- エキスパンドメタルってなに?
- 金網と何が違うの?
- 種類はどんなものがあるの?
- どんなサイズ規格がある?
- どこに使われるの?
- 施工で気をつけることは?
上記の様な悩みを解決します。
「エキスパンドメタル」は、鋼板に切れ目を入れて引き伸ばした菱形開口の金属網で、安全柵・床・装飾・通気カバーなど多用途に使われる建材。施工管理として種類と規格を整理しておきましょう。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
エキスパンドメタルとは?
エキスパンドメタルとは、結論「1枚の金属板に千鳥状に切れ目を入れて、垂直方向に引き伸ばして菱形の開口を作った金属網状の建材」のことです。
英語で「Expanded Metal」「Expanded Mesh」。日本では「エキスパンドメタル」「エキスパ」と短縮して呼ばれます。
エキスパンドメタルの基本特性
- 1枚の鋼板から成形(溶接箇所なし)
- 菱形の開口が連続して並ぶ
- 切断面にバリ・段差がある(製造方式による)
- 強度・通気・透視性を兼ね備える
- 軽量で扱いやすい
- JIS G 3351で規格化
「鋼板を切って引き伸ばした網」と覚えれば概ねOK。
エキスパンドメタルと類似品との違い
似た金属網と区別しておきます。
| 種類 | 製法 | 特徴 |
|---|---|---|
| エキスパンドメタル | 鋼板の切れ目を引き伸ばし | 1枚物、強度◎ |
| クリンプ金網(亀甲網) | 鋼線を編んで成形 | 細かい目、装飾性 |
| 溶接金網 | 鋼線同士を溶接 | 規則的、コンクリート補強用 |
| パンチングメタル | 鋼板に丸穴・角穴を打ち抜き | 平面、意匠性 |
| 網状ふるい | 細目、ふるい用途 | 薄手 |
「エキスパンドメタル=鋼板1枚を切って引き伸ばしたもの」が他と差別化されるポイント。継ぎ目がないので、強度的に有利です。
エキスパンドメタルの主な種類
JIS G 3351では、XS・XG・SWの3つの型が規定されています。
1. XS型(Standard)
標準型。建築用途で最も普及。
- 菱形の長辺方向と短辺方向の比率が標準的
- 仕上げ加工なし(成形のまま)
- 最も安価
2. XG型(Grating)
グレーチング用。床・通路に使う、平らに圧延された型。
- XS型をプレスで平らに圧延
- 上面が平らで歩行向き
- 床材として使える
グレーチングの話は別記事で。
3. SW型(Special Weight)
軽量薄手型。装飾・意匠用。
- 薄手の鋼板を成形
- 軽量、装飾性◎
- フェンス・装飾外装
エキスパンドメタルの規格・サイズ
JIS G 3351の代表寸法を整理します。
主な寸法表記
エキスパンドメタルは「SW × LW × W × T」で表記されます。
- SW(Short Way of Mesh):菱形の短い方向の中心間距離
- LW(Long Way of Mesh):菱形の長い方向の中心間距離
- W(Width of Strand):細幅(ストランドの幅)
- T(Thickness of Strand):板厚
例:「XS-32」と呼ばれる代表サイズの場合、SW=12、LW=30、W=2、T=2mm程度。
主な品番
JIS G 3351のXS型代表サイズ
- XS-31:軽量、フェンス・装飾
- XS-32:標準
- XS-42:中重量
- XS-52:重量用
- XS-62:重歩行・床用
- XS-83:超重量、産業用
「XSの後の数字」が大まかな強度・板厚の指標。数字が大きいほど厚手・強度が高い。
エキスパンドメタルの主な用途
意外と用途は幅広いです。
エキスパンドメタルの主な用途
- 安全柵・防護柵:機械周辺、屋上、階段
- 歩行用床(XG型):プラント、機械室
- 天井点検口・グレーチング:通気+点検
- 装飾外装パネル:商業ビル、店舗のファサード
- 金属サインボードの背景
- 通気カバー:エンジンルーム、機械装置
- フィルター・スクリーン:粒子の振り分け
- 防虫・防鳥ネット:建物開口部
- 扉・ガレージシャッター
特に屋上・キャットウォークの床材として、グレーチング代替で使われるケースが多いです。
エキスパンドメタルの素材
材質も多様です。
| 材質 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| SS400(一般鋼材) | 安価 | 一般用 |
| 亜鉛メッキ鋼板 | 防錆、コスト中 | 屋外、湿気環境 |
| SUS304ステンレス | 防錆◎、耐食性 | 厨房、沿岸 |
| アルミ | 軽量、防錆 | 装飾、軽量物 |
| 真鍮 | 装飾性◎ | 高級内装 |
SS400の特性はこちらで詳しく。

