気泡で、後者は単なる欠陥に近いもの。空気量として狙って管理するのは、基本的にエントレインドエアの方です。

「空気を入れると強度が下がるのでは?」と思うかもしれませんが、適量の微細な空気には耐凍害性やワーカビリティの向上といったメリットがあり、そのトレードオフを取ったうえで4.5%前後という標準値が設定されています。

コンクリートそのものの基礎を先に押さえておくと、空気量の位置づけが分かりやすくなります。

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僕としては、空気量は「入れないより、微細なのを適量入れた方が長持ちする」という発想がキモだと思っています。空気=悪、ではなく、独立した小さい泡を狙って入れることでコンクリートを凍害から守る。この「良い空気と悪い空気がある」という感覚を持っておくと、この後の話がすっと入ってきます。

空気量の標準値と許容差

空気量には明確な標準値と許容差があります。受入検査で合否を判断する数字なので、ここは正確に押さえておきます。

一般の普通コンクリートでは、空気量の標準値は4.5%です。JIS A 5308(レディーミクストコンクリート)では、コンクリートの種類ごとに次のように標準値が定められています。

コンクリートの種類 空気量の標準値
普通コンクリート 4.5%
舗装コンクリート 4.5%
高強度コンクリート 4.5%
軽量コンクリート 5.0%

軽量コンクリートだけが5.0%で、それ以外は基本4.5%と覚えておけば実務ではまず困りません。なお、土木のコンクリート標準示方書では、耐凍害性の観点から、粗骨材の最大寸法や凍結融解の厳しさに応じて空気量を4〜7%の範囲で設定します(粗骨材が小さく凍害環境が厳しいほど多め)。建築のJISは種類ごとの固定値、土木は環境に応じた幅、という違いを押さえておくと混乱しません。

そして受入検査で使うのが許容差です。指定した空気量に対して、許容差は±1.5%と定められています。つまり4.5%を指定した場合、3.0〜6.0%に入っていれば合格、この範囲を外れると不合格(返品対象)になります。

考え方としては、「狙い値(例:4.5%)」を指定し、「±1.5%の幅」で合否を見る、という二段構えです。ぴったり4.5%である必要はなく、幅の中に入っていればよい。逆に言えば、幅を外れたら明確にアウト、という線引きがあるわけです。

粗骨材の最大寸法は空気量だけでなく配合全体に関わる重要な条件です。

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個人的には、この「4.5%±1.5%=3.0〜6.0%」という幅を体で覚えておくのが実務では一番効くと思います。試験では標準値4.5%が問われますが、現場で効くのは許容差の方。荷卸しで測った値が3.0を切るか6.0を超えたら止める、という判断がその場でできるかどうかが大事です。

空気量が果たす役割

なぜコンクリートに空気を連行するのか。ここを理解すると、空気量を管理する意味が腑に落ちます。適量の微細な空気には、主に2つの役割があります。

微細な連行空気(エントレインドエア)の主な役割は次の通りです。

  • 耐凍害性の向上:気泡が水の凍結膨張を逃がすクッションになり、凍結融解による劣化を防ぐ
  • ワーカビリティの改善:気泡がボールベアリングのように働き、生コンが打ちやすく滑らかになる
  • ブリーディングの減少:材料分離が抑えられ、上面に浮く水が減る
  • 水密性への寄与:適度な連行で組織が安定し、施工性を保ったまま品質が上がる

一番効くのが耐凍害性です。硬化したコンクリート内部の水分が凍ると膨張して組織を壊しますが、微細な独立気泡があると、その膨張圧を気泡が吸収してくれる。だから寒冷地や凍結融解を受ける部位では、空気量の管理がとりわけ重要になります。

もうひとつのワーカビリティ向上も現場ではありがたい効果です。微細な泡が骨材の間で潤滑剤のように働くので、水を増やさずに打ちやすさを確保できる。水を増やさずに済むということは、強度を落とさずに施工性を上げられる、ということでもあります。

打ちやすさ(ワーカビリティ)そのものの考え方は、あわせて押さえておくと理解が深まります。

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ブリーディングやレイタンスの話とも密接に関わってきます。

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僕の感覚だと、空気量の役割は「耐凍害性がメイン、ワーカビリティがおまけ」と優先順位をつけて覚えるのが分かりやすいです。凍害を受けない室内のコンクリートより、外部や寒冷地の方が空気量に神経を使う、という現場感がここから出てきます。

空気量が多すぎ・少なすぎるとどうなるか

空気量は「適量」が命で、多すぎても少なすぎても問題が出ます。範囲外だったときに何が起きるかを知っておくと、受入判断に自信が持てます。

空気量の過不足で起きる問題は次の通りです。

状態 起きること 現場での影響
空気量が多すぎる 強度が低下する 空気量1%増ごとに圧縮強度が約4〜6%下がる
空気量が多すぎる 組織がスカスカに 耐久性・水密性が低下する
空気量が少なすぎる 耐凍害性が不足 凍結融解でスケーリング・ひび割れ
空気量が少なすぎる ワーカビリティ低下 打込み・締固めがしにくくなる

特に押さえたいのが、空気量と強度のトレードオフです。空気量が1%増えると、圧縮強度はおよそ4〜6%低下すると言われています。空気を入れれば耐凍害性は上がるけれど、入れすぎると今度は強度が犠牲になる。だから「適量」に幅を持たせて管理しているわけです。

逆に空気量が少なすぎると、耐凍害性が確保できず、寒冷地では表面がボロボロ剥がれるスケーリングや、内部のひび割れにつながります。打ちにくくもなるので、締固め不足で豆板(ジャンカ)が出るリスクも上がります。

