キープランとは?
キープランとは、結論「図面が建物のどこを表現してるのかを示したもの」です。
大体図面の右下らへんにキープランは書かれており、図面の補足情報的な側面が多くなります。基本的にどの図面にもキープランはありますし、キープランが無ければ図面として成立しないので重要です。
時には拡大して詳細な部分のみの図面を作成する必要が出てたりします。例えば1枚だけでは表現しきれないから、図面を4等分して4枚の図面にしたりするんです。
「右上・右下・左下・左上」合計で4枚の図面になる訳ですが、1枚だけを見ると、その1枚が右上なのか?左下なのか?分かりませんよね。
キープランは「図面が建物のどこを表現しているかを示したもの」ですので、キープランがあることによって「この図面は右上か」「この図面は左下か」と図面がどこを示しているのか理解できます。
「図面を書いた人だけが理解できる図面」なんて何の価値もありません。他の業者が見た時も、別の職人さんが見た時も理解できるようにキープランは存在します。
建具キープランとは?
次は、建具のキープランとは?といったところです。
「そもそも建具ってなに?」という人もいると思うので軽く説明すると、建具とは「部屋を仕切るもの」です。ドアとか窓とかふすまとかが建具ですね。
キープランは「図面が建物のどこを表現しているかを示したもの」ですので、これらを掛け合わせてざっくり説明すると、
建具のキープランとは「部屋を仕切るものが、どこにあるのかを示したもの」です。
外と部屋を区切る為には窓が必要です。窓と一言でいってみても、プラスチック製の窓やアルミ製の窓や鉄製の窓があります。
ドアも同様にプラスチック製やアルミ製や鉄製のものがありますし、場所によってドアの大きさも異なったりします。
上記のような情報を詰め込んだのが、建具のキープランです。
具体的には下記のような情報が盛り込まれています。
建具のキープランに盛り込まれる情報
- どこに建具があるのか
- どんな種類の建具が付くのか(ドアとか窓とか)
- 建具の詳細(素材や大きさ、メーカーなど)
建具キープランに出てくる建具の記号と意味
建具キープランの記号①AW(アルミウィンド)
その名前の通り「アルミ製の窓」という訳ですが、割と現場では使われていたりします。オフィスビルでも体育館でも商業施設でも使われるので、必ず押さえておくべき項目です。
要は窓ですので『ここに窓が付くんだなー』と考えればオーケーです。
建具キープランの記号②AD(アルミドア)
直訳はアルミ製のドアですが、これも現場で良く使われますし、図面においても良く出てきます。アルミで出来ているので、強度は弱いですが、施工性に優れます。
良く出てくるので覚えておきましょう!
建具キープランの記号③WD(ウッドドア)
つまりは木製のドアという訳ですが、これはあまり出てきません。今はアルミかプラスチックか鉄製のドアや窓が使われることが多いので、木製のものはあまり見かけません。
木造の家では出てきますが、木造の建築物自体があまり多くないですからね。
というか、そもそも木造の施工に携わる人は、木造専門の技術者だったりします。S造RC造SRC造のような建物を作る人は、頭の片隅に置くくらいでちょうどいいです。
建具キープランの記号④JW(プラスチックウィンド)
要はプラスチック製の窓という訳です。プラスチックなので軽くて施工性に優れます。値段も安いですし、現場でも活躍していますね。
プラスチックは「plastic」ですので、「PW」かな?と思ったのですが、そうではないみたいですね。普通に間違えそうなので辞めて欲しいですw
建具キープランの記号⑤JD(プラスチックドア)
つまりはプラスチック製のドアという訳です。プラスチック製なので色の種類が豊富で、おしゃれなドアを演出することが出来ます。(JWと同様です)
JDも割と出てくるので、覚えておきましょう。
建具キープランの記号⑥SW(スチールウィンド)
直訳「鉄の窓」といった感じですね。これが一番多いかもしれません。鉄製なので耐久性に優れ、長く働いてくれるのが特徴です。
ただ鉄製なので重いです。また錆びたりもしますので、一長一短といった感じですね。
建具キープランの記号⑦SD(スチールドア)
これが一番大切です。
そもそも「SD図」という図面があるくらいボリュームが多い記号となります。現代の建物でSDを使っていない現場なんてないのではないでしょうか?
非常に頻繁に出てくるので、必ず押さえましょう。
建具キープランの記号⑧LS(軽量シャッター)
『そもそもLSとは?』といったところですが、Lは「LightSteel(軽い鉄)」でSは「Shutter(シャッター)」といった感じになります。
建具キープランの記号の後に書かれてる数字って?
建具キープランには、SDやAWなどの記号に加えて数字も書かれます。
例えば「SDの01」とか「AWの03」とかですね。「SDやAWの意味は分かったけど、後ろに書かれてる数字ってなに?」という疑問が生まれますよね。
結論、どの建具か?を表したものです。
まず設計段階で、使う建具はある程度決まっています。
例えば「パナソニックの型番AHN-4400」みたいな感じで、使用する建具の検討は終了しているんです。型番まで決まっていれば「素材は何か?」「大きさは何か?」ということも決まっています。
- SD-01
- SD-02
- SD-03
とあったら、 SD-01は「パナソニックの型番AHN-4400」で、SD-02は「東芝のWE-0022」、SD-03は「NECのUJJ-0021」的な感じですね。
だから「SD-02」と書いてあったら「東芝のWE-0022」ですので、素材も大きさも施工方法も理解することができるんです。
建具キープランとは別に、建具の詳細を記した図面が必ずあるので、確認しましょう。
キープランに関する情報まとめ
キープランに関する情報まとめ
- キープランとは:図面が建物のどこを表現してるのかを示したもの
- 建具キープランとは:部屋を仕切るものが、どこにあるのかを示したもの
- 建具の記号一覧:上参照
- 記号後の数字って?:どの建具かを表現したもの
以上がキープランに関する情報のまとめとなります。
一通り基礎知識は網羅できたと思います。