CADオペレーターとは「CADを使って図面を作成する人のこと」です。
工事現場には様々な図面があります。建物全体の構想を示した設計図、施工する為の図面である施工図、建物全体を縦で切った立面図など、挙げ始めたらキリがありません。
図面を書くのは設計者だったり施工管理(現場監督)だったりする訳ですが、全ての図面を書き切れるほどのリソース時間が余っていません。そこでCADオペレーターさんを現場に入れることで、図面作成を円滑に進めます。
そんなCADオペレーターですが、インターネットの情報を見ると「やめとけ」と言われることも多く、誤解されやすい職業でもあります。
当記事ではCADオペレーターの仕事内容について解説し、どの様な人がCADオペレーターに向いているのか?向いていないのか?についてまとめていきたいと思います。
この記事を通して、以下の点を理解することができます。
- CADオペレーターの仕事内容
- どんな人がCADオペレーターに向いているのか
- CADどうやればCADオペレーターになれるのか
記事を読み終わった後には、どんな人がCADオペレーターに向いているのかを理解し、自分が職業としてCADオペレーターを選んで良いか分かるようになるでしょう。
それでは解説していきます。
CADオペレーターの具体的な仕事内容
CADにはAutoCADやJw_cadやTfasなどの種類がありますが、CADオペレーターはそれらCADを操作して図面を作成します。その現場や職場によって、建築図面は設備図面、製品の図面などをCADで作成します。
より具体的な仕事内容の例としては下記の様なものが挙げられます。
- 総合図を作成して欲しい
- この図面の電灯の位置を300mm移動させて欲しい
- 図面を打ち出してほしい
- 施工図を作成して欲しい
- 竣工図の修正をお願いしたい
- etc…
基本的にはデスクに座ってCADを操作する仕事になりますので、淡々とデスクワークをこなしていくイメージになります。座り仕事ですので立って動くのが好きな方は向きませんし、給料もめちゃくちゃ高い訳でもないので「やめとけ!」と言われるのも分かるかもしれません。
ただ手に職をつけることができるので職に困ることはありませんし、時間の面で融通を利かせることができたりと良い面もあります。
次の章からはより具体的に、どんな人がCADオペレーターに向いているのか?について解説していきます。
CADオペレーターに向いている人
その①正確な作業が得意な人
正確な作業が得意な人はCADオペレーターに向いています。
勿論、作成した図面は現場代理人等の役職者がチェックする訳ですが、ミスが少なければ少ないほど良いに越したことはありません。チェックする工数や手直しの工数などを考えると、図面作成の正確さがCADオペレーターには求められます。
よって、図面を作成する際にミスをしてでもスピーディに仕上げる人よりも、時間はかかっても正確な仕事ができる、といった人の方が向いています。
その②職人気質の人
やるべきことを淡々とこなしていく様な職人気質の人はCADオペレーターに向いています。
施工管理や職人、現場代理人等の役職は意外と仕事の種類が多く、あちらこちらを右往左往することが多いです。ただCADオペレーターの方はパソコンの前で淡々と仕事をします。
じっとしていられない多動っぽい人はCADオペレーターには向いておらず、逆にじっとしていて黙々と仕事をできる職人気質の人はCADオペレーターに向いていると思います。
その③手に職をつけたい人
手に職をつけたいと考えている人もCADオペレーターに向いています。
CADオペレーターはデザイナーやプログラマーの様に手に職をつけることのできる仕事です。加えて、難易度がめちゃくちゃ高い訳ではないので、未経験からも挑戦しやすいという特徴があります。
ある程度CADを触れる様になっておけば仕事に困ることはほとんど無いと考えられます。求人の多い業界ですから一度スキルをつけてしまえば人生全体で安定します。
CADオペレーターとして働くとなると、CADオペレーターを派遣する会社に正社員として入り、現場に出向する形がほとんどですが、その会社で研修が実施されていることも多いです。
基本操作は会社で研修を受け、あとは現場で実務経験を積んでいく流れが良いかと思います。
その④全国転勤に対応したい人
全国転勤に対応したい人もCADオペレーターが向いていると思います。
例えば、旦那様がよく転勤する場合、奥様もそれに合わせて住む場所を変える必要が出てきますよね。CADオペレーターとして手に職をつけていれば、転勤先で仕事を見つけることも比較的容易でしょう。
手に職がつかない仕事、求人が多く無い仕事などにおいて、引っ越しをするというのは致命的です。同じ条件で、同じ様な仕事を見つけるのは難儀と言えます。
ただCADオペレーターは手に職をつけられる仕事であり、全国に求人があることから、全国転勤にも対応することが可能です。
