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総合評価方式とは?仕組み、評価項目、加算点、入札の流れなど

  • 総合評価方式ってなに?
  • 価格だけで決まらないってどういうこと?
  • 標準点・加算点ってなに?
  • 簡易型・標準型・高度技術提案型って何が違うの?
  • どんな項目で評価されるの?
  • 施工管理として何をするの?

上記の様な悩みを解決します。

「総合評価方式」は公共工事の入札で広く使われる方式で、価格だけでなく技術力も評価して落札者を決める仕組みです。「安かろう悪かろう」を防ぎ、品質の高い工事を確実に発注するための制度として、国土交通省・地方自治体・独立行政法人などの公共発注で事実上の標準方式になっています。施工管理として「自分の経歴・現場での技術が評価点に反映される」世界なので、基本構造を押さえておく価値が大きい領域です。

なるべく分かりやすい表現で記事をまとめていくので、初心者の方にも理解しやすい内容になっているかなと思います。

それではいってみましょう!

目次

総合評価方式とは?

総合評価方式とは、結論「公共工事の入札で、入札価格に加えて技術力(工事成績・技術提案・配置技術者の経歴など)を点数化し、両方を統合した「総合評価値」で落札者を決める入札方式」のことです。

「価格競争だけでは品質低下を招く」という問題意識から導入された方式で、現在の公共発注では事実上の標準方式となっています。

→ ざっくり、「価格はもちろん大事、でも技術力も同じくらい大事」という考え方で落札者を決める仕組み、というのが総合評価方式のイメージです。

基本的な計算式

総合評価値は概ね次の計算式で算出されます。

総合評価値 = (標準点+加算点)÷ 入札価格 × 補正係数

標準点(または基礎点)は基本要件を満たした業者に与える点(例:100点)、加算点は技術提案や経歴などによる加算(例:0〜30点)、入札価格は低いほど有利(割り算の分母)、補正係数は価格と技術のバランスを調整する係数、という構成です。

従来の最低価格方式との違い

両方式の違いを表で整理すると次のようになります。

項目 最低価格方式 総合評価方式
評価軸 価格のみ 価格+技術
落札者 最低価格を入れた業者 総合評価値が最大の業者
品質確保 低価格で品質低下リスク 技術評価で品質担保
評価の手間 少ない 多い(書類審査が必要)
適用 軽微な工事中心 一般〜大規模工事中心

主な目的と根拠法令

総合評価方式の目的は、品質確保(価格だけでなく技術力で評価)、ダンピング受注防止(極端に低い価格の業者を排除)、優良業者の育成、公共工事の信頼性向上、技術革新の促進、というあたりです。根拠法令は公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)、会計法第29条の6第2項、地方自治法施行令第167条の10第2項、各省庁・各自治体の運用基準、というラインアップです。

採用される工事の規模と最低制限価格との関係

採用機関別では、国土交通省直轄工事が原則すべて、都道府県・政令市の公共工事が大規模工事を中心に拡大、市町村の公共工事が自治体ごとに導入が進む、独立行政法人・公社の発注で標準的に採用、という分布。総合評価方式でも最低制限価格制度は併用されることが多く、極端な低価格は失格になります。低入札価格調査制度との使い分けは別記事で整理しているので、合わせて参照してください。

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総合評価方式の評価項目(標準点と加算点)

総合評価方式の点数構造を「標準点」と「加算点」に分解して整理しておきましょう。どの項目で何点取れるかを理解することが、入札戦略の出発点です。

標準点と加算点

標準点は入札参加要件を満たした業者全員に与えられる点で、通常100点(自治体・案件で異なる)が基本。失格基準を下回ると入札無効になります。標準点は加算しても変わらない、というのが基本構造です。加算点は技術提案や経歴で加算され、工事の難易度・規模により0〜30点程度が一般的、高度技術提案型では加算点が大きくなります。

