「派遣」と聞くとあまり耳障りのよろしいものではありませんが、こと派遣の施工管理においてはそこまで悪いものではありません。なんなら良い面も沢山あります。
では具体的に、どのようなメリットがあるのか?といった点について詳しく解説していきます。
また、メリットだけではなく、デメリットも確実に存在していますのでその点についても触れます。メリットとデメリット両方を理解した上でキャリアの参考にしてみてください。
当記事を執筆している筆者も派遣の施工管理です。実際に派遣の施工管理になって感じたことを元に記事をまとめていくので、それなりに信憑性の高い記事になるかなと思います。
目次
派遣の施工管理になって感じたメリット
その①定時あがりできる
派遣の施工管理は基本的に定時あがりできます。
正社員の施工管理の場合「残業が当たり前」という価値観ですが、派遣の施工管理においては「定時あがりが当たり前」という価値観です。
基本的に夜遅くまで残業するのは正社員の施工管理でして、正社員の施工管理の共通認識として「派遣は早く返す」という考え方があります。
よって、施工管理は好きだけど残業は苦手という人に派遣の施工管理が向いています。
筆者が派遣の施工管理になったのも定時上がりできるからです。他にもありますが、これが一番のメリットですね。プライベートも大切にできますし、別のことに力を注げます。
正社員の施工管理として働いていると、施工管理技士やその他の資格勉強が大変になります。夜遅くまで残業して更に資格の勉強というのは、しんどいかなと。
対して、派遣の施工管理なら定時上がりできますから、資格取得も比較的容易です。
資格があれば転職する際に役立ちますし、派遣の施工管理としての給料交渉にも使えます。良いこと尽くしですね。
当然、現場によって異なるというのは大前提です。
いつもは定時あがりできる現場でも、忙しい日少し残業したりもします。比較的少ないということですので、完全にゼロという訳ではありません。
その②給料は比較的高め
派遣の施工管理は、給料も比較的高めです。
筆者が正社員から派遣になった時は、基本給が1.5倍になりました。正社員の時は残業を大量のしていたので総額としては下がりましたが、時給という観点だと余裕で派遣の施工管理の方が高いです。
何故、派遣の方が給料が高いの?正社員の方が頑張ってるんだから、正社員の方が給料が高くなるのに決まってるのでは?と思う方もいるかもしれません。
正社員の給料は固定費です。必ず支払わなければならない金です。会社の経営状況がどうであれ、現場の状況がどうであれ、必ず払わなければなりません。
対して、派遣の給料は変動費です。
変動費はいざとなったら切れます。新型コロナウィルスの時、多くの派遣社員がクビを切られましたが、この様にいざとなれば切れるのが派遣の特徴です。
いつでも切れるからこそ、その分給料が高くなります。
切られる可能性を孕む変わりに給料が高い、ということです。逆に、正社員は切られる可能性が少ないからこそ給料が低いということです。保険料を払ってるイメージですかね。
その③仕事に責任がない
仕事に責任がないのも派遣の施工管理です。
勿論、仕事でミスをしたら怒られますよ?ただ最終的に現場をどうにかしなければならないのは、ミスをした派遣ではなく、正社員です。
正社員はその仕事に大きな責任を持ちます。
対して、派遣はあくまで正社員の補佐的な役割ですから、いい感じに責任が軽いんです。要するに「そこそこ気楽に働ける」というのがメリットと言えます。そこそこ気楽に働ければ、精神的に相当楽です。
「どうしたらいいか分からない」「困った」となれば、基本、正社員に相談すれば解決します。対して正社員なら自分でなんとかしなければなりません。
その④能力が認められれば正社員登用も可能
派遣先の現場で能力が認められれば、正社員登用も可能です。
前提として、建設業は慢性的な人手不足です。それなりに現場でやれる人材なら、正社員登用というのは余裕で実現可能だと感じています。
現に筆者も派遣の施工管理として働いていますが、正社員へのオファーも受けました。
個人的に正社員の施工管理は考えていませんので丁重にお断りしましたが、本当にそういうことがあります。割とあるあるな話です。
中には業界最大手の会社に正社員として採用された例もあります。筆者の前の会社が業界最大手だったですが、そこで派遣から施工管理になった人がいたのが証拠です。
学歴や経歴など不要で、現場で使えさえすれば大きな会社の施工管理になる可能性があります。割と夢のある話ですよね。
