小型移動式クレーンとは?資格、技能講習、費用、玉掛けなど

  • 小型移動式クレーンって普通のクレーンと何が違う?
  • つり上げ荷重で資格が変わるって、どういうこと?
  • ユニックやラフターはこれに入るの?
  • 特別教育・技能講習・運転士免許、どれを取ればいい?
  • 講習は何日かかる?費用は?試験は難しい?
  • 運転だけできればいいの?玉掛けもいるって本当?
  • 無資格で運転したら罰則ある?
  • 施工管理だけど、自分で取る必要ある?
  • 現場では何を確認すればいい?

上記の様な悩みを解決します。

小型移動式クレーンは建設現場で毎日のように使う機械ですが、「どの資格が必要なのか」が荷重で細かく分かれていて、意外とややこしいです。しかも見落としがちなのが「運転資格だけでは荷を吊れない」という点。今回は小型移動式クレーンの定義と資格区分を整理したうえで、施工管理目線で「玉掛けとセットで必要な理由」「無資格運転のリスク」「現場での確認事項」まで、実務でつまずかない形でまとめました。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、これから資格を取る方にも、現場を管理する方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

小型移動式クレーンとは?

小型移動式クレーンとは、結論「つり上げ荷重が1トン以上5トン未満の移動式クレーン」のことです。

ポイントは「小型=機械が小さい」ではなく、「つり上げ荷重で区分された呼び方」だということです。移動式クレーンは、自走できて場所を移動しながら荷を吊る機械の総称で、そのうち、つり上げ荷重1トン以上5トン未満のものを法律上「小型移動式クレーン」と呼んでいます。

現場でよく見る、次のような機械の多くがこの区分に入ります。

  • トラッククレーン(ユニックなどの積載形トラッククレーン)
  • 小型のラフテレーンクレーン(ラフター)
  • カニクレーン(クローラ式の小型クレーン)
  • その他、つり上げ荷重1〜5トン未満の移動式クレーン

ここで大事なのが「つり上げ荷重」という言葉です。つり上げ荷重とは、そのクレーンが構造上つり上げられる最大の荷重(フックなどの重さも含む)のことで、実際に吊る荷物の重さ(定格荷重)とは別物です。資格の区分はこの「つり上げ荷重」で決まるので、ここを取り違えないことが第一歩になります。鉄骨の建方などでクレーンをどう使うかは、こちらも参考になります。

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つり上げ荷重で決まる運転資格の区分

小型移動式クレーンで一番ややこしいのが、「つり上げ荷重によって必要な運転資格が3段階に分かれる」ことです。ここを表で整理します。

つり上げ荷重 必要な運転資格 種別
1トン未満 小型移動式クレーン運転特別教育 特別教育
1トン以上5トン未満 小型移動式クレーン運転技能講習 技能講習(国家資格)
5トン以上 移動式クレーン運転士免許 免許

つまり、「小型移動式クレーン(1〜5トン未満)」を運転するには、小型移動式クレーン運転技能講習を修了するのが基本ルートです。この技能講習制度は平成2年の労働安全衛生法改正で整備されました。

区分を理解するうえでのポイントはこうです。

  • 特別教育(1トン未満)は講習時間が短く、扱える範囲も1トン未満に限られる
  • 技能講習(1〜5トン未満)が、いわゆる「小型移動式クレーンの資格」で最も需要が高い
  • 運転士免許(5トン以上)は全ての移動式クレーンを運転できるが、取得に時間がかかる
  • 上位資格を持っていれば下位の作業もできる(運転士免許があれば小型も運転可能)

現場で最も使い勝手がいいのは、真ん中の技能講習です。1〜5トン未満のクレーンが現場の主力なので、まずここを取る人が多いです。

小型移動式クレーン運転技能講習の中身

では、技能講習を実際にどう取るのか。受講資格・日数・費用・試験を整理します。

まず受講資格ですが、これはシンプルで、満18歳以上であれば誰でも受けられます。実務経験は不要なので、未経験からでも取得できます。

講習の内容と費用の目安はこうです。

  • 日数:資格を何も持っていない場合、3日間で計20時間(学科+実技)
  • 学科:クレーンの知識、力学、関係法令など
  • 実技:クレーンの運転と合図
  • 試験:学科試験と実技試験の両方に合格すれば修了。合格率は学科・実技とも高め(多くが合格する)
  • 費用:おおむね27,000〜50,000円程度(免除科目の有無で変動)

費用に幅があるのは「免除科目」があるためです。玉掛け技能講習や小型建設機械などの関連資格を持っていると、学科・実技の一部が免除されて日数と費用が短縮されます。実務だと、会社が費用を負担して取らせるケースが多い資格です。試験の合格率自体は高いので、まじめに受講すれば大きく身構える必要はありません。