加算点の主な評価項目と配点例

加算点が付く代表的な項目は、企業の技術力(類似工事実績、優良工事表彰、ISO認証)、技術者の能力(監理技術者の経験、保有資格、CPD)、施工計画(工程計画、品質管理、安全管理)、個別技術提案(工事固有の課題への提案)、地域貢献度(地元雇用、地域での実績、災害協定)、環境配慮、若手技術者の登用、というあたりです。

国土交通省の標準的な配点例を表で整理すると次のようになります。

評価項目 配点
企業の技術力 5〜10点
技術者の能力 10〜15点
施工計画 10〜15点
個別技術提案 5〜15点
地域貢献度 5〜10点
その他(環境・安全等) 5〜10点

→ 加算点は技術者能力と施工計画・個別提案で大半が決まる、という構造です。

個別技術提案・配置技術者・企業評価

個別技術提案で評価される具体的なテーマは、工期短縮(プレキャスト化、夜間施工、複線作業)、品質向上(高強度材料、特殊養生、追加検査)、安全対策(仮設工法改善、ICT活用、無人化施工)、環境対策(低騒音機械、廃棄物削減、CO2削減)、近隣対策(搬入計画、騒音抑制、通学路対応)、というあたりです。

配置予定技術者の評価項目は、保有資格(1級施工管理技士、技術士、優良工事表彰歴)、類似工事の経験(類似規模・類似工種での実績)、継続教育(CPD)、過去の工事成績、というのが中心。企業評価では、同種工事の施工実績(過去5〜10年)、優良工事表彰、工事成績評定点、ISO9001/14001、建設業許可(一般・特定の区分、専門工種)、を見ます。地域貢献度評価では、地元雇用、地元下請業者の活用、災害協定、地域での過去工事実績、CSR活動、というあたりが評価対象です。

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総合評価方式のタイプ(簡易型・標準型・高度技術提案型)

総合評価方式は工事の規模・難易度に応じて3つのタイプに分類されます。入札参加業者の負担と発注者の評価工数のバランスで使い分けられます。

3つのタイプの比較

タイプ別の特徴を表で整理すると次のようになります。

項目 簡易型 標準型 高度技術提案型
工事規模 小規模 中規模 大規模・難工事
加算点上限 5〜10点 10〜20点 20〜30点超
技術提案の有無 なし or 簡易 あり 大規模に必要
評価書類 少ない 中程度 多い
評価期間 短い 標準 長い
業者の負担 軽い 中程度 重い
発注者の負担 軽い 中程度 重い

簡易型・標準型・高度技術提案型の中身

簡易型は評価項目が企業実績・技術者経歴・施工計画の概要で、技術提案は原則として要求されない(あっても簡素)、適用工事は1億円未満の中小規模工事が中心、入札の手間は比較的軽く、加算点は5〜10点程度、という構成です。

標準型は評価項目に企業実績・技術者経歴・施工計画・技術提案が含まれ、技術提案は必須(一般的なテーマで提案)、適用工事は1〜10億円程度の中規模工事が中心、本格的な書類作成が必要、加算点は10〜20点程度。

高度技術提案型は評価項目が標準型のすべて+高度な個別技術提案で、技術提案は複数テーマの本格的な提案、適用工事は10億円超の大規模工事・特殊・難工事、膨大な書類作成とヒアリング対応も必要、加算点は20〜30点超、というハイレベルな勝負になります。

タイプ判別と業者の戦略

タイプ判別のチェックポイントは、発注者の入札公告で「タイプ」が明示されている、指定された提出書類の数で判別可能、技術提案の有無・テーマ数(高度型は複数テーマが多い)、評価期間(高度型は2〜3ヶ月かかることも)、というあたりです。タイプによる業者の戦略は、簡易型なら価格競争が効きやすい(技術差が出にくい)、標準型なら技術提案の質で差別化(中規模ゼネコンの主戦場)、高度技術提案型なら大手ゼネコンの本気度勝負(特殊技術が必須)、と分かれます。

