- ジャンカってなに?
- 豆板と同じなの?違うの?
- どうして発生するの?
- 見つけたらどう補修すればいいの?
- 構造的にヤバいやつなのか知りたい
- そもそも発生させないようにできる?
上記の様な悩みを解決します。
ジャンカは、コンクリート工事で発生する代表的な施工欠陥の1つです。施工管理として放っておくわけにはいかない現象で、見逃すと鉄筋の腐食や構造強度の低下に直結したりします。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
ジャンカとは?
ジャンカとは、結論「コンクリートを打設した後に、セメントペーストと骨材が分離して、粗骨材(砕石)だけが固まってできた空隙のある不良部位」のことです。
表面がゴツゴツした豆を並べたように見えることから、豆板(まめいた)とも呼ばれます。「ジャンカ」と「豆板」は、現場や文献によって呼び方が違うだけで、意味は同じだと思ってOKです。
日本建築学会が発行している建築工事標準仕様書 JASS 5(鉄筋コンクリート工事)でも、施工上の代表的な欠陥として扱われているメジャーな現象ですね。
構造体コンクリートにジャンカがあると、こんな悪さをします。
ジャンカが構造体に与える悪影響
- 設計で想定した強度が出ない
- 空隙から水や塩化物が侵入しやすくなる
- 内部の鉄筋が錆びやすくなる
- 露出面だと見た目も悪い
脱型後にジャンカを発見したら、原則として必ず補修が必要になります。「ちょっとだから大丈夫」で放置しておくと、数年後に鉄筋爆裂(錆びた鉄筋がコンクリートを割って飛び出す現象)につながったりするので、侮れないやつです。
ジャンカが発生する原因
ジャンカの原因は、ざっくり以下のようなパターンに分類できます。現場では複数の要因が重なって発生することがほとんどですね。
ジャンカの主な発生原因
- コンクリートの配合不良(スランプ・水セメント比)
- 打設時の材料分離(高所からの自由落下など)
- バイブレーター(内部振動機)による締固め不足
- 型枠からのモルタル漏れ
- 打ち重ね時間の超過
- 鉄筋・配管の密集による打ち込み阻害
配合不良
スランプ値が低すぎると、コンクリートが硬くて型枠の隅々まで回り込みません。逆に高すぎても今度は材料分離が起きやすくなって、これまたジャンカの原因になります。
建築のRC造だとスランプ18cmが一般的ですが、鉄筋密集部だと21cmを使うケースもあります。スランプそのものについては、こちらの記事で詳しく書いていますのでよろしければ。

打設時の材料分離
コンクリートを高い位置からドボドボ落とすと、重い粗骨材から先に落ちていって、ペーストと骨材が分離します。
JASS 5でも打ち込み高さは1.5m以下が望ましいとされていて、それ以上の高さになる場合は縦シュートや象の鼻(先端が柔らかい蛇腹ホース)を使うのが標準ですね。
僕も電気の施工管理で現場にいた頃、スラブ打設で縦シュート使わずに上からドボドボ流してる業者さんを見て「これ、ジャンカ絶対出るだろ…」と思って指摘した記憶があります。案の定、脱型後にチラホラ出てました。
締固め不足
バイブレーターの突込みが足りないと、これまたジャンカ出ます。JASS 5の運用目安は以下の通り。
バイブレーターの運用目安(JASS 5準拠)
- 突込み間隔:60cm以下
- 1箇所あたりの時間:5〜15秒程度
- 先行層に10cm程度入れて層間を一体化
ただし、長すぎると今度は材料分離で逆にジャンカが発生するので、「長く入れれば入れるほど良い」は間違いです。バランスが命ですね。
型枠からのモルタル漏れ
型枠の締結が甘かったり、継ぎ目の精度が悪かったりすると、振動をかけた時にモルタル分だけが漏れ出して、型枠際に骨材だけが残ります。結果、その部分が表層ジャンカになるという流れですね。
特に差し筋周り、建具開口部、コーナー部、目地部分はモルタル漏れしやすい要注意ポイント。型枠建て込み時の検査でしっかり潰しておきたいところです。
打ち重ね時間の超過
先行打設したコンクリートが硬化し始めてから次を打ち重ねると、コールドジョイントと呼ばれる不連続面ができます。これもジャンカと類似した欠陥として扱われることが多いですね。
JASS 5の打ち重ね時間の限度は:
打ち重ね時間の限度(JASS 5)
- 外気温25℃以下:150分以内
- 外気温25℃を超える場合:120分以内
コールドジョイントについてもっと詳しくはこちらにまとめています。
配管・鉄筋密集部
電気の施工管理目線で言わせてもらうと、スラブ内のCD管・PF管が密集してるエリアはジャンカの多発スポットです。
配管同士が近接しすぎると、コンクリートが配管の下に回り込まず、空隙ができます。鉄筋とのアキが狭いとバイブも入れられないという悪条件が重なって、ジャンカ三重苦みたいな状態になるわけです。
僕自身、配筋検査の段階で「ここ配管寄せすぎじゃない?」と気になって打ち直しを提案したことが何度かあります。打ってしまってから「ジャンカ出ました…」となるより、打つ前に干渉をつぶしておく方が100倍安上がりですからね。
ジャンカの種類・程度区分
ジャンカは深さや鉄筋への到達度によって、ざっくり3段階で扱われます。補修方法も程度によって変わってくるので、ここの区分は押さえておきたいところ。
| 区分 | 深さの目安 | 状態 | 補修レベル |
|---|---|---|---|
| 軽微 | 10mm未満 | 表層のみ、鉄筋に達しない | 軽度補修(セメントペースト・モルタル) |
