スランプ試験とは?試験方法、許容値、回数、注意点など

  • スランプ試験ってなに?
  • スランプ試験のやり方って?
  • 許容値はどれくらい?
  • 何回やればいいの?

上記の様な悩みを解決します。

現場ではコンクリートを打設する前に、搬入されてきたものが設計図書通りのコンクリートなのかを試験する必要があります。いくつか試験はありますが、その中で代表的なものがスランプ試験です。

基本、どの現場でも行われるので覚えておきましょう。

それではいってみましょう!

 

スランプ試験とは?

スランプ試験とは、結論「コンクリートの柔らかさを確認する試験のこと」です。

まず前提として、スランプ試験はスランプ値を測定するための試験になります。スランプ値はコンクリートの柔らかさを表す指標のことです。

コンクリートというと固いものを想像する方も多いと思います。実際には、コンクリートは最初は固くはありません。硬化する前の状態のコンクリートを生コンクリートと呼びます。スムージーみたいなイメージで、どろっとしたものです。

その状態のコンクリートの柔らかさを測定します。

スランプコーンと呼ばれるものに生コンクリートを詰め「コーンを引き抜いた時にどれだけグチャっとするか?」を測定するのがスランプ試験です。

10cmぐちゃっと潰れればスランプ値は10ですし、13cmぐちゃっと潰れればスランプ値は13になります。スランプ値が高いということは、それだけコンクリートが潰れたということ。つまり、コンクリートは柔らかいということです。

建物を設計しているのは設計者です。設計者はどんなコンクリートを使えば、震度6まで耐えられる、、、、といったことを計算しています。現場で実際に使うコンクリートも同様の性能のものでなければなりませんよね。

そこで、現場に搬入されてきたコンクリートが設計図書通りのスランプ値であるかを確認するのがスランプ試験です。

ちなみに、スランプ値と似たような言葉で「ワーカビリティ」と呼ばれるものがありますが、これはまた別物になります。

ワーカビリティとは?混和材料、スランプやコンステンシーとの関係等

 

スランプ試験方法

  • 水平な板を設置(水平器で水平であることを確認する)
  • スランプコーンと板を清掃、綺麗にする
  • スランプコーンにテスト用の生コンを詰める(コーンの全てに充填するようにする)
  • 詰め終わったらコテで平にする
  • スランプコーンを引き抜く
  • スランプ値を測定する(円の直径も測定する)

以上がスランプ試験の方法になります。

スランプコーンにコンクリートを詰める際は適宜棒などを使って押し込み、コーン全体へとコンクリートが詰まるように調節していきます。

 

スランプ試験の許容値

  • スランプ5cm以上8㎝未満 :許容差±1.5㎝
  • スランプ8㎝以上18㎝以下 :許容差±2.5cm

以上がスランプ試験の許容値です。JIS A 1101に規定されています。

スランプ値は18の場合、15.5cm〜20.5cmであれば許容値の範囲内と言えます。現場によってはスランプアタは変わりますが15〜18とされていることが多いので、基本的にスランプ値が8未満になることは少ないです。

よって、基本的な考え方としては、許容値は規定値の±2.5cmで考えるのが良いでしょう。

 

スランプ試験の回数

スランプ試験の回数は、1回の打設あたり2回行います。午前中に1回、午後に1回やります。ただ、場合によっては1回〜3回とするような場合もあります。(基礎コンクリートの場合など)

考え方としては、打設量が150m3を超えるかどうか、で考えると良いでしょう。

打設量が150m3を超える場合は1日に2回行い、150m3以下の場合は1回です。頻度に関しては現場や発注者によって変わったりするので、現場での確認が必要です。

 

スランプ試験に関する情報まとめ

  • スランプ試験とは:コンクリートの柔らかさを確認する試験のこと
  • スランプ試験方法:上章参照
  • スランプの許容値:規定値の±2.5cm
  • スランプ試験の回数:1日に2回(150m3以下の場合は1回)

以上がスランプ値に関する情報のまとめです。

一通りスランプ試験に関する情報は網羅できたと思います。

スランプ試験が終わればコンクリート打設になりますが、その際はレイタンスが発生しないよう注意しなければなりません。合わせて知識として抑えておきましょう。

下に記事のリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!

 

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