とはいえ、大きな会社であればあるほど、それなりに能力も求められます。
その⑤合わない現場は辞められる
派遣の施工管理なら、合わない現場は辞められます。
建設業で施工管理をしていれば、いわゆる「やばい人」や「やばい現場」に出会うことがありますよね。こんな時、正社員の施工管理ならば我慢しなければなりません。
正社員である以上、会社のいうことを聞かなければならないからです。上司に相談して変えてもらうことはできますが、これは最終手段ですからね。
対して、派遣の施工管理ならば、即現場を変えてもらえます。
派遣会社としても、稼いでくれる人を失うより、別の現場を紹介した方がメリットが大きいです。責任の変わりに自由を手にしているイメージですね。
実際、筆者が正社員の施工管理として働いている時、派遣の施工管理の方は現場を変えていました。いわゆる「やばい現場」だったからです。笑
この様に割と融通がきくのもメリットですね。
なお、職務経歴書には「現場を短期で変えた」という経歴が残ってしまうので、良い面ばかりではありません。ちゃんと説明すれば問題ありませんが、良く思わない人がいるのも忘れない様にしましょう。
派遣の施工管理になって感じたデメリット
その①派遣先の企業に育成義務はない
派遣社員のデメリット一つ目は、派遣先の企業に育成義務がないことが挙げられます。
個人的にはこれが一番のデメリットだと思います。
正社員はその会社でずっと働く前提ですから、仕事を覚える様に育成されます。長期的なキャリアを見据えて色々と仕込まれます。
対して、派遣の施工管理は「使いたい時に使う」だけです。育成義務はありませんし、必要なくなったら切ればいい。厳しい表現ですが現実はこうです。
筆者も派遣の施工管理として働いていますが、施工管理としての能力が向上する様な仕事は、正社員の施工管理に優先的に回されるイメージがあります。
とはいえ、派遣の施工管理だから何も教えられない訳ではありません。
聞けば教えてくれますし、やりたいと言えば仕事にチャレンジすることができたりします。よって派遣の施工管理として上を目指すなら、自ら学ぶ姿勢が必要です。
その②切られる可能性がある
派遣の施工管理は切られる可能性があるのもデメリットです。
正社員の施工管理なら職を失うリスクなんてほぼほぼありません。日本の法律は労働者優位ですから、どれだけ無能でもクビにされることは無いですね。
実際、筆者が正社員として施工管理をしていた頃、正社員で本当に仕事ができない人ですらそれなりの給料を貰っていました。派遣なら即切られているところ。
自分の仕事能力に自信がない人は黙って会社にしがみつくのが正解だと思います。
逆に、能力の高い人が切られることはほぼほぼありません。施工管理は人手不足ですから、優秀な人材は派遣でも確保したいところですからね。
新型コロナウィルスなどの騒動が起これば、切られるのは真っ先に派遣社員です。正社員とは違って切られる可能性があるのも忘れない様にしましょう。
その③社会的地位の低さ
派遣の施工管理のデメリットとして、社会的地位の低さも挙げられます。
単純に、世間体としての見栄えが悪いということです。
例えば、結婚相手の親に挨拶へ行く時、派遣社員であることはあまり好印象ではありませんよね。同級生と会う時もそうですが、少し自分に自信がなくなります。
派遣には様々な雇用体系がありますが、施工管理の派遣の場合は、派遣会社の正社員として雇用されるパターンが一般的です。
派遣会社の正社員として雇用され、各現場に派遣されます。いわゆるSESの施工管理バージョンの様なものですね。
よって、正確にいえば「正社員」なのですが、現場では常に派遣扱いされます。
プライドの高い方なんかでは「派遣扱い」が苦手な人もいるかと思いますので、自分が耐えられる人なのか?は検討が必要です。
その④マージンを抜かれることに対する不満
派遣会社のデメリットとして挙げあれるのは、マージンが抜かれることに対する不満が溜まることです。
基本的に派遣会社は何もしません。現場がなくなれば現場の紹介をしてくれますが、紹介してからは何もしません。何もしないのに、マージンは抜かれます。
毎月数十万という金を派遣会社に抜かれる。。。派遣会社は何もしないのに。。。不満が溜まるのは当たり前ですよね。良い商売では無いと思います。
派遣会社にバリューがない訳ではありません。
現場と派遣社員のマッチングをしている訳ですし、現場が切れたら他の現場に営業をかけたりしてくれます。仕事を一切していない訳ではありませんが、その仕事は稼働時間に対して適切な金額でしょうか?
