ALCとは?特徴について腰が砕けるくらい分かりやすく解説する

  • ALCってなに?
  • どんなところに使用されてるの?
  • 特徴について詳しく知りたい
  • 施工の注意点ってあるの?

上記のような悩みを解決します。

ALCは他のボード材やコンクリートと比べると、特殊な製造の仕方をしています。特殊な製造の仕方をしていることから、他の材料には無い特徴があるんです。

多くの現場で使用されているのがALCですから、基本的な知識は抑えておきましょう。

この記事ではALCとは何か?といったところから、用途、特徴、施工する際の注意点について解説していきます。

なるべく専門用語は使わずに分かりやすい言葉で説明していくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それでは行ってみましょう!

 

ALCとは?

ALCとは、簡単に言えば「軽いコンクリートのパネル」です。

正式名称は「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」でして、簡略化すると「気泡の入っていて、重さが軽い、コンクリート」になります。

外壁や間仕切り壁など、様々な場所に使用されているのがALCです。コンクリートなのに軽いという特徴から、他のボード材には出せない特徴を持ちます。

特徴については次の章で詳しく解説しますので、この章ではもう少し詳しくALCの意味について掘っていきましょう。

ALCの意味

  • A:Autoclaved→自動でくっ付く
  • L:Lightweight→軽い重さの
  • C:Concreate→コンクリート

まとめると「自動でくっ付く、軽い重さの、コンクリート」ですね。もっと正確に言うならば「Lightweight」の後に「aerated」という単語が入ります。aeratedには水を空気に晒して液体に空気を提供するという意味があります。

ALCの素材としては珪石(ケイ酸質の鉱石)、セメント、生石灰、発泡剤などが挙げられます。

この中で聞きなれないのは、「珪石」ですね。珪石は非常に硬いという特徴を持ちますから、ALCの特徴にも硬さが入ってきます。

 

ALCの特徴

ALCの特徴①軽い

ALCの特徴として「軽い」というのが、まず真っ先に挙げられます。

名前にも入っている通り、ALCは非常に軽いです。コンクリートと聞くと思いイメージがありますが、実際のところは気泡が8割ですから、かなり軽い方に分類されます。

具体的な重さとしては「1立法メートルあたり650kg程度」です。

 

ALCの特徴②断熱性に優れる

ALCは断熱性にも優れるのが特徴です。

外壁にALCを使用した場合、冬は暖かく、夏は涼しくなります。要するに断熱とは「熱の移動が少ないこと」ですから、外側の熱が入ってきませんし、内側の熱が逃げていきません。

建物は利用者にとって快適でなければなりません。温度という観点で建物利用者に快適性を与えることができるのがALCの特徴です。

 

ALCの特徴③遮音性が高い

ALCは遮音性が高いという特徴も持ちます。

繰り返しになりますが、建物は利用者の快適性が重要です。近隣トラブルの代表的な例として挙げられる騒音問題も、ALCが壁に使用されていれば無くなる可能性が高いです。

気泡が8割とはいえ、ALC本体はコンクリートでできています。スラブtoスラブで作られた壁ほどの遮音性はありますが、他のボード材と比較すると遮音性は高い傾向にあります。

 

ALCの特徴④施工性が高い(工期短縮)

ALCは施工性が高いという特徴を持ちます。施工性が高いことにより、工期の短縮をすることが可能になります。これは大きなメリットです。

大枠のところで考えると、建物は早く出来た方がオーナーからしたらお得です。それだけ早く人に貸し付けることができるので、お金が儲かるんですね。

施工性の低い素材を使えば、工事をするのに時間をかかります。

施工性の高い素材を使えば、工事をするのに時間がかかりません。ALCは後者です。

 

ALCの特徴⑤メンテナンスコストがかかる

あまり良くない特徴としては、メンテナンスコストがかかるということが挙げられます。

まず前提の知識として、ALCは水に弱いです。水に侵食されると腐ってしまいますから、防水性のある素材を塗って完成する訳ですが、それでも水に晒されてしまうことはあります。

腐ったタイミング、もしくは10年から15年くらいでメンテナンスが必要になります。どの建物にもどの設備にも寿命は必ずありますが、10年というのは割と早い方だと感じますね。

 

ALCを施工する際の注意点

繰り返しになりますが、ALCは水に弱いという特徴を持ちます。よって施工する際には、止水処理をしなければなりません。

例えば、ALCが外壁に使われており、外壁をダクトが貫通しているとしましょう。

まずダクトが通る穴を作らなければなりません。ダクトのサイズジャストで穴を開けることは出来ませんから、少し大きめの穴になります。ダクトを通すと、ALCとダクトとの間に隙間ができますよね。

水はどんな小さな隙間からも侵入します。ダクトとALCの間に隙間があれば、そこから水が侵入し、ALCを腐らせる原因となってしまうんです。

この隙間を埋めることを止水処理(コーキング)と呼びます。

注意点として、コーキングは5年から10年程度でやり直す必要があります。定期的なメンテナンスを行い、コーキングが悪くなっていないかチェックしましょう。

ちなみにALCとダクトの隙間は、大きすぎても小さすぎてもダメです。

例えば隙間が5mmだったとしたら、狭すぎて内部までコーキング材が届かなくなってしまします。これでは表面しかコーキングできませんから、止水処理として不完全になってしまいます。目安としては20mmは必要ですね。

穴を開けるタイミングから、その後のことも考える必要があります。ダクトの大きさを考え、適切なサイズの穴を開けるようにしましょう。

 

ALCに関する情報まとめ

ALCに関する情報まとめ

  • ALCとは:軽いコンクリートのパネル
  • ALCが使用されている場所:外壁、間仕切り壁
  • ALCの特徴:軽い、断熱性、遮音性、施工性、メンテナンスコストが高い
  • ALC施工の注意点:止水処理、コーキング

以上がALCに関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

ALCは間仕切り壁にも使用されますが、プラスターボードも間仕切り壁に使用されます。壁材は他にも様々ありますが、まずは代表的なプラスターボードについて抑えておきましょう。

下に分かりやすい記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!