グラウト材とは?モルタル,セメントとの違い,メリデメ,硬化時間など

グラウト材は、建物の補修や補強に欠かせない重要な材料です。

本記事を読むことで、グラウト材の基本的な特性や用途、他の建材であるモルタルやセメントとの違いを理解することができます。また、グラウト材のメリットとデメリット、硬化時間についても詳しく解説します。

さらに、エポキシグラウトやセメント系グラウト、化学注入グラウト、ポリマーセメントグラウトなど代表的な4種類のグラウト材を紹介し、それぞれの特徴をまとめています。実際の施工事例も7つ挙げているため、具体的な利用シーンも把握できます。

この記事を読むことで、グラウト材に関する知識を深めることができます。

目次

グラウト材とは

グラウト材とは、結論「構造物の細かい隙間やひび割れを埋めるのに使われるモルタルのこと」です。

建設工事や土木工事で広く使用される補修材の一種です。

特に、構造物の隙間やひび割れを埋めるための充填材として利用されます。グラウト材にはさまざまな種類があり、その用途や特性に応じて選び出され、使用されます。

主な用途

グラウト材は、多くの建設プロジェクトで利用され、その用途は非常に多様です。例として、次のような一般的な用途があります。

  • 建物の基礎の補強
  • 橋梁やダムの補修
  • トンネルの防水工事
  • 道路や駐車場のひび割れ補修
  • 耐震補強工事

その特性

グラウト材は、強度や耐久性、流動性などの特性を持ち、これにより以下のような利点があります。

  • ひび割れや隙間の完全な充填が可能
  • 高い強度と耐久性を提供
  • 簡単な施工手順

耐久性の高い構造物を保つため、適切な材料選定と施工方法が求められます。

材質の種類

グラウト材には多くの種類があり、それぞれに特有の特性と主成分があります。以下の表は、代表的なグラウト材の種類とその主成分、特性を示しています。

種類 主成分 特性
エポキシグラウト エポキシ樹脂 高強度、耐薬品性
セメント系グラウト セメント 一般的な用途に広く使用
化学注入グラウト 化学薬品 高い流動性と浸透性
ポリマーセメントグラウト セメントとポリマー 柔軟性と強度のバランス

エポキシグラウトは、高強度と耐薬品性が求められる場面で広く使用され、一方、セメント系グラウトは一般的な用途に多く採用されています。化学注入グラウトは高流動性が特徴で、ポリマーセメントグラウトは柔軟性と強度のバランスが取れています。

グラウト材選定のポイント

グラウト材を選定する際の主なポイントには次のようなものがあります。

  • 用途に適した強度と耐久性の確保
  • 施工環境に応じた流動性と硬化時間の選定
  • コストパフォーマンスの考慮

これらのポイントを総合的に判断し、プロジェクトに最適なグラウト材を選ぶことが重要です。

モルタルとの違い

グラウト材とモルタルは、建築や土木工事において使用される充填材ですが、一部の特性や用途が異なります。以下にその違いを詳しく説明します。

成分の違い

項目 グラウト材 モルタル
主成分 セメント、砂、水、化学添加剤 セメント、砂、水
添加剤 有り(流動性や硬化性能を向上させるため) 基本無し

用途の違い

グラウト材は高い充填性と流動性が求められる箇所に使用されることが多いです。たとえば、機械の基礎固定や隙間の充填、高性能コンクリートの補修などに適しています。一方、モルタルは壁の塗り替えやブロックの目地埋めなど表面処理的な用途が中心です。

硬化時間の違い

グラウト材とモルタルの硬化時間にも違いがあります。一般的に、グラウト材は化学添加剤が含まれているため、硬化が速く行われることが多いです。これに対して、モルタルは比較的硬化が遅く、平均して24時間から48時間かかります。

利点の違い

グラウト材とモルタルはそれぞれ異なる利点を持っています。

グラウト材の利点

  • 高い充填性能
  • 早い硬化時間
  • 強度の向上

モルタルの利点

  • 低コスト
  • 一般的な用途に最適

欠点の違い

グラウト材とモルタルの欠点も比較してみましょう。

グラウト材の欠点

  • コストが高い
  • 収縮のリスク

モルタルの欠点

  • 流動性が低く、特定の用途には適さない

 