エキスパンドメタルの施工方法
代表的な施工フローを整理します。
1. 取付下地の準備
鉄骨フレーム or LGS下地を組む。
LGSの話はこちら。

2. エキスパンドメタルの切断
ジグソー or プラズマカッターで切断。手作業の金切ばさみは厚物では困難。
3. 取付け
ビス止め・溶接・クリップ留めで固定。意匠的に目立たない取付方法を選ぶ。
4. 端部処理
切断面のバリ取り。安全のため必須。
5. 仕上げ・塗装
錆止め塗装+上塗りで仕上げ。亜鉛メッキ品はそのまま使うこともあり。
塗装後のタッチアップは別記事で。

施工管理として押さえるエキスパンドメタルのポイント
現場で扱う際の実務的なチェックリスト。
エキスパンドメタル施工管理のチェック項目
- 規格の確認:JIS G 3351準拠、品番(XS/XG/SW)
- 方向性の確認:LW方向を主応力方向に合わせる
- 取付下地の強度:エキスパンドメタル自重+荷重
- 切断面のバリ取り:怪我防止
- 端部の保護:見切り材で被覆
- 歩行用途の場合:XG型を選定
- 錆止め塗装:屋外露出は特に
- ビス・溶接の本数:脱落防止
「LW方向を主応力方向に合わせる」のは、エキスパンドメタル特有の注意点。菱形の長軸方向が強いので、橋桁状に支える時はLW方向と支持方向を一致させます。
バリ取り省略は労災一直線
エキスパンドメタルは切断面に鋭利なバリが残ります。屋上機械室の安全柵・点検歩廊などでバリ取りを省略すると、メンテ作業員が手袋越しでも手を切る事故になります。発注時に「全周バリ取り+エッジ処理(折り返し or キャップ)」を仕様書に明記、納品時にサンプルでバリ確認、現場据付前に再点検——この3段ロックでヒヤリハットはほぼ消えます。安く済ませようとして「バリ取り別途」の見積で承認すると、後の追加工事で逆に高くつくケースがほとんどです。
ヒヤリハットの話は別の関連記事で。

エキスパンドメタルに関する情報まとめ
- エキスパンドメタルとは:鋼板に切れ目を入れ引き伸ばした菱形開口の金属網
- 類似品との違い:継ぎ目なし、強度◎
- JIS G 3351の3型:XS(標準)/XG(床用)/SW(軽量装飾)
- 寸法表記:SW × LW × W × T
- 代表サイズ:XS-31〜XS-83(数字大で厚手強度)
- 主な用途:安全柵/歩行床/装飾外装/通気カバー/フィルター/防虫ネット
- 素材:SS400/亜鉛メッキ/SUS304/アルミ/真鍮
- 施工:下地準備→切断→取付→端部バリ取り→塗装
- 施工管理の勘所:規格確認/LW方向/下地強度/バリ取り/端部保護/錆止め
以上がエキスパンドメタルに関する情報のまとめです。
一通りエキスパンドメタルの基礎知識は理解できたと思います。「XS・XG・SWの使い分け、LW方向、バリ取りの徹底」を押さえておけば、現場での運用は概ね問題なくなりますね。
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