施工能力評価型という新しいタイプ

近年は「施工能力評価型」という、技術提案を簡素化して企業実績・技術者経歴を重点評価するタイプも採用されています。書類負担を減らしつつ品質確保を目指す方式で、自治体発注で広がっています。技術提案書の作り込みはタイプによって全く異なるので、入札公告の確認が出発点です。

施工計画書や施工体制台帳との関係も含めて、書類体系全般の理解を深めておきましょう。

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総合評価方式の入札の流れ

総合評価方式の入札は「公告→事前審査→入札→技術評価→落札者決定」の流れで進みます。簡易型より標準型・高度技術提案型ほど工程が長くなります。

標準型の入札フロー

標準型の入札の流れは次のような11ステップで進みます。

  • 入札公告(発注者が案件を公開)
  • 入札参加申請(業者が参加意思を表明)
  • 競争参加資格の事前審査
  • 設計図書・仕様書の閲覧・質問期間
  • 技術提案書・施工計画書の作成・提出
  • 入札書の提出(価格を入れる)
  • 開札(入札価格の発表)
  • 技術評価(提出書類の点数化)
  • 総合評価値の算定
  • 落札者の決定・公表
  • 契約締結

期間目安は、公告から入札書提出までで2〜3ヶ月、開札から落札者決定までで1〜2ヶ月、全体で3〜5ヶ月かかるのが一般的です。

→ 価格競争方式と比べると、落札確定までに数ヶ月かかる重い手続きが標準、というのが総合評価方式のリードタイム感覚です。

事前審査・書類提出・開札

競争参加資格の事前審査では、建設業許可、経営事項審査(経審)の点数、入札参加資格(自治体ごとの登録)、過去の指名停止、暴力団排除、を確認します。技術提案書・施工計画書は発注者指定様式で作成し、A3またはA4で指定ページ数以内、電子提出または紙提出、PDF・Excel・Word指定フォーマット、というルールに従います。開札では入札書を一斉に開封して価格を公表し、最低制限価格・予定価格による失格判定、書類不備・価格不適合などによる入札辞退・無効、を判定します。

技術評価と総合評価値の算定

技術評価のプロセスは、発注者の評価委員会が書類を点数化、複数の評価者が独立して評価(評価のブレを抑えるため)、評価結果の集約(平均点や合議で確定)、高度技術提案型ではヒアリング実施、という流れ。総合評価値の算定では、各業者の標準点+加算点を確定、入札価格と組み合わせて総合評価値を計算、総合評価値が最大の業者が落札候補、となります。

落札者の決定と評価結果の公表

落札者の決定と通知では、総合評価値順位を発表(1位〜下位までの結果を公表)、落札候補者への通知(契約の意思確認)、落札者の決定・公表(自治体ホームページ等で公表)、契約締結(落札後14〜30日以内が一般的)、という手順を踏みます。評価結果の公表として、落札者の評価点・価格は公表され、他業者の評価点・順位は自治体により公表、評価結果に対する質問は所定の期間内なら可能、明らかな評価ミスがあれば異議申立可能、というルールも整備されています。

入札公告の見方

入札公告は、発注公告のホームページを頻繁にチェック、入札情報サービス(PPI)が国交省直轄、自治体の入札情報ページ、業界紙・ポータルサイト、というあたりで情報収集します。最低制限価格との関係や、低入札価格調査制度との違いも合わせて理解しておくと、入札戦略がクリアになります。

総合評価方式と施工管理の関わり

総合評価方式は「営業・技術部門だけの仕事」ではなく、施工管理経験者が大きく関わる領域です。自分のキャリア・現場経験が評価点に直結するので、施工管理として知っておく価値があります。

施工管理が関わる主な場面

総合評価に施工管理が関わるのは、配置予定技術者として登録される(自分の経歴が加点に)、技術提案書の作成支援(現場経験を活かしたアイデア出し)、施工計画書の作成(受注後の実行計画の前段階)、過去工事実績の整理、見積根拠の確認(技術提案を実現するためのコスト試算)、というシーンです。