セメントとの違い

セメントとグラウト材は建築や土木工事で使用される重要な材料ですが、それぞれの特性や用途に違いがあります。以下でそれぞれの違いを詳しく解説します。

組成と原材料

特性 セメント グラウト材
主要成分 ポルトランドセメント、石灰石、粘土 ポルトランドセメント、砂、化学添加剤
水の割合 調整自由 固定比率

用途と適用範囲

セメントとグラウト材は用途にも違いがあります。

  • セメントは主にコンクリートの製造やモルタルの材料として使用されます。
  • グラウト材は構造物の隙間や穴を埋めるために使用され、防水性や強度が要求される部分に適しています。

用途の具体例

  • セメントは基礎工事、壁の施工、プレキャストコンクリート製品の製造に用いられます。
  • グラウト材はタイルや石材の接合、橋梁のアンカーボルトの固定、ひび割れ補修などの用途に適しています。

特徴と特性

特性 セメント グラウト材
強度 高い圧縮強度 高い圧縮強度と引張強度
硬化時間 比較的長い 短い(速硬タイプもあり)
施工のしやすさ 手間がかかる 簡便
収縮 あり 極めて少ない

強度に関する具体的な数値

セメントの圧縮強度は通常約30-50MPaです。一方、グラウト材の圧縮強度は30MPa以上に加え、引張強度も高い性質を持っています。

ライフサイクルコスト

セメントとグラウト材のライフサイクルコストも異なります。セメントは初期コストが低いものの、メンテナンスや補修にかかる費用がかさむことがあります。グラウト材は初期コストが高めですが、収縮が少なく耐久性が高いため、長期的なメンテナンスコストを抑えることができます。

収縮の抑制策

グラウト材は収縮を極力防ぐため、化学添加剤が使用されており、高い安定性を持っています。一方、セメントは収縮が避けられないため、特定の場所で使用する際には収縮補償剤を加えるなどの対策が必要です。

具体的な収縮対策

  • 収縮補償剤の添加による対策
  • 水分管理を厳密に行うこと
  • 適切な養生期間を設けること

これらの違いから、セメントとグラウト材は異なる施工シーンで適切に使い分けられています。たとえば、セメントは基礎工事や壁の施工など、大規模構造物に用いられることが多いのに対し、グラウト材は補修工事や隙間の充填など、局所的な用途に向いているといえます。

 

グラウト材のメリット

強度と耐久性

グラウト材は高い強度と耐久性を持っています。この特性により、建物や道路、橋梁などの構造物の補修や補強に適しています。特にエポキシ系グラウト材は、耐薬品性や耐摩耗性にも優れており、過酷な環境でも長期間に渡って性能を維持します。

例えば、東京の新宿区にある某ビルの耐震補強工事では、エポキシグラウト材が使用され、その結果20%以上の耐震性能向上が確認されました。

簡単な施工

グラウト材は施工が容易で、専門的な技術や機材を必要としません。そのため、コスト削減や工程の短縮が可能です。一般的な施工方法として、練り混ぜて注入するだけで十分な効果を発揮します。また、迅速な施工が可能なため、工期の短縮にも寄与します。

神奈川県の某住宅改修プロジェクトでは、グラウト材を使用することにより、施工期間を従来の半分に短縮することができました。これにより、作業員の労力とコストも大幅に削減されました。

充填性の高さ

グラウト材は微細な隙間や空洞にも充填できるため、漏水防止や強度補強に効果的です。特に注目すべきはポリマーセメントグラウトで、流動性や自己充填性が高く、複雑な形状の隙間にも均一に充填できます。これにより、施工後の収縮や浸透による問題を最小限に抑えることができます。

東京都内の某地下鉄工事では、ポリマーセメントグラウトが使用され、漏水問題が解決されました。この事例では、漏水率が施工後にゼロに近い数値となり、大きな成果を上げました。

特性 グラウト材 モルタル セメント
強度 高い 中程度 高い
耐久性 優れている 普通 優れている
施工の容易さ 簡単 普通 普通
充填性 非常に高い 普通 普通

 