運転資格だけではダメ|玉掛けとセットが必須

ここが、この記事で一番伝えたいところです。実は、小型移動式クレーンの運転資格を取っただけでは、現場でクレーン作業を完結できません。

なぜなら、クレーンで荷を吊るには「玉掛け」という、荷にワイヤーやフックを掛ける作業が必ず発生するからです。そしてこの玉掛けには、運転とは別の資格が必要になります。つり上げ荷重1トン以上のクレーンの玉掛けには玉掛け技能講習が必須で、1トン未満なら玉掛け特別教育で足ります。

小型移動式クレーンは基本的につり上げ荷重1トン以上なので、その玉掛けには玉掛け技能講習が必要になります。つまり、一人で運転から玉掛けまでこなすなら、「小型移動式クレーン運転技能講習」+「玉掛け技能講習」の2つがセットで要る、というわけです。

僕としては、これから取るなら玉掛け技能講習と小型移動式クレーン運転技能講習をセットで取るのがおすすめです。片方だけだと現場で作業が完結せず、結局もう片方も取ることになります。教習所によっては併合コースがあって、まとめて取ると割安になることもあります。「運転できる=作業できる」ではない、というのが現場の落とし穴なので、ここは最初に押さえておいてください。

無資格運転の危険と罰則

「ちょっとだけだから」と無資格でクレーンを動かすのは、絶対にやめたほうがいいです。

小型移動式クレーンの運転や玉掛けは、労働安全衛生法で資格が義務づけられた業務です。無資格で従事させた場合、次のようなリスクがあります。

  • 事業者・本人ともに労働安全衛生法違反となり、罰則の対象になり得る
  • 万一の事故で労災が起きれば、無資格作業が重大な過失として問われる
  • 現場の安全書類上も、無資格者の作業は認められない

クレーン災害は、荷の落下や転倒で重大災害に直結します。合格率が高く取りやすい資格なので、コストや手間を惜しんで無資格で運転するメリットは何もありません。現場を預かる立場なら、無資格運転は絶対にさせない、という線引きが大事です。

【現場目線】施工管理者・作業者が押さえる実務

最後に、資格を取る側だけでなく「現場を管理する側」として押さえておきたい実務を整理します。

施工管理者や作業者が現場で確認・注意すべきポイントはこのあたりです。

  • 運転者が該当する資格(荷重区分に合った運転資格)を持っているか、資格証で確認する
  • 玉掛けを行う者が玉掛け技能講習を修了しているかを確認する
  • クレーン作業には合図者を定め、運転者と合図の方法を統一しておく
  • アウトリガーを最大限に張り出し、地盤の養生(敷鉄板等)で転倒を防ぐ
  • 作業半径内への立ち入りを禁止し、吊り荷の下に人を入れない

施工管理をしていると、自分でクレーンを操作するわけではないので「資格は業者任せ」になりがちです。ですが、資格の有無や作業体制の確認は、現場を管理する側の責任範囲です。個人的には、揚重(クレーン作業)がある日は「運転資格・玉掛け資格・合図者・アウトリガーと地盤」をワンセットで確認する習慣をつけておくと、事故もヒヤリも大きく減らせると思います。

施工管理者本人が資格を取る必要があるかというと、直接運転しないなら必須ではありません。ただ、クレーン作業の危険ポイントを体系的に理解できるので、指導・確認をする立場としては持っていると強いです。作業の指揮や合図の統括まわりは、職長の役割とも重なります。

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小型移動式クレーンに関する情報まとめ

  • 小型移動式クレーンとは:つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーン。ユニック・ラフター等が該当
  • 運転資格の区分:1トン未満は特別教育、1〜5トン未満は技能講習、5トン以上は運転士免許
  • 技能講習:18歳以上なら受講可(実務経験不要)。無資格なら3日間20時間、費用27,000〜50,000円程度、合格率は高め
  • 玉掛けとセット:運転資格だけでは作業できない。1トン以上の玉掛けには玉掛け技能講習が別途必須
  • 無資格運転:労働安全衛生法違反で罰則対象。取りやすい資格なので無資格で運転する意味はない
  • 現場の実務:運転資格・玉掛け資格・合図者・アウトリガーと地盤をセットで確認する

以上が小型移動式クレーンに関する情報のまとめです。

現場目線で言えば、小型移動式クレーンは「運転資格と玉掛け資格をセットで押さえる」のが実務の基本です。荷重区分で資格が変わること、そして運転だけでは作業が完結しないことを理解しておけば、資格選びでも現場管理でも迷わなくなると思います。クレーン作業がある現場は、段取りと確認を丁寧にやって、安全に荷を上げてください。

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