- ICT土工って結局なに?普通の土工と何が違う?
- i-Constructionとの関係は?
- どんな工程で進むの?
- 3次元起工測量って何をするの?
- 設計データは誰が作るの?
- ICT建機は何を使う?
- メリットは本当に出るの?結局いくらかかる?
- 小規模現場でも元は取れる?簡易型ICTって何?
- ICT土工をやると逆に手間が増えない?
- 発注者は経費を見てくれるの?
- 施工計画書に何を書けばいい?
- 施工管理の自分は、何を準備すればいいの?
上記の様な悩みを解決します。
ICT土工は、i-Constructionの中核として全国の土木現場に広がっている施工方式です。ただ「ドローンで測ってICT建機が自動で掘る最新の工事」というイメージだけが先行して、5つの工程や、コスト・経費の仕組み、施工管理が何を準備すべきかを曖昧にしたまま現場を任され、何から手をつければいいか分からず固まる、というのがよくある話です。今回は定義・i-Constructionとの関係・工程・ICT建機といった基本を押さえた上で、現役の施工管理目線で「コストと経費の仕組み」「簡易型ICTという現実解」「施工管理が押さえる段取り」まで、現場で実際にハマるポイントを網羅的にまとめました。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
ICT土工とは?
ICT土工とは、結論「調査・測量から設計・施工・検査・納品まで、土工事の全工程にICT(情報通信技術)を活用する施工方式」のことです。
具体的には、ドローンやレーザースキャナーによる3次元測量で地形を高密度に把握し、3次元設計データを作り、そのデータでICT建機を制御して施工し、出来形も3次元で計測して納品する、という一連の流れを指します。従来の「丁張りを立てて、測点ごとに測って、人の目と腕で仕上げる」やり方を、3次元データで通す施工方式に置き換えたもの、とイメージすると分かりやすいです。
国土交通省が推進するi-Constructionの中心的な取り組みで、土工(盛土・掘削・整地など)から始まり、舗装工・地盤改良などへ対象が広がってきました。労働人口の減少や高齢化を背景に、少ない人員で生産性と安全性を上げる方策として導入が進んでいます。
3次元測量の基礎はこちらが参考になります。

僕の感覚だと、ICT土工の本質は「建機の自動化」ではなく「土工事をデータで一気通貫させること」にあります。測量・設計・施工・検査がバラバラの作業だったのが、3次元データという1本の背骨でつながる。だから一部だけICT化しても効果は限定的で、工程全体をデータで通して初めて生産性が跳ねる、という前提を持っておくと、導入の判断を間違えにくいです。
ICT土工とi-Construction・ICT活用工事の関係
ICT土工を理解するには、上位概念の「i-Construction」と「ICT活用工事」との関係を押さえる必要があります。
i-Constructionは、建設現場の生産性向上を目指す国の取り組みで、大きく3本柱から成り立っています。
- ICT技術の全面的な活用(その中核がICT土工)
- 規格の標準化
- 施工時期の平準化
このうちICT土工は第一の柱「ICT技術の全面的な活用」の中核に位置づけられます。そして、発注者がICT活用を前提として発注する工事を「ICT活用工事」と呼び、ICT土工はその代表的な工種です。近年は省人化をさらに進める「i-Construction 2.0」へと方針が進化し、自動施工やBIM/CIM連携が掲げられています。
BIM/CIMの基礎はこちらが参考になります。

実務だと、現場で大事なのは「発注者がこの工事をICT活用工事としてどう位置づけているか」を最初に確認することです。ICT活用工事には発注者が指定する場合と施工者が希望する場合があり、求められる工程や提出物が変わります。i-Constructionという大きな政策の話で終わらせず、自分の現場が要領上どの枠組みなのかを掴むのが、計画の出発点になると考えています。
ICT土工の工程(5つのステップ)
ICT土工の一番の核は「5つの工程」です。ICT活用工事は、次の5段階でICTを活用する工事と定義されています。
| 工程 | 内容 | 主な使用技術 |
|---|---|---|
| ①3次元起工測量 | 着工前の現況地形を3次元で計測 | ドローン・レーザースキャナー(簡易型はスマホ測量も) |