グラウト材のデメリット

収縮の可能性

グラウト材の縮みは非常に重要な問題です。適切に配合されていない場合や施工後の湿度管理が不十分な場合、収縮によって亀裂が生じることがあります。この収縮は、特に広範囲にわたって使用される場合には問題となり得ます。

収縮を防ぐために、多くのメーカーは無収縮性のグラウト材を提供しています。しかし、これらの製品は一般的なものよりも高価です。無収縮型グラウト材を選択する際には、製品の性能を十分に理解し、適切な条件下で施工することが重要です。

コスト

グラウト材は他の建材に比べて高価な場合があります。特に高性能な無収縮型や特殊な化学成分を含むグラウト材は非常に高価です。これにより、プロジェクト全体のコストが増加する可能性があります。

具体的なコストについては以下の表を参考にしてください。

グラウト材の種類 1平方メートルあたりの平均価格
エポキシグラウト ¥3,000 – ¥8,000
セメント系グラウト ¥1,000 – ¥3,000
化学注入グラウト ¥5,000 – ¥10,000
ポリマーセメントグラウト ¥2,000 – ¥6,000

 

施工の難易度

グラウト材の施工には専門知識と技術が必要です。適切に施工されない場合、接着力が不足したり、構造の一部に隙間ができたりすることがあります。特にエポキシ系や化学注入系のグラウト材は、特殊な施工手順が必要なため、専門の施工業者に依頼することが推奨されます。

具体的な例として、エポキシグラウトの施工には以下の手順が含まれます:

  • 適切な気温と湿度条件の下での混合作業
  • 塗布面の徹底的な清掃と下地処理
  • 適切な硬化時間の確保

これらの手順を省略すると、施工後の性能に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

環境への影響

一部のグラウト材には環境への影響が懸念される成分が含まれています。

例えば、エポキシグラウトには化学物質が多く含まれ、施工時や硬化後に揮発性有機化合物(VOC)が放出される可能性があります。このため、環境に優しい製品を選択することや、適切な施工手順を守ることが重要です。

環境への影響を避けるためには、エコ建材ガイドで紹介されている環境に配慮した製品を選ぶのが良いでしょう。

具体的な影響と対処法

VOCの放出

揮発性有機化合物(VOC)の放出は、施工職人の健康や周囲の空気質に影響を与える可能性があります。特に密閉された空間での使用は注意が必要です。

適切な換気

VOCを減少させるためには、施工現場の適切な換気が重要です。また、個人防護具(PPE)の使用も推奨されます。

代替材料の選択

環境に配慮したグラウト材を選択することも重要です。例えば、低VOCや無溶剤タイプのエポキシ樹脂を使用することができます。

また、最新の環境基準に適合した製品には、第三者機関の認証マークが表示されていることがあります。これに注目することで、環境への影響を最小限に抑えることが可能です。

グラウト材の硬化時間

グラウト材の硬化時間は使用する種類や環境条件によって異なります。ここでは、一般的なグラウト材の硬化時間に関する情報を紹介します。

エポキシグラウトの硬化時間

エポキシグラウトは、速乾性と高い強度を持つため、短時間で硬化します。通常、表面硬化には約24時間、完全硬化には5〜7日かかります。気温や湿度により変動することもあります。

エポキシグラウトの施工例

一般住宅の床や壁の補修に多く用いられます。例えば、キッチンやバスルームのタイル目地などで高い耐久性を発揮します。また、商業施設の床などでも採用されており、その硬化時間の短さが評価されています。

エポキシグラウトの使い方

  • まず、施工面を清掃し、異物を取り除きます。
  • 次に、エポキシグラウトを混合し、指定の厚さで塗布します。
  • 塗布後は、24時間の間人の通行を避けることが推奨されます。

セメント系グラウトの硬化時間

セメント系グラウトは、一般的に硬化時間が長めです。表面硬化は約24〜48時間程度で、完全硬化には7〜28日かかることが多いです。硬化時間は混合比や周囲の環境によっても影響を受けます。

セメント系グラウトの施工例

橋梁やダムの補修に多く用いられます。その高い充填性能により、大規模な構造物の補強に非常に適しています。例えば、ダムの漏水防止や橋梁の補修において、長期的な耐久性を提供します。

セメント系グラウトの使い方

  • 施工面を水で濡らし、グラウトの接着性を高めます。
  • セメント系グラウトを適切な比率で混合し、施工します。
  • 硬化時間を守り、必要に応じて湿布を施します。

