レイタンスとは?ブリーディングとの違い、除去、予防方法など

  • レイタンスってなに?
  • ブリーディングとの違いって?
  • レイタンスの除去方法は?
  • 予防方法について知りたい

上記のような悩みを解決します。

コンクリート打設が適切になされないとレイタンスが発生します。

レイタンスは良くないものです。レイタンスが発生しないように工事を進める必要がありますし、レイタンスが発生したら適切な処理を施す必要があります。適切な知識を身につけましょう。

当時記事を執筆するのは、新卒から現場で施工管理をやって1級施工管理技士まで取得した筆者ですので、それなりに信憑性の高い記事になるかなと思います。

それではいっていましょう!

 

レイタンスとは?ブリーディングとの違い

レイタンスとは、一言で言うと「ブリーディングに伴い、コンクリート表面に出る微粒物が薄層になって沈積したもの」です。

前提として、コンクリートは下記材料にて構成されています。

  • セメント
  • 砂(細骨材)
  • 砂利(粗骨材)
  • 混和材料

良いコンクリートは、これらの材料が適切に混ざった状態です。良くないコンクリートはこれらの材料が分離してしまいます。

比重が軽いので水は上に蓄積し、比重が重い砂利は下に来る。。。といった形です。こういった材料分離が発生すると「良くないコンクリート」とされます。

材料分離が発生し、水だけが上に溜まってしまうことをブリーディングと呼び、水自体のことをブリーディング水と呼びます。

このブリーディング水が蒸発してできあがってしまうのが、レイタンスです。

ブリーディング水が蒸発したら、水の中に含まれる微粒物はコンクリートの表面に残りますよね。これらが薄い層となって、打ち継ぎの障害になります。ので、レイタンスは除去する必要があります。

 

コンクリートは何層も重ねてできる

高さ5mのコンクリート擁壁を作る際、いきなり5mのコンクリートを打設することはありません。ちょっと打って、時間をおいて、ちょっと打って、時間をおいて。。。といった形で工事を進めていきます。

層と層を重ねる際にレイタンスがあると、層同士の接着がうまくいきません。

よって、適切な強度の構造体を作る為に、レイタンスは除去する必要があります。

 

レイタンスの除去方法

  • 削り落とす
  • 処理剤を使用する

レイタンスの除去方法としては、上記の2点があります。

まずは「削り落とす」というやり方です。

要するのレイタンスが無くなれば良い訳ですので、微粒物が溜まった層を削り落とすと言うやり方です。

ブラッシングと言ったりしますが、ワイヤーブラシ等の工具を使って削ります。他にはグラインダーやサンダーなどの工具を使って削る場合もあります。

また「処理剤を使用する」というやり方もあります。

コンクリート打設面処理剤を使います。様々な種類がありますが、具体的に言うと「レイタンスを削り落としやすくするもの」だったり「レイタンス自体を硬化させるもの」があったりします。

ケースバイケースですが、コンクリート処理剤を使うとコストが高くなってしまいます。

 

レイタンスを予防するには

レイタンスを予防するには「正しいやり方でコンクリートを打設すること」が大事です。

現場では常にイレギュラーが発生します。自分も現場で働いていたので簡単ではないことはわかりますが、基本的なルールを守って、正しいやり方でコンクリートを打設すればレイタンスは発生しません。

具体的には、下記の様な項目を守る様にしましょう。

  • 落下高さを低くすること(1500mm以下にする)
  • 一層は400mm〜500mmにすること
  • 打つ速度は30分で1m〜1.5m

そもそもレイタンスは材料分離が原因で発生します。材料が分離しないよう、正しくコンクリートを打設する様にしましょう。

 

レイタンスの発生はスランプ値や雨天時に注意

レイタンスは、コンクリートの水分量が多ければ多いほど発生しやすいです。

よって、雨天時にコンクリート打設を行うと、レイタンスが発生しやすかったりします。また、スランプ値にも注意が必要で、スランプ値が高ければ高いほど、レイタンスも発生しやすくなります。

高いスランプ値のコンクリートを使う現場は特に注意する様にしましょう。

 

レイタンスに関する情報まとめ

  • レイタンスとは:コンクリート表面に出る微粒物が薄層になって沈積したもの
  • ブリーティングとの違い:ブリーディング水が蒸発してできるのがレイタンス
  • レイタンスの除去方法:削り落とす、処理剤を使用する
  • レイタンスの予防方法:正しいやり方でコンクリートを打設すること

以上がレイタンスに関する情報のまとめです。

一通り基礎知識は網羅できたと思います。

合わせて覚えておくべきなのは「コンクリート打設」に関する情報です。正しくコンクリート打設をすればレイタンスは発生しません。基礎知識について学んでおきましょう。

下にリンクを貼っておくので、よかったら読んでみてください。

それでは!

コンクリート打設とは?手順、雨の場合、中止基準、あいばんなど