| ②3次元設計データ作成 | 測量データと設計図から施工用3次元データを作成 | 3次元CAD |
| ③ICT建機による施工 | 3次元データで建機を制御して施工 | ICT建機(MC/MG) |
| ④3次元出来形管理 | 施工後の出来形を3次元計測し設計と照合 | ドローン・レーザースキャナー |
| ⑤3次元データの納品 | 各工程のデータを電子納品 | 電子納品システム |
この5工程が一連でつながっているのがICT土工の特徴です。順に見ていきます。
①3次元起工測量は、着工前に現況地形を面的(高密度)に計測する工程です。ドローン写真測量やレーザースキャナーで、従来の測点計測では取れなかった細かい地形まで点群データとして取得します。ここで取った起工測量データが、後の数量算出や出来形管理の基準になります。
②3次元設計データ作成は、起工測量データと設計図から、ICT建機が読み込める施工用の3次元データを作る工程です。発注者から貸与される設計データは完成形なので、仮設や施工ステップに合わせた「施工用データ」への変換が必要になることが多いです。
③ICT建機による施工は、3次元設計データを使ってICT建機を制御し、掘削・盛土・整地を行う工程です。マシンコントロール(MC)なら刃先を自動制御し、丁張りや検測を省略できます。
④3次元出来形管理は、施工後に再びドローンなどで出来形を計測し、設計データと差異を確認する工程です。面的に評価できるため、品質の均一性も見えます。
⑤3次元データの納品は、各工程で作ったデータを電子納品する工程です。3次元データは維持管理段階でも使われます。
起工測量に使うドローン測量はこちらが詳しいです。

現場目線で言えば、5工程のうち施工管理が一番神経を使うのは②の3次元設計データ作成です。測量と施工は機械と業者がやってくれますが、「貸与データを施工用にどう変換し、誰が作るか」は段取りの問題で、ここが詰まると現場全体が止まります。工程の華は③のICT建機ですが、成否を握るのは前段の②だ、というのが正直なところです。
ICT土工で使うICT建機の種類
ICT土工の③の工程で主役になるのがICT建機です。土工で使用頻度が高いのは次の機種です。
- ICTバックホウ(油圧ショベル):掘削・整形・法面など土工全般の万能機
- ICTブルドーザー:盛土の撒き出し・敷き均し
- ICT転圧ローラー:締固めの管理(走行軌跡・回数の管理)
- ICTモーターグレーダー:舗装工などの整地・敷き均し
これらのICT建機は、GNSSやTS(トータルステーション)で自分の位置を把握し、3次元設計データと照合しながら施工します。制御の方式には、刃先を自動制御するマシンコントロール(MC)と、設計とのズレを表示するだけのマシンガイダンス(MG)があります。
マシンコントロール(MC)の詳細はこちらが参考になります。

マシンガイダンス(MG)の詳細はこちらが参考になります。

僕の整理では、建機選定は「工種の主役は何か」で決めるのが基本です。掘削・法面が主ならICTバックホウ、盛土の敷き均しが主ならICTブルドーザー、というように土工の中身から逆算します。MCとMGのどちらを使うかは予算とオペレーターの習熟度次第で、ここは深い話になるので別記事に譲りますが、ICT土工の文脈では「データで建機を動かす工程」と捉えておけば十分です。
ICT土工のメリット
ICT土工のメリットは、従来の土工と比べると数字ではっきり出ています。代表的な効果は次の通りです。
- 生産性の向上:国土交通省の試算では、ICT建機の活用で土工の作業日数(工期)が従来工法比で約3割短縮されるとされる
- 安全性の向上:危険箇所や急斜面への人の立ち入りが減り、労働災害リスクが下がる
- 品質の向上:3次元データに基づく施工で、精度と均一性が上がる
- 担い手不足への対応:経験の浅いオペレーターでも高精度な施工ができる
- 働き方改革への貢献:測量や検測の省力化で労働時間が減る
特に大きいのが「測量の省力化」と「安全性向上」です。ドローン測量では従来の測量に比べて作業時間が大幅に削減でき、人が立ち入りにくい場所も安全に計測できます。施工段階でも、丁張りや検測のために重機の近くに人が入る回数が減るので、接触事故のリスクが構造的に下がります。
僕としては、ICT土工のメリットは「人を減らせる」だけでなく「経験の浅い人でも戦力にできる」ところが大きいと感じます。若手や未経験者でも、データと建機の支援で一定の精度が出せる。人手不足が深刻な中で、限られた人員で現場を回す手段として、ICT土工は現実的な解になってきていると考えています。