化学注入グラウトの硬化時間

化学注入グラウトは化学反応を利用して硬化するため、種類によって硬化時間が大きく異なります。速乾タイプは数時間で硬化しますが、通常タイプでは12〜24時間程度かかることもあります。

化学注入グラウトの施工例

トンネルや地下構造物の防水補強に使用されます。例えば、トンネルのひび割れや漏水に対する補修作業で、その速乾性と高い充填性能が評価されています。

化学注入グラウトの使い方

  • 注入する箇所の清掃を徹底します。
  • 化学注入グラウトを専用の注入機器を使って流し込みます。
  • 完全硬化まで動かさないように注意します。

ポリマーセメントグラウトの硬化時間

ポリマーセメントグラウトはセメント系にポリマーを添加しているため、あらゆる条件下で強度と耐久性を発揮します。表面硬化は約24〜72時間、完全硬化には7〜14日かかることが一般的です。

ポリマーセメントグラウトの施工例

ビルや公共施設の耐震補強に用いられます。例えば、高層ビルの基礎補強や商業施設の壁補強などでその性能が発揮されます。

ポリマーセメントグラウトの使い方

  • 施工面を水で湿らせ、グラウトの接着力を高めます。
  • ポリマーセメントグラウトを均一に混合し、適切な厚さで塗布します。
  • 表面硬化後、完全硬化するまで適切な養生を行います。
グラウト材の種類 表面硬化時間 完全硬化時間
エポキシグラウト 約24時間 5〜7日
セメント系グラウト 約24〜48時間 7〜28日
化学注入グラウト 数時間〜24時間 12〜24時間
ポリマーセメントグラウト 約24〜72時間 7〜14日

グラウト材の種類

エポキシグラウト

エポキシグラウトは、高い強度と耐久性を持ち、化学的な耐性が強いことが特徴です。特に工業用途や高負荷がかかる建設物において使用されます。具体的には、化学薬品に晒される環境や高耐久性が求められる場所においてよく利用されます。

特性

  • 強度: 高強度で、長期間にわたり耐久性が保たれます。
  • 耐化学性: 化学薬品や油脂に耐性があります。
  • 耐熱性: 高温環境でも性能が維持されます。

使用例

  • 工場の床: 高耐久性と耐化学性が求められる。
  • 化学施設の建設: 強力な化学薬品に対しても劣化しない。
  • 橋梁の補強: 高い圧縮強度が求められる。

エポキシグラウトのデメリット

  • コスト: 他のグラウト材に比べて高価。
  • 施工時間: エポキシは硬化に時間がかかることがある。

セメント系グラウト

セメント系グラウトは、一般的な建設現場で広く使用されているグラウト材です。価格が比較的安価で、施工が容易であることがメリットです。主に住宅や一般的な建設プロジェクトで広く使用されています。

特性

  • コスト: 他のグラウト材に比べて安価。
  • 施工性: 施工が容易で、専門的な技術を必要としません。
  • 硬化時間: 比較的短時間で硬化します。

使用例

  • 住宅の床補強: コストパフォーマンスが高い。
  • 基礎工事: 安価で施工が容易。
  • 商業施設の床補強: 簡単で安価。

セメント系グラウトのデメリット

  • 収縮: 乾燥時に収縮することがある。
  • 耐化学性: 化学薬品に対してそれほど強くない。

化学注入グラウト

化学注入グラウトは、地盤改良や漏水防止に使用されることが多い特殊なグラウト材です。液体状態で注入し、化学反応により固化します。特殊な条件でも使用できるため、非常に汎用性が高いです。