配置予定技術者の評価項目

配置予定技術者として評価される項目は、保有資格(1級施工管理技士、技術士、博士などの上位資格)、類似工事の経験(類似規模・類似工種での施工実績)、継続教育CPD(単位取得状況・年間〇単位)、工事成績評定点、優良工事表彰、というあたり。技術者経歴を加点に活かすには、CPDの単位取得(年間20〜40単位を目標に継続)、資格取得の継続(1級施工管理技士、技術士などへのステップアップ)、類似工事の積極参加(得意分野の経歴を厚くする)、工事成績評定点の意識(日々の現場運営の質)、論文・発表(学会発表や業界誌投稿で評価アップ)、を地道に積み上げます。

現場経験を技術提案に活かす

現場経験を技術提案のネタにするコツは、過去現場での失敗・成功体験(提案の根拠材料)、「もっとこうすれば良かった」改善案(VE提案のヒント)、協力会社・職人さんの工夫、新製品・新技術の試用経験(実証済みの効果)、というあたり。

契約後のフェーズと履行できないリスク

契約後は、技術提案書の内容を施工計画書に反映、個別の技術提案を施工要領書で詳細化、発注者との協議で提案を具体化、検査・記録での提案効果の証明、という流れで実行に移します。技術提案を履行できなかった場合は、契約違反として指摘される、発注者の信頼を失う、次回入札での評価ダウン、工事成績評定点の低下、というリスクがあります。

普段から意識すべきこと

施工管理が普段から意識すべきことは、CPD単位の継続取得、資格取得の計画(上位資格へのステップアップ)、現場での記録(過去工事の写真・データを整理)、論文・発表機会の活用(個人ブランディング)、工事成績評定点の維持、というあたりです。入札制度を理解することで、会社の受注獲得ロジックを理解できる、自分の経歴・スキルが評価される仕組みを把握できる、社内のキャリア戦略(どの工事に手を上げるか)が見えてくる、業界全体の動向(制度変化への対応)にも敏感になれる、というメリットがあります。

技術提案書のレビューと現場で意識していること

技術提案書のレビューに参加する場面では、施工管理経験者として実現性をジャッジ、過去現場の経験を提案に反映、現場目線の修正コメント、技術部門と協力して提案品質を上げる、という役割を担います。

施工管理として配置予定技術者に登録されるとき、「自分の名前が会社の落札を左右する」重みを感じます。過去現場での工事成績評定点・CPD単位・優良工事表彰は、地道に積み上げてきた結果が入札の場でしっかり評価される世界。日々の現場をしっかり管理し、結果を残していく意識が、長い目で見て自分の市場価値を上げることにつながります。

→ 技術提案書の理解を深めると、現場での提案力が一気に上がります。

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総合評価方式に関する情報まとめ

  • 総合評価方式とは:価格+技術力で落札者を決める入札方式
  • 計算式:(標準点+加算点)÷入札価格 で総合評価値を算定
  • 3つのタイプ:簡易型・標準型・高度技術提案型
  • 評価項目:企業実績・技術者経歴・施工計画・個別提案・地域貢献
  • 加算点:5〜30点程度(工事規模で変動)
  • 入札の流れ:公告→事前審査→入札→技術評価→落札者決定
  • 施工管理の関わり:配置予定技術者、技術提案支援、施工計画作成
  • キャリア戦略:CPD取得・資格取得・工事成績評定点が個人評価に直結

以上が総合評価方式に関する情報のまとめです。

総合評価方式は「価格だけでは決まらない世界」で、会社の技術力・施工管理一人ひとりの経歴が直接評価される仕組みです。施工管理としては「自分のCPD単位・資格・工事成績評定点が会社の落札を支える」意識を持って日々の現場運営をしていくと、会社にとっても自分のキャリアにとっても大きなプラスになります。技術提案書の作成・施工計画書の作成にも積極的に関わり、現場経験を入札の場で武器にする動きを取れる施工管理は、業界での価値が一段上がります。

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