強度がばらつく要因を整理しておくと、空気量の影響も位置づけやすくなります。

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実務だと、この強度トレードオフを知っているかどうかで受入時の緊張感が変わります。空気量が6%を超えていたら「範囲外=返品」なのはもちろん、その背景に「強度が数%落ちている可能性がある」という理解があると、なぜ止めるのかを自分の言葉で説明できる。数値の丸暗記より、多い=強度低下・少ない=凍害という因果で覚えるのがおすすめです。

AE剤による空気量の調整

狙った空気量を安定して確保するために使うのがAE剤です。空気量の話とセットで理解しておきたい混和剤です。

AE剤は、界面活性剤の起泡力によってコンクリート中に独立した微細な空気泡(エントレインドエア)を連行させる混和剤です。「AE」はAir Entraining(空気連行)の略。JIS A 6204(コンクリート用化学混和剤)に適合した製品が使われます。

AE剤を使うことで得られる効果は、前の章で触れた連行空気の役割そのものです。耐凍害性の向上、ワーカビリティの改善、ブリーディングの減少。つまりAE剤は「良い空気を狙って入れる道具」だと考えれば分かりやすいです。

ただし、AE剤による空気量は一定ではなく、いろいろな条件で変動します。空気量が変わりやすい主な要因は、コンクリート温度(高いと空気量は減る傾向)、練混ぜ時間、スランプ、細骨材の粒度、セメントや混和材の種類など。だから同じAE剤を使っていても、夏場と冬場で連行される空気量が変わることがあるわけです。

ここが「冬と夏で空気量は変わるのか?」という疑問への答えになります。温度が高い夏は空気量が減りやすく、冬は連行されやすい傾向があるため、プラント側は季節に応じてAE剤の量を調整しています。

打ちやすさとスランプの関係も、AE剤の効果を理解するうえで役立ちます。

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正直なところ、AE剤の添加量そのものはプラントが管理する領域で、施工管理者が触ることはありません。ただ「気温でAE剤の効きが変わり、結果として空気量が動く」という因果を知っておくと、夏場に空気量が下振れしたときに慌てずに済む。季節と空気量はつながっている、という一点だけでも覚えておく価値があります。

空気量の測定方法と受入検査での実務

最後は、現場で空気量をどう測り、どう判断するかという実務です。ここが施工管理者にとって一番使う知識になります。

空気量の測定には、JISで3つの方法が規定されています。

試験方法 JIS規格 概要
空気室圧力方法 JIS A 1128 ワシントン型エアメーターを使う。最も一般的
質量方法 JIS A 1116 単位容積質量から算出する
容積方法 JIS A 1118 水で空気を置換して測る。軽量骨材向け

実際の現場でほぼ使われるのが空気室圧力方法(JIS A 1128)です。ワシントン型エアメーターという器具に生コンを詰め、圧力をかけて空気量を読み取ります。最大寸法40mm以下の骨材を用いたコンクリートに適用でき、普通コンクリートの受入検査はこの方法が標準です。

受入検査での空気量測定のポイントは次の通りです。

  • 荷卸し時に、スランプ・塩化物量・コンクリート温度とセットで測定する
  • ワシントン型エアメーターで空気室圧力方法により測る
  • 規定の頻度(通常150m³ごと、または1日1回以上など)で実施し記録する
  • 指定空気量の許容差±1.5%を外れた運搬車は受け入れず返品する
  • 温度が高い日は下振れしやすいので、夏場は特に注意して確認する

判断はシンプルで、「指定値±1.5%の幅に入っているか」で合否を決めます。4.5%指定なら3.0〜6.0%が合格圏。外れたら受け入れずに返品、という運用です。ここでスランプ・空気量・温度・塩化物量を同じタイミングで測るのが、受入検査の基本セットになります。

締固めが不十分だと豆板の原因になるので、空気量とあわせて打込み・締固めの管理も気にしておきたいところです。

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現場目線で言えば、空気量の測定は「エアメーターの使い方」より「範囲外を見つけたら止める」という判断の方が本質です。器具の操作は慣れればできますが、3.0〜6.0%の幅を頭に入れて、外れたらその場で返品を判断できるか。この線引きができれば、受入検査担当としての空気量管理は十分に務まります。

コンクリートの空気量に関する情報まとめ

  • 空気量とは:フレッシュコンクリートの体積に占める空気泡の容積割合(%)
  • 空気の種類:狙って入れる微細なエントレインドエアと、自然に入る大きなエントラップトエア
  • 標準値:JIS A 5308で普通・舗装・高強度が4.5%、軽量が5.0%(土木の示方書では耐凍害で4〜7%)
  • 許容差:指定値±1.5%。4.5%なら3.0〜6.0%が合格圏
  • 役割:耐凍害性の向上が主、ワーカビリティ改善・ブリーディング減少も
  • トレードオフ:空気量1%増で圧縮強度が約4〜6%低下する
  • AE剤:微細な独立気泡を連行する混和剤。気温で連行量が変動する
  • 測定:JIS A 1128の空気室圧力方法(ワシントン型エアメーター)が標準。受入で許容差外は返品

以上がコンクリートの空気量に関する情報のまとめです。

一通り空気量の基礎知識は網羅できたかなと思います。空気量は「4.5%±1.5%」という数字を覚えるだけでなく、なぜ空気を入れるのか(耐凍害性)、入れすぎると何が起きるのか(強度低下)という因果まで押さえると、受入検査で範囲外に出くわしたときに自分の判断で止められるようになります。現場では毎回測る項目なので、数字と因果をセットで持っておいてもらえればと思います。

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