- 柱頭ってなに?
- 読み方は?
- 柱脚と何が違うの?
- 接合部の納まりは?
- 金物の種類は?
- 座屈とどう関係する?
- 設計時のポイントは?
上記の様な悩みを解決します。
柱頭は鉄骨や木造の柱の「てっぺん」、つまり梁との接合部のこと。建物上部の荷重を受け止める要所で、設計・施工で慎重に扱われる部位です。柱脚と対になる用語ですが、混同されやすいので意味と接合部の納まりを整理しておきましょう。
なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。
それではいってみましょう!
柱頭とは?読み方と意味
柱頭とは、結論「建物の柱の上端、梁や床と接合される部分」のことです。読み方は「ちゅうとう」で、英語では Column Head、Column Top と呼ばれます。
柱の上に乗る梁・床・上層階の荷重をすべて受け止め、柱の本体に伝える接合部ですね。意匠的な意味では、古典建築(ギリシャ・ローマの神殿)で柱の上端に装飾を施した部分も柱頭と呼びます(コリント式・ドリス式・イオニア式の3様式が有名)。
僕としては、柱頭は「意匠と構造の交点」だと捉えていて、リノベ・耐震補強では構造設計者・意匠設計者と必ずすり合わせて進めるのが鉄則だなと思います。柱脚との関係はこちらに整理しています。

柱頭と柱脚の違い
両者は対になる構造用語です。
| 観点 | 柱頭 | 柱脚 |
|---|---|---|
| 位置 | 柱の上端 | 柱の下端 |
| 接合相手 | 梁、上階の柱、床 | 基礎、土台 |
| 主な応力 | 圧縮、曲げ、せん断 | 圧縮、曲げ、引抜き |
| 接合方式 | 仕口、金物、溶接、ボルト | アンカーボルト、根巻き、埋込み |
| 設計の焦点 | 梁との剛接合 | 基礎との接合 |
柱は「両端で接合される」部材なので、柱頭と柱脚をペアで設計するのが基本。「上下対称」「上下異なる接合方式」の組み合わせは、建物の構造特性によって選択されます。
柱頭の接合部
接合部の形式を、構造別に整理します。
鉄骨造の柱頭は高力ボルト接合(最も一般的)、完全溶け込み溶接接合、ダイヤフラムを介した接合(梁と柱の剛接合)の3パターン。ダイヤフラムは鉄骨柱の柱頭で梁を接合するための水平の鋼板で、内ダイヤ・通しダイヤなどの方式があります。
木造(在来軸組)の柱頭は仕口(ほぞ・ほぞ穴)と接合金物(梁受け金物、ホールダウン金物)、ビス・ボルト接合の組み合わせ。
RC造の柱頭は柱と梁・床を一体打設(仕口部分を含めて1回打ち)するのが基本で、配筋の重ね継手・継手金物で配筋を繋ぎます。RC造の柱頭は施工区分上の「打ち継ぎ位置」にもなって、コールドジョイント対策が重要。

柱頭に使われる金物
代表的な接合金物を整理します。
- ホールダウン金物(木造):柱頭・柱脚で引抜き抵抗
- かど金物・短ざく金物(木造):柱と土台・梁の接合補強
- 仕口ダンパー(木造):塑性変形でエネルギー吸収する制震金物
- ハンチ・ブラケット(鉄骨):梁端部を補強し剛性向上
- ダイヤフラム(鉄骨):柱頭で水平方向の力を伝達
接合金物全般の話はこちらに整理しています。

柱頭と座屈の関係
柱頭は座屈設計でも重要な位置です。
長く細い柱に圧縮荷重をかけると、ある荷重で急に曲がって破壊する「座屈」が起きます。座屈荷重は柱の長さの2乗に反比例し、「両端の支持条件」で大きく変わるんですね。
柱頭の支持条件は、自由端(拘束なし)で座屈荷重が小さく、回転拘束(ピン)で標準的、固定(剛接合)で座屈荷重が最大、という関係。つまり柱頭で「剛接合」を実現すれば、同じ柱断面で耐えられる荷重が大幅に増える、というのが「柱頭・柱脚をしっかり剛接合する」設計の根拠です。
両端の支持条件で「有効座屈長」が決まって、座屈耐力を計算します。座屈そのものの詳細はこちら。

柱頭に関する注意点
施工管理として押さえたい3点。
注意点①:鉄骨造の柱頭溶接精度
完全溶け込み溶接は超音波探傷検査(UT)で全数検査が原則。溶接の品質が建物全体の耐震性を左右します。
注意点②:木造のホールダウン金物の本数・サイズ
地震時の引抜き力で柱が抜けないよう、ホールダウン金物のサイズ・本数を計算通りに施工。設計図と実物の照合を必ず実施するのが鉄則。
注意点③:配筋の重ね継手位置
RC造柱頭の配筋では、重ね継手位置が応力集中する梁との接合部に来ないよう、構造図に従って配置します。配筋検査の重要チェック項目です。リノベで柱頭に新たな開口を設ける場合、構造設計者と必ず相談のうえ補強計画を立てましょう。古い建物では設計図に記載されていない補強金物が入っていることもあるので、慎重な調査が必要です。

柱頭に関する情報まとめ
- 柱頭とは:柱の上端、梁や床との接合部、読み「ちゅうとう」
- 柱脚との違い:柱頭は上端で梁、柱脚は下端で基礎
- 接合部:鉄骨は高力ボルト・溶接、木造は仕口+金物、RCは一体打設
- 金物:ホールダウン/かど金物/仕口ダンパー/ハンチ/ダイヤフラム
- 座屈との関係:支持条件で有効座屈長が変わり耐力に直結
- 注意点:溶接精度/ホールダウン本数/配筋継手位置
以上が柱頭に関する情報のまとめです。
柱頭と柱脚はセットで考える部位で、両方の接合条件で建物の耐震性能が決まります。施工管理としては、検査項目で「柱頭側もしっかり確認する」習慣をつけておくと、構造的な安心感が一気に上がります。一通り基礎知識は網羅できたかなと思います。
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