違うと思います。こういったことに疑問を持ってしまう様な人は派遣の施工管理に向いていないかなと思います。
その⑤社会的信用の無さ
派遣の施工管理のデメリットとして、社会的信用の無さも挙げられます。
日本のサラリーマン(正社員)は社会的信用が高いです。信用がある為、住宅ローンが通りやすかったり、その他ローンや審査にも通りやすかったりします。
筆者は引っ越しを検討した際、審査に落ちてしまったことがあります。勿論「派遣であること」がどれだけ作用していたか分かりませんが、正社員と比較すると社会的信用がないのは事実だと感じました。
社会的信用がないことは、意外と様々な場面で面倒なことになったりします。ビジネスなんてほぼほぼ信用で成り立っている訳ですから、信用が弱いのは致命的です。
自分が何を求めるのか?によって異なりますが、ローンで買いたいものがある人は、派遣の施工管理に向いていないかもしれません。
施工管理としてキャリアを積みたいなら正社員一択
総評として「一時的に派遣の施工管理をやる」という場合には派遣の施工管理がオススメです。
長期的に続けることを前提に考えると、派遣はやらない方がいいです。
自分のやりたいことがあったり、仕方のない事情がある場合は派遣でも良いかもしれません。
施工管理としてのキャリアアップを本気で考えているなら、派遣の施工管理よりも正社員の施工管理がオススメです。やはり育成義務の有る無しはかなり大きいと思います。
自分は何をしたいのか?どうなりたいのか?を真剣に検討し、派遣のメリットとデメリットを正確に把握した上でキャリアの意思決定を行いましょう。
正社員の施工管理に転職したいと考えた場合は転職エージェントを活用すると良いでしょう。
いくつかオススメの転職エージェントをあげておきます。
リクルートエージェント
業界最大手の会社ですので安心感があります。転職エージェントの会社はいくつかありますが、迷ったらリクルートエージェントにしておけば間違いありません。筆者が転職活動をした時も当然使ってました。
ポイントとしては求人数の多さです。業界トップの求人数を誇ります。
どの業界・職種に転職するとしても対応できます。求人数が多いため、どの業界職種においても様々な選択肢を見ることもでき、幅広い選択肢から転職活動を進めることが可能です。
あえて弱いポイントを挙げるとすると、担当に当たり外れがあることです。大手なのである程度は仕方ない部分がありますね。合わないと感じたら違う担当に変えてもらいましょう。
リクルートエージェントのおすすめポイント
- 業界No.1の求人件数
- 独占求人が多い
- ほとんど全ての業界職種に対応
- 完全無料
dodaエージェント
会社としての歴史も古く、老舗ですので優良企業との繋がりも豊富にあります。80%以上が非公開求人で、利用した人の満足度がNo.1という調査結果もあります。
ちなみに筆者の友人もdodaエージェントで働いていますが、かなり優秀です。
実際に筆者がdodaエージェントを活用した時にも担当の方はコチラの要望をしっかりしてくれました。割と印象は良いですね。
弱い点を挙げるとすればメールの量が多すぎるということですね。紹介される求人が多すぎてめんどくさくなりました。
dodaエージェントのおすすめポイント
- 大手から中小企業やベンチャーまで幅広く対応可
- 年収の査定をしてもらえる
- エージェントが企業との交渉をしてくれる
- 完全無料
マイナビジョブ20’S
リクルートエージェントやdodaエージェントは幅広い年代に対応していますが、マイナビジョブ20’Sのサービスは20代に特化しています。20代における満足度ではNo.1と言われています。
企業担当のエージェントもいますので、求人票に乗っていない情報まで知ることができます。転職活動はほぼほぼ情報戦ですから、強いアドバンテージが取れます。
選考対策のサポートも充実していますし、求人数も多いですのでオススメです。
欠点としては高年齢の人にとっても満足度は他のエージェントには劣る点ですね。20代に特化している分、仕方のない部分があるのかもしれません。
マイナビジョブ20’Sのおすすめポイント
- 20代に特化している
- サポートが充実している
- 求人票にない情報も知れる
- 完全無料