その影響か子持ちの主婦の方などがCADオペレーターをやっているパターンもよく見かけます。
その⑤自由に働きたい人(人間関係)
自由に働きたい人もCADオペレーターに向いています。
例えば、人間関係においてもCADオペレーターの方は自由であることが多いです。
CADオペレーターの方の多くはCADオペレーターを派遣する会社に正社員として雇用され、各現場へ出向するパターンが多いです。もし出向先でパワハラをする様な人がいれば、現場を変えてもらうことができます。
基本的にCADオペレーターは現場を「選べる側」です。ひどい場合はリセットをすることができるのも良い点だと感じますね。
その⑥時差出勤をしたいと考える人
CADオペレーターは「時間」という面でも自由です。
施工管理などの現場作業は働く時間が限定されます。例えば、現場の朝礼が8時だとしたら、8時までに出社しなければなりません。
対してCADオペレーターは現場朝礼に参加する必要もありませんので、時差出勤をすることもできます。実際筆者が働いていた現場のCADオペさんは時差出勤をしていました。
- 子供を保育園に送ってから出社したい
- 満員電車が嫌なので出勤時間をずらしたい
- 朝早く起きるのが苦手
- 家から職場が遠いから遅い時間に出社したい
等の要望がある方はCADオペレーターに向いています。
ただ時差出勤できるか否かは現場先との交渉が必要になりますので、100%要望が通るかどうかは微妙な点です。気をつける様にしましょう。
その⑦あまり残業したくない人
あまり残業したくない人もCADオペレーターに向いています。
建設業の施工管理や設計者等の仕事では大量の残業をしなければなりません。時期によって早く帰れることもありますが、夜遅くまで残業するというのは避けられません。
対してCADオペレーターは基本的には残業せず定時が上がることができますので、安心です。
- 体力に自信がない人
- 家庭の事情で遅くまで残業できない人
- 副業にコミットしたい人
- 趣味に時間を使いたい人
- 家族との時間を作りたい人
上記の様な人には向いている仕事かなと思います。
その⑧自分の仕事が形になるのが楽しい人
自分の仕事が形になるのが楽しい人もCADオペレーターに向いています。
やはりどんな仕事をするにも「やりがい」は重要ですよね。CADオペレーターとして働いていて楽しいのは「自分がプロットした図面が形になること」です。
例えば、CADで建物の図面を書いたとしたら、その建物が絵ではなく現実に形になります。製品の設計図を書いたなら、その製品が現実に出来上がります。そこを面白いと思えるか?はCADオペレーターとして向いているか向いていないかの大きな分かれ目かなと思います。
実際、その図面がリアルに出来上がった様子をイメージしながら仕事をするのと、イメージせずに仕事をするのでは成長速度に大きな違いが出ます。
やりがいの部分に対して、自分自身がどう感じるか?については職業選択前に考えた方が良いですね。
その⑨高給取りを狙わない人
高給取りを狙わない人もCADオペレーターに向いています。
簡単な話、CADオペレーターとして働いて年収1000万円に到達することはありません。高くても600万円くらいが限度かなと思います。
どの仕事もそうですが、技能職・技術職には年収の相場が決まっており、それはCADオペレーターにおいても例外ではありません。
ある程度の収入は固く稼ぐことができますが、高給取りを狙うことは現実的には厳しいでしょう。
その⑩CAD以外にも知見を深めたい人
CAD以外にも知見を深めたい人もCADオペレーターに向いています。
要するに興味の幅が広い方がCADオペレーターに向いているということです。
例えば、建築図面を作成するCADオペレーターさんは建築の専門知識があった方が良いですよね。電気の配線図面を書くCADオペレーターさんは電気に詳しい方が良いに決まっています。
お願いされた仕事をただこなすのではなく、どうしてそれをこなす必要があるのか?について考えることができればCADオペレーターとしての働きも向上し、より良い仕事ができる様になります。より良い仕事ができる様になれば給料も上がります。
ただそれは強制されるものではありませんし、言われてやるというのは中々難しい面がありますよね。そこで自分から興味を持って学んでいける人はCADオペレーターに向いているのだと思います。
CADオペレーターに関する情報のまとめ
今回の記事ではCADオペレーターがどんな仕事なのか?について解説し、合わせてどんな人がCADオペレーターに向いているのか?について解説しました。
当サイトでは建設業をメインに筆者が経験した一次情報をまとめていきます。
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