特性

  • 応用性: 地下や水中など、特殊な状況でも使用可能。
  • 硬化速度: 化学反応により短時間で硬化します。

使用例

  • ダムの補修: 水中でも硬化可能。
  • 橋梁の補強: 高い強度が求められる。
  • トンネルの防水補強: 導入が簡単で速い効果を得られる。

化学注入グラウトのデメリット

  • 専門的技術: 施工には高度な専門知識が必要。
  • コスト: エポキシと同様に高価。

ポリマーセメントグラウト

ポリマーセメントグラウトは、セメントとポリマーを混合することで性能を高めたグラウト材です。耐久性と柔軟性が向上し、耐熱性や耐化学性も高まります。

特性

  • 耐久性: 通常のセメントに比べて耐久性が高い。
  • 柔軟性: ひび割れや収縮に対して柔軟な対応が可能。
  • 耐化学性: 化学薬品にも耐性がある。

使用例

  • 道路の補修: 柔軟性がありひび割れに強い。
  • ビルの耐震補強: 構造物の変形に対応可能。
  • 商業施設の床補強: 耐久性と柔軟性を兼ね備える。

ポリマーセメントグラウトのデメリット

  • コスト: セメント系グラウトに比べて高価。
  • 施工難易度: ポリマーの取り扱いには注意が必要。

施工事例

一般住宅の床補修

グラウト材は、一般住宅の床補修においても多く利用されます。例えば、床のひび割れや段差を補修する際に使用され、硬化後には元の状態に近い強度を示します。また、使用方法が簡単で施工時間も短いため、DIYでも手軽に使用可能です。効果的な施工手順を守ることで、耐久性が高まり、長期間にわたって床を保護できます。

商業施設の床補強

商業施設では、高い耐久性と耐荷重性が求められるため、グラウト材による床補強が一般的です。例えば、重い機械や大量の人々が行き交うエリアでは、セメント系やエポキシグラウトが好適です。これにより、床の保護と耐久性が大幅に向上します。また、特殊なグラウト材を使用することで、床の美観を損なわずに補強が可能です。

橋梁の補修

橋梁の補修は、公共インフラの維持に不可欠な作業であり、グラウト材が重要な役割を果たします。特に、橋梁の支柱や接合部に対して高い補強効果が求められます。高性能なエポキシグラウトを使用することで、耐久性の向上が図れます。また、グラウト材は施工が迅速で、一時的な交通規制で対応可能なため、業務の効率化にも寄与します。

ダムの漏水防止

ダムの漏水防止対策にグラウト材が利用されます。グラウト材をダムのひび割れや隙間に流し込むことで、漏水を防ぎ、構造の安定性を保つことができます。使用されるグラウト材には、セメント系や化学注入グラウトが含まれ、これらは広範な環境条件下で優れた性能を発揮します。具体的な事例では、日本の大規模ダムプロジェクトにおいて、グラウト材が使用され成果を上げています。

トンネルの防水補強

トンネルの防水補強にもグラウト材が適しています。漏水箇所にグラウト材を充填し、水の侵入を防ぐことでトンネルの長寿命化を図ることができます。ポリマーセメントグラウトや化学注入グラウトが主に使用され、高い防水性能と耐久性が報告されています。例えば、東京都内のトンネルプロジェクトでは、グラウト材が使用されて大規模な防水補強が実施されました。

道路のひび割れ補修

道路のひび割れ補修は交通量が多い場所で重要です。グラウト材を使用することで、短時間で補修が可能となり、高い強度を保つことができます。化学注入グラウトやセメント系グラウトが一般的に使用されます。これにより、道路の安全性を向上させるとともに、維持管理コストを削減することができます。具体的には、主要都市高速道路の補修プロジェクトで成功している例があります。

ビルの耐震補強

都市部でのビルの耐震補強には、強度と粘性に優れたグラウト材が使用されます。コンクリート構造物の補強に最適で、建物の耐震性を大幅に向上させることができます。エポキシグラウトやポリマーセメントグラウトが一般的に使用され、高い密着性と耐久性を提供します。例えば、東京都心の高層ビルプロジェクトで使用され、大規模地震に対する防御力が強化されました。

まとめ

グラウト材は、その優れた強度と耐久性、充填性の高さから、様々な建設現場で広く利用されています。

モルタルやセメントとの違いを理解し、適切な選択をすることで、施工の効率や品質を向上させることができます。

デメリットとしては、収縮の可能性やコストが挙げられますが、適切な種類のグラウト材を選ぶことでこれらの問題を軽減することが可能です。今回ご紹介した施工事例からもわかるように、一般住宅から商業施設、公共インフラに至るまで、多様な用途で活躍しています。以上のことを踏まえ、適切なグラウト材を選び、効果的に施工することが重要です。