ICT土工のコストと初期投資
「結局いくらかかるのか」は導入判断の核心です。ICT土工は、新たに必要になる設備が複数あり、初期投資がかかります。
| 投資項目 | 内容 |
|---|---|
| 3次元測量機器 | ドローン・レーザースキャナー・GNSS等 |
| 3次元データ作成ソフト | 3次元CAD・点群処理ソフト |
| ICT建機 | 専用機の購入、後付けキット、またはリース |
| 人材育成 | 測量・データ作成・建機操作の習熟 |
これらを自社で一式揃えると相応の設備投資になります。特に小規模工事では、高額な初期投資に見合う効果が出にくい、という指摘があります。測量だけ・施工だけのように工程の一部だけICT化しても、全体の生産性は跳ねにくいためです。
ただし、すべてを自社保有する必要はありません。測量やデータ作成を外注したり、ICT建機をリースしたりすることで、初期投資を抑えながら導入できます。後述の「簡易型ICT活用工事」の枠組みも、コストのハードルを下げる選択肢です。
個人的には、コストの判断は「ICT活用工事を年に何件受注するか」で変わります。継続的に受注するなら自社保有や人材育成への投資が回収できますが、年に数件なら外注とリースで都度対応する方が無理がない。いきなりフル装備で揃えて使いこなせず遊ばせるより、まず外部の手を借りて1現場やってみて、頻度が見えてから投資を判断するのが現実的だと考えています。
ICT土工のデメリット・注意点
メリットの裏返しで、ICT土工には注意すべき点もあります。導入前に知っておくべきデメリットを整理します。
- 初期投資が大きい:機器・ソフト・建機・人材育成にコストがかかる
- 小規模工事で効果が出にくい:投資に見合う省力化が得られないことがある
- データ作成の手間が増える:施工用3次元データの作成・変換に工数がかかる
- 要領の確認負担:ICT活用工事の要領が細かく、満たすべき基準の把握が必要
- 人材・ノウハウ不足:測量・データ・建機を扱える人がいないと回らない
特に見落とされがちなのが「データ作成の手間」と「要領の確認負担」です。ICT土工は施工そのものは楽になりますが、その前段の3次元データ作成や、発注者の要領に沿った管理・書類づくりに、従来とは違う工数がかかります。「ICT=全部楽になる」と思って入れると、最初は逆に忙しくなって戸惑うことがあります。
現場目線で言えば、ICT土工の注意点は「楽になる部分と手間が増える部分がある」と理解しておくことです。施工と検測は楽になる一方、データ作成と要領対応は増える。だから初めての現場ほど、データ作成を外注したり、後述の簡易型を選んだりして、増える手間を軽くする工夫が要ります。慣れないうちに全部自前でやろうとすると、メリットを実感する前に疲弊しかねないです。
中小・小規模現場でのICT土工(簡易型ICT活用工事)
「小規模だとICT土工は無理」と思われがちですが、近年は中小・小規模向けの枠組みが整備され、ハードルが下がっています。その代表が「簡易型ICT活用工事」です。
簡易型ICT活用工事は、小規模な土工でもICTを活用しやすいように、求められる工程や精度を通常型より簡素化した枠組みです。たとえば、スマホ測量アプリのような手軽な3次元測量と、必要な工程に絞ったICT活用で、小規模現場でも導入できるようになっています。フル装備の通常型ICT土工に比べて、初期投資と手間を抑えられるのが利点です。
加えて、国土交通省は各地方整備局に「i-Constructionサポート事務所」を設け、技術的な支援や講習を提供しています。中小がノウハウ不足を補いながら導入できる体制が整いつつあります。
ドローンを使わない手軽な測量手段もこちらが参考になります。

僕の考えでは、中小がICT土工を始めるなら「いきなり通常型でフル装備」ではなく「簡易型+外注・リース+サポート事務所の活用」から入るのが現実的です。小規模現場で通常型をやると投資が重く効果も出にくいですが、簡易型なら身の丈に合った範囲でICTを経験できる。まず小さく始めて、社内にノウハウと実績を貯めてから本格導入を判断する、という段階的なアプローチが、中小には合っていると考えています。
ICT土工の積算・経費はどうなるのか
意外と知られていないのが「ICT土工でかかる経費を、発注者が見てくれる仕組み」です。ここを知らないと「ICT土工は持ち出しが多い」という誤解で導入をためらいがちです。
