- 標準貫入試験ってなに?
- N値との関係って?
- サンプラーってどんなもの?
- ボーリングとの違いって?
上記の様な悩みを解決する記事です。
土木でも建築でも地盤調査は大切です。建物を支えるのは地盤ですから、ここで不具合が発生すると後々イレギュラーが発生してしまいます。
そこで行われるのが標準貫入試験です。今回は様々な観点から標準貫入試験を説明していきますね。
当記事を執筆するのは新卒から施工管理をやって1級施工管理技士まで取得した筆者ですので、それなりに信頼性の高い記事かなと思います。
それではいってみましょう!
標準貫入試験とは?
標準貫入試験とは、一言で言うと「地盤の硬さを測定するための試験のこと」です。
土木工事をする上で、地盤の硬さを測定することは必須です。構造物は重いので、地盤が緩ければ沈んでいってしまいますし、何より構造物として安定しません。
地盤が緩ければ固く改良しなければなりませんし、固いとしても「どの程度固いのか?」を理解する必要があります。
構造物を設置する場所は、地盤が固いのか、緩いのかを測定するのが標準貫入試験です。
具体的なやり方としては「サンプラーを300mm地盤にめり込ませるのに、何回叩く必要があるのか?」を測定します。※サンプラーについては後ほど解説しますが、簡単なイメージとして、金属棒をイメージしてください。
地盤が固ければ、何回も何回も叩かないと地盤にめり込ませることはできませんよね。対して、地盤が緩ければ、ちょっとの回数叩けばサンプラーが地盤にめり込んでいきます。
では、何回叩く必要があるのか?を測定するのが標準貫入試験です。
標準貫入試験が行われる現場について
土木工事や大規模な建築工事を行う際に標準貫入試験は行われます。
戸建ての木造住宅の様な小規模な建物で標準貫入試験が行われることが少ないです。
N値について簡単に
N値とは、一言で言うと「地盤の硬さを表す指標のこと」です。
N値が大きければ大きいほど地盤は固く、N値が小さければ小さいほど地盤はゆるくなります。標準貫入試験はこの「N値を測定するための試験」とも言えます。
標準貫入試験と密接に関わる部分ですので、覚えておく様にしましょうね。
標準貫入試験のやり方
- 1.所定の試験深度まで試験孔を掘削する。
- 2.試験孔底のスライムを除去。
- 3.スライム除去時は、試験孔底を傷つけないよう注意する。
- 4.掘削時の機器のロッドの先端に、専用のサンプラーを取り付ける。
- 5.サンプラーを試験孔底へ下す。
- 6.打撃装置を取り付ける。
- 7.63.5kgのハンマーを760mmの高さから自由落下させ、サンプラーを試験孔底から150mm貫入させる。
- 8.予備打ち後、再度、63.5kgのハンマーを760mmの高さから自由落下させ、サンプラーを貫入させる。300mmの貫入に必要な打撃回数を記録する)。
- 9.所定の試験深度ごとに、1~9を繰り返す
標準貫入試験のサンプラー
標準貫入試験のサンプラーは「金属製の筒の様なもの」です。
先ほどは金属棒と言いましたが、正確には金属製の筒の様な形状になってます。筒なので中身は空洞になっており、試験を行った土がサンプラーの中に入ってきます。※サンプラーはパカっと2分できる構造になっています
水筒の蓋が無いバージョンを想像すると良いと思います。
めり込めばめり込むだけ、筒の中に土が入っていき、その土を地上に持ってきて調査することができます。
地質調査の価値
採取した土からその土地の地盤を確認することができます。
基本的に粘土が採取されたら下に行っても粘土、土なら土、石なら石ですが。稀に粘土や土と石が混ざったりしているときがあったりします。
自然発生するものでは無いので、その場合は何かしらの手が加えられた土地なんだな、、、と理解したりします。
標準貫入試験で手に入れた情報は、その後の工事で必要な情報になってくるので価値が高いです。
標準貫入試験とボーリングの違い
簡単に言うと「穴をあけるのがボーリングで、地盤の硬さを調査するのが標準貫入試験」です。
まず標準貫入試験を実施する手順としては下記となります。
- サンプラーを入れる為の穴を開ける
- 穴にサンプラーを入れ、機械を設置する
- 標準貫入試験を実施する
この穴を開ける作業のことを「ボーリング」と呼びます。標準貫入試験もセットで行うので、総称して「ボーリング」といったりしますが、正確には違うものです。
標準貫入試験に関する情報まとめ
- 標準貫入試験とは:地盤の硬さを測定するための試験のこと
- N値との関係性:標準貫入試験でN値の測定を行う
- サンプラーとは:金属製の筒の様なもの
- ボーリングとの違い:穴をあけるのがボーリングで、地盤の硬さを調査するのが標準貫入試験
以上が標準貫入試験に関する情報のまとめです。
一通り基礎情報は網羅できたと思います。
合わせて覚えておくべき情報は「N値」かなと思います。標準貫入試験で測定するのはN値ですので、密接に関わってます。下に記事リンクを貼っておくので、よかったら確認してみてください。