| 中程度 | 10〜30mm | 鉄筋には達しないが空隙あり | 中度補修(無収縮モルタル・断面修復材) |
| 重度 | 30mm以上 | 鉄筋が露出、構造体に影響 | 重度補修(鉄筋確認+断面修復材) |
※ 上記はあくまで現場で使われる一般的な目安です。実際はゼネコンや設計者の判断によって対応が変わります。
特に大きな分岐点は「鉄筋が露出しているかどうか」。露出していたら構造・耐久性への影響が大きいので、場合によっては構造設計者への確認が必要になります。
ジャンカの見分け方・発見のコツ
ジャンカには目に見えるものと、目に見えないもの(内部ジャンカ)があります。発見方法が異なるので使い分けが必要ですね。
表面ジャンカ(目視で発見)
脱型直後のコンクリート表面を目視チェック。ジャンカのサインはこんな感じです。
表面ジャンカの見分け方
- 表面がザラザラしている
- 骨材がゴツゴツと浮き出ている
- 色ムラがある(周囲と明らかに違う)
- 凹凸が激しい
このあたりに該当したら、ほぼジャンカと思っていいです。
内部ジャンカ(打音で発見)
内部ジャンカは目に見えないので、打音検査で見つけます。コンクリート表面を打診棒や点検ハンマーで軽く叩いて、音の違いをチェックする方法ですね。
- 健全部:コンコン、カンカンといった高めの澄んだ音
- 内部ジャンカあり:ボスッ、ボコッといった濁った音
現場監督は脱型後に必ずこの打音確認をやります。特に梁下、柱脚、スラブ下の配管周りは内部ジャンカが隠れてるので重点チェックポイントですね。
ジャンカの補修方法
ジャンカは程度によって補修方法を使い分けます。
軽微なジャンカの補修(表層のみ)
表層10mm未満で鉄筋に達していない場合の手順。
- ジャンカ部をワイヤーブラシやハンマーで軽く清掃(浮いた骨材を除去)
- 水で湿らせる、または吸水調整材を塗布
- ポリマーセメントモルタルを擦り込む
- 表面を均して養生(乾燥防止)
SBR系のポリマーセメントモルタルが現場でよく使われてるやつですね。
中程度のジャンカの補修
深さ10〜30mmで、鉄筋には達していない場合。
- ハツリ作業で健全な部分まで削る(四角くキレイにハツる)
- ブラッシングと水洗い
- 吸水調整材を塗布
- 無収縮モルタルまたは断面修復材を充填
- 仕上げ・養生
ハツリ作業については別記事で詳しく解説しているので、よろしければ。
重度のジャンカの補修(鉄筋露出)
30mm以上で鉄筋が露出している場合。
- ハツリで完全に健全部まで露出させる
- 鉄筋の腐食状況を確認(錆びていれば防錆処理)
- エポキシ樹脂系接着剤を塗布
- 断面修復材または無収縮モルタルでかぶり厚さを確保して充填
- 必要に応じて炭素繊維シートで補強
重度のジャンカは構造設計者への確認が原則です。場合によっては「打ち直し」という判断もあり得ます。ここは現場監督の独断で決めずに、必ず設計サイドと協議すべきポイントですね。
ジャンカを防ぐ施工管理のポイント
ぶっちゃけの話、ジャンカは発生してから補修するよりも、発生させないようにする方が圧倒的にラクです。補修コストも手間も馬鹿になりませんからね。
僕が現場で意識していたポイントを、タイミング別にまとめます。
打設前(準備段階)
打設前チェックリスト
- スランプ試験・空気量・塩化物量の試験結果確認
- 配筋検査で鉄筋間隔・配管干渉を確認
- バイブレーター計画(突込み位置)を打設業者と事前打ち合わせ
- 型枠の締結状態をチェック(コーナー・差し筋周り・建具開口部)
- 打ち重ね時間の管理担当を決めておく
配筋検査の基本はこちらの記事でも触れているのでよろしければ。

打設中
打設中の監視ポイント
- 投入高さは1.5m以内か(高い場合は縦シュート使用)
- バイブレーターの突込み時間は適切か
- ブリーディング水を放置していないか
- 打ち重ね時間が限度を超えていないか
打設後
脱型後のチェック
- 脱型後すぐに全体を目視点検
- 打診棒やハンマーで打音検査(特に梁下、配管周り)
- ジャンカを発見したら写真と位置を記録
- 補修計画を速やかに立てて実施
特に電気設備絡みで言うと、スラブ内配管が密集する箇所は、打設計画の段階で業者間ですり合わせておくのが効きます。配管同士の間隔を確保する、バイブが入れられる余地を残す、こういう地味な事前調整が結局ジャンカ防止の一番の近道だったりするんですよね。
ジャンカに関する情報まとめ
- ジャンカとは:コンクリート打設後にセメントペーストと骨材が分離し、粗骨材だけが固まった空隙のある不良部位(=豆板)
- 発生原因:配合不良、材料分離、締固め不足、型枠漏れ、打ち重ね超過、配管密集など
- 種類・程度:軽微・中程度・重度の3段階。「鉄筋露出の有無」が最重要分岐点
- 見分け方:表面は目視、内部は打音検査で判定
- 補修方法:軽微はモルタル塗布、中程度は無収縮モルタル、重度は断面修復+鉄筋確認
- 予防策:配合管理・配筋確認・バイブレーター計画・型枠チェック・打ち重ね時間の管理
- 関連規格:JASS 5(日本建築学会建築工事標準仕様書・鉄筋コンクリート工事)
以上がジャンカに関する情報のまとめです。
一通りジャンカの基礎知識は理解できたと思います。ジャンカは「打設品質」をそのまま映し出す鏡みたいな欠陥なので、施工管理として絶対に押さえておきたいところですね。
コンクリート品質に関わる関連知識も、以下の記事であわせて読んでみてください。