ICT活用工事では、発注者が3次元起工測量・3次元設計データ作成・3次元出来形管理にかかる経費を、設計変更によって計上する仕組みになっています。つまり、ICT化によって増える測量やデータ作成の費用は、ある程度発注者側で手当てされる、ということです。完全に持ち出しになるわけではありません。
- 3次元起工測量の経費 → 設計変更で計上
- 3次元設計データ作成の経費 → 設計変更で計上
- 3次元出来形管理の経費 → 設計変更で計上
ただし、計上の範囲や条件は要領で決まっているので、何がどこまで見てもらえるかは事前に確認・協議しておく必要があります。
公共工事の積算の基礎はこちらが参考になります。

実務だと、この経費の仕組みを理解しているかどうかで、ICT土工の損得の見え方が変わります。「ICT化で増える費用は全部自社負担」だと思っていると導入が怖くなりますが、起工測量・データ作成・出来形管理の経費が設計変更で見てもらえると分かれば、判断のハードルは下がる。施工管理としては、着工前に発注者と「どの経費がどう計上されるか」をきっちり協議し、取れる経費は確実に取る段取りが大事だと考えています。
施工管理がICT土工で押さえる段取り
最後に、競合記事があまり書かない、施工管理の立場での段取りを整理します。ICT土工は機械とデータの話に見えて、実際の成否は施工管理の準備で決まります。押さえるべきポイントは次の通りです。
- 要領の確認:ICT活用工事の要領で、求められる工程・精度・提出物を最初に把握する
- 施工計画書への反映:使用する測量手法・ICT建機・出来形管理方法を施工計画書に明記する
- 3次元設計データの段取り:貸与データの施工用変換を誰がいつ作るか決める(外注の手配含む)
- 発注者協議:経費の計上範囲、出来形管理の方法、検査の進め方を事前にすり合わせる
- 工程の組み立て:測量・データ作成・施工・出来形計測の順序とリードタイムを工程に織り込む
特に重要なのが「施工計画書」と「発注者協議」です。ICT活用工事では、どの工程でどんなICTを使い、どう出来形を管理するかを計画書で示す必要があります。ここが曖昧だと、後で検査や経費計上でつまずきます。
施工管理という仕事の全体像はこちらが参考になります。

僕の感覚だと、ICT土工で施工管理が果たす役割は「ICTを使う段取りの全体設計」です。測量も施工もそれぞれの専門が動きますが、それらを要領に沿って組み立て、発注者と協議し、計画書に落とすのは施工管理の仕事です。ICTの操作スキルそのものより、「どの工程で何を使い、誰がやり、経費をどう取るか」を設計できる力の方が、ICT土工では効いてきます。国交省や各自治体の手引書が公開されているので、初めての現場はまずこれを読み込んでから計画を立てると、押さえどころを外しにくいです。
ICT土工に関する情報まとめ
- 定義:調査・測量から施工・検査・納品まで土工事の全工程にICTを活用する施工方式
- i-Constructionとの関係:3本柱の中核「ICT技術の全面的活用」。発注はICT活用工事として行われる
- 5つの工程:3次元起工測量→3次元設計データ作成→ICT建機による施工→3次元出来形管理→3次元データ納品
- 使うICT建機:バックホウ・ブルドーザーが主役、ほかにローラー・グレーダー。制御はMC/MG
- メリット:作業日数(工期)の約3割短縮、安全性向上、品質均一化、担い手不足への対応
- コスト:測量機器・ソフト・建機・人材育成に初期投資。小規模は効果が出にくい
- デメリット・注意点:データ作成の手間と要領確認の負担が増える。楽になる部分と増える部分がある
- 中小・小規模向け:簡易型ICT活用工事とサポート事務所で、身の丈に合った導入が可能
- 積算・経費:起工測量・設計データ作成・出来形管理の経費は設計変更で計上される
- 施工管理の段取り:要領確認・施工計画書・データ段取り・発注者協議・工程の組み立て
以上がICT土工に関する情報のまとめです。
ICT土工は「ドローンとICT建機の最新工事」という派手な面が注目されますが、施工管理にとっての本丸は、5工程を要領に沿って組み立て、データの段取りと発注者協議を回すところです。工程の流れ、コストと経費の仕組み、簡易型という現実解、この3つを押さえておけば、ICT活用工事を任されても落ち着いて計画を立てられます。まずは手引書を読み込み、初現場は外注・リースや簡易型で小さく始めるところから、ICT土工を着実に味方にしていきましょう。
ICT土工に関するよくある質問
Q1:ICT土工と普通の土工は何が違うんですか?
従来の土工が「丁張りを立て、測点ごとに測り、人の目と腕で仕上げる」のに対し、ICT土工は測量・設計・施工・検査・納品の全工程を3次元データで通す施工方式です。ドローンで地形を高密度に測り、3次元設計データでICT建機を制御し、出来形も3次元で計測します。一部だけICT化しても効果は限定的で、工程全体をデータでつないで初めて生産性が大きく上がるのが特徴です。
Q2:ICT土工はどんな工程で進むんですか?
5つの工程で進みます。①3次元起工測量(着工前の現況地形を3次元計測)、②3次元設計データ作成(施工用の3次元データを作る)、③ICT建機による施工(データで建機を制御して施工)、④3次元出来形管理(施工後を3次元計測して設計と照合)、⑤3次元データの納品(各工程のデータを電子納品)です。この5段階が一連でつながっているのがICT土工です。
Q3:ICT土工のメリットはどれくらいありますか?
国土交通省の試算では、ICT建機の導入により従来工法と比べて土工の作業日数(工期)が約3割短縮されるとされています。あわせて、ドローン測量では従来の測量に比べて作業時間を大幅に削減でき、危険な場所も安全に計測できます。さらに、経験の浅いオペレーターでも高精度に施工でき、人手不足への対応や若手の活躍にもつながります。
Q4:小規模な現場や中小企業でもICT土工はできますか?
できます。近年は「簡易型ICT活用工事」という枠組みが整備され、求められる工程や精度を通常型より簡素化することで、小規模現場でも導入しやすくなっています。スマホ測量アプリのような手軽な3次元測量も使えます。さらに国土交通省が各地方整備局に「i-Constructionサポート事務所」を設け、技術支援や講習を提供しているので、ノウハウ不足を補いながら始められます。
Q5:ICT土工は初期投資が高いと聞きますが、経費は出ないんですか?
すべて持ち出しになるわけではありません。ICT活用工事では、3次元起工測量・3次元設計データ作成・3次元出来形管理にかかる経費を、発注者が設計変更によって計上する仕組みになっています。つまりICT化で増える測量やデータ作成の費用は、ある程度発注者側で手当てされます。ただし計上の範囲や条件は要領で決まっているので、着工前に発注者と何がどこまで見てもらえるかを協議しておくことが重要です。
Q6:ICT土工をやると逆に手間が増えませんか?
楽になる部分と手間が増える部分があります。施工そのものや検測は省力化されますが、その前段の3次元設計データ作成や、発注者の要領に沿った管理・書類づくりには、従来と違う工数がかかります。「ICTで全部楽になる」と思って入れると最初は戸惑うことがあるので、初めての現場はデータ作成を外注したり簡易型を選んだりして、増える手間を軽くする工夫が有効です。
Q7:施工管理としてICT土工で何を準備すればいいですか?
主に5つです。ICT活用工事の要領確認(求められる工程・精度・提出物の把握)、施工計画書への反映(測量手法・ICT建機・出来形管理方法の明記)、3次元設計データの段取り(貸与データの施工用変換を誰がいつ作るか)、発注者協議(経費の計上範囲・出来形管理・検査の進め方のすり合わせ)、工程の組み立て(測量・データ作成・施工・出来形計測のリードタイムを織り込む)です。ICTの操作スキルより、工程全体を設計する力